ウィード(銀牙伝説WEED)

登録日:2012/01/23(月) 16:10:29
更新日:2024/03/10 Sun 09:19:15
所要時間:約 7 分で読めます




ウィードとは、漫画ゴラクで連載されていた高橋よしひろ作の漫画「銀牙伝説WEED」の主人公。
「銀牙伝説WEED」は作者がかつて週刊少年ジャンプで連載していた作品「銀牙-流れ星 銀-」の続編であり、ウィードは同作の主人公であった銀の息子にあたる。
CV:國立幸

かつて奥羽の双子峠に君臨した巨熊・赤カブトを打倒し、この地に犬たちの楽園を築いた祖父・リキ、及び父・銀に連なる奥羽軍三代目総大将である。
名付けられる前に母親に先立たれた為、作品冒頭では名前が無かったが、偶然知り合うこととなった後の親友・GBから“雑草”の意のウィードと名付けられる。いつでも近くに仲間が溢れている。
なんでカタカナなのかは訊かない。
母の遺言から、まだ見ぬ父、奥羽総大将・銀の元へ長野より旅立つ事になる。



以下ネタバレ含む





【怪物編】
GBとともに辿り着いた二子峠は、度重なる実験により異形と化した怪物の居城となり果てていた。
ウィードはそこで出会ったジェロムら殺し屋軍団と、怪物P4を討伐する。
彼はここで父親から受け継いだ熊犬の血の片鱗を見せる。

二子峠の普通では考えられないくらい広い谷間を、生後半年のウィードはなんと飛び越えてしまう。父親も同じ頃そこを飛び越えており、血の継承を象徴している。

終盤、ウィードとP4は激流に落下する。
そして滝の水流を利用してP4を眼下の流木に叩きつけ、見事勝利。
機転の良さを窺わせるエピソードであり、仲間の剣や影虎も彼には総大将の資質ありと認めた。



【法玄編】
父親の銀ら旧奥羽軍の幹部が法玄軍に襲撃を受ける。
ウィードは父親に逢う使命を果たす為、また後半では正義の為に法玄の打倒を目指し進軍する。

  • 狂四郎との出会い
道中、ウィードは白銀狂四郎という滋賀の不良軍団のリーダーとぶつかる。
しかし、法玄が放った刺客の為に、共闘を余儀無くされる。
なんとか刺客を倒した後、ウィードの統率者としての心意気に感銘を受けた狂四郎は、仲間共々奥羽軍の軍門に降る。
(余談だが、この戦いのさなかウィードの一人称が「ボク」から「オレ」に変化している。熊犬の血の覚醒とリンクしている)

  • 哲心との出会い、奥義習得
その後甲賀の地にて、忍犬の哲心と出会う。
銀に恨みを持っていた(実際は吹聴された妄言だった)哲心だったが、ウィードは仲間や父親を疑わない。爽やかなくらいの正直者である。
一度は敵対したものの、少し間を置いた後に誤解が解けた哲心も奥羽軍に加入する。

そして彼から「絶 天狼抜刀牙」の極意を伝授され、これを習得

後に訪れるであろう強敵との戦いには欠かせない技だが、体力の消耗が激しい。
何、後半になると乱発する?気のせいだ気のせい


  • ジェロムとの齟齬
(詳しい経緯はジェロムの項目を参照)
大義の為に殺すことは許されるのか、生命はもっとも尊ばれるべきものなのか、価値観が対立する。
ウィードの精神がかなり如実に表れたエピソードかもしれない。
これがきっかけでウィードから離れていく者も出たが、すぐに和解した。

  • マーダーS(スナイパー)との交戦
銀の仇敵でもある彼は、銀を殺したと喧伝する。
ウィードは敵討ちとばかりにマーダーSに抜刀牙を喰らわせ戦闘不能に追い込む。
(ちなみに、銀は死んでおらず、マーダーSは逃亡した銀を追跡していたのだ)

銀が死んだと聞かされたときの錯乱、復讐心など、ウィードも決して聖人君子ではないことが示される。だがここからの成長は目覚ましく、まさしく聖人君子に近い存在(?)になっていく。

  • 法玄との決戦
ここからは銀がウィードに急接近する。全然逢えないのだが
旧奥羽軍の一癖も二癖もある仲間たちがこぞって彼を大将と認める中、相変わらず腰の低いウィードは、さん付けを止めろと言われてしまう(その時は止めたが、ロシア編ではまたさん付けしている)。
父子の出逢いはコミックにして第28巻。やっと逢えました。
おまけに抜刀牙で成長報告とはなかなか粋。

親子の時間を邪魔するのは当然ながら法玄。人質までとっている。メル不憫
そしてあろうことかタイマンでの戦いを申し出て、しかもウィードはそれに同意する。酔狂極まりない。

抜刀牙を一度食らっているにもかかわらず、法玄は悪を覚醒してしまったのでウィードはフルボッコ。遂には死神の幻まで見てしまう。
しかし散っていった奥羽の歴戦の戦士たちの魂が彼に命を吹き込み、ウィードは神風に乗った抜刀牙を法玄にお見舞いする。
戦闘不能になった法玄は命乞いをし、多くの仲間が反対する中ウィードだけはそれを受け入れ、見逃すことに。復讐を誓って逃走する法玄だったが、最期は人間に射殺された。


【猿編・番外編】
犬を襲う猿と戦っている幸村たちと出会うが、思想の違いから一時敵対する。
その後、猿が犬を襲うのは「将軍」という存在の指図だと判明。
将軍の正体は、なんとアルビノのゲラダヒヒ。日中は建物に篭り、夜間に猛威を振るう。

ウィードと幸村、そして一部の猿たちは共通の敵である将軍を討伐すべく共同戦線を張り、夜中に奇襲を仕掛ける。
戦いの果てに夜が明け始め、日光に弱い将軍を追い詰める。が、悪役補正により都合よく雷雨発生。日光は差さない。
ウィードは善戦するが押しきれず、ついに……幸村の命と引き換えに、将軍を倒した。
ちなみに幸村の最期の一撃は、奇しくもウィードの抜刀牙に酷似していた。なんという胸熱。

幸村の死後、彼が生き別れの兄だったことが判明。ようやく逢えた肉親をあっという間に失ってしまった。


  • 小雪との出会い
銀が桜と出会った場面と全く一緒、犬種も同じというデジャビュ。
ウィードの奥手さがわかるエピソード。結局のところ可愛い。
ウィードが小雪に告白(→駆け落ち)するシーンはベタすぎて逆に新鮮。


【北海道編】
前までのほんわかから一気に殺伐モードへ。ジェロムはまさしく歩く戦闘フラグと言えよう。

黒幕はヴィクトール少佐。
少佐ごときがと思うなかれ、元帥を名乗る。
ある意味法玄より厄介。

この時ウィードは小雪と熱愛中である。おい主人公。
小雪の強さのお陰で戦地に赴くことができたが、なかなかのヘタレであった(事情があったが)。

しかしウィードは総大将、カリスマ性は半端じゃない。
長野から北海道までに、ついてくる犬(おとこ)たちは1000頭ほどいたという。

ただ、ロシア軍の罠にはまってタイムロスしたのはかなりの痛手だった。
その間、銀ら旧奥羽軍は不毛の地に追いやられ、断水状態に陥る。
そして、銀はヴィクトールに喉笛を咬み切られそうになる。
これはダメだと思った瞬間、ヒーロー見参。

またもや抜刀牙でご挨拶である。
しかし圧倒的有利に関わらず、ウィードは少佐を捉えられない。その間川に沈められたり、海で不意討ちを喰らう。
それでもウィードはなんとかヴィクトールとの一騎討ちに漕ぎ着ける。
軍用犬だけあって隙を見せなかったが、遂に抜刀牙を直撃させる。

余談だが、このエピソードは銀の方がカッコいい。彼もまだ錆びちゃいない。


【ハイブリッド編】
最終章。原点回帰。ハイブリッド(ホッキョクグマとヒグマのハーフ)との勝負。

この時、誠(ジョー)と出会う。
父親を憎む兄。二人を引き合わせるため、ウィードはハイブリッドの討伐に協力する。

一撃でも食らえばほぼ死ぬ、危険な熊との戦い。
攻撃と策略によって、ダムの崖まで追い詰めるが、ここから悲劇が。

抜刀牙を決めきれなかったウィードを庇ってGBが犠牲となる。

あっさりと書いたがかなりの涙腺破壊である。
なんせGBは一巻からずっと登場し続け、最も長くウィードのそばにいた仲間なのだ。

これで半ば自棄になったウィード、死に場所を探すジェロムは我が身をかけてハイブリッドに特攻、ダムに墜落させる。

まさかの主人公死亡。
ジョーは血涙を流す。

と、思われたが、ウィードは人間に助けられ、ジェロムは佐助が介抱する。やるな佐助

そして、ジョーと父親を和解させることに成功。また、小雪は4匹の仔犬を産んだ。ウィードは父親になる。
(後に、三男のオリオンに主人公が引き継がれる)




という具合に、本編は締め括られる。
全編通して注目すべきは、ウィードという犬(おとこのカリスマ性、そして正義観であろう。

「誰にだって心の中にあるだろ……死んでも曲げられないものがあるだろ!!」

「命は尊いもの……どんな命でも、いかなる理由があっても命を軽視する者はオレの仲間にはいらない!」

「どんな理由があろうと犬(ひと)殺しは正義じゃない!」

「許せないから殺すでは争い事はいつまでもなくならない。オレたちだけでも正しく強い志を持って生きるんだ」

「許せる心を持とうよ!!それが優しさだろ!?優しさは絶対相手に伝わる。それが未来を変えるんだ」




追記・修正は小雪に対するウィードの顔面崩壊を見てからお願いします。

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最終更新:2024年03月10日 09:19