エピソード3(デュエル・マスターズ)

登録日:2014/04/15 Tue 00:14:19
更新日:2023/10/02 Mon 17:55:18
所要時間:約 8 分で読めます





無法者たちは、自らの信念と衝動にしたがって、反逆の道を歩み始める。




エピソード3とは、TCGデュエル・マスターズ」12番目のシリーズ。


エキスパンション

  • DMR-09「エピソード3 レイジVSゴッド」
  • DMR-10「エピソード3 デッド&ビート」
  • DMR-11「エピソード3 ウルトラVマスター」
  • DMR-12「エピソード3 オメガ∞マックス」

概要

3年に渡り続いてきたエピソードシリーズ最終章。

5色全てに登場した通常種族アウトレイジと、特殊種族にしてサポート種族ながら多種多様なクリーチャーをサポートするオラクルの対立を描いている。両者の能力も、オラクルがコスト踏み倒しや各種サポートを行うのに対して、アウトレイジは自分達がそれぞれ今までのデュエル・マスターズになかったような極端な能力で戦っていくデザインがされている。

アウトレイジは破壊された時に関するギミックが豊富であり、墓地に関するG・ゼロやコスト軽減の他、墓地からの召喚や「ドロン・ゴー」「シールド・ゴー」を中心に戦っていく。そのどれもが極端であったため、汎用性のあるパーツとしても愛好された。しかしアウトレイジは基本的には新種族デッキを作ることを志向するデザインであるため、不死鳥編期同様にレアリティの高いカードに関しては不満も見られた。特に大々的にプッシュされたドロン・ゴーは、かなり使いにくいことと2種類以上のカードを集めることが必須と言わないまでも要求される。

オラクルは「光臨」によって特定のクリーチャーを呼び出したり、ゴッドやオラクリオンの各種サポートを行う。こちらは既存種族との複合も多く、旧来からのファンにも受け入れられた。目玉であるG・リンクもリンクの幅が広がったことで、かえってデッキ自体は自由度が増している。「自由を否定する」オラクルがデッキの自由度が広く、「自由を追い求める」アウトレイジがデッキの自由度が狭いのは皮肉なんだろうか。アウトレイジが無限、オラクルがゼロを志向している。
これらの扱いにくい要素が多くあった為か、後年アウトレイジのクロニクルデッキが発売になった際にはドロン・ゴーやシールド・ゴーに関する要素は一切収録されず、公式も一切触れないという事態が発生してしまった。

オラクルは《「無情」の極 シャングリラ》を至高神とする宗教であり、一方のアウトレイジはアウトレイジというだけあってスーツに身を包んだ無法者集団である。
アウトレイジの見た目や背景ストーリーでの一部カードでの扱いは悪役に近いが主人公の種族である。もっと言うなら、民を見下しているなど酷い部分の描かれるオラクルの、ヨミやイズモの行動は全てが悪とはいえないものであり、オラクル教団も平和を真に志向するものもいたりするなど、割と正義と悪を明確に分けていない。
これはこのシリーズの最大のテーマである、「平和」と「自由」に関係する。
エピソード2の王道少年漫画展開からより進んだ、青年漫画のような展開(コードギアスやアカメが斬るのような)っていうとわかりやすい。
また劇中で1万年後の世界観や単独種族、転生など転生編や不死鳥編を意識した展開が見られる。

オラクルやアウトレイジの見た目は、既存クリーチャーに近いものもいるが、中には「目が見えている」美青年や美少女のクリーチャーも多い。
国産TCGでは遊戯王やバトルスピリッツ、ヴァンガードに比べるとこういった系統のクリーチャーはそれまで存在していなかったことが特徴とされていたデュエル・マスターズだけに、かなり話題となった。
兄貴分であるMTGにも遅れているが、あちらは目が出ていてもホラーテイストであるため、アウトレイジやオラクルの「萌え」系カードはない。そう、デュエル・マスターズにおける「アイドルカード」や「イケメンカード」とも言えるクリーチャーの大半はここ。あと、大きな声では言えないが「壊れカード」がアウトレイジを中心に多め。
ちなみに人系のキャラが増えたのは「平和な世界」となった事や、次回作のドラゴンサーガの伏線として意図的に異色に、またタカラトミー的にはWIXOSSへの試験作的な
意味合いがあったらしい。

評価

エピソードシリーズの中では、カードが特定のデッキタイプの強化に偏っていた点、
エグザイル・クリーチャーが思ったより使いにくい点、新能力の方向性がバラバラでデッキとしてまとめにくいこと、
途中でオラクルのフィーチャーするゴッドがゴッド・ノヴァからゴッド・ノヴァ OMGに変わったことなどから、あまり評判は良くない。
こう書くと深刻そうだが極端に評判が悪かったわけではなく、アウトレイジやオラクル側で強力なデッキパーツとなりうるクリーチャーも増えたので良い評価をあげるものも多く、
エピソードシリーズにつきものだった「ださいネーミングセンス」が解消されてきており、また今までとは別方向のクリーチャーが増えたことで、
このシリーズがあったことでデュエル・マスターズにいろいろな方向性を見つけることも可能になったとも言える。

なお、転生編不死鳥編ほどではないが売上は落ちているが、これには2011年以降の版権、
新規TCGの乱発による業界の不振が響いているという意見もあり、単にデュエマ自体の変化のみで売上減少の理由を求めるのは難しいという意見が多く、
実際遊戯王やヴァンガ、バトスピなどが売り上げが落ちており、(コンマイやブシロの評判が悪かったせいもあるが)寧ろデュエマ側の評価は高かった方。


背景ストーリー

エピソード2が1の少し後を描いたのに対して、エピソード3は2の1万年後の世界である…がエピソード2のあらゆる事象が1万年後にも尾を引いてしまっているようだ。
戦乱続きの世界はオラクル教団によって平和になった。だが、それは厳格な規律と反逆に対する罰による恐怖の支配によって作られた『平和』であった。もっとも、弱き民にとって、この支配による平和は必ずしも悪くはなかったようだが…。オラクルは「沈黙」と「停滞」をもとに教義を定め、各地にアースイーターを放ち恐怖による支配を行っていた。

一方、そんな自由なき平和を良しとしない者達がいた。彼らは体の一部を武器に変えることができ、その力でオラクルの支配を破壊しようとしていた。ルールに縛られない無法の民、アウトレイジ。彼らの出自には隠された秘密があるようだが…?

背景ストーリー的には本作を最後に舞台となる世界観を変更しており、基本セットから続いた物語は本シリーズで一つの区切りというか決着をつけている。
一応、次回以降のシリーズの世界設定にこそエピソード3以前の背景ストーリーも絡んでは来るが、深くは関わってはこない。
基本セットから背景ストーリーを追ってきたユーザー的には、感慨深い物があるだろう。
ただし、DSシリーズ時期に発売されたDMD-26「マスターズ・クロニクル・デッキ サバイバー進化論 α to Ω」では、エピソード3後と思われる世界情勢が語られており、基本セットから続いた世界での物語はまだまだ終焉を迎えたとは言い難い(エピソード3後も全く平和になっていない可能性すら指摘されている)。

勢力別の動き

アウトレイジ

オラクルに反旗を翻し、エピソード3第1弾「レイジvsゴッド」でオラクルを攻撃、第2弾「デッド&ビート」時には既に壊滅させ、ヨミを殺害している。しかしその後仲間内で抗争をはじめる。本当に主人公の種族かこいつら。第3弾「ウルトラVマスター」のころ、《地獄魔槍 ブリティッシュ》がオラクルに味方する。《武闘将軍 カツキング》は彼を目覚めさせるために向かうのだが…

伊原版で描かれるクロスファイアやテスタ・ロッサのストーリーは、エピソード3では実は横道の話。エピソード3の本来の主人公は特に決められてはおらず、個々が個々に活躍している。それでも最も活躍が記録されているのはカツキングであろうか。

同時期に個体数が減っているハンターが、どうやらアウトレイジとは深い関係があるらしい…とオラクルの裏教義には記録されているらしい。。

オラクル

神人類 ヨミ》は自分の愛する後継者《イズモ》とともに世界を恐怖で支配し、更にオラクリオンやゴッド・ノヴァを生み出すも、アウトレイジのエグザイルによって殺される。後を継ぐはずのイズモも失踪し、教団は信仰を求めるものと平和を求めるものとに分裂することになる。

なお、この時マントラ派が台頭するが、イズモが戻ってくるとマントラ派が分裂する意義を失ってしまう。また、カルマの位はオラクルにおいて何を考えていたのか、伏線はまだ回収されていない。

ハンターと関わりのありそうなアウトレイジにくらべ、こちらはアンノウンに影響を受けているようである。

ハンターエイリアン

極小数ながらこの時代にも生き残りはいるようである。彼らはアウトレイジvsオラクルの闘いに直接は関係せず、見守っている。

ところで、なんでリュウセイプリンはコールドスリープしてたんですか?おまけにこの時代に、子作りまでしちゃう。
なお、彼らがいることで、アウトレイジとオラクルの秘密が明かされていく一面もあるにはある。

トライストーン

この時代にも生き残っていたが、自分達の存在意義を問いなおす結果となる。
そして、それがこのエピソード3では最後に問題を引き起こしてしまう…。



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最終更新:2023年10月02日 17:55