銀河戦士団(星のカービィ)

登録日:2014/04/13 Sun 06:14:11
更新日:2023/08/30 Wed 23:33:42
所要時間:約 13 分で読めます








銀河戦士団とは、テレビアニメ版『星のカービィ』に登場した組織のことである。
本作の設定の一つ「星の戦士」についても少し触れる。



概要

本編開始前、メタナイト卿をはじめとする「星の戦士」達が所属していた組織。
闇の帝王ナイトメアに対抗するために結成され、一大戦争「銀河大戦」に身を投じた。
早い話がスーパーヒーローの集まり。


所属する星の戦士は、証として星型のエンブレムを装着する。
中には星がついていない者もいるが、理由は不明。
殆どがメタナイト卿のように何らかの形で素顔を隠しており、逆に素顔で活動する戦士の方が稀。
登場したキャラクターのうち名前が挙げられた人物はごく僅かで、むしろモブキャラの方が多い。
そのモブキャラも何故だか(見た目が)ダサいデザインの個性豊かな面子で占められており、
1~2頭身が基本かと思ったら、明らかに人間並の頭身をした者までいる。


↓こいつ




本編の時点では既に消滅しているものの、本作の世界観に大きく関わってくる重要な存在。
…なのだが、実際には星の戦士云々を含めて全100話中で関わっているのはたった16話程。
それというのも他のエピソードが時事風刺やパロディーばかりで、肝心の本筋がおざなりにされたせいである。
結果的に銀河戦士団関係の全貌は断片的にしか判明しておらず、未だに謎が多い。
フロム脳ホイホイにしてはいささか投げっぱなし過ぎるんじゃなかろうか。

この辺に関しては当時、どうしても気になって仕方ない一部の視聴者から
「なんで大して重要でもない話しか流さないんだ」などと批判されることもあった。
しかし悲しいかな、今はネタアニメとしての方が有名なのに加え、アニメ版世界の再展開も絶望的であり、これ以上の情報公開には期待できないのが現状である。
キャラ的にもゲーム版へのゲスト出演も難しいだろう。


本項目では判明した限りの設定から、多少の推測・考察を交えた場合があることにご了承頂きたい。


星の戦士

星を守る使命を帯びた戦士のこと。先程も言ったがスーパーヒーローのような立ち位置にある。
違う世界の星の戦士とは関係ない。
なお、海外版では銀河戦士団という設定が無いので全員が星の戦士と呼称される。
(デデデの装甲車の迷彩柄もそうだが、海外では軍隊を連想させる要素がことごとくNGらしい)


出自

そもそも星の戦士の出自は「魔獣」が起源とされている。


魔獣は本来、ナイトメアが悪夢から創造した生物である。
だが、彼らの中で正義の心に目覚めたイレギュラーな個体達が反抗。
ナイトメアから離反すると、宇宙の平和を守るために銀河戦士団を結成し、立ち向かった。
これなんて仮面ライダー?

第3話で端的に語られ、示唆される程度だが、カービィもナイトメアが創造した失敗作の魔獣である。
この定義は当然カービィ一人にだけ当てはまるものとは言えず、
メタナイト卿など他の星の戦士達も、かつて魔獣として生み出されたという可能性が強く残されている。
更にその末裔(ナックルジョーなど)も血を引いている可能性が……*1

また、同じ魔獣の中でもマンビーズ*2星の戦士を死ぬまで執拗に攻撃するという、アンチ星の戦士とも言える危険な生態を持つ。
失敗作を始末するためと言わんばかりの攻撃的な性質はまるで処刑執行人のようである。


作中で語られる数百年単位、或いはそれ以上の年数から察する限りでは、通常の生物より遥かに寿命が長い*3
星の戦士としての力を蓄えるにはこれまた長い時間を要するらしく、
一旦眠りについたカービィが第1話で目覚めた時には、予定より200年早いせいで言語・思考ともに未成熟だった。
つまり、あと200年経てばポヨポヨ言うだけのカービィが流暢に言葉を話せるようになるのである。
…想像しづらい。


銀河戦士団および関係者

旧世代

  • メタナイト卿
言わずと知れた1頭身仮面。
銀河大戦時代の生き残りであり、誰よりも当時の絶望な戦況を思い知らされた星の戦士。
ゲーム版と姿が変わらないので想像つかないが、本当はかなりの高齢らしく、デデデ大王が彼を部下にした理由も「現役を引退した老いぼれジジイだから安く雇える」。
敗戦後も宇宙戦艦ハルバードの設計図を持ち越し、カービィと出会ってからは彼を鍛えることに注力した。


  • オーサー卿(金)
  • パルシパル卿(緑)
  • ノイスラート卿(白)
  • パラガード卿(紫)


銀河大戦時代の生き残り。
オーサー卿は銀河戦士団のリーダーで、パルシパル卿は銀河戦士団において最強の戦士。
その他はよく分からない。ノイスラート卿は話によっては『ノンスラート』とも。
本人達よりも先にチョコカプセルのフィギュアとして先行的に出ており、珍しい登場の仕方をしている。

メタナイト卿からは戦死したと思われていたが、実は生存してナイトメアの本拠地に潜伏。
カービィとメタナイト卿達の発起を待ち続けていたのである。
決戦ではナックルジョー、シリカと共にデスタライヤーを奪取、ハルバードの進撃を支援した。


名前の由来はアーサー王と円卓の騎士からだと思われる。それぞれ
  • オーサー(アーサー王)
  • パルシパル(パーシヴァル)
  • ノイスラート(ランスロット)
  • パラガード(ガラハッド)
からだろうか。




メタナイト卿の同僚でナックルジョーの父親。故人。
どういうわけだか正式名が一貫して不明のままである不憫な男。
あのプププ大全でも名称は「ナックルジョーの父」表記で、結局本名は明かされなかった。
(海外ではこれじゃ呼び辛いからか、ファンは便宜上ジェクラ(Jecra)と呼んでいる・・・らしい)

息子が後に格闘家となったのに対し、彼は剣と盾で戦うスタイル。
銀河戦士団でも一、二を争う実力者だったらしく、戦士達から敬意を払われていた。
恐らくパルシパル卿と同列の強さだったのだろう。

戦地でキャンプ中の隙を突かれ、ナイトメアの魔獣に拉致された後に洗脳を施されて帰還。
メタナイト卿と戦った末に自我を取り戻し、息子の写真入りペンダントを託して力尽きた。
後にこのペンダントはナックルジョーの窮地を救う一手となり、自身も息子の夢の中に現れてペンダントの隠された意味を示唆し、間接的に助力した。


  • ダコーニョ軍曹


メタナイト卿直属の部下。仮面はつけていない。
旧日本軍風の帽子を被った茶色い毛むくじゃらの1頭身で、絵に描いたような厳しい鬼軍曹である。

銀河大戦の何処かでメタナイト卿と別れた後、ポップスターの南の無人島に行き着いていた。
戦争が終わった事を知らず戦い続けており、漂着したカービィ達にスパルタな特訓を課す迷惑ぶりを発揮。
しかし、ブンがたまたま持っていたメタナイト卿のサバイバルナイフ、誰が呼んだかメタナイフで彼らの話をようやく信用し、終戦を理解した。
この時の彼は文字通りの老兵であり、魔獣1体を相手取る力は既に無かった。
戦いの中で命の危機に瀕するも、それを救ったカービィと彼の秘めた力を目の当りにして「新たな星の戦士」の可能性を感じ取り、希望を見出した。

カービィ達が島を出る時は「いつか必ず駆けつける」と約束を交わし、彼らを見送る。
その宣言どおり、後にナイトメアとの最終決戦時に駆けつけメタナイト卿と再会した。
ナイトメア大要塞の戦闘ではコックカワサキ、トッコリと共に要塞中枢で時限爆弾のセットを実行し、因縁の敵に一矢報いる働きを果たした。




銀河戦士団の味方であった裏切り者

片目に傷跡があり目も真っ赤の恐ろしい男。
かつて忍者部隊に所属した実力者で、そも忍者は神出鬼没の戦いぶりに敵から恐れられていた。
しかしヤミカゲは突然ナイトメア側に寝返り、まんまと大戦を生き延びる。ニンジャ殺すべし、慈悲は無い
刀や手裏剣の扱いに長けるだけでなく、強風を発生させる「風神の術」を会得している実力者であり、メタナイト卿にもその力を警戒されるほど。

詳しくはヤミカゲの項目を参照。



  • ガールード


作中で確認できる限り唯一の女性団員で、シリカの母親。故人。
仮面をつけておらず、「銀河戦士」の称号を持つ。

メタナイト卿と共に宝剣ギャラクシア奪還の任を与えられ、共に闇の洞窟へ向かった。
その先で魔獣キリサキンとの戦いの末、身を挺してギャラクシアを取り戻し、そのままメタナイト卿に託して死亡。
ギャラクシアは力無き者を拒む剣ゆえに必然の犠牲であった。
だが、娘には歪曲された形で事実が伝わり、共に戦ったメタナイト卿が狙われる事になってしまう。


新世代

  • カービィ
銀河戦士団にとって一筋の希望とも言うべき、新たな星の戦士。
無敵のナイトメアを打ち破る唯一の方法を秘めていた。
カービィの成れの果てがあのしいたけことギャラクティックナイトではないか、という考察は非常に有名。ベースカラーがどちらもピンクだったり、上記の銀河戦士団の面々はガールード以外ほぼ全員仮面を着けている=男性の戦士は仮面を着けれるのだろう、などの意外と説得力ある理由が挙げられるが、世界観の違いを始めとした矛盾点等から未だ確信には至っていない。第一強みであるコピー能力を潰してまでランスを使う必要性があるのかという疑問もあるし。


  • ナックルジョー
格闘家の少年。
自分の父親がカービィに殺されたと勘違いし、敵討ちのためにプププランドを襲撃した。
その前にはカスタマーサービスの細工で一時的に魔獣の身にされたが、そもそも星の戦士の出自を考えると・・・
戦闘後は無事に和解し……たと思ったらナイトメア社に寝返った……フリをして裏切り、腹いせに送り込まれた魔獣に命を狙われるなど、出てくるたびに何かと忙しい。
最後はナイトメア大要塞にてデスタライヤーを駆り、メタナイト卿らの危機を救った。


  • シリカ
冷酷な女戦士。しかし本来の口調は歳相応の勝気な女の子。
初めはガールードの死がメタナイト卿のせいだと思い込み、命を狙っていた。
ナックルジョーのように肉体を細工された訳ではないが、ナイトメア社製の万能武器「クロスガン」で破壊の限りを尽くす様は魔獣にも等しい危険人物。
(ただし、ナイトメア社製であることを彼女が知っていたかどうかは怪しい。最後まで触れられることは無かった)
和解後は再び宇宙に旅立ち、最終決戦でオーサー卿、ナックルジョーらと共にカービィ一行を助太刀した。

見た目・声ともにアニメ版のゲストキャラでは特に可愛いともっぱらのウワサ。


その他

  • 石の賢者カブー
予言能力を持つ石像。ププビレッジでは重要文化財に指定。
その実態は星の戦士を守るためのシェルターで、宇宙各地に存在しておりマンビーズとは対の関係にある。
多少の攻撃にはビクともしない強度が特徴。
カービィのワープスターは普段この中に隠されており、フームの掛け声に呼応して口から飛び出す。


  • ザコ兵士
チョコカプセルのフィギュアでのみ登場。
どうやら下位の戦士も存在したようである。
他のモブ戦士と違って、いかにもひ弱そうな外見。
この様子だと銀河戦士団が負けた原因って、敵の物量作戦だけではないんじゃ…


武装

少なくとも宇宙戦艦は所有していたようだが、肝心の戦士達は近接武器ばかり使っているように見える。
まあ宇宙戦争と言っても艦隊戦ばかりじゃないし。
白兵戦を重視していたか、或いは(材料不足等で)艦船が不足していたのかも知れない。


星の戦士の間ではエアライドマシンという乗り物もあった。簡単に言ってしまえばエアライドの販促
カービィのワープスターと同種で、言い換えるなら騎馬のようなもの。
多くは大戦中にナイトメアが奪ったようで、自社のライダー達に使わせている。


銀河大戦

ナイトメアと銀河戦士団のあいだで勃発した宇宙戦争。
そこ、スターウォーズとか言わない



ガールードの犠牲によるギャラクシア奪還などを経て、星の戦士達は賢明に抵抗した。
それでも戦況は芳しく無かったと言える。
何故なら幾ら倒したところで、魔獣が永遠に思えるほど送り込まれてきたからだ。
無尽蔵に創造される魔獣の大軍に敵うはずもなく、劣勢に追い込まれていくのは当然だった。

やがてナックルジョー父の死、ヤミカゲら忍者部隊の裏切りが重なり、戦況は悪化の一途を辿る。


最終的に、銀河戦士団はメタナイト卿や極一部の関係者を残して全滅
あまりにも残酷な幕引きであった。
特に親しい同僚の死を2度も目の当りにし(語られないだけで更にあった可能性も)、裏切りに遭い、部下を見失い、
従者を見つけるまで一人きりだったであろうメタナイト卿の心中は察するに余りある。


このように大量の人命が失われた、死屍累々の壮絶な負け戦であり、
普段のアニメカービィからは想像しがたいほど悲惨で陰鬱なバックボーンである。
ある意味これもまた黒い任天堂
一部では「チップ先生が指摘した『デデデの成長を止めるほどのトラウマ』はこの銀河大戦では?」という考察もある。


その後、宿敵たるナイトメアが討ち滅ぼされる時が来るまで、実に長い時間を要することになる。



おまけ・年表的なもの

作中で語られた銀河戦士団絡みの出来事を時系列にしてまとめると、だいたい以下のようになる。
(※)がついたものは具体的な時期が不明確であることを示しており、
他の確定した出来事を基準に推測や独断込みで並べた。






追記・修正は銀河大戦の生き残りにお願いします。


出典:テレビアニメ『星のカービィ』ア・ウンエンタテインメント スタジオザイン 任天堂 ハル研究所 中部日本放送 電通
4話(1枚目):2001年10月27日、19話(2・4枚目):2002年2月9日、22話(5枚目):3月2日、24話(6枚目):3月16日、60話(7枚目):12月7日、99話(3枚目):2003年9月20日
(c)Nintendo/HAL Laboratoly.inc・CBC. All Rights Reserved.
この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 星のカービィ
  • アニメカービィ
  • アニカビ
  • 銀河戦士団
  • 星の戦士
  • スーパーヒーローチーム
  • 投げっぱなし
  • フロム脳ホイホイ
  • 不遇
  • 敗北者
  • 壊滅
  • 組織
  • ヤミカゲ
  • メタナイト卿
  • ナックルジョー
  • シリカ
  • ガールード
  • ヤミカゲ
  • ナイトメア
  • 魔獣
  • 絶望
  • 銀河大戦
  • ダコーニョ軍曹
  • 黒い任天堂
  • 星のカービィキャラクター項目
  • 一覧項目

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年08月30日 23:33

*1 ナックルジョーは一度魔獣として形態変化を起こしており、更にその前後でも色が黒っぽい。まさかナイトメアに魔獣の血を覚醒させられたのだろうか…

*2 初代カービィに出てきた包帯グルグル巻きのボール。シリーズでは数えるほどしかいない吸い込めない敵キャラ

*3 ただし、そもそもの「一般的な平均寿命」が作中世界ではどうなっているのか不明であり、現実との比較に過ぎない。事実デデデ大王がまるで数百年を生きてきたかのような台詞も作中に存在している。