ジン(名探偵コナン)

登録日:2014/04/06 Sun 22:42:04
更新日:2024/04/20 Sat 14:45:27NEW!
所要時間:約 30 分で読めます





フン…黒と黒が混ざっても…
黒にしかならねぇよ…



ジンとは、漫画名探偵コナン』の登場人物。

CV:堀之紀
演:佐々木蔵之介(ドラマ版)

●目次




【概要】

原作・アニメ共に第1話『ジェットコースター殺人事件』から登場。

長い銀髪(アニメでは途中まで金髪だった)に黒いコートと帽子が特徴的な、長身痩躯の男性。
犯罪組織・黒の組織の一員にして幹部で、工藤新一APTX4869を飲ませ、子供の姿に変えた張本人である。
大体は弟分のウォッカと共に行動する。

愛車は黒塗りのポルシェ356Aで、ジンのお気に入り。
作中でも「ポルシェ」「黒いポルシェ」で通じてしまうほど「ジン」=「ポルシェ356A」の印象が強い模様。
ウォッカと二人きりで乗ることが多いが、たまに後部座席にベルモットが乗ることも。
アニメで描かれている車のナンバーは当初は【新宿34あ4869】であったが、その後は【新宿500み4368】【新宿54み4368】などに変更されている。犯罪者であることを考えるとナンバープレートを弄っていても何らおかしくはない。

使用する拳銃は、原作では「ベレッタM1934」、アニメでは「ベレッタM92」。
劇場版『天国へのカウントダウン』においては「コルト AR15A2 デルタ HーBAR」なるスナイパーライフルを用いて狙撃を行った他、
『黒ずくめの謀略』では対物用ライフル「シモノフ PTRS1941」を使用して、走行中の車に乗る人物を撃ち抜いた。

主に組織における戦闘・暗殺・裏取引などを担当する部門の実行部隊のリーダー格を務めており、総帥たる「あの方」から直接指示を受けるなど、組織の中でも重要な地位に就いていると思われる。
ただし基本的にコードネームを持っている者は同格で(一人だけ格上の例外がいるが)、ジンがリーダー的な立ち位置にいるのはたまたまらしい。
とはいえ、トップ二人からの扱いを見る限り一応他の多くの幹部達よりかは組織の中枢に近い存在のようだ(詳しくは後述)。



【人物】

初対面の新一に、冷や汗交じりで「平気で何人も殺してきたような冷たい目をしている」と指摘されたばかりでなく、「殺した人間の顔と名前は忘れることにしている」という本人の台詞からも相当の人命を奪ってきたであろう危険人物。
というか現在進行形でも、物語開始以降は(主に組織内の粛清とはいえ)何人もの人間を手にかけている。
灰原哀の姉の宮野明美もまた、彼が殺めた被害者の一人である。

「疑わしきは罰せよ」を信条とし、敵対者は勿論、組織にとって不利益になる(あるいはなりかねない)と判断すれば同じ組織のメンバーや一般人も容赦なく手に掛ける。
その際は確実に殺すためか、銃で狙う場合は頭部にする(他人に撃たせる場合も含む)ことが多いものとコナンは推測している。
……が、その設定が出てきた赤井秀一殺しの場面以前に頭部を狙ったのはピスコ抹殺およびシェリー(と勘違いした鈴木園子)暗殺未遂の時くらいであり、作中においてはむしろ頭部以外を撃って(撃たせて)殺す事の方が多い位である*1
また、殺害する標的の口の中に銃口を突っ込み残虐な言葉で煽るなど、獲物に恐怖を与えつつ精神的・肉体的に追い詰めることを好むサディスティックな一面も持つ。

こんな感じで、敵のみならず組織の人間さえ平気で切り捨てることもある冷酷な人格の持ち主。
だが、アニメでは同僚のキャンティとコルンに「しっかり頼むぜ?お二人さん」*2と言うなど、何だかんだで仲間を気遣ったりする場面もあったり。
また、兄貴分としてウォッカには何かと世話を焼いてやったり逆に焼かれたりしている。

髪の毛に関しては、カラーイラストを見る限り原作では初期から銀髪だったようだが、アニメでは途中まで金髪だった。
テレビSP『黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー』からはアニメでも銀髪になった。
何かと因縁深いFBI捜査官の赤井とは同じく左利きで、そのためかつて彼の正体が判明するまでは実は同一人物なのではないかと疑っていた読者も存在したらしい。この説については公式ファンブック『コナンドリル』(2003年4月発売)でも検証がなされている。

初登場の頃はまだ設定が固まっていなかったのか、帽子を押さえたり新一に薬を飲ませたりする時には全て右手を使っていた*3
もっとも、最近の原作のエピソードでも右手でライフルの引き金を引いているシーンがあったので、実は両利きなのかあるいは訓練により両手で銃火器を扱えるようにしているのかもしれない。

正確な年齢は(というかプロフィール自体ほぼ)不明だが、作者は読者からの「ジンは30歳超えていますか?」という質問に対し「いってるかも」と発言している。

煙草を吸っているシーンが多く、銘柄はゴロワーズ・カポラルを愛飲している様子。ちなみにマッチ派。
吸った後は車の窓から走行中にポイ捨てするなどマナーはあまりよろしくない。敵に尾行されて唾液や指紋からDNA鑑定で正体を突き止められたらという心配などするまでもない、ということなのか?

『そして人魚はいなくなった』で福井県の美國島を訪れた際は「儒艮(ジュゴン)祭り」の名簿に宮野志保の名前と共に「黒澤陣」と記名しており偽名の可能性もあるが、
『ラブ・コナン』(2004年版)内のインタビュー『「あの方」の正体が知りたい』では、ファンからジンの国籍を問われた際に「裏設定では黒澤陣っていう名前」と作者が答えていることから、これが本名と見て良さそうだ。
この名前からして日本人だと思われるが、ベルモットとのプライベートなやりとりでは彼女から英語の長いメール*4を送られていたため英語にも通じている可能性があるし、『純黒の悪夢』のノベライズでは現地のドイツ人相手にドイツ語で話していたため、複数カ国語を操れるようだ。


かくして組織の主力を担う強敵として、ジンは今日もコナンの前に立ちはだかる……。



【劇中での行動】

……とまあ、真面目な項目ならこんな感じの説明になると思われるし、作中でも当初のジンは概ねこんな感じだった気がする。
読み直すと初回からかなりアレだが

では、そんなジンの兄貴の武勇伝(???)を振り返ってみよう。
  • 黒服の大男2人で、列に割り込んでまでジェットコースターに乗る……目立ちすぎるよね。
    さらに言うと、この格好で大人2枚分を買ったということになる*5
  • 殺人事件に巻き込まれ、警察が来た途端ビビりまくり。
    懐に銃やらAPTX4869やら色々まずい物を抱えていたので、ミスして組織に処分される可能性を考えると当然だが……。
    あの場に新一がいなかったり、新一や警察が無能だったりしたら真っ先に捕まるのはこいつらだろう。
  • 初対面の新一に「平気で人を何人も殺してきたような目」と一瞬で本性を見抜かれる。
  • 事件の容疑者が出てくると、さっさと逮捕させてその場を離れようと「おらおら、犯人はそのアマで決まりだ!!早くオレ達を帰してくれ、刑事さんよ!!」と思いっきり怒鳴り散らす。なお、その様子を見たウォッカは後ろで冷や汗を浮かべながら引いていた
  • 真犯人の友人が(真相を知らずに)庇おうとして、被害者の後ろにいた自分たちに疑いを向ける→思いっきりビビる
    →新一がそれを否定すると冷や汗をかきながら安心する。ただし警察にビビっていたことは周囲にもバレバレで新一にも言及される。その後よく職質されなかったものだ……。
  • 取引を目撃した新一の始末に「が検出されない、完全犯罪が可能なシロモノ」とする薬を使用しようとするが、直前で新一の後頭部を殴りつけている。このまま死なせたら「頭部に外傷あり」となってしまうので、確実に警察が動き出しちゃうんじゃ……*6
  • そもそもその薬をジンは「まだ人間に試した事はないがな…」と言っていたが、シェリーの所有していたリストにはその時点ですでに数十人は被験者がいた。
    シェリーの関与していない古い時代からのリストなので何年も前から試しているはずなのだが……。
    一応、ジンが試したのはシェリーが復活させたバージョンではあるようだ。
  • 宮野明美を殺害した後、彼女の策に引っかかって偽のロッカーキーを掴まされたことで10億円を回収しそびれてしまう。
    彼女を始末するという本来の目的は達成しているものの素人同然の相手に上手く騙されて10億円をふいにしてしまうとは……。
  • 「木端微塵」という会話を盗聴していたコナンが「こっぱ…」と言ってしまった際、「こっぱ64!」で誤魔化される。
    (アニメ版では見た目が似ているだけの別の犯人になったが、原作派からはジン本人のネタ要素に挙げられがち)
  • 珍しくて目立つ、記憶・記録に残りやすく持ち主が特定されやすい、ハンガー1本でこじ開けられる一昔前のロック……
    と明らかに非合法活動に不向きな外国のクラシックカーを愛車にする*7
    実際車から自身の存在に気付かれることが度々ある上、車を離れている間に発信器と盗聴器を仕掛けられたことも。
  • 2人で都会の道路を堂々と横断し車を急ブレーキさせた挙げ句、アニメでは抗議した運転手の1人を睨み付けて怯ませる。
    無駄に目立つ。というか、本当に轢かれないかと見る側としては心配になるレベル。いくらなんでも不死身なわけじゃないでしょ?
  • 自分のポルシェに人が近寄った形跡に気付いて訝しむも、ウォッカに「通行人が見てたんじゃないですかい?兄貴の車珍しいから」と言われると一転してご機嫌になる。ちなみに愛車のことは「ドイツの雨ガエル」と表現している。
  • ホテルの屋上でシェリーの肩を撃ち抜いて「綺麗じゃねーか…闇に舞い散る白い雪…それを染める緋色の鮮血…」などとドヤ顔でポエムを披露。
    死に花を咲かせてやろうと思ったという理由で、彼女がホテル旧館の酒蔵の暖炉の中に隠れているのが分かっていても殺さず屋上に登るまで待った結果、シェリーの仲間(もちろんコナン)からの妨害を喰らって逃げられる。
  • シェリー(灰原)の真相やシェリーの仲間が子供であることを知っているピスコを射殺して色々と知る機会を逃す。
    殺害はあの方の指示によるものだが、その前に人の話はちゃんと聞いてから消しましょう。
    時間を惜しんでor反撃を警戒して問答無用で殺すならまだしも、これからお前を殺すと宣言して理由について悠長にお喋りしていたのに、相手が核心に迫る話をしようとし始めた途端に雑談を打ち切り殺すという謎ムーブ*8
  • シェリーはもうこの街から去っているはずと勘違いして、近辺での捜索を打ち切る。
    まあ彼の思考を読んだコナンに止められるまで灰原は「明日にでも出ていく」と言っていたので、強ち的外れな推測でもなかったが。
  • ベルモットと肉体関係があることを仄めかす。ちなみにジンが知っているか否かは定かではないが、彼女は下手すりゃ50歳以上。
    また二人のこの関係が仄めかされた回ではバーの歌姫の歌声に聞き惚れていた様子(ウォッカに指摘された時もベルモットがジョークでからかった際にもこちらは特に否定していない)。
  • コナンが隠れているコインロッカーを開けかけたにもかかわらず、数瞬の差で「こんなロッカーに大の大人が隠れられるわけがない」と思い留まって帰る。
    常識的に考えれば当たり前の考え方だが、最初から気付けと誰もが突っ込んだはず。結果的にウォッカをドン引きさせただけで終わった。
  • 殺害人数が多いので仕方が無い面もあるが、殺した(と自分が見なした)相手の顔と名前を忘れてしまう。ウォッカは新一のことをちゃんと覚えていました。
    そもそも1話では高校生探偵・工藤新一の事を知っていたのに……しかも彼は現在もなお作中での知名度は非常に高く、モブキャラですら工藤新一の名前を聞けば大抵は反応を示すほど。殺したら忘れる謎の病か?
    それにしたって「APTX4869使用者リスト」には「工藤新一 (生死)不明」と載っていたので、シェリー(灰原)が書き換えるまで、組織は「工藤新一の生死の確認は取れていない」と認識していた。また、工藤新一にAPTX4869を使用した事は兄貴本人による行為と考えるのが自然なのだが、そんな特殊なケースを何故忘れるのか……?
    ちなみにその後アイリッシュに「工藤新一を知っているか?」と聞かれた時にはまた忘れていたり。
    流石に明美や(直接手を下したのはキールだったという状況とはいえ)赤井など組織の一員だった人間が対象であればキチンと覚え続けている模様。
  • 他人が殺した人間でも漏れなく忘れてしまう。一応、自分で殺した人間と違って頑張れば思い出せる感じだが。
  • シェリーが絡んだことによる驚異の嗅覚で自分たちのことを盗聴していると踏んだ毛利小五郎「聞こえるか?毛利小五郎…」など朗々と語りかける。
    (なお、おっちゃんは競馬中継を聴いていただけ。)
    この時、ジン達は大胆にも真っ昼間から向かいの小さな建物の屋上に雁首そろえて構えていた。
    確かに彼の立場では勘違いするのも仕方無い部分*9はあるが、「発信器に指紋が付いているから奴とその周囲を調べれば誰だか分かるはずだ」と言うのなら、念のため先に調べて確認を取っておくという選択肢はなかったのだろうか?
  • 盗聴器を仕掛けたのが小五郎ではないという疑惑が濃厚になりつつも、引っ込みが付かなくなって半ばヤケクソで小五郎とコナンを殺すように指示。「疑わしきは罰せよってやつですね、兄貴!」
    ベルモットに「確証も無いのに警察と関わりの深い彼をここで殺すのはリスクがある」と一理ある指摘を受けるも反発して彼女に銃を突き付けた直後、赤井が出張ってきたので敗走。
    この時700ヤードの距離から撃たれており、アニメでは震え声になっていた*10。兄貴はFBIに嵌められたと思い込んだようだ。
  • 劇場版にて髪型を変えた園子をシェリーと間違え、射殺しようとする。
  • キャンティに指示して、東都タワーにいたアイリッシュを始末させる。この時アイリッシュはコナン=新一という超重要な情報を入手して、コナンの拘束にも成功していた。
    もっともアイリッシュが手柄を奪われないよう情報を隠していたためジンにそんなことを知る術は無く、タワーの入り口に警察が既に着き始めていたのでアイリッシュは逃げ切れないと判断したという事情も一応あった。
    しかし、その後ジン達は発見した謎の人物(例によってコナン)を長時間ヘリから銃撃しながら屋上まで追い立て、時間に焦る様子も無く彼の顔を確認しようとのんびり眺めていたので、
    いたずらに幹部級の戦力を減らさなくてもその気になればアイリッシュをタワーの屋上かどこかからヘリに引き上げられたのでは?という声も。
    まあ、アイリッシュはジンを失脚させるための行動を取っていたので、ジン個人にとってはファインプレーかもしれないが……。
  • アイリッシュを葬った後、自由の身となって逃走するコナンを仕留めるべく東都タワーを派手に銃撃で破壊しまくったが、逆にヘリを撃墜され愕然とする。
    「なんだ……?何者なんだ……!?」
  • 起爆装置のスイッチを押す直前に安室透爆弾を解体される→スイッチカチカチ→ブチキレてリモコンを思いっきり踏み潰すも全く壊れず。
  • ピンガが重大な情報を入手したことを(挑発混じりではあるが)宣告していたにもかかわらず、わざと組織の潜水艦の自爆に彼が巻き込まれて死ぬよう仕向ける。
    海洋施設パシフィック・ブイの老若認証システム*11は当てにならないクソシステムと組織の中で結論付けられたので、ピンガがそれを使って導き出したコナン=新一という情報は無意味と化してしまったものの、毛利小五郎と共に暮らす江戸川コナンなる少年が活動を度々邪魔してきたという情報だけでも非常に有益だったのだが。
    一応ジンをフォローしておくと、ピンガは無数に監視カメラのあるICPOの施設から、それもそこの職員たちだけではなく警視庁の刑事らまでいる前で正体を暴かれ、素顔を晒したあとにパシフィック・ブイから脱出してきたので思い切り面が割れているため、遅かれ早かれ始末しておかなければならないという考え自体はそこまでおかしくない。
  • シェリーの姿を想像する時は大抵裸。ムッツリすけべ。あるいはファッションセンスが無くて裸になっているのかもしれないが、とりあえず眼鏡とツナギは趣味じゃないらしい。
  • 造反者、スパイ、失態を犯した構成員などの処分のためとはいえ、原作でも映画でも作中でジンが殺害した人間はほとんどが組織の関係者である上、部外者を狙った時には大半が未遂で終わる。
    組織の関係者でない人間を抹殺するシーンが初めて描かれたのは、連載が始まってから26年以上が経過してのことである。単行本にして実に第100巻*12この時に殺害に成功した相手はモブのFBI捜査官だった。
  • 何故か組織絡みの事件は警察がすぐに捜査を打ち切ってくれるおかげで助かっているが、基本的に証拠を残しまくる。
    灰原曰く「組織が仕事をした後は証拠一つ残さず煙のように消えるか、そもそも事件があった事すら気付かせない」との事だが。
    その割にはやる事が無駄に派手だったり杜撰すぎたりといったこともしばしば。ただしこれについてはジン以外にも言えることだが。

どう見てもネタキャラです、本当にありがとうございました。
コナンや灰原の情報を掴んだ有能な仲間を次々と口封じ(笑)とネットで弄られるだけならいざ知らず、ジェットコースターの一件は声優陣にまで苦笑いされた他、
公式のガイドブック『名探偵コナンSDB(スーパーダイジェストブック) 30+PLUS』でも、とあるページでは「ガレージでシェリー(当然裸)を想像しながらポエムを口ずさむ」という扱い。クローゼットには御馴染みの黒服が何着もズラーッとかけられていた。
……このような記述まで存在するのだ。ホントにどうしてこうなった……。
極めつけに、上記の要素を含んだ「ジンのプライベート」と題された絵もイメージとはいえ描かれたのであった。
補足しておくと、これらは確かに公式ガイドブックに掲載されているが、あくまでその筆者による想像であって、作者の考えた公式設定ではない……が、ポエムの思案中にあれこれ試行錯誤する様子が見えるなど不思議とリアルな内容である。


擁護しておくと、
  • シェリーの髪の毛鑑定にかけては天下一品で、そこから逃走ルートまで推理してみせた。
    暖炉に耳をそばだてた訳でもないのに、中に隠れていたシェリーの微かな吐息を聞き取るという離れ業までやってのける*13
  • 謎の超即効性で即座に意識が飛び、しかも撃たれたことにすら気づかない筈の腕時計型麻酔銃で腕を撃たれるもすぐに感づき、
    しかも微細な針が刺さった場所を躊躇なく拳銃で撃ち抜いて眠らされることを阻止。
    現時点では作中において麻酔銃をその身に受けても眠らなかった唯一の人物である*14
  • 発信器と盗聴器が仕掛けられていることに毎回逸早く気付く。
  • バーの従業員に化けて近付いてきたベルモットの変装を一目で見破り、手元にあったアイスピックで変装を引き剥がす。
  • ウォッカが引っかかったコナンの罠に瞬時に気付き、何故か詳しい医療知識を元に取引相手が偽者であることも見抜く。
  • ウォッカがドジ過ぎるということもあるが普段からかなり警戒心が強く、日本警察の救世主とまで言われている名探偵の新一よりも(目立つ格好と車以外は)よっぽど用心しており、
    警戒能力に関しては主人公をはるかに上回っている。
  • 赤井に狙撃を妨害された後も油断せず小五郎を怪しむ。それ以降彼の周辺を探るようなことは今の所無い上にかなりの勘違いではあるが、目の付け所は良い。
  • 他のメンバーと違い、FBIのキール護送作戦の裏の裏まで見抜く(もっともコナンと赤井の真意までは流石に読み切れなかったが)。
  • 高速道路を移動中に対岸の海猿島という名の無人島に灯っていた焚き火が消える瞬間を見逃さなかった。
    なおラムは、FBI捜査官アンドレ・キャメルが海に落ちた後に海猿島へと流れ着くことを海流から予見して既にクルーザーを手配していました。
  • 砂浜に残っていた無数の足跡の状態を見て、追跡対象のキャメルが近くに隠れ潜んでいることを見抜く。
  • 海猿島にて営業されているキャンプ場の建物の中で、大量のコーヒー豆が床に散乱しているにもかかわらず袋だけが見当たらないという状況からキャメルの次の行動を言い当てる。
  • コナンが回避させていなければ、何百mも離れたビルにいる標的(しかもエレベーターで下降中)を正確に狙撃出来た……ただし人違いなのはご愛嬌。
  • 諸々の理由から公安警察が、拘束中のキュラソーを連れて東都水族館の大観覧車に現れると先読みし、キュラソー回収後に公安の人間を撃退出来るよう観覧車に爆弾を仕掛けさせるなどの根回しを行う。
    この采配には、後から作戦決行直前に知ったベルモットも「そこまで読んでいたなんて……」と感嘆の声を上げていた。
  • ヘリが大きなダメージを受けて不安定な状態になっていても撤退する直前に機関銃で観覧車の車軸にセットしてある爆弾目掛け集中砲火を浴びせて脱輪させることで、逃亡に成功しかけていた裏切り者のキュラソーを結果的にではあるが無事始末した*15
    『純黒の悪夢』の小説版では、スナイパーであるコルンさえ中々車軸に銃弾を命中させられず不機嫌になっていたことが語られており、彼と交代した直後に見事命中させたジンの射撃能力の高さがうかがえる。
  • ピンガの犯行を目撃してしまったユーロポール(欧州警察機関)の職員を口封じする際、その人物が助かるようキールが巧みに誘導して成功しかけていたのを物ともせずに完遂する。これにより老若認証システムを掌握する計画は事前に漏れずに済んだ。
  • あの方やラムからの指示を安定して遂行している。隠蔽工作に気付かないこともあるが、間違いなく彼の影響によって色々ピンチに陥ったり犠牲が出たりしている。
  • 彼が悪いというよりあの方がチキン過ぎるが故の行動も多い。
  • 黒の組織の中で特に目立つ存在なので複数の人物から度々狙われているが、きっちり五体満足で生存して黒の組織の務めを果たし続けている。
  • 連載の長期化に伴って黒の組織はスパイが多数入り込んでおり、更に激しい制裁も目立つのでやりづらい組織であることがうかがえるが、
    どういうわけか一貫して組織への高い忠誠心を読者に見せ続けている。

このように単なるネタキャラという訳ではなく、確かに作中の上位に迫るほどの洞察力・知識量・精神力・その他スキルは間違いなく備えている。
しかし上記の通り殺人に抵抗が無いゆえの「引き金の軽さ」が良い方向にも悪い方向にも作用しており、結果として少しでも必要ない・信用出来ないと思えば味方でも躊躇なく殺してしまうため、ターゲットが行方を眩ます前に粛清を完了させることもある一方、重要な情報を聞き逃してしまう失敗も少なくない。
逃げられそうになっていたからとはいえ、組織の目的のために必要不可欠とされていた技能を持つ人質を殺そうとして、ウォッカを含む周囲の面々に諌められたこともあった。
更にその恐怖政治的な面が災いして組織内でも反感を買うこともあり、アイリッシュやピンガなどジンを嫌い失脚させようと目論む者たちも存在する。
作中でも恐れられている通り、彼の手腕によって毎回コナン達が後一歩の所まで追い詰められているのは間違いない。だが、詰めが甘かったり運が悪かったりで必ず逃げられるか出し抜かれるかしてしまっているといった所。また個人的な美学やシェリーへの執着のあまり隙を晒してしまう事も。
丁度ルパン三世銭形警部のように、コナンとすれ違う回数は多いながらも必ず取り逃がしてしまう、長期連載故の弊害と言える。

更に言えば最初期のネタキャラっぷりは作者・青山剛昌が「推理マンガなんて半年もすればすぐ終わるだろう」と長期連載を想定せずに描いたが故らしく、連載について「長くて半年くらい」続けばいいと考えていたそうである。
(ウォッカと共にこのせいでたった30秒でものすごく適当にデザインされたとか)
おまけに最初期は青山氏の前作の作風に若干引きずられていた節もあったので、そういう意味でも致し方無いと言えよう。
長期連載になった後の事? 聞くな……。


アニメ版第1話及びその内容をリメイクした『名探偵コナン エピソード“ONE” 小さくなった名探偵』(2016年12月9日初放送)ではビビったり怒ったりする様子もなく終始冷徹な振る舞いをしている。
更に『エピソードONE』では一部の台詞や行動がウォッカのものになっていたりと大きく改変されている。
一方で目暮警部に身元を聞かれそうになる追加シーンでは、周りに人が沢山いるにもかかわらず拳銃に手をかけようとする物騒な面を見せていた。
ちなみに他にも、新一を後ろから殴る際に使用した物がバットか鉄パイプのような棒から特殊警棒に変わっていたりなどしている。
加えて、左利きという現在の設定も反映されており、新一の後頭部を棒で殴り付けたり、彼の口の中に薬を押し込んだりする際に使ったのは全て左手となった。髪の毛も銀髪となっている。
そして、ジェットコースターに乗ろうと乗り場に近付いた際、応対しようとして彼らの姿に目をやった係員がドン引きのあまり絶句するという何故追加したのか分からない新たなシーンも描かれている。



【実写版】

2007年に放送された実写版名探偵コナン『工藤新一の復活!~黒の組織との対決(コンフロンティション)~』では
上記にもあるように、俳優の佐々木蔵之介が演じた。
まるで『ウルトラマンレオ』のブラック指令みたいな外見である。
演じた佐々木氏はインタビューにてジンを「美意識のある悪役」と語っており、外見を少しでも似せるために眉毛を潰したりカラーコンタクトを入れたりと様々な試行錯誤を経たという……元来キャラビジュアル的に実写化が困難なキャラであったことを考えると大変な役だったのは間違いない。

ちなみに佐々木氏は、大川俊道氏が脚本に参加したドラマ『ハンチョウ』シリーズや、扇澤延男氏が脚本を担当した『塔馬教授の天才推理』シリーズ、櫻井武晴氏が脚本を担当した劇場版『科捜研の女』といった、『名探偵コナン』のアニメオリジナルエピソードや劇場版の脚本家の手掛けたドラマや映画に何度か出演経験がある。



【余談】

先述したように作中での立ち位置から組織のリーダー格とよく思われているが、実はそうではない。
というのも、作者が「コードネームを持つメンバーは基本的に全員同格」と明言しているからである*16
その中でキャンティもコルンもジンと同格であると作者は発言しており、作中での立ち位置はチームを組んだらたまたまジンがリーダー的なポジションになった、というただそれだけの事らしい。
ただ、設定が判明する前からベルモットの存在にキレたキャンティに愛車をガツンと八つ当たりされた事があり、上下関係はない事はうかがえたが。それでもキャンティに文句一つ言わない優しい兄貴。
一応、ジンは他の大半のコードネーム持ちの構成員と違って、あの方と直接連絡を取り合って任務の方針について相談出来る立場である上にラムと対面することも許されているので、何だかんだ幹部内でのカーストとしては高い方だと思われる。野心家で上昇志向の強いピンガがジンに対して強烈な敵愾心を隠さないことからもそれがうかがえよう。
FBIからはジンを押さえれば組織のボスに辿り着けるだろうと認識されていた。

実は1話から登場しているのにそれから30年近くに渡る長き間、原作コミック裏表紙(通称鍵穴キャラ)に登場していなかった。
41巻冒頭の作者の言葉にて「1話から登場しているのにまだ鍵穴に出ていないキャラがいる」と青山氏が言っていたこともあるが、
それは主人公のコナンにも当てはまるため彼の事を指していたのかは不明である。
ウォッカは38巻で早々と出ており、ジンの場合何かしら演出的に意味があって後に回されていたのか、あるいは単に作者が描くタイミングに悩んでいたのかは謎。
……といった具合でいつ彼が選出されるのか読者の間でもたまに議論になっていたが、記念すべき100巻の鍵穴キャラとして無事にその姿が描かれたのであった。
青山氏は本巻発売前の2021年7月12日、ちょっとした告知に度々用いているゲーム『あつまれ どうぶつの森』の中で「100巻の裏表紙の鍵穴キャラは、とっておきのあの男」とのコメントを出していたので、作者としても思い入れのあるチョイスだったに違いない。

また、『ONE PIECE』の作者の尾田栄一郎氏との対談の際に青山氏は「ジンの台詞は基本俺にしか書けない」との事で劇場版のジンの台詞は基本100%は監修してると語っており、
『純黒の悪夢』の脚本監修の際に「皆殺しにしてやる」というジンの台詞があったものの、「いやいや、ジンはこんな事言わねぇよ!」と青山氏本人が手直ししている。飛影はそんなこと言わない

基本的にはシリアス一色のキャラクターだが、アニメ345話の『黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー』でメタ発言をかましたことがある(詳細は後述の「名言/迷言」参照)*17
悪役キャラでありながら前述の345話の集合シーンにウォッカと一緒に映っていたり、『探偵たちの鎮魂歌』のパンフレットのレギュラー&準レギュラーメンバー全員集合イラストの中にもウォッカ・ベルモットと一緒に映っていたりする。まるで悪役が登場するドラマの撮影終了後の記念に撮った集合写真のようである。

その他、2023年9月22日の金曜ロードショーにて『純黒の悪夢』が放送された際には、『黒鉄の魚影』の上映期間終了を告げる特別映像の中でピンガとのコミカルなやりとりを披露した。
ここでのジンの一人称は"俺様"となっており、ピンガを相手に「俺の映画だ!」「俺様の映画だ!」と言い合う実際の殺伐とした関係からは想像も付かないような微笑ましい会話を繰り広げている。
なお結局の所、灰原が就寝中に見ていた夢というオチだったのだが、飛び起きた時の彼女の心境や如何に……。
こちらの映像は現在もYouTubeの『東宝MOVIEチャンネル』にて視聴可能。



【主な人間関係】

介護係弟分。
「ジンの兄貴」「兄貴」などと呼ばれ慕われている。
どれほど長い付き合いなのかは不明だが、少なくとも本編の約四年前には既にペアで活動していたことをうかがわせる描写がある*18
ジン側もウォッカの持つ様々なサポート能力や従順ぶりを評価している様子で、彼と一緒の時にはお気に入りの愛車のハンドルを大抵任せている辺りに信頼関係が垣間見える。
失態を犯しやすい方で叱責したのも一度や二度ではなく、予定外の勝手な行動を取った際には一度拳銃を突き付けたこともあるが、何だかんだジン本人もウォッカには甘いところがあるようで。
後、アニメにてコナンをコインロッカーの所で追い詰めた時にポエムを詠んでみたら兄貴に怒られた。
他には彼が任務中にラムの指揮を何度も褒めちぎっていたのを見て、ジンは少々不満気な言葉を口にしていた。ヤキモチ?もしウォッカが褒めている相手が自分だったら間違いなく何も言わなかったことだろう。
殺った相手は記憶しないジンの代わりに過去の抹殺した人物を思い出して、時にはそれに関する情報を教えてあげている。
おかげで一部ファンからは「ジンの記憶媒体」「外付けHDD」とか呼ばれており、扱いはすっかりジンニキ専用データベース。
でも実は組織内での地位はジンと同格

なおあくまで演者の解釈ではあるが、CVの堀氏は「ジンは誰も信じていない、ウォッカに最大限の『信頼』を置いているが『信用』はしていない」「ウォッカであろうと何かしくじったらジンは恐らく撃つだろう」と語っている。


肉体関係あり(ただしアニメではカット)。
83巻の「最深プロフィール(2013年時点)」によると、彼女がジンを好きだった事が昔あるかもで深く付き合っていたこともあり、ジンは誰かを好きになることはないので彼女からアプローチしたそうだ。
なお、ジンがベルモットの実年齢を知っているのかどうかは定かではない。もし聞かされていないのであれば、そのままずっと知らずにいた方が幸せかもしれない……?
彼女の度を超えた秘密主義を「反吐が出る」ほど嫌って警戒しており、場合によっては例えあの方のお気に入りであろうとも消すべきだと考えている*19。あの方の許しを得ずに彼女を始末することは越権行為に当たるという事実を認識した上で裏切るような動きをとれば始末するつもりでいるが、それはそれとして独断行動していたベルモットに動けないから拾ってくれないかと頼まれて行ってあげるあたり意外と優しい。なお新一のことを聞いたら、さらりと嘘を言われました(ちなみにアニメでは聞かれた時に一瞬「ハッ!(゚д゚)」としていた)。
その一方で、能力自体は高く評価しているらしくピスコの死後には「あの老いぼれをサポートするためにお前ほどの女をわざわざ呼んだというのに」と述べている。


元スパイのFBI。狙ったり狙われたり。
流石にバーボンほど過激ではないが、赤井が組織にいた頃からジンは彼のことを嫌っていたらしい。
彼が組織を脱退した後、スパイ時代に恋人であった明美を殺した因縁から「宿敵」「恋人さん」と言われているが、直接対決は意外と少なめ。
ある一件でジンの頬に一生物の傷を付けた。
とは言え本職スナイパー顔負けの技量を持つジンさんですら思わず舌を巻くほどの狙撃の腕前だったりなんだったりの超人なので、むしろこんな人にずっと狙われ続けてよく無事に生き残れているものだと称賛して良いだろう。
ジンは今の所、自分の指示下でキールの手を介して暗殺することに無事成功したと思い込んでいるようだが、
無人島で追い詰めたキャメルに手榴弾でとどめを刺そうとしていたのを狙撃で妨害された出来事をきっかけとして、彼の生存を疑い始めている可能性も否定しきれない。


元仲間。必死に後を追っている。
赤みがかった茶髪」の髪の毛1本を見ただけで彼女の事を判別できることから、2人の間に何らかの関係があるのではとコナンに勘繰られている*20
普通は何らかの関係があってもそんなことはそうそうできない……というか、黒の組織はFBIを始めとする様々な捜査機関から日々追われ、その中でもジンは特に注視されている存在である故に発信器や盗聴器を彼の車に仕掛けようとする存在など幾らでも考えられるが、それにもかかわらず髪の毛一本を一緒に見付けただけでシェリーだと完全に断定出来ていたのは明らかに異常と言わざるを得ない。*21
このように執着を抱いているような節は見受けられるものの『黒の組織との再会』や『漆黒の特急』での様子を見る限り、別に彼女を己の手で殺すことにはこだわっているわけでもなく、死に顔を確認できなくてもいい模様。
怪盗キッドが裏で手を貸していたことは知らず、現在はベルモットの策によって列車の爆発に巻き込まれて死亡したものとバーボン共々認識している。以降は彼女を思い出す描写もなく、その関係は未だ明かされていない。
灰原からは組織の追手の代表格としてベルモットと並んで恐れられており、彼が街中で迫ってくる悪夢を見てうなされたり学校に向かう途中に雑踏の中で「ジン」という単語が聞こえてきただけで過剰に反応したりしていた。


  • アイリッシュ
組織における同僚。
父親のように慕っていたピスコを殺して死体を火の中に放置したジンを恨み、彼の弱みを探っていた。
ジンを「"キザ"な冷血漢」と称している辺り、ジンがそういう何かとポエミーなキャラなのはあの世界でも共通認識らしい。
合同任務中にアイリッシュとしばらく連絡が取れなくなったことなどを理由にジンは、彼が裏で何か妙なことを企んでいるのではないかと不信感を抱いていた。ヘリでアイリッシュの所に飛んだ際、いざという時に彼を円滑に収容することも出来るようジンが機内に空席を設けておかなかったのは、そうした疑念故に逃亡を手助けしようと思えなかったからなのかもしれない。


  • ピンガ
やはり組織における同僚。こちらもジンを酷く嫌っていたため彼を蹴落とすことを画策していた。兄貴は組織内で少々嫌われすぎでは?
ラムの新たな側近にまで登り詰めた身ではあるが、ジンに対して強い対抗心を抱いているような節が見られる。ジンに似てると言われるだけで虫酸が走るというほどの嫌悪感を抱いているらしく、彼より格下認定された際には激しく逆上している。
なおピンガが一番蹴落としたがっている相手がジンであることをベルモットは知っていたが、ウォッカは知らなかった様子。
黒鉄の魚影』の監督を務めた立川譲氏によれば、IT系の施設で裏方の工作任務に従事していたピンガにとって、組織の花形、企業で言えば営業部のようなジンの立ち位置は妬ましいものだったというのが彼をライバル視していた一因であったとのこと。もっともキュラソーの後釜とはいえ25歳にしてラムの側近となったピンガも十分にエリートと言えるが。


上司。
『純黒の悪夢』ではキールとバーボンの処刑中に「一時中止せよ」というラムからの命令*22を電話で受け取ると、少々不服そうにしつつも大した不満を口にすることもなく素直に中止した他、
「ラムの命令だ、確実に遂行しなきゃな!」とウキウキしながらオスプレイを用意していた。
だがその直前に本誌で掲載された原作の回でのウォッカとの会話では「17年前にラムが抜かった仕事なんざ知った事か」というように、かなり偉そうな態度を取っている。
あの時はたまたま自分の気分に沿った命令だったのだろうか?
ちなみに公式書籍『名探偵コナンBLACK PLUS SDB』に掲載されている作者へのQ&Aでは、「ジンはラムが嫌いなのですか?」というファンからの質問に対して青山氏は「かもねぇー。」と回答していた。よってジンは、あの方と比べてラムに対してはそこまで敬意を抱いていないのかもしれない。
しかしながら現時点までの原作で確認出来る範囲では、ラムが自身と直接顔合わせすることを許している構成員はジンのみである。現在ラムの名乗っている偽名も教えられており、それについては「ふざけた名前」だとウォッカに語っていたらしい。
また、私情を排した仕事仲間としては割と相性が良いのか、FBI捜査官襲撃作戦においては、
ラムが自陣に腰を据えて俯瞰的な視点で指揮を執りつつジンが現場で適宜チームを先導していくという役割分担でミッションに臨んだ際、互いの長所が上手く噛み合った立ち回りを見せていた。
その他、赤井はラムについて初めて説明する際に「ジン以上の大物」と彼を引き合いに出している。


物語の発端を作った主人公の因縁の敵……ではあるものの、現時点で一度も直接対面していない(遭遇した事自体は何度かあるが、いずれもただの子供としか認識していない。または夢オチ)。
一方的に対峙されてばかりなので正体は把握出来ていないものの、
FBIなどの捜査機関とは別に「単独で組織に対抗する何者かがいる」「そいつは裏切り者のシェリーと行動を共にしている」ことは察知している様子であり、「探偵のようなキツネ」と表現した。
原作では新幹線の車内でウォッカと共にコナンと鉢合わせたが、その正体には気付いておらず単なる子供としか認識していなかった。

接触したエピソードをまとめてみると

  • 『新幹線大爆破事件』
    前述の通り、自分の発言の一部を新幹線の車内に偶然居合わせたコナンが口にしたことで焦るも彼の誤魔化しを信じて、単なる子供の戯れ言だと安堵する。
    アニメではそっくりな別ジンもとい別人が犯人だったので登場せず。その偽物がやたら老け顔だったので一部ファンからは老ジンと呼ばれることもあるとか。
    原作でコナンが彼らのコードネームを初めて聞いたのはこの回なのだが、アニメにおいてはこのように改変されてしまったせいで結局コナンが二人のコードネームを知った経緯が謎のまま*23となっている。
  • 『黒の組織との再会』
    シェリーに止めを刺そうとした時に背後から時計型麻酔銃を撃たれる。
    コナンはシェリーに呼びかける際に蝶ネクタイ型変声機で声を変えていたのでジン達は彼の地声を聞いておらず、麻酔に対処してシェリーを追うのに忙しかったので、「シェリーを匿っている奴が居る」とは認識しながらもコナンの方の追撃は断念。
    煙突の内部を伝ってホテルの屋上から酒蔵にまで降りた際も、ジンが暖炉から顔を出す直前にコナンが灰原を背負って酒蔵を脱出していたので、ギリギリで入れ違うような形となっている。
  • 『黒の組織との接触』
    取引相手のSE板倉卓のふりをしてウォッカを罠に嵌めた存在に気付き、何者かが(当然コナン)コインロッカーに隠れたと推測して片っ端から開けていき、
    後少しでコナンが入っているロッカーを開きかけたが、コンマ数秒の差で「こんなロッカーに大人が隠れられるわけがない」と途中で考え直して帰っている。
    「姿を変えてずらかるぞ」と去り際にジンは言っていたが、彼とウォッカにあれ以外の姿があるということなのだろうか?
  • 『ブラックインパクト! 組織の手が届く瞬間』
    小五郎を暗殺しようとした際も妨害してきたコナンに気付いて殺そうとしたが、その際にもただの子供としか見ていなかった。
    方針を巡ってベルモットと口論していた最中、手に持っていた発信器および自身の胴体が赤井によって撃ち抜かれたことで不利を悟り、やむなく殺害を中止して逃亡。
  • 『黒ずくめの謀略』
    ビルの屋上で追い詰めたFBIの捜査官が飛び降りて死んだ後、その遺体にコナンが近付いていることをキャンティからの通信で聞いてそのまま殺すよう命じたが、キールの機転によって断念させられることとなる。
    なおこの時のコナンはフードを目深に被っていたため、キャンティとコルンは結局その顔を見ておらず、ただの通りすがりの野次馬の子供としか思っていない。
  • 天国へのカウントダウン
    ツインタワービルの高層エレベーターで髪をウェーブにした園子をシェリーと間違って射殺しそうになるが、あくまで「シェリーの始末」だけが目的だった事もあり、園子の傍にいたコナンに注意を払う様子は無かった。
    その後コナン達がスポーツカーでビルから脱出した所までウォッカからの報告で確認するも「子供5人と年寄り1人」としかカウントしておらず、まさか裏切り者本人と敵が乗っているなどとは夢にも思っていなかった。
  • 漆黒の追跡者
    「久しぶりだな工藤新一…いや今は江戸川コナンか」と冒頭で毛利探偵事務所に押しかけ、コナンの目の前で蘭を殺そうとする…のは夢オチ。予告編でも取り上げられていたシーンだけに肩透かしを食らった観客も多いと思われるが、何だかんだでコナンにとって最大限恐るべき相手だと認識されているのが分かる。
    そして映画終盤。自分たちの乗った戦闘用ヘリコプターによって追い詰められたコナンから博士の発明品による無茶苦茶で想定外の反撃に遭って撤退を余儀なくさせられ、後少しのところでコナンの顔を確認し損ねる。
    この時初めて「一体何者なんだ……!?」と震え声で驚愕を露わにした。あんなことあったら無理もない。
  • 純黒の悪夢
    今度はオスプレイのような軍用ヘリを操縦して、公安警察に身柄を拘束されているキュラソーを回収するため東都水族館の観覧車を襲撃するが、
    ヘリから伸ばしたアームでUFOキャッチャーの如く掴んだゴンドラの中に子供(言うまでもなくコナン)と男性(風見裕也)しか乗っていないことをサーモグラフィーで感知し、そのままゴンドラごと投げ捨てた。
    ゴンドラは何mもの高さから派手に転がり落ちたが、内部で気絶していた風見は負傷だけで済み、コナンに至っては奇跡的にほぼ無傷であった。その後、赤井と安室を伴ったコナンと対決する。
  • 黒鉄の魚影
    組織の潜水艦に囚われていた灰原と直美・アルジェントの二人が海中に脱出した際、コナンは彼女達を助けるために囮の水中スクーターを潜水艦に探知させることでジンの目を欺いた。
    潜水艦が囮に追い付いてからジンは「やはり囮だったか…」と自分の不覚をクールに誤魔化しつつコナンや灰原達が乗っている漁船に対処しようとしていたが、ちょうどそのタイミングで老若認証システムの欠陥をベルモットから通達されたことでパシフィック・ブイへの攻撃を優先させる。
    後にコナンが花火ボールによって潜水艦の周囲の海中を激しく発光させた時には得体の知れない敵の存在を警戒していたが、赤井がロケットランチャーで爆撃したことで潜水艦を放棄せざるを得なくなったため索敵を断念する。

……とまぁ見事に後一歩のところで毎度毎度正体をつかみ損ねているor殺し損ねているというのが現状か。
実際絶体絶命な場面も多いのだが、メタ的にはコナンの主人公補正でどうにかなっている部分が大きく、その煽りを受けてドジンになってしまっている部分は何割かは仕方ないねといったところ。
本来の姿は高校生とはいえ、たった7歳の子供が自分達を妨害していると知ったら一体どんな反応をするのやら。


記憶にない。以上。




【名言/迷言】

  • 「おらおら、犯人はそのアマで決まりだ!! 早く俺達を帰してくれ刑事さんよ!!」
    現在のジンとのキャラクター性の違いが端的に表れた発言。完全にこの頃は単なるチンピラだった。
    流石に色々とアレだからかアニメ第一話ではカットされたのだが、20年の時を経て『エピソードONE』でウォッカがこれを言わされる羽目に……。

  • 「フ…それが組織(われわれ)のやり方だ…」
    睡眠薬と言われて貰った薬を仲間に飲ませたら血を吐いて死んだと憤る明美に対して。
    単行本における第2巻のエピソードだが、初登場時に比べると既に冷徹な悪役ぶりが板に付いている。

  • (ヤサ)の目星がつけば狩るのは造作もない…裏切り者は匂いを消せねぇからな…」
    ここでは組織から逃げ出したシェリーの話をしている。
    それはさておきジンどころかおそらく青山氏すらも組織がこんな裏切り者(スパイ)だらけであるなど、この時点では全く想定していなかったのではないだろうか?

  • 「戯言は終わりだ…さぁ夢から醒めて…お前の好きな緋色で…再会を祝おうじゃないか…なぁ…シェリー…」
    灰原が見た夢の中で、彼女を含む少年探偵団の面々に迫りながら。
    灰原にとっては心を抉る恐ろしい悪夢であろうが、彼女が夢でジンにこんな口上を言わせていると考えると何とも言えない気分になること請け合いである。

  • 「フン…ドイツの雨ガエルも偉くなったもんだ…」
    ドイツの雨ガエルとは自身の愛車のことであり、ウォッカに車をヨイショされたことに対して。この後シェリーの髪の毛を車内で発見するまでは割と満更でも無さそうだった。
    なお『純黒の悪夢』ノベライズにてBND(ドイツ連邦情報局)から潜り込んできたスパイのリースリングをベルリンで粛清する際に、彼女との一連の会話をドイツ語で全てやりとりしていた事実が明らかになったことも踏まえると、ドイツに何かしら思い入れがあるのかもしれない。

  • 「会いたかったぜ…シェリー…」
    背後からシェリーの肩を撃ち抜いての挨拶。
    2022年公開の『ハロウィンの花嫁』では、劇場版本編終了後の恒例となっている次回の劇場版の予告において、この台詞が20年以上の時を経て再び使用された。

  • 「綺麗じゃねーか…闇に舞い散る白い雪…それを染める緋色の鮮血…」
    シェリーに死に花を咲かせてやるためだけに薄汚れた暖炉の中で仕留めずに、大雪で寒い中で待ち続けていたという漢ぶり。

  • 「フン…黒と黒が混ざっても…黒にしかならねぇよ…」
    久しぶりにマティーニを作らないかというベルモットからの大人のお誘いにスマートな対応を見せる。
    ネタ抜きに洒落た言い回しだったが、アニメではベルモットのこの発言が改変されたのに伴ってジンのこの台詞も抹消されてしまった。
    余談だが、実際のマティーニは無色透明である他「カクテルの王様」と称されている。

  • 「眠れシェリー…永遠にな!(イメチェンした園子を狙撃しながら)」→「まさか…別人か!?(慌てふためく園子を見て)」
    赤みがかった茶髪で見分けられるんじゃなかったんですかい兄貴。
    狙撃技術自体は本物だというのに……。
    この時のジンの台詞もファンからはよく「別ジン」とネタにされる。

  • 「見ろ!ケースの内側に発信機だ…こいつはとんだキツネだぜ…」
  • 「どうやら組織(われわれ)のことを嗅ぎ回っている野郎がいるようだ…探偵のようなキツネがな…」
    コインロッカーにて。確かにキツネには狡賢いというイメージならあるが、嗅ぎまわる行為とは関連性が薄い気がしなくもない。
    アニメでは、ほとんどのスペースを調べ尽くしたタイミングでウォッカも真似して「狡賢いキツネも袋のネズミってわけだ」とクールに口遊むも「つまらねえこと言ってんじゃねぇ…」とお叱りを受けてしまう。

  • 「悪いなウォッカ…(バラ)した奴の顔と名前は…忘れることにしてるんだ…」
    ※殺せてません。

  • 「工藤新一ってガキ知ってるか?」
    季節外れのハロウィンパーティーで起きたことをウォッカから聞き、ベルモットに質問を投げかけた。無論彼女には心当たりが大いにあったが、コナンへの期待を胸にこれを否定する。
    以降、ジンはこれを機にとうとう新一をマークするようになった…かと思いきや、後日アイリッシュと会話した時にはまた忘れてしまっており、満面の笑みで勝ち誇っていた彼を脱力させた。
    なおウォッカやアイリッシュだけでなくラム、バーボン、ピンガも工藤新一のことをきっちり覚えていることが後に判明する。……おそらく忘れているのは組織内でもジンだけなのではないだろうか?

  • 「退屈しのぎに関係ねぇ羊を狩るんじゃねーぜ…」
    標的の衆院選立候補者の土門廉輝を待ち続けて苛立つキャンティへの忠告。
    暗殺予定地である杯戸公園の名前の由来となったロンドンのハイド・パークが、数百年前に貴族の狩猟場だった*24ことに引っかけている。

  • 「聞こえるか? 毛利小五郎…
    動くなよ…お前の背中は完全に取った…その背広に風穴を開ける前に聞きたいことがある…
    お前とシェリーの関係だ…お前が仕掛けた発信機と盗聴器…前にあの女に仕掛けられたものとよく似ている…偶然だとは言わせねえぜ…
    10秒くれてやる…答える気になったらそのイヤホンから左手を離して上に上げろ… 」
    読者からするとネタ以外の何物でもない場面だが、おっちゃんはコナンが原因で命の危機に瀕している状況。

  • 「あてなんざいくらでも転がってるぜ…俺はまだ毛利小五郎を完全なシロだとは思ってねぇしな…」
    彼の言う「あて」が具体的に何なのかは未だ語られていない。

  • 「歯だ…キールは唯一残ったその武器で、鼠の手首を骨が見える程噛み砕いて銃を奪い…
    戦意を無くした鼠の顎の下から僅かに動くその指で引き金(トリガー)を絞り、頭を吹っ飛ばした…キレた獣にしか出来ねぇ芸当だ…」
    初期の『コナン』を彷彿とさせるグロ描写を嬉々として語る兄貴。こちらの台詞は無事アニメでも改変されずに済んだ。

  • 「いけねぇな…あの世(あっち)に逝っちまった奴の顔と名前は どうにも忘れちまう…」
    キールこと水無怜奈が四年前の新人時代に殺した(とされている)スパイの本名を思い出せずに。その後、頑張って何とか自力でそのスパイが仲間から「本堂」とその場で呼ばれていたことを思い出した。
    なおウォッカはその時に立っていた位置が遠すぎて名前がよく聞き取れなかったらしい。

  • 「銀の弾1発だけじゃ、黒い大砲には勝てねぇよ…」
    赤井に対する戦力的な評価。良くも悪くも自身の属する組織への絶対的な信頼と誇りがうかがえる。
    ちなみにシルバーブレットの話題を出したのはベルモットで、ジンのこの発言に「いや…組織(われわれ)の心臓を射抜けるシルバーブレットは…もう1発…」と心の内で語っている。

  • 「キールの檻の場所なんざ最初(ハナ)から眼中に無ぇよ…
    要はその場所を我々に知られたと覚らせ、FBI(やつら)の脳天に恐怖の楔を打ち込む事だ…後は急いたFBI(ハエども)が…どう飛ぶか…」
    電波ジャックして流した偽のニュース映像や発信器を駆使し、FBIが身柄を握っているキールの位置を割り出す。
    プレッシャーを与えることにより心理的に疲弊させて次の行動を促すという側面も兼ねた攻撃によって敵を恐怖に苛んで笑顔の兄貴。

  • 「今、この場で奴を呼び出せ!できなければお前に死神を呼ぶまでだ…」
    「奴」とは赤井のこと。キールの奪還がスムーズに行き過ぎたことから彼女をスパイと疑っており、赤井を今すぐ呼び出さなければ殺すと脅している。
    ところで、「死神」というワードが出たり、直前のFBIと組織の攻防の最中に『キスノート』なる映画が上映されているシーンが見られたりする辺り、青山氏は当時実写化もされていた某ジャンプ作品にハマっていた可能性がある。

  • 「今日は13日の金曜日……そんなもん端から信じちゃいねぇが、奴が死ぬには相応しい日だ」
    赤井が来葉峠に赴いたのが13日の金曜日だという原作での言及に因んでアニメで追加された独り言。
    更にアニメでこのシーンが放送される10日近く前に公開が始まった『戦慄の楽譜』における本編後の予告で、
    次回作が13作目、かつ黒の組織が絡む内容ということも相まってこの台詞を意識したジンのモノローグが挿入された。

  • 「久しぶりだな工藤新一…いや、今は江戸川コナンか。まさかガキの姿になって生きていたとはな」
    『漆黒の追跡者』プロローグにて。
    案の定コナンの夢オチだったが、果たして原作本編でジンがこれを言える日は来るのだろうか。
    どうでも良いことだが、この映画では作中において七夕を迎えており真夏だったのにいつものコートを平然と着ていた

  • 「ああ…嬉しくてゾクゾクするぜ…奴が生きていたとしたら…もう一度殺れるんだからな…」
    キールが殺したはずの赤井と思しき人物を待ち伏せしている時の言葉。ポジティブに構える兄貴であるが、赤井を殺していなかったキールは始末する気満々。
    なお、このセリフが登場したエピソード『危機呼ぶ赤い前兆~赤く揺れる照準』も季節設定は真夏である。

  • 「小説の中だけにして欲しいもんだぜ…シャーロック・ホームズのような探偵はな…」
    バーボンが赤井の生死を確かめる策を組織内でも秘密にしていたことが遠因となり、自分達の今回の行動が単なる無駄足に終わってしまったものの、
    事実を知ってもなお気の利いたジョークを交えて彼の力量を褒める懐の深さを見せる。
    『エピソードONE』でも遊園地での取引相手の裏事情をバーボンが探り当てたことに対して「相変わらず鼻の利く野郎だ」と彼なりに評価しており、ジンはバーボンの実力を一応認めてはいるようだ。

  • 「蛇に飲み込まれているのならシェリー…この名古屋がお前の終着駅だ…」
    蛇とは『漆黒の特急』で運行されたミステリートレインを指している。カッコいいのかかわいいのか意見の分かれそうな例えである。
    ちなみに、この前後の会話では列車のことを最後まで「蛇」「鉄の蛇」などと言い続け、意地でも「列車」という単語は口にしなかった。

  • 「暗がりに鬼を繋ぐが如く… 鬼だったとしたら眠ってる間に始末しねぇとな…」
    『霊魂探偵殺害事件』で言及された羽田浩司にまつわる事件の解決に小五郎が絡んでいた事で、再び彼に疑惑の目を向ける。
    「暗がりに鬼を繋ぐ」という言葉は、「闇に鬼を繋いだ所で繋いだことの確認すらままならないように、薄気味悪くて得体の知れない存在である」という意味の慣用句だそうな。
    そういえば世良真純と生活を共にする「領域外の妹」も同じ言い回しをしていたが、彼女と何か関連が……?

  • 「黒に染まれ───」
    『純黒の悪夢』の初期バージョンの特報にてオスプレイから身を乗り出し、ライフルを構えながら放った一言。
    色が重要なテーマとなっている本作ならではの迫真の決め台詞……かと思われたが、実際の映画本編では特にこのようなシーンは存在せず、ジンがこの台詞を口にすることも無かった。
    まあこの手の軽い予告詐欺自体は、劇場版ではそこまで珍しいことでもない。一応、本作のキャッチコピーの一つとしてこの台詞が採用されたのが幸いと言った所か。
    なお、本作のパンフレットにおける声優インタビューは各出演者がサイン形式で一言ずつコメントを書くというスタイルになっており、ジン役の堀氏は「黒に染まれ!!」と書き綴っている。何という粋なファンサービス……。

  • 「俺は意外と優しいんだぜ?キール」
    ラムの直属の部下キュラソーから送られた情報を基に捕らえたスパイ達への煽り。自分が厳しい自覚はある様子。
    ……まあウォッカに対しては意外と優しいのは事実と言えよう。

  • 「浴びせてやれ コルン…弾丸の雨を!!」
    爆弾のスイッチを何度押しても何も起こらなくて微妙な空気になったのを景気良く誤魔化した。

  • 「ラム…コアントロー…レモンジュース少々。XYZ…『これで終わり』って酒だ」
    人生最後の酒を味わう裏切り者への死刑宣告。今さっきまでどこにもいなかったのにいつの間にか相手の隣に座っていた。
    「ラム」の部分を強調してるのがちょっぴり意味深。

  • 「人間は追いたてられると…左に曲がる習性がある…急かされたFBI(ハエ)も…同じだったという事だ…」
    これを俗に「クラピカ理論」と言います。
    そもそも習性以前に、自動車が左側通行の日本では、右折より左折の方がしやすいからなんじゃないのか?とか言わない。

  • 「いちいち褒めるな…」
    ラムの読みの鋭さを幾度も褒め称えるウォッカへの小言。心なしか軽い嫉妬心のような物が垣間見える。
    ちなみにこの直前にウォッカが、床にばらまかれたコーヒー豆のせいで転倒して追跡中のターゲットをロストしてしまったと聞かされた時には一切怒っていなかった。

  • 「伏せろ!!」
    キャメルを追って上陸した無人島の桟橋で赤井の狙撃を再び受けた時、仲間に向けて叫んだ。
    周囲に遮蔽物が無いため身を低くすることで的を小さくするという意図自体は理に適っている……が、
    屈む時に全員きちんと両膝に手を置いていたり、伏せている間ジン以外は皆全く緊張感の見られない表情を浮かべていたりと、どことなくシュールさが漂う絵面に。
    一言で表すと黒の組織学園の避難訓練。
    アニメ版では、伏せている最中のジン達を描く構図および彼らの手の位置などが改変されているため、そこまでシュールなシーンではなくなった。

  • 「何が老若認証だ!とんだクソシステムじゃねえか!」
    『黒鉄の魚影』にて、「老若認証システム」でシェリーが見つかったと聞いてやってきたジンが、その後「老若認証システムには欠陥がある」と聞かされて発した台詞。
    何時になく激怒しているが、シェリーが生きているかもしれないと聞いてわざわざ足を運んだのにこれでは怒りたくもなるだろう……。
    ウォッカから「そのガキの写真をそちらに送りましょうか?」と提案された際、それを敢えて断って最初に直接自分の目で彼女の顔を確かめようとしていたことも踏まえれば、彼の落胆と憤怒は察するに余りある。不憫にもこのこだわり故に彼が潜水艦まで来たことこそシェリーに逃げられた一因であったりもする。
    一部でジンの台詞とは思えない俗っぽいキレ方という声もあるが、上述の「早く俺達を帰してくれ刑事さんよ!!」発言を考えると、ある意味ではジンの俗っぽいキレ方は原点回帰でもある。

  • 「クソシステム諸共沈めてやるよ…黒鉄色の海底(うなぞこ)にな」
    老若認証システムが欠陥品と見なされたため、パシフィック・ブイを潜水艦の攻撃で潰すように命じられての独白。
    自分を振り回した忌々しいクソシステムを海の藻屑に出来るということで少し嬉しそうな兄貴。
    海底(かいてい)」ではなく「海底(うなぞこ)」と口にするのは実に彼らしい。
    予告の時点で「沈めてやるよ…黒鉄色の海底にな」という台詞自体は一応出ていたが、よもやこの一節に"クソシステム"という何とも言えない枕詞が付いているなどと予想出来た人はいないことだろう。

    余談だが、上述したように劇場版のジンの台詞は基本100%は青山先生本人が監修していると語られていたため、『「皆殺しにしてやる」がダメで「クソシステム」がOKとか、そりゃジンの台詞は先生にしか書けない』という感想も一部ある。

  • ああ、今夜は2時間半スペシャルだからな
    ウォッカに「今夜はなんだかいつもと様子が違う」と言われて。
    先述した通り、厳密には彼の台詞ではないのだが、しっかりと堀之紀氏が音声を当てているので、こちらもなかなかにシュールかつ何とも微笑ましい光景である。
    出典は『黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー』から。丁度年が明けての放送だったため、本編放送開始前にこちらのやり取りが行われて蘭と園子が「じゃーん!」と変装を脱ぎ捨てた後、コナンが新年の挨拶をする記念映像が流れている。
    ちなみにこの際にメインキャラ全員が集合する場面があるのだが、ここでウォッカと共に他のキャラ達と一緒に映っている。ジンがメインキャラ一同と肩を並べて映るのはおそらく後にも先にもこのシーンか『探偵たちの鎮魂歌』のパンフレットのイラストくらいだろう。


なお彼の台詞回しは少々特徴的であり、
  • 羊→一般人、無関係の人
  • 鉄の蛇→列車*25
  • 黒い大砲→黒の組織(銀の弾に対する比喩)
  • キツネ→探偵
  • 鼠→スパイ
  • ハエ→FBI
  • サカナ→海中に逃げたFBI*26
……の様な独特の変換も素で行っている。
こんなヤツなので一部読者の間で付いたアダ名は「詩ジン」。堅気に生きていたら詩人とか作詞家辺りになれたのだろうか?





追記・修正はドヤ顔でポエムを披露しながらお願いします。

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最終更新:2024年04月20日 14:45
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*1 宮野明美とアンドレ・キャメルに関しては、前者は彼女の自殺に見せかける工作も行っているため頭部を撃つ理由がなかったからだと思われ、後者はキャメルの顔に見覚えがあると主張するコルンにキャメルの容姿を確認させる必要があったため。

*2 該当シーンの原作版においてはウォッカが口にしていた台詞であるが、アニメ版で発言者がジンに変更された。

*3 基本的に劇場版のオープニングなどでは左手に修正されていることが多い。上述した髪の毛の色に関しても同様の扱い

*4 内容を要約すると「天国が本当に存在するのかどうか、シェリーを亡き者にする時までに答えを用意しておいて欲しい」という物。

*5 取引相手が余計な人員を連れてきていないかを高所から確認する為に乗っていたと説明していたが……まあ、これはこれで「意表を突く面もあったのかもしれないが、もっと早く来てゆっくり観覧車に乗るとかでも良かったのでは?」などとつっこまれることもある

*6 所持しているだけで問題な拳銃で殺すのがマズイというのは妥当だが、ここまで来たら撲殺でとどめを刺す形でも良さそうだ。それとも撲殺では効率が悪いと判断したのだろうか?

*7 しかしながら、車に関しては他のメンバーもスパイ含め皆やたら自己主張が強いので、ジンだけの問題でもないのかもしれない。

*8 直前にコナンがピスコに対して幾ら時間稼ぎのためとはいえ「江戸川コナン」と正直に名乗る致命的なミスを犯していることも相まって、シェリーの始末を妨害してきた怪しい人物に心当たりが無いかをもしジンがここで質問していたら間違いなく彼と灰原は大ピンチに陥っていたので、コナン達にとっては僥倖だったと言えよう。

*9 名探偵である毛利小五郎が事前に仕掛けられていた盗聴器に気づかないはずがない、等。

*10 まあ防弾チョッキを着用していたとはいえ、ライフルで何発か胸を撃たれたのに問題無く歩けるのは凄いと言える。

*11 人類学と解剖学をベースにした高度なAIによって、その人物の過去の姿から現在の姿を予測し、世界中の監視カメラ越しに捕捉していく最新システム。

*12 流石に読者・視聴者が見ていない所では組織に仇なす部外者も何人も始末していると信じたい。ちなみに組織が登場する劇場版はほぼ毎回造反者やスパイ相手に内輪揉めを起こすというパターン。

*13 コナンが入っていたコインロッカーを微かに開けた時、息を荒げていた彼の吐息は聞き取れていなかったので、対象がシェリーか否かで感覚の鋭敏さが変わる可能性も考えられる。

*14 厚手のコートを着ていたので刺さりが甘かったのかもしれない。公式ガイドブックでは「酒気を帯びていたので麻酔が効きにくかったのではないか」と推測されている。

*15 彼女の逃亡時の状況を見る限り、下手に生け捕りにしようとしたら逃走を許してしまっていた可能性が高く、仮に生け捕りに成功しても正直に情報を喋る見込みは極めて低かったことも踏まえれば、早々と抹殺する方針に切り替えたのは今回に限れば正解であった。

*16 83巻参照:基本に当てはまらない格上のメンバーにボスの側近・ラムがおり、ジンもラムからの命令にはなんだかんだ忠実。

*17 厳密に言うと、蘭と園子が見た目も声もジンとウォッカそっくりに変装して発言していたという設定であり、残念ながら(?)本人達では無い

*18 当時CIAから派遣されていたスパイであるイーサン・本堂の死んだ場に二人で居合わせていたことがウォッカの口から語られている。

*19 「許可は受けてねぇが、妙な真似をしやがったら容赦はするな」とウォッカに念押ししている。

*20 灰原は触れられたくないのか、コナンにそのことについて問われた際に彼の言葉を遮り話題を逸らしていた。

*21 青山氏は『100+PLUS SDB』の質問コーナーで「(シェリー以外も髪の毛一本で)割とわかるかも。」と答えている。もしそうならベルモットやキャンティ、キールなども髪の毛一本で特定出来たりするのだろうか……

*22 コナンと阿笠博士がキュラソーのスマホからラムへと偽メールを送ることで、彼らがスパイでない可能性があるとラムに誤認させることが出来た。

*23 『霧天狗伝説殺人事件』放送時にコナンが今までの出来事を振り返っていたが、何故かいつの間にかジンとウォッカの名を知っていた。

*24 作中でもこの歴史的事実がベルモットに言及されており、コナンが組織の暗号を推理するヒントになった。

*25 ちなみにコナンはジャンボ旅客機のことを「鉄の鳥」と言っていた他、赤井は黒の組織のオスプレイを「鉄のカラス」などと表現していたりする。

*26 この直前にベルモットから海に手榴弾を投げ入れる理由を解説されたキャンティも「ダイナマイト漁の要領」と称している。