トラバント(FE)

登録日:2014/04/06 (日) 18:19:00
更新日:2024/04/16 Tue 22:06:24
所要時間:約 3 分で読めます





はっはっは、反乱軍の雑魚共よ。わしがトラバントだ。

冥土の土産によく覚えておけよ!






出典:ファイアーエムブレム ヒーローズ、任天堂、インテリジェントシステムズ、
2017年2月2日配信開始、(C) 2017 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS

ファイアーエムブレム 聖戦の系譜」及び「トラキア776」に登場するキャラクター。




ユグドラル大陸の最南東に位置するトラキア王国の王にして、伝説の十二聖戦士の1人・竜騎士ダインの血を引く天槍グングニルの継承者。

初登場は第3章。ここでは自身は戦いに参加しないものの、エルトシャンの死亡後にアグスティ王家のシャガールの依頼で配下のパピヨンをシグルド達に差し向ける。

続く登場は親世代の最後となる第5章。シグルド達の救援に向かい、イード砂漠を北上中のキュアン率いるレンスター王国のランスリッターを背後から強襲。
キュアンも応戦したものの、砂漠に足を取られる騎馬の不利と、ナイトキラーで武装した無数の竜騎士団、そしてトラバントの持つグングニルとの相性の悪さから劣勢を強いられる。
そして妻・エスリンが殺害され、娘のアルテナを人質に取られると抗戦することも出来なくなり、成す術も無くグングニルによってその体を貫かれ討死。アルテナもトラキアへと連れ去ってしまう。

子世代の第9章においては、ハンニバルの息子・コープル(シャルロー)を人質にし、彼の忠義心を利用してセリス達と戦わせた。

風貌は深緑長髪の美丈夫だが、このようにその性格は冷酷で残忍。
彼らトラキア竜騎士団は、屍肉を貪る「ハイエナ」と形容され、同時に敵に回せばこれ以上無く厄介な存在であり、忌み嫌われ、恐怖されている。
キュアンの息子・リーフにとっては祖国を、そして愛する両親と姉を奪った憎むべき仇敵であり、
戦闘前会話では「貴様を殺す事だけを夢見て、私は生きてきたのだ!」と父親譲りの過激なセリフと共に、激しい怒りを露わにしている。


【ユニット性能】
ドラゴンマスター LV30
HP-75→65
力-21+10→24
魔力-3→4
技-18→21
速さ-16+10→18
運-0→6
守備-23+10→26
魔防-3→6
移動-9
武器レベル-剣A槍★
指揮-★★★★★→★★★★
血統-ダイン直系
スキル-追撃(兵種)・見切り・待ち伏せ

親世代での登場は全てイベント中で、実際に戦う事になるのは子世代も終盤の第9章。
この直前にグングニルを実子のアリオーンに託し、自身は銀の槍で武装している。
素の能力値の高さはもちろん、スキルも相手より素早ければ再攻撃する「追撃」と特効を消す「見切り」は当然完備。
こちらから攻撃しようとすれば「待ち伏せ」で先手を取ってくるという難敵…と書けば聞こえはいいが、
実際は武器が銀の槍一本で手槍すら持っていないため、間接攻撃を仕掛けてしまえば反撃を受けずに倒せてしまう。
槍の重さによって攻速がわずか6しかないので追撃し放題、守備が高く弓特効も無効とはいえ魔法にはすこぶる弱い。
フォルセティやイチイバルを駆使すればなんてことはない道中の中ボス程度に成り下がってしまうのが拍子抜けである。




「トラキアよ……我が愛しき大地よ……ぐふっ……」


…これだけを書けば、彼は単なる卑劣漢で終わってしまう。

彼の治めるトラキア王国は周囲を険しい山々に囲まれ、平地で行える農業や牧畜といった産業をすることが容易ではない不毛の大地で、国力に乏しかった。
そのため、トラキアは竜騎士団を始めとする兵士達を傭兵として各国に派遣することで、その日の生きる糧を得ていた。
トラバントはそうした国の現状を憂いており、国力が豊富な北部のマンスター地方を掌握してトラキア半島を統一することが何よりの悲願であり、
そのためには、自らの手を血で汚すことに一片の躊躇いも見せなかった。
また、イード砂漠の戦いで人質に取ったアルテナは、単にゲイボルグの継承者として利用価値があったために攫ったものと思われていたが
「トラキア776」ではアリオーン共々、実の子と変わらぬ愛情を注いで育て上げたことが語られている。

冬樹ねあの漫画版では、キュアン達を殺害した後にマンスターを制圧しようとしたが、ブルームによって邪魔をされた為に引き下がったという流れになっている。
こちらの彼は国民からの忠誠心が高い。
アルテナにかなり厳しかったり、アルテナがわざと逆上するように挑発した面も見られたが、最後は原作通りのキャラとして描かれた。
また、レヴィンに「トラバントの正義はあくまでもトラキアのものだけであって、平和に過ごしたい人々にとっては忌むべき侵略者でしかない」と言われている。

……なお、一部のアンソロや4コマでは「私は本当は娘が欲しかったんだ!」などと、娘を溺愛する馬鹿親父そのものと化してたりする。

加賀氏が言うにはトラバントは国のために無理して悪役をしているだけで、本来は繊細な性格で世間の悪評を気にしないように装っているだけと解説されている。
本来エスリンを殺すつもりがなかったのに殺してしまったため、アルテナを引き取って育てたのもエスリンの事と彼の性格的に子供を殺せなかったため。
実際作中においても敵対者や部下には冷酷な姿勢を一貫しており、キュアンやリーフ達が目の敵にすることも無理からぬ話なのだが、
それ以外の場面でははっきりとはしていないが上記の性質をうかがえるような一面を見せている。

しかし、キュアンを殺害し、トラキア統一まであと一歩と迫ったところで、グランベルの実権を握ったアルヴィスによって再びマンスター地方を手中に収める事は叶わなかった。
リーフの説得によってアルテナもトラバントが両親の仇であることを知りトラキアを離反。最期はアリオーンにグングニルを託し、自殺も同然にセリス率いる反乱軍との戦いへと赴く…

純粋に平和を目指していたものの、マンフロイによって利用されていたとはいえ多くの仲間を葬ったアルヴィス同様、
彼もまた賛否が分かれるキャラであり、特に結局最後までトラキア半島を統一出来なかった事から、彼の政治的手腕を疑問視し「王の器ではなかった」とファンの間では非難する声もある。
だが彼は、作中でも屈指の「目的と手段が一貫していた君主」であった事は疑いない。
守るべき自国と国民、倒すべき敵を決定し、倒すべきは容赦なく倒した。
全ては愛するトラキアの大地と、そこに住まう民達のために、己の身と、死後の名までもを屈辱と血に染めることも辞さない自己犠牲の行動だった。
とはいえ環境の都合で取れる手段が少なかったとはいえ過激過ぎたため、周辺国の非難は当然として当のトラキアでも激しく賛否両論だった(前述しているが名将ハンニバルから反対されたり、反対されたら人質をとって無理やり従わせたりの下りは分かりやすい)ので結局評価は難しいと言える。


また、ロプト教団抜きに考えても同盟を組んだアルヴィスは統一国家を築き上げることを目論んでいたことから、
どの道作中の様な形でマンスター地方を取られた挙句、軍事力に阻まれて手出し出来ない状況になっていたことはほぼ確実だった。
そのため、いずれにせよ生存中にトラバントが夢を実現することは困難だったと言わざるを得ないだろう。
(ユリウスが成長するまでアルヴィスは思い通りの政治を行えていたし、トラキア単体では土地が痩せていることもあって大したことはなくとも、トラキア半島統一がなされると軽視できなくなって野望の邪魔になる可能性が生じるため、マンスター地方の横取りはアルヴィスの野望上でも必要不可欠である)

余談だが、「悪役と手を組んでしまった君主」という経緯は暗黒竜と光の剣・紋章の謎ミシェイル王子と共通点がある。
竜騎士の国の英雄な点も同じで、スターシステム的な側面も有ると言える。

台詞

  • 心配いらぬ、もらった金の分は働く。
  • くくくっ・・・キュアンめ、われらが後をつけてるとも知らず女連れとは呑気なものよ。レンスターのランスリッターも、もはやこれまでだな。
  • ふっ、血とは恐ろしいものよ…あいつは、わしを嫌っておる。
  • ふふふ、そうだ、おまえの両親、キュアンとエスリンはわしが殺した。しかし、それがどうしたというのだ?戦争とは殺し殺されるもの。今更そんなことを言っても始まるまい。
  • アルテナを殺したのか?なにもそこまでせずともよかろうに…
  • トラキアの王は民を導く強き者である。ゆえに、常にこうして鍛え、備え、戦いに向かう意志を示さねばならぬ。
  • トラキア半島に住む者にとって、伝説の時代に国が分かたれてより事情は諸々あるが、統一は悲願であった。
    結果として、それはなされた。…レンスターの小倅によって、というのはいささか業腹ではあるがな。
    わしと奴の違いを挙げるならば、人を率いるに用いた手段であろう。正解などは時々で変わろうものだが…
    わしは人を操る術として力を頼り、奴は人を導くに信を求めた。その結果というわけだ。
    貴様にも目指す景色があるのなら、よいか、この違いをよく覚えておけ。わしが言えるのは、それだけだ…



レンスター騎士団をイード砂漠に葬り、ようやくという時にグランベルの横槍…

あの屈辱と腹立たしさ、決して忘れえぬ。

2020年1月より大英雄戦で登場。
槍装備の飛行ユニット。イラストは添田一平氏。

武器スキルは汎用の『銀の槍+』。グングニルを持たせてもらえていないのは子世代時の再現か。
2023年8月には専用武器『トラキアの王槍』を得る。やっぱりグングニルではない。
飛行特効無効、敵から攻撃された時、または戦闘開始時敵のHPが75%以上の時、戦闘中自身の攻撃、速さ、守備、魔防+4、
敵の攻撃-戦闘開始時の自分の守備の15%、敵の奥義発動カウント変動量-1。
特殊錬成ではHP+3、戦闘開始時自身のHPが25%以上なら、戦闘中、攻撃、速さ、守備、魔防+4、絶対追撃、自身の奥義発動カウント変動量+1。

Bスキルは自分のHPが75%以下で、敵から攻撃された時に先に攻撃する『待ち伏せ3』。
Cスキルは周囲2マスの味方飛行は、自身の隣接マスに移動可能な『飛行の先導3』。

原作と比べると明らかに弱体化しているが、それは裏を返せば自由度が高いということ。
守備が40と高いので、奥義の『華炎』とは高相性。「飛行の先導」で他の飛行ユニットの味方の移動のサポートも可能。
トラキアの王槍実装後は飛行特効の影響も受けなくなり、高い守備で相手の攻撃を奪い、絶対追撃で速さをカバーし、奥義カウントにも干渉できるように。

☆5のレベル40でのセリフには、彼なりのリーフへの評価と称賛が見て取れる。



「もういい、わしは疲れたのだ。あとはお前の好きにせよ。お前ならば、奴らも憎んではおらぬ」

「彼らと項目を追記・修正せよと? それは同意しかねます!」

「だから好きにせよと言っている。ただし、これ以上アニヲタ民を苦しめるな。わしの願いはそれだけだ」

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最終更新:2024年04月16日 22:06
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