サイ・アーガイル

登録日:2012/02/07 (火) 14:53:00
更新日:2024/03/08 Fri 01:08:37
所要時間:約 5 分で読めます





いい加減にしろよ!

君は…キラのことが、好きだったんだろう?



機動戦士ガンダムSEED』の登場人物。
CV:白鳥哲

種族:地球人(ナチュラル)
年齢:17歳
誕生日:C.E54年7月20日
身長:170cm
体重:63kg
所属:民間人→地球連合軍二等兵→三隻同盟

オーブ連合首長国の資源衛星ヘリオポリスの工業カレッジに通う学生。金髪とサングラスがトレードマーク。
同級生のキラ・ヤマトとは、同じゼミのクラスメート。
ザフトによるヘリオポリス襲撃の際にミリアリア達と共にアークエンジェルに避難し、
キラだけに戦いを押し付けたくないという思いと慢性的な人手不足から志願しCIC担当になった。


人物像としては基本的に温厚かつ善良。
キラとの関係は知り合い~友人の仲だった様で、少し距離はあるものの割と気さくに接しており、
当初はコーディネイターだからと言って差別することはなかった。

その反面、コーディネイターとナチュラルの間にある確執に関して鈍感な部分がある
ラクスの歌が魅力的であったのをやはり遺伝子を操作したためかと口走ってしまう無意識な差別意識もあり、
キラの前で実際にそれを口にしてしまって、それがキラに葛藤を与えてしまう場面がしばしば見られた。

念のために補足すると、この差別意識は作中の世界全体に根付いているものであり、別にサイ1人だけがこのような態度をとっている訳ではない。むしろサイはフレイのようにコーディネイターを露骨に邪険に扱う様子がないためかなりマシな部類といえる。

とはいえ、サイのような善良な人物でさえこのような差別意識を持ってしまっているということはこの世界でのナチュラルとコーディネイターの確執の根深さを表しているとも感じられる。

フレイ・アルスターとは婚約者であったが、彼女の父親のを機に復讐心に駆られたフレイはある計画を立てる。それは復讐の道具とすべくキラを篭絡し、憎きコーディネイターをできるだけ殺させ、最終的には父を守れなかったキラも戦死させることであった。

そのためフレイは計画の邪魔になるという身勝手な理由でサイを捨て、一方的に婚約を破棄してしまう。
更にサイの知らない所でキラとフレイは肉体関係を深めていったせいで、サイとフレイの仲も非常に険悪な状態に陥ってしまう。

サイは婚約の破棄についてにフレイに詰め寄ったものの、この時に事件が起きる。
その時のキラは度重なる戦闘で深刻なストレスを受けていた。自分がしくじれば仲間もろとも終わり、だが親友含む同胞であるコーディネイターを自ら手にかけなければならない、という状況に陥って心を病んでいたのである。さらに、その時のサイの態度が嫌がるフレイに無理やり迫るようにしか見えなかったことで*1*2サイはキラに突き放される形で窘められてしまう。

なぜ一方的に関係を断ち切るのかという正当な訴えをしていたはずのサイ(ただし客観的に見れば振られたのに付きまとうストーカーじみた行為ととれる)は不満を覚え、キラに掴みかかったのだが、サイは逆に腕を捩じられ一蹴されてしまう

これが俗にいうやめてよね事件である。
キラの立場を考えれば仕方ない面もあったが、衝撃的な場面であり物議をかもした。

もちろんキラの態度は理由はあれどよくはないし、そもそもフレイがキラを戦いに駆り立てようと策を弄したことが発端である。

だが、上記の通り無自覚的な差別意識によって知らず知らずのうちにキラを追い詰めてしまったサイにも原因があることは理解していただきたい。
そもそもキラのサイへの対応はストレスのあまり態度が悪い程度で、見たままを述べたものであり真っ当な対応である。

その後コンプレックスから勝手にストライクガンダムを動かそうとしたが、コーディネーターのキラしか動かせないように調整されたOSの機体をまともに操作できる筈もなく、あえなく転倒。
サイ自身も悔しさと情けなさのあまりコクピットの中で泣き崩れた……
彼に同情の念を抱いた視聴者は多かったことだろう。

しかもこの時のサイの格好とストライクの格好がほぼ同一(orz)としてネタにもなった。
さらには無断でストライクを動かそうとした罰でしばらく営倉入りの処分を受けた。

その後落ち着きを取り戻すものの、キラやフレイとはギクシャクした関係を続けることになってしまう。

モラシム隊との戦いでナタルの「ストライクは何をしている」を無視するように発した「上部の砲の射線が取れれば」の一言も、キラを当てにしたくないという一心から出たのかもしれない。
結果的にバレルロール射撃のヒントになったのは怪我の功名と言っていいのやら。

踏んだり蹴ったりな目に遭ったサイであったが、トールが戦死し、キラまでが生死不明になった際には芯の強い所を見せた
自分のことしか考えずに当り散らすフレイを叱責したり、トールを失って哀しみに暮れていたミリアリアを慰めるなど、
ギクシャクした空気の中でも仲間を気遣うことも多かった
またアラスカ基地でキラがAAを助けに現れた際には、複雑な心境を吐露しつつも彼の生還を喜んでいた。何だかんだ、彼を心から憎み切れてはいなかったのである

カズイが艦を降りる際にも見送りに行き、除隊を後ろめたく思う彼を励ますなど、友人想いな一面を垣間見せた。


フレイが連れ去られた後、無事に生還したキラと和解。
優秀なキラに対するコンプレックスこそあれど、それでもキラは大切な友人で失えば悲しいと言う結論に至り、わだかまりに一定の区切りをつけることができた。
その後、作中での最終地点であるヤキン・ドゥーエ攻防戦ではAAのクルーとして最後まで生き残った。

ただし、フレイとは死に別れて最後まで和解はできなかった
とはいえフレイが戦死した際に彼女の名前を呟いているあたり、別れたとはいえ彼女に対して思うところはあった様子。


さて、キャラクターとしての総評ではあるが、一般的な範疇で善人であることには間違いないし、キラと終始友人であることにも間違いない。
だが、細かく見ると曇らせている方が多く見えるぐらいキラに関しては無神経な言動が多く、その度にキラは心にダメージを蓄積させている。

しかも無意識的な言動や話の流れでそうなっているために、逆にキラをフォローしている場面は意外にも少ない*3
後には皆を守るために命懸けで戦った結果なのに、キラは俺たちとは違うというような意識が見えるどころかあまつさえそれをキラに言ったりすることがあった。*4

これらはキラの「フレイは…優しかったんだ。ずっとついててくれて(以下略)」「僕がどんな思いで戦ってきたか、誰も気にもしないくせに!!」の台詞にも強く表れている。*5

コーディネイターへの差別、あるいは苦手意識が露骨だったカズイはおいても、
同じ男友達であるトールにはこういった場面はほとんどなかったのとはある種対照的である。

まだ学生であるため仕方ないことだが、善人ではあるが凄くできた人間というほどではないといったところ。長所もあれば短所もある、ある意味で生々しい人物像になっている。

続編の『SEED DESTINY』では未登場。
『SEED』において葛藤と挫折を経験し、大きく精神的に成長した彼の活躍が見られないことに落胆した視聴者も多かったことだろう。

+ 最新作『FREEDOM』では
なんと オーブ官僚として再登場。 それもカガリに近い位置にいるので、官僚の中でも相応の地位に就いているのかもしれない。
残念ながらセリフはなく、キラとの再会はなかったが当のキラ本人はある場面でかつてのサイと同じ役回りをしていた。



一応デュランダルが提案したデスティニープランにおける遺伝子検査を受けるシーンにおいて、
似た姿の人物が数秒だけ登場している。それがサイ本人であるかは不明。
なお、中の人は特別版でナレーションとして登場している。


【余談】
「ナチュラルだとか、コーディネイターだとか、連合だとか、ザフトだとか、正義だとか!大義だとかっ!!」
「…こんなものがあるからぁっ!!」

高山版ではオリジナルのシーンが追加されている。味方を巻き込む前提でサイクロプスを発動した地球連合軍の非道な行いに対し、憤りのあまりマリューらに激しい怒りをぶつけ、連合のワッペンを引き剥がす場面がある。
本編のサイからは想像もつかないほどに激昂し、啖呵を切る姿はかなりカッコイイ。

担当声優の白鳥哲は本編の破局もあってフレイ役の桑島法子やキラ役の保志総一朗とかなり喋り辛くなった程、サイ役にのめりこんでしまったらしい。
後に『機動戦士ガンダム00』でアンドレイ・スミルノフ役を演じた際も似たような状況に陥ったそうな。
そもそも『ハガレン』のグラトニーを演じて食欲増したり嗅覚が鋭くなったりレバーに人肉の感覚を覚える方だが……

本編の三角関係の着想は同じくサンライズが製作したSFロボットアニメである『無限のリヴァイアス』から来ている。

そのため『SEED Club 4コマ』では学芸会のネタでそれのパロディをやった。
きらの提案らしく、配役も中の人繋がりという細かいネタもある。
ついでにキャラデザも同じだしね。
幸い(?)にもここでは胸倉を掴まれるだけで済んだ。
きら「このォォクソ兄貴があァ!!」
さい「きら…やっぱりマジ怖いからこのネタやめようよ…(泣)」
いざーく「姉さん!!」

スパロボJではアークエンジェルのサブパイロットとして登場。ミリアリアと共に最後まで残ってくれる。
攻略本のユニット解説でも「いい人」と評された。

スパロボWではサブパイロットがナタル(後にノイマン)に固定されたため、残念ながらNPCに。
しかしフレイも改心して生存するため、彼女ともヨリを戻すことができた。
良かったね、サイ。カズマは犠牲になったのだ…

アクションゲーム『機動戦士ガンダムSEED 連合vs.Z.A.F.T.』では、本編で一度だけとはいえストライクに乗った縁か、
何とプレイヤーキャラとして選択出来る(同じくちょっと乗っただけのマリューはオペレーターだけなのに…)。
サイがストライクに乗ったのは砂漠にいた頃だが、連ザの彼はフレイが既に亡くなっている様な台詞を言う事がある。

続編の機動戦士ガンダムSEED DESTINY 連合vs.Z.A.F.T.IIにも引き続き登場。
DESTINY本編にて再登場せず、本編中でも殆ど触れられない過去の人であったが、連ザIIでは続投。
なお、SEEDのみ登場組で存命なキャラは彼だけ。

ストライク搭乗の頃は地球軍所属だったが、DESTINYではアークエンジェルクルーがオーブ所属の縁か、彼も連ザIIではオーブ所属になっている。
また、家庭用のPLUSモードで彼を僚機にすると、原作再現か時々コケる


【台詞】
「女の子を人質に取るなんて本来悪役のやる事だしな……手伝うよ」

「なぁ、フレイどういうことなんだよ?」

「えっ、何だよそれ、どういうことだよ?」

「どういうことだよ。おい、キラ!」

(ストライク操縦時)「くそ〜、何で…、う゛ぁ〜っ」

「あぁ、いいんだ。どうせ俺はキラには敵わないんだから」

(不祥事後の戦闘直前に対面した時)「…頼むな、…キラ…」

「トールがいなくなって、キラがいなくなって、みんな悲しんでるんだ!俺だって…悲しい」

「いい加減にしろよ!君は…キラのことが、好きだったんだろう?」

「最初はどうだったか知らないけど…あいつは良い奴だから」

(除隊を後ろめたく思うカズイを見送る際に)「わかってる。向いてないだけだよ。お前には戦争なんてさ。お前、優しいから」

「お前は帰ってくるよな?帰って来るよな!?信じてる!信じてるぞ!*6

「お前が生きててほんとよかった!」














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最終更新:2024年03月08日 01:08

*1 フレイとしてもこの件でサイに食い下がられたくはなかったため、実際に嫌がっていた

*2 サイがフレイに詰め寄った時点ではキラとフレイの関係をまだ知らなかった。そのため、フレイがキラとの関係を明かすまでは、サイとキラとの仲は微妙に距離ができつつあったとはいえ険悪な仲ではなかった

*3 悪いことを言ってしまったという意識があれば彼の性格上フォローしているだろう

*4 一応生きてて嬉しいという発言もあるにはあったが、仲間を守るため仕方なく戦い続けてきたキラに対して相当無遠慮である。サイにはサイにしかできないことがあるはずとキラは大人な対応で返したので大事にはならなかったが

*5 フレイがキラに接近したのは利用するためであり、この場面ではまだキラへの好意を自覚していたわけではない(いつから好意があったのかは線引き出来るものではないので誰にも分からない)。だが、キラの心の傷や悩み自体はこのタイミングでも明確に理解していた

*6 発言の意図は、キラが自分達を置いてザフト(プラント)に行ってしまうのではないのか?という危惧から