巨大化/Giant Growth(MtG)

登録日:2014/03/27 Thu 23:23:05
更新日:2024/02/21 Wed 18:27:34
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子犬は樹上越しに見下ろした。そこにいたのは、昨日自分を蹴飛ばした男だった。

突然、純粋な喜びが子犬の飢えに火をつけた。


《巨大化/Giant Growth》とは、TCG『マジック:ザ・ギャザリング(MTG)』に登場するカード。
最古のエキスパンションであるアルファ初出ののインスタントで、レアリティはコモン。

カード性能

巨大化/Giant Growth (緑)
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+3/+3の修整を受ける。

解説

クリーチャー1体への1ターン限定強化。

使い方としては「相手のライフを削りに行く」「クリーチャー同士の戦闘を引っくり返す」「火力に対応してクリーチャーを守るのに使う」等々。

黎明期のカードは強すぎるor弱すぎるとして再録されない事も多い中で、長く基本セットに留まり続けてきた。
大蜘蛛と共に生き残ってきたが、『基本セット2012』で後述する剛力化と入れ替わり、ついに脱落。
『基本セット2013』でも再録されなかったが、『ラヴニカへの回帰』で再録されスタン復帰。『基本セット2014』では剛力化と再交代で基本セット入り。
そして『灯争大戦』でこれまた久々に再録。基本セット2021期までスタンダードで剛力化と共存する。その後『兄弟戦争』で3年半ぶりに再録され、『イクサラン:失われし洞窟』時点では剛力化と共存してスタンダードに存在している。


派生種

派生種も多数あるが、巨大化自体が十分な性能のため上位互換・下位互換ではなく、強力な分重くなったり、条件次第で強力になったりと色々。

超巨大化/Monstrous Growth (1)(緑)
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+4/+4の修整を受ける。
そのまんまの名前、1マナ増えて修整量も1増加。
ソーサリーなので使い勝手は落ちる。剛力化など上位互換もいくつか存在。

踏み荒らし/Overrun (2)(緑)(緑)(緑)
ソーサリー
あなたがコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで+3/+3の修整を受けるとともにトランプルを得る。
全体版巨大化+トランプル。クリーチャーを並べるデッキでは、エンドカードとして名前通り戦場を蹂躙する。
英名は「オーバーラン」だが迷い猫ではない

力の印章/Seal of Strength (緑)
エンチャント
力の印章を生け贄に捧げる:クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+3/+3の修整を受ける。
生け贄にすることで修整を与えるエンチャント版。
修整値こそ同じだが、使用できることが相手に見えることやカードタイプの違いから使い勝手が少々異なる。

樫の力/Might of Oaks (3)(緑)
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+7/+7の修整を受ける。
強力だが重い。使うならブロックされなかったクリーチャーに。

剛力化/Titanic Growth (1)(緑)
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+4/+4の修整を受ける。
インスタントの超巨大化。超巨大化の立場が無い。最近はスタンダードでのかつての巨大化の立ち位置にいるが、下環境では一長一短。

ハイドラの血/Aspect of Hydra (緑)
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+X/+Xの修整を受ける。Xはあなたの緑への信心である。(あなたの緑への信心は、あなたがコントロールするパーマネントのマナ・コストに含まれる(緑)の数に等しい。)
信心によって修整が変動する。中盤以降ならこちらのが強力。

粗暴な力/Brute Force (赤)
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+3/+3の修整を受ける。
赤にタイムシフト。
逆に緑には治癒の軟膏が治癒の葉としてやってきた。いらねぇ!

立腹/Infuriate (赤)
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+3/+2の修整を受ける。
粗暴な力の調整版。基本セット2020初出。
赤単信心などで時たま使われ、ゼンディカーの夜明け期以降のスタンダードではサムトの疾走などのスタン落ちから採用率が少し伸びた、らしい。

著大化/Colossification (5)(緑)(緑)
エンチャント — オーラ
エンチャント(クリーチャー)
著大化が戦場に出たとき、エンチャントしているクリーチャーをタップする。
エンチャントしているクリーチャーは+20/+20の修整を受ける。
前代未聞の修整値を誇る究極の巨大化。どんなクリーチャーでもこれをつけて殴れば勝ちになる。
ただし付けた際にそのクリーチャーをタップするデメリットがあり、回避能力を有してなければチャンプブロックで防がれてしまう。
緑単色よりも《投げ飛ばし/Fling》*1やコントロール一時奪取呪文*2を擁する赤との組み合わせで使いやすい。

マンモス化/Mammoth Growth (2)(緑)
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+4/+4の修整を受ける。
予顕(緑)(あなたのターンの間、あなたは(2)を支払って、あなたの手札からこのカードを裏向きに追放してもよい。後のターンに、これの予顕コストでこれを唱えてもよい。)
1マナ重い剛力化だが予顕により分割払い可。

余談

ちなみに、巨大化を含めアルファから存在する1マナのインスタント達はブーン(Boon:恩恵)と呼ばれるMtG最古のサイクルである。
いずれも1マナのインスタントで、何かを3することが出来る。


ぶっ壊れのAncestral Recall、長らく再録されておらずその見込みもない暗黒の儀式、長く再録されず一時期再録されたもののまたスタン落ちした稲妻、逆に役立たずの治癒の軟膏。
5枚の中でとはいえもっともバランスが取れているのは間違いなく巨大化と言えるだろう。

MtGのスタックルールを学ぶ上で、一番基本にされるのが《巨大化》と《稲妻》(または《ショック/Shock》)と《灰色熊/Grizzly Bears》というのはお約束。
  • 《灰色熊》に《巨大化》→対応して《稲妻》を撃ったらどうなりますか?
  • 逆に《灰色熊》に《稲妻》→対応して《巨大化》したらどうなりますか?
という物。
正解は、最後に唱えた呪文から解決されるので:
  • 前者は2/2の《灰色熊》に3点ダメージが入る→《灰色熊》死亡→《巨大化》は対象を失うため立ち消え。
  • 後者は《巨大化》が解決され《灰色熊》が5/5に→《稲妻》が3点ダメージを与える→3点ダメージを受けた5/5の《灰色熊》が生き残る。
となる。
時代が変わっても《灰色熊》は《ルーン爪の熊/Runeclaw Bear》にはならないし、《稲妻》《ショック》が《炎の斬りつけ/Flame Slash》にもならない。
様式美という奴だろう。



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最終更新:2024年02月21日 18:27

*1 生贄に捧げたクリーチャーのパワーの点数のダメージを与える火力呪文

*2 すぐ攻撃に転用できるよう、速攻とアンタップを付与する効果が付いている事が多い。