ヴァグラス

登録日:2014/03/17 (日) 17:28:00
更新日:2023/10/05 Thu 04:35:40
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新西暦2012年

都市生活を支える巨大なエネルギー、エネトロン

それを狙い、人類を脅かす存在、ヴァグラス


ヴァグラスとは、『特命戦隊ゴーバスターズ』に登場する悪の組織である。


以下、ネタバレあり


☆誕生の経緯

本編より13年前、物質をデータ化して転送する技術を研究する施設「転送研究センター」にて、あるプログラムが謎のコンピュータウイルスに感染。
その影響で自我に目覚め、施設のメインコンピュータを乗っ取って暴走を始めた。

そのプログラム「メサイア」はネットワークを通じて世界中の全てと融合しようとしたため、センターにいた人々は施設、
つまり自分たちごとメサイアを亜空間に追放し、しばらくの猶予を持たせることを決意する。


そしてメサイアが亜空間に送られて13年。
メサイアの再度襲来に備えて結成されたのが特命戦隊ゴーバスターズ。

一方、メサイアは現実世界に戻るための戦力を整えていた。これこそがヴァグラスである。


ちなみにその名前自体は人類側から勝手に呼ばれたものであることがエンターの口から語られているが、
彼自身気に入ったのか、それとも名前があった方が呼び易いと判断したのか、自分たちをヴァグラスと称する場面が度々ある。



☆組織体制

基本的に、「メサイアとその子分」と言う認識で構わない。
所属するアバター、メタロイド、戦闘員はすべてメサイアが生み出した存在である。

ボスを中心に外部から人員が集まったザンギャック(海賊戦隊ゴーカイジャー)とは正反対。
むしろ結成の経緯などから、デーボス軍(獣電戦隊キョウリュウジャー)の方が近いか。

メサイアは世界の侵略と支配を望んでいるが、その前にまず現実世界に戻ることを渇望した結果生まれたものであるため、
ヴァグラス結成自体の目的は「メサイアを現実世界へ戻すこと」にあると言っていいだろう。

またメサイアのワンマン体制なきらいがあり、メサイアの気まぐれが作戦に影響している部分が少なくない。
そのせいで配下を失ったり、部下のストレスがたまるなどブラック企業な一面も。

組織のボスであるメサイアが現実世界へ一刻も早く戻りたいため、
序盤でエンターが提案したように「ゴーバスターズを手っ取り早く潰す」など直接関係の無い作戦は却下されている。

その一方、メサイアの意に沿った作戦(戻るために必要なエネトロンの収集、メサイアのパワーアップ、疑似亜空間の展開で人間を苦しめるなど)
などについては、結果的にメサイア自身が得さえしていれば具体的な内容は問わない様子。

これにゴーバスターズの妨害が重なり、なかなか進まない。ぶっちゃけエンターが独自に作戦立てた方が成功率が高い。

戦力強化のためにバスターマシンの設計図を盗み、材料を次々に入手し、
新型メガゾードδを完成させたことはその現われと言えよう(結局倒されたけど)。

また、以下のメンバー構成から考えると人員不足を疑うが、
首領含めて構成員は全て元がデータ、つまりコピーやバックアップなどの手段で補い得るため、
エンターのストレス以外はさして問題にならない (大問題です)。

よって、“完全に倒すには苦労するし、できないと泥仕合になる”という厄介な組織である



☆構成員


メサイア


「今日コソ、コノ世界二私ガ存在スル。私ダケガ!」

通称マジェスティ(陛下)。あるいはパパ(エスケイプのみ呼称)。今作のボス枠。
ヴァグラス、及び配下を作った張本人。
無機物をデータ化して融合し、己の一部として作り変えることができ、ゆくゆくは地球そのものと融合し、一つの存在になることを目論む邪悪な存在。
「全ては自分が支配するために存在する」と考えている我儘で気性の荒い横暴な性格の暴君。
これは配下に対しても変わらず、そのジャイアンもビックリなジャイアニズムにエンターは頭を痛めている
詳細は項目参照。


▼アバター


メサイアが生み出したデータの塊で出来た人型アバター。歴代の幹部枠にあたり、外部とコラボするとき出張るのはこの人たち。
本来の肉体をベースにコピーしたものであると異なり、
転送研究センターにいた人たちをベースにした合成アバター。言うなればコラージュあるいはモンタージュ。
ECCジュニアのCMみたいに顔のパーツを組み合わせたり、
口調や武器の名前などに元になった複数人の口癖や所有物を当てはめたりなどして作られた。

その役割はメサイアの帰還の促進だが、最初からそのために生み出されたエンターと違い、
理屈っぽい部分がある彼以上に従順且つメサイアを優先させるために生み出されたのがエスケイプ。

彼らは専用のデバイスを所持しており、
それを使ってメサイアとの通信(通信する際に発生する特殊空間を“マジェスティ空間”と呼ぶ)やメタロイドの制作を行う。
後発のエスケイプの方がいろいろ最新鋭。

またデータゆえにアップデートなどの形でパワーアップが可能。
多少の不可やリスクもあるが、これによって変身態も得ている。さらにはメサイア同様バックアップによって復活できる。


 幹部枠その一。アバター。苦労人。
 みんな大好きエンターさん(違)。
 趣味は作戦立案とコスプレ(多分)。
 詳細は項目参照

 幹部枠その二。アバター。戦闘狂。
 みんな大好きおっぱいさん(違)。
 趣味は戦闘とパパへのご奉仕(多分)。
 詳細は項目参照



▼メタロイド

何らかの物体をベースに作られるロボットで、毎週のゲスト怪人枠。名前が示す通りに皆ロボットである。
アバターが持つツールに「メタウイルス」が入ったカードを読み込ませ、それに繋いであった物体が変化してメタロイドになる。
または、メサイアカードが近くにあった物体と融合して新種のメタロイドが誕生する。
当初は無機物でないと作れなかったが、のちに進化して生物とも融合できるようになった。なお厳密にはメタウイルスが適合するのは「人工物」。なので、無機物であっても天然の金属は対応せず、有機物であっても人工物なら対応する(なのでオモチロイドが出来た)。
メタウイルスがインストールされ、メタロイドへの変形が始まると、電子音声で変形先のメタロイドの名前がコールされる。

基本的に彼らの役割は
  • メガゾード改造の元ネタ
  • メガゾード転送のためのマーカー
の2つ。

メタロイドを作ると自動的にメガゾードの改造・転送が行われるようになっている。
この二つ以外にも個別に役割が与えられることもあり(ゴーバスターズの陽動や足止め、物資の回収や捜索など)、戦略的には一石二鳥である。
さらにメサイアカード製のメタロイドはこれに加えて人間の様々なデータの収集を目的としており、
その果てにはカードの元であるメサイアも感情データを取り込んで成長していく。

作戦に合わせて現地で作った割に喋ったり自我を持って行動できるくらい知能が高いが、
基本的に元になったメタウイルスや物体に基づいた行動しかできないうえ、破壊衝動の強い個体も多く、決して賢くは無い。
このことにはエンターからでさえ辟易させられており、更なる頭痛の種

せっかく得た情報を結局伝えられないまま終わったり(スプレーロイド2)、
自分がいる場所の爆破を知っていて逃げようといしない(スプレーロイド)など、コミカルとシリアスの両方でそれが現れている。
一方で愛嬌があったりどこか憎めない奴(タイヤロイドダンベルロイド)が大半だが、
本気で悪事を行っている奴(ダンガンロイド×2など)も結構いる。

まれに賢いのも出てくるが、それに限って生み出したエンターに失敗作だと思われたり(ケシゴムロイド)、
バグラーによって偶発的に生まれたのも存在する(オモチロイド)。

メタウイルスは「燃やす」や「溶かす」と言った動詞が元になっていて、本来はメサイアの同化能力の一端。
無機物が元になっているのに自我が芽生えるのは同化能力の影響によるもの。
ちなみに、ベースの器物とメタウイルスが同じならマイナーチェンジみたいな見た目になるが、両方とも違ったスプレーロイドは全く異なる力を発揮した。

基本的に等身大のもののみだが、極端に小さい個体や巨大ロボ並みのサイズの個体が出てきたことも。





▼メサイアロイド


花や木の種と同じようにそれぞれが目覚め成長を始めるんです

何時どこでかは私にも分かりません。

成長に必要なデータを集め、やがてこの世界を支配する程の存在になるでしょう...

中盤になって現われた特殊なメタロイド。
削除されたと思われたメサイアがエンターによってバックアップを取っておいたため完全に消滅せずに変化した13枚のカード・メサイアカードによって誕生する。
四肢の一部が赤い異質な形状となっており、時折メサイアの自我を表出させることもある。

メサイアロイドは、人間の各種データを取り込むことで成長・進化を続け、最終的に新たなメサイアになるとのこと(エンター曰く「メサイアの種」)。
カードは自らモチーフを選んで近くの無機物と融合しメタロイドを自動生成する能力を持ち、メガゾードの改造・転送も自動的に行われる。
更にはメタロイド生成時のエネトロン消費量も非常に少なく、特命部もライオバスター参入までメサイアロイドの発生を探知できなかったりと非常にハイスペック。

ただし何処にカードがあり何時目覚めるかはカードをばら撒いたエンターにすら分からず、
既に生まれたメタロイドとカードが融合した場合メサイアの自我と力が強く表れすぎることで暴走し、
ロクにデータも収集せずメサイアの欲望の赴くまま暴れ回ってしまう。やっぱマジェスティって足手まといなんじゃ…



  • 有機物がもとになったメタロイド
○クワガタロイド
材料:その辺のクワガタ
メタウイルス:なし
登場した唯一の例。適当に入手したクワガタと金網を融合させている。ある誤解からJが戦いたがり、本人もまたJとの戦いを所望した。



▼メガゾード


巨大ロボ。巨大戦枠の敵で、メタロイドが巨大化したものではない。
本来新西暦世界では巨大ロボはバスターマシン含めて一貫してこう呼ばれるが、劇中では基本的にヴァグラスの戦力であるもののみをさす。

このうちαとβはもともと現実世界に手作業用などの用途で使われていた巨大メカであり、どちらかと言えば兵器よりも重機と言った方が正しかった。
だが、亜空間に飛ばされた転送研究センターにはメガゾードの製造工場もあり、ヴァグラスの巨大戦力として活用されることに。

本編以降に純粋に戦闘特化させたγ、δが投入されている。

生み出されたメタロイドのデータを基に改造されており、ベースは数種類(α、βと呼称される)のものが用意されている。
つまり、登場するメガゾードはほぼ全てバリエーション機と言うことになる。

メタロイドが出現したポイント地区に転送されることで、出現ポイントや転送時間は把握できるものの、出現する場所は地上に限定されず個体によっては地下や上空から現れゴーバスターマシーンを奇襲するパターンは多い。

ちなみに自動で動くとは言え本来手動で動く純正ロボットのはずだが、メサイアの影響か自我があるような描写もあり、ムエタイの踊りをしたやつまでいる。


  • 登場したメガゾードの種類

タイプα
一番スペックの低いタイプ。
その機動力も高く安定しているが、ゴーバスターエースに余裕で倒されたり戦闘力は少々心もとない。
その代わりバグラーに似た量産機「バグゾード」を積んでいることがあり、援護用に射出、遠隔操作できる。
また、元になったメタロイドの能力頼りの戦法が主。


タイプβ
αよりも頑丈でパワーに秀でている。
モビルグーン(MS)みたいなずんぐりむっくりなシルエット。
αとは逆に機動力が低いが、こちらもメタロイドの能力を駆使してくる。


タイプγ
ヴァグラスが新たに用意していたメガゾード。重機を転用していたそれまでを超える性能を誇り、完全に戦闘用。
エースでは大苦戦は免れず、後半に至ってもまだ強いという強機体。メタロイドの能力は戦闘の補助的に使い、自らの腕っ節で戦う。
踊ったのはこいつ


タイプδ
BC-04の設計図を基にエンターが生み出した新型メガゾード。そのためシルエットのみだがゴーバスタービートに似る。
それまでの比じゃないパワーを持ち、幾度もゴーバスターズを苦しめている。
他のマシンに素体のまま寄生して送られてくることがほとんどで、改造済みのδが単体で送られるのは中盤以降から。
メガゾード界の申し子。


タイプε(イプシロン)
『東京エネタワーを守れ』で初登場したエンターの専用機。
これまでと違いコックピットがあるのが最大の特徴。
背中にバインダーを背負った骸骨と悪魔を思わせる赤色の細身のボディが特徴的なスタイリッシュな機体。
飛行能力と右腕のレールガンを武器としている。
遠近問わない戦闘ができるが、操縦技術ではエンターよりヒロムの方が勝るのか返り討ちに会うことが多い。姿を現わした直後に森下が即席で名づけた。


タイプζ(ゼータ)
メサイアカードの力で誕生したメガゾード。上記のメガゾードロイドが進化してこの姿になった。
だいぶメサイアの意識が出てきているが、エスケイプが操縦する。
高いステルス性能と飛行能力、パワーを誇るが、何より恐ろしいのはメサイアの吸収能力を使えること。
これで劇中ではエースの剣を取り込んでいる。さらに進化してメサイア・リブートとなった。
詳しくはこちらの項目を参照。


タイプω(オメガ)
エンターが用意した、タイプεに代わるエンター専用の最強のメガゾード。
『特命VS海賊』にて初登場、その後終盤でももう一機ロールアウト、エンターが乗っている。
両肩には3連ビーム砲、両腕には4連自動3000ミリランチャー、他にも全身に大小の強化バルカン砲とビーム発射口を無数に装備した超銃火器武装戦闘タイプ。
特に胸部の主砲「ヴァグラストライカー」は1番の破壊力を誇り、エネトロンを集束させた超高熱エネルギー弾を発射し、如何なる相手も粉微塵に粉砕しつくす事ができる。

それ以上に厄介な特性が両腕から伸びる触手で周囲のエネトロンタンクを次々と巨大な繭に作り変えてしまうこと。
この繭を介して自己増殖を可能とし、時間とエネトロンタンクある限りドンドン増えていく。
同時にエネトロンタンクに人間がいる場合、巻き込んだ人間もそのまま取り込んで融合していく、
エンターはこの特性を利用して連鎖的に全てのエネトロンタンクを繭にしながら全人類を吸収しようと目論んでいた。

終盤の機体はバスターマシンのデータを持っていたため無類の強さを持っていたが、ヒロムの機転で逆転された。



▼バグラー

戦闘員枠。バグラーカードによって生み出される。武器はハンドガンで、クローが付いていて接近戦でも使える。
「ジー、ジー」と雑音みたいな擬音を発するのみで喋らないが、身動きで感情を表すことも。

当たり前だが弱い。訓練を積んだものなら生身でも戦えないこともないくらい弱い。
倒されるとデータになって消滅する。

戦闘以外にも作業に駆り出されることもあるこいつだが、何気にメサイアが生んだ最初の配下だったりする(13年前の事件の回想ですでに登場)。



▼創造する者たち

メガゾードの開発や研究を担っている謎の存在。
度々名前が出てくるに留まっていたが、ゴーバスターズが亜空間に突入した際に正体が明らかとなる。

その正体は13年前にメサイアと共に亜空間にやって来た転送研究センターの研究員達。
亜空間に転送された際、データとして分解された肉体がそのままメサイアに取り込まれ、傀儡としてこき使われてしまっていた。
上記の通りアバターのベースとしても使われており、メサイアの意思で強制的に沈黙させられるなど、扱いは奴隷以外の何物でもない。

最後はメサイアが一度シャットダウンされた際に共に消滅してしまった。



☆その後

一度倒されて復活したメサイアも終盤で今度こそシャットダウン。それと入れ替わりに、全権を掌握したエンターがヴァグラスのトップに立つ。

ついには有機物の融合まで果たし、世界全てと融合せんと画策するも、
決死のゴーバスターズによって仕掛けていた罠は外され、エンター自身も倒されてヴァグラスはついに壊滅した。

しかし、万が一にと世界中にかけらだけだが残滓がばらまかれており、何らかのきっかけでいつでも復活し得る状況にある
現に、『キョウリュウジャーVSゴーバスターズ』にてまたも復活し、残ったカードでメサイアの力が部分的に復活している。

すべて大惨事になる前にスーパー戦隊によって撃破されたが、まだまだ油断ならない厄介さを秘めている。



メタウイルス、「加える」、「直す」。インストール

ツ・イ・キ・ロ・イ・ド、ツイキロイド
シュ・ウ・セ・イ・ロ・イ・ド、シュウセイロイド

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最終更新:2023年10月05日 04:35