ヒヨケムシ

登録日:2012/01/20(金) 12:16:38
更新日:2024/01/22 Mon 19:15:48
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ヒヨケムシとは… 













\デデーン/
(画像跡)


節節足動物門鋏角亜門蛛形綱避日目(ひじつもく)に分類される。

あまり耳に覚えのない目かもしれないが、現在のところヒヨケムシ科・サメヒヨケムシ科・スナハシリヒヨケムシ科等11科約800種が知られる結構大所帯な一群である。

……かいつまんで言うと、クモとダニと芋虫ないし蛆虫との、ちょびっとキショイ要素だけを練り合わせたような姿をした虫である。

頭胸部や腹部などを併せた胴体部分はクモのそれに似て無くもないが、頭胸部と腹部との境目が異様に括れていて、腹部は芋虫や蛆虫のように表皮が薄くプニプニと柔らかく可愛らしい。 
ウデムシほどではないが足も細く長めの美脚。触肢も歩肢も、少なくとも体長と同じか2倍程度はある。

そして特徴的なのは頭胸部の前に位置する鋏角。百合の球根の様な形をしたハサミが唐突に頭胸部から生えており、しかも頭胸部と同じかそれ以上の大きさがある。

ボンキュッボンでセクシーダイナマイトなボディと麗しい御御足と、我ら紳士と雖もメロメロにされるその気高きお姿から、世界三大奇虫の一つに名を連ねる奇虫界のクイーンであらせられる。

至極残念なことに日の本の島国にはおわすることなく、熱帯〜亜熱帯の大陸部の乾燥地帯に棲息する。すなわち中東や北アフリカがお住まいのエキゾチックな美女であり、砂漠や荒原に咲く華麗なる花という訳だ。

名前の由来は灼熱の陽光を避ける夜行性であるがゆえの『日避け虫』だが、ラテン名Solifugaeは『主星からの遁走曲』の意味を持つ。嗚呼、何と詩的で格調高いことだろうか……。

日中は岩の割れ目や地中に掘った穴の中で涼しく過ごし、穏和な月光のもとを軽やかに駆け巡る。足の長さ故かこの時のヒヨケムシは非常に俊敏。

主に召し上がるのは昆虫で、砂漠に多いバッタコオロギを好むとのこと。アラビア半島辺りの獰も……もとい、勇敢な種ではトカゲやヤモリをも果敢に捕らえることもある勇気漲る御方である。 
ほんの僅かな欠点としてはその大きすぎる鋏角を細かく上下左右に動かし、獲物をミンチにしながら体液を啜るという召し上がり方は、見ようによってはあまりお行儀が宜しくないところ。まぁ蛛形類の皆様方が同じ様な召し上がり方なので仕方がない。

何故かごく一部の無知蒙昧どもからは「毒虫」扱いされるが、こんな可愛らしい生き物に毒がある訳がなく、人体には全くの無害である。

……たまに鋏角で噛まれて腫れることがある?アー、キコエンナー


日本には棲息していないこともあいまって、ペットとして販売されていることもある。お値段はウデムシと同じか少し高額。

が、さすがは奇虫の女王の気品とも言わんばかりに、飼育は超絶に困難。購入したその日にご臨終ということも……

※経験者は語る!

デリケートな女王様には砂漠の昼夜の温度差が必要不可欠。新鮮な水を常に欲し一方で高湿度は厳禁という、非常に微妙な管理が要求される。
そもそも生理的な寿命も最長で約二年と長くなく、飼育はかなり難易度が高い。繁殖なぞ夢のまた夢だが、ドイツには定期的繁殖に成功している変態級マニアがいるとか。
面妖なり……。  



おまけ

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お食事中のヒヨちゃん

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仲良くお肉を分け合うヒヨちゃん

(画像跡)
イメチェンしたヒヨちゃん

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孕んじゃった///ヒヨちゃん


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最終更新:2024年01月22日 19:15