絶狼-ZERO- BLACK BLOOD

登録日:2014/03/08 (土) 02:07:58
更新日:2021/11/22 Mon 16:46:16
所要時間:約 5 分で読めます




人の心に邪心がある限り、魔獣は現れる

魔界より陰我を嗅ぎつけゲートを潜り、
そして人間に憑依して、この世界に潜んでいる

今宵も、魔獣から人々を守るため
一人の守りし者が闇を駆け抜ける

涼邑零

またの名を――絶狼(ゼロ)


画像出典:『絶狼-ZERO- BLACK BLOOD』OP映像より
© 2013 「絶狼」雨宮慶太/東北新社

蒼く白く輝く鎧は 背負う過去も剣に封じた
~魔戒騎士は守りし者~
愛なんてもう必要ない
絶狼(ZERO)と呼ばれる俺には

―銀の刃よ、闇を切り裂け。―


雨宮慶太原作・監督の特撮番組『牙狼-GARO-』のスピンオフ作品。
本作は、冴島鋼牙のライバルにして朋友である涼邑零を主人公としたVシネマである。
TV第2シリーズ『牙狼-GARO- MAKAISENKI』では、鋼牙が魔戒騎士の雄々しさを見せたのに対し、零は魔戒騎士の哀しき宿命を背負ったドラマを見せたが、このVシネマでも零の視点で魔戒騎士とホラーの宿命を描いた愛と哀しみのドラマが展開される。
同じ牙狼シリーズの中でも、親子のドラマや音楽要素など、『RED REQUIEM』と共通する点が多い。

本編は全6話で構成され、原作・総監督の雨宮慶太の指揮の下、スーパー戦隊シリーズや平成ライダーシリーズでおなじみの小林靖子が全話を執筆、牙狼シリーズや『衝撃ゴウライガン!!』でもごろ寝アングルや足のカットで存在感を見せる演出、そしてギリギリのフェチシズムを見せた金田龍を監督に物語は展開される。

2014年3月5日(水)から3日間ファミリー劇場にて世界初放送、シネ・リーブル池袋ほかで『白ノ章』(3月8日(土))、『黒ノ章』(3月22日(土))の2部に分けて公開。
2014年8月29日にBlu-ray&DVDがリリース。初回封入特典として雨宮慶太氏描き下ろしデザインアウターケース、豪華フォトカードセット、シルヴァの蒔絵ステッカーが付属。
また、零役の藤田玲、ユナ役の梨里杏、カイン役の武子直輝によるオーディオコメンテイタリーと小西遼生と藤田玲のスペシャル対談、そしてメイキング映像に「そういうこと!3人だけのゼロトーク」が映像特典として収録される。

本タイトルに授けられた複題『BLACK BLOOD』に込められたもの――それは、本編で確かめてほしい。


【構成】

『白ノ章』
第1話「DOLCE 血のドルチェ」

第2話「COMUNITY コミュニティ」

第3話「ENEMY 外敵」

『黒ノ章』
第4話「DREAM 真実の夢」

第5話「DECISION 決意」
第6話「SAVIOR 救世主」


【あらすじ】

涼邑零。またの名を、銀牙騎士・絶狼。
クラブバー『LUPO(ルーポ)』で生クリーム多めのホワイトルシアンを嗜む彼は、魔界より現れる魔獣・ホラーの脅威から人間を守るため、今日も闇を切り裂く。

そんなある日、彼は番犬所の指令を受け、魔戒剣を振るう少女ユナとその相棒たる魔戒法師カインと組む事になる。
今回の指令は、「ホラーと人間の共存」を掲げるホラー・リングの討伐。それは、狼と羊を同じ檻に閉じ込めるのに等しい危険な行為だった。

ホラーと人間の不毛な争いを止めんとするリングは何を目論んでいるのか?
ユナとカインの過去に秘められた哀しみとは?
逃げて喰われるか、戦って死ぬか?
人知れず、終わりなき「守りし者」としての戦いを繰り広げる中で、零たちは何を見るのか?

ホラーと人間との共存をめぐる戦いが今、始まる。


【登場人物】

ご存知笑顔が似合う銀牙騎士。
明るく、かつクールに振る舞ってはいるが、ホラーの血を浴びて『血のドルチェ』と化した人間を救おうとする、やや非情になれない面を持つ。
番犬所の指令を受け、ユナ、カインと手を組み「人間とホラーの共存」を掲げるリングの討伐に向かう。
オーディオコメンテイタリーによると、零役の藤田玲氏が『蒼哭の魔竜』で零がサバックで優勝した後と明言しており、絶狼の名も無印よりも知れ渡るようになった模様。
今作では実家も披露、クラブバーにも行くようになった。とはいえ、酒は苦手でホワイトルシアン(生クリーム多め)しかまともに飲めず、ビールを一缶飲んだだけでも足下がふらついてしまうほど。
なお、藤田氏は本編でフランス語も披露、DUSTZのボーカルも担当し本作のEDテーマ『S#0(シーンナンバーゼロ)』を熱唱する。
バクラに自身の過去を聞かされ、守りし者としての使命に一度は苦悩するが、
「どんな人間でも、その命が助かればそこに意味がある」とリングとの決戦に挑んだ。
第6話では跳躍蹴りを放ちながら鎧を着装、魔導馬・銀牙も召喚し、伝説の「焼き轟天」を思わせる突貫攻撃も披露した。


  • 魔道具シルヴァ(声:折笠愛)
ご存知零の家族兼嫁。
零の甘さを承知しながらも力を貸す良き理解者。

零行きつけのバー『LUPO』の常連の熟女が彼に色目を使ったのに対し「なあに、この女?」とヤキモチを妬いていた。
シルヴァ……その人、あんたの中の人だよ。


  • ユナ(演:梨里杏)
番犬所の指令を受け、零と組むことになった少女。
女でありながらも魔戒騎士だった父・クロウド(演:尚玄)の形見である魔戒剣を武器に父の仇たるリングへの復讐に燃えるが、剣を振るうたびに自身の肉体に負担がかけられていく。
「魔戒騎士とは腕試しで分かり合える」「魔戒法師は常に酒で体を清めてないといけない」といったカインの言葉を真に受けるほどのアホの子。
イマジネーションを武器に戦う38番目の戦隊のイエローではない。
幼い頃、魔戒法師だった母・イユから子守唄のように聞いた癒しの歌を無意識に受け継いでおり、
致命傷を負った零達を回復するだけでなく、光を失ったイユに母としての感情を取り戻させ、リング撃破のきっかけを作り出した。


  • カイン(演:武子直輝)
ユナと共に零と組む、自称天才魔戒法師。
チャラい性格でビールを「麦飯」と呼び何本も愛飲する生臭法師だが、勘は鋭く腕も確か。攻防一体の武具・魔導傘という番傘を用い、様々な術を駆使して戦う。
ユナが魔戒剣を振るえるようになったのも、彼の秘術による賜物。
本編の2年前、クロウドと組みリング討伐に向かう中、イユを目の当たりにし
右腕を断たれ炎に包まれるクロウドを見たことがトラウマとなっており、
リングへの復讐のためにユナの頼みを受け入れ、秘術でクロウドの右腕の骨を彼女の右腕に入れ込んだが、当の本人はそれに負い目を感じている。


  • バクラ(演:ガダルカナル・タカ)
クラブバー『LUPO』のマスターであり、零の正体を知る数少ない協力者。
常に無口で客に対して不愛想に振る舞うが、ホラー出現の際には「今日は大雨だ」と引き留める面もある。
カクテルに対してはこだわりを持っており、ホワイトルシアンの味付けに不満をこぼす零を「ソフトクリームでもなめてろ」と軽く流すが、零が戦いに臨む際によく某キスチョコを一粒手渡す。
とある事故で右腕を失くしているが、その過去には悲しいものが……。
いわゆる「おやっさん役」であり、次回予告のナレーションも担当。零や客に語り掛けるように展開する。
右腕を失った経緯は不明。だが、ユナを見る際に何か思わせるような表情を見せ、
第5話でかつて守りし者だった過去を零に語り、「今が人間とホラーが共存している状況かもしれないな」と呟く場面、
そして次回予告の口ぶりから……?


人間とホラーのコミュニティを築き上げた謎の男。
白いスーツに赤いシャツが特徴的な穏やかな紳士で、迷える人間を言葉巧みに誘惑し、コミュニティに誘う。
「人間とホラーの平和的な共存」を掲げ、魔戒騎士とホラーの不毛な争いを止めようとしているが、番犬所は彼の思想を危険視している。
背中から生やした純白の羽を手裏剣のように飛ばす、長剣を生成し振るうなど、その力は美しくも残酷に魔戒騎士を翻弄していく。
白装束で理想郷を謳う姿は、雨宮の過去作品『人造人間ハカイダー』の登場人物・グルジェフを彷彿とさせる。
人を星にして喰う石板のホラーではないし、ディープコネクト社の社長でもない。
イユを愛し彼女の歌でホラーの本能を戒めたものの、彼女が母親に戻った際に真の姿を現す。
やがて、ホラーの本能には逆らえず最終的に彼女を捕食してしまい、慟哭する。
その真の姿は白く巨大な悪魔で、頭部に白い羽を生やしている。絶狼と対峙する中、クロウドの魔戒剣とユナの歌の援護もあって絶狼の刃で送還された。


  • イユ(演:野本かりあ)
人間でありながらリングの理想に付き添う歌姫。
盲目の彼女が歌う子守唄はコミュニティの人間に安らぎを与える。
魔戒騎士に対しては「相変わらず戦うことしかできないのね」と嫌悪している。
実は魔戒騎士クロウドの妻にして、ユナの実母。
10年前に死亡したと思われていたが、リングに救われ彼の思想に共感し争いを終わらせるために付き添う。
成長したユナと再会し、彼女の歌を聴いた事で母親に戻るが、最終的にリングに自らの意思で喰われて死ぬ。


  • 湾田サトシ(演:世良優樹)
平々凡々に生活していた社会人だったが、ながれスマホ運転をした事がきっかけで女性を轢き殺してしまう。
婚約者のナツミから自首するように求められるが激しく拒み、その後の顛末に絶望するがリングの囁きでコミュニティに身を寄せる。


  • 末守ナツミ(演:大貫真代)
サトシの婚約者。
彼を探す中で偶然リングに遭遇、ホラーに襲われ憑依されかかるが、零たちに救われた事で彼女の運命も変わっていく。


  • 仲井間コウスケ(演:高野八誠)
リングのコミュニティで人間の世話係を務める。
初めて入ったサトシにも気軽に接するが、親の借金の肩代わりに内臓を取られそうになったという過去を持つ。
『MAKAISENKI』でまずいまずいと言いながら親の飯を食べていた戦場カメラマンではない。
あと海の守護者でもないし良く当たる占い師でもない。
リングの命を受けるも、自身が殺されまいと次の礎を探して口八丁手八丁でごまかさんとする身勝手な男。
最終的にはリングの逆鱗に触れホラーの餌にされ死亡。


  • ウーラ(演:平栗里美)、サーレ(演:桑原麻紀)、エーラ(演:吉田澪里)、シーレ(演:萩山沙貴)
リングのコミュニティに住むホラー。リングに従い、普段はゴスロリミニスカ姿で人間と接するが、彼らを餌としか見ていない。
コミュニティを抜け出した人間を捕まえる役目をも持つ。



【関連用語】

  • 魔戒騎士
ホラーから人を守りし者。ソウルメタルという金属で生成された「魔戒剣」を振るい、ホラーを魔界に送還する。
人界での活動限界時間は99.9秒。女は騎士になる事も魔戒剣を振るう事も決して許されない。


  • ホラー
古代より人類を餌とし、魔戒騎士や魔戒法師と戦ってきた魔獣。
魔界から「陰我(負の思念)」が宿った物体を「ゲート」にして心に闇を持つ人間に憑依し、姿形をコピーして、近づく人間を次々と襲い、その血肉を喰らう。(取り憑かれた時点で人間としての肉体は滅びる)
その姿や力は憑依した人間の陰我に応じて多種多様に変化し、魔戒騎士を苦しめる。


  • 魔戒法師
魔戒筆などの魔道具を使い、魔戒騎士をサポートする術師。
魔導火を発するライターやザルバやシルヴァの依代などのアイテムを作る役目も持つ。
本作では、飲んだ者の居場所を探知する魔紅茶と言うアイテムが登場した。


  • LUPO
本編で零が行き着くようになったクラブバー。
バクラが経営し、カウンターにはホラーを探知するペンデュラムが配置されている。
LUPOとはイタリア語で「幸運」という意味。その言葉は来客に向けて分け隔てなく与えられる。
そしてそれは、おそらく零にも……。


  • 血のドルチェ
ホラーの返り血を浴びた者の別称。
100日を過ぎると気絶するのも許されない激痛と悪臭の中で肉体が腐りゆき、ホラーにとって最高の食物と化す。
これを救うには本人を切り捨てるか、肉体が完全に腐る前に紅蓮の森に行き、ヴァランカスの実を与えなければならない。
もし、鋼牙がヴァランカスの実を手にするのが遅れていれば、カオルも……。


  • コミュニティ
リングが築き上げた「人間とホラーの共存の場」。
表向きは迷える人間がリングと「契約」を交わし、ホラーと共に同じ日の下で生活する理想郷だが、数か月に一度、50分の1の確率で選ばれる『礎』という生贄を欲するというリスクがかけられている。
常人には見えない結界が張られるそこには、触れてはならない闇が広がっている。





そろそろ項目はおしまいだ、早く帰んな。
なに、アニヲタwikiは平穏だ、何も恐れるこたぁない。
お前らの作る項目はきっと光に照らされてるよ、あいつらのおかげでな。
Next ZERO 『追記』

In Bocca al Lupo…
幸運を







―戦え。燃え尽き、ゼロになろうとも。―


絶狼
-ZERO-



2017.01.06 START


これは、涼邑零の"新たな始まり"の物語である。


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最終更新:2021年11月22日 16:46
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