ケッシグの檻破り/Kessig Cagebreakers(MtG)

登録日:2013/02/18 Mon 17:17:28
更新日:2022/05/14 Sat 00:13:37
所要時間:約 5 分で読めます




マジック:ザ・ギャザリングに登場するカード。
のクリーチャ-。イニストラードに収録され、レアリティはレア。

以下カードテキスト。

ケッシグの檻破り/Kessig Cagebreakers (4)(緑)
クリーチャー — 人間(Human) ならず者(Rogue)
ケッシグの檻破りが攻撃するたび、あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚につき、
タップ状態で攻撃している緑の2/2の狼クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。
3/4

能力解説をすると、まずP/Tは5マナシングルシンボルで3/4と緑にしてはやや大人しめ。
その代わり能力が大人しめどころではなく、しかるべき状況で誘発させれば一撃でゲームを終わらせることも可能。

前ブロックでトップレア近くまで行った刃砦の英雄を彷彿とさせるこのカードも、もちろんイニストラードのトップレアに…










ならなかった…



以下、このカードの惜しい所・強くなりきれなかった所を挙げていこう。

  • 重い
まず第一にこれが挙がってしまう。
5マナというのは普通に伸ばしても相手が戦線を十分に構築してしまっている頃。
この状況で「殴るまで何もしない」クリーチャーが出てきても相手は対処法を握ってるなり展開してしまっている。

そこは緑なのだから、マナ加速で高速で出せば良いんじゃないの?と思うかもしれないが、ここで次の弱点が立ちはだかる。

  • 事前準備が必要
コイツの能力を十全に使うには、墓地にクリーチャーをたっぷり落としていたい所。
最低でも3~4匹は落としていないと、支払ったコストに見合った仕事とは言い難い。

ということは有効活用するには専用構築にしたデッキが必要で、さらに殴る前に墓地を十分に肥やしていなければいけない。
緑得意のマナ加速から3~4ターン目に出した所で殴ってもただの3/4で能力の恩恵には与り難い。

早い話が一人では何もしないのだ。

ここが正に先述の刃砦の英雄との明暗を分けた所で、

  • 刃砦の英雄と同じP/Tでありながら
  • 刃砦の英雄より重く
  • 刃砦の英雄と違って単体で仕事できない

と様々な点で見劣りしてしまうため、メタに食い込むほどの活躍はイニストラードがスタン落ちするまで見せなかった。

また一方で刃砦の英雄の弱い所は引き継いでおり、それが第三・第四の弱点

  • 除去耐性がない
  • 出てすぐに仕事をしない

となるのである。

時おりしも、スタンダードが同エキスパンションで登場した秘密を掘り下げる者、聖トラフトの霊、瞬唱の魔道士レガシー級青生物三銃士のせいで超高速環境になっていた時代である。
上記のような弱点を抱えた5マナ生物がまともに立ち回れる時期ではなかったのである。

緑の割にシングルシンボルで使いやすいのだが、登場時のスタンダード環境で墓地肥やしをするなら緑はメインカラーに入りうる色なので、特段それのお陰で優秀になるということもない。

先に挙げた刃砦の英雄と似た能力・P/Tのため刃砦の英雄が「白英雄」、それと同エキスパンションで対になっているオキシド峠の英雄が「赤英雄」と呼ばれているのに擬えて、「緑英雄」と呼ばれた時もあった。
が、以上からお分かりの通り「英雄」というほど大暴れはしなかった。



とまぁここまで散々こき下ろしてきたのだが、専用構築をしたデッキでは普通にフィニッシャーの仕事をする。
そのデッキこそがドレッジデッキである。

これはラヴニカブロックで登場したキーワード能力、発掘/Dredgeが語源になっているのだが実際は発掘能力を持ったカードは入っておらず(スタンダードなので当然だが)「墓地を肥やしまくってリソースとして使う」という動きからドレッジの名を冠したものである。

インスタント・ソーサリー・クリーチャー等で墓地のカードを増やし、それによって強化されたクリーチャーで殴るというデッキである。

よく使用されるのは次の三枚。

裂け木の恐怖/Splinterfright (2)(緑)
クリーチャー — エレメンタル(Elemental)
トランプル
裂け木の恐怖のパワーとタフネスはそれぞれ、あなたの墓地にあるクリーチャー・カードの枚数に等しい。
あなたのアップキープの開始時に、あなたのライブラリーの一番上から2枚のカードをあなたの墓地に置く。
★/★

骨塚のワーム/Boneyard Wurm (1)(緑)
クリーチャー — ワーム(Wurm)
骨塚のワームのパワーとタフネスはそれぞれ、あなたの墓地にあるクリーチャー・カードの枚数に等しい。
★/★

グール樹/Ghoultree (7)(緑)
クリーチャー — ゾンビ(Zombie) ツリーフォーク(Treefolk)
グール樹を唱えるためのコストは、あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚につき(1)少なくなる。
10/10

いずれもしかるべき構成・お膳立てをすれば2マナや3マナで5/5、10/10などのマナコスト比で破格のクリーチャーを得られる。

それらの準備をしてる内に殴り殺されるのではないかという懸念もあるが、そこは

骨までの齧りつき/Gnaw to the Bone (2)(緑)
インスタント
あなたは、あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚につき2点のライフを得る。
フラッシュバック(2)(緑)

などで耐える。この構成ではコイツ1枚で平然と50点とかゲインする。
何より、他のクリーチャーと巻き添えになって墓地に落ちても働けるフラッシュバックが嬉しい。

これらで耐えたり戦線を制圧したところに降り立つのがフィニッシャーたるケッシグの檻破りというわけだ。
そこ!裂け木の恐怖がまともに回り始めた時点で檻破り要らないとか言わない!

…まぁコレだけお膳立てをしても、檻破り自身が墓地に落ちてしまうという事態が発生しうるのだが、そこは「死後の一突き」とか「生き返り」とかで回収しよう。
特に死後の一突きは檻破りの弱点ナンバー4「出てすぐに仕事しない」を克服してくれるのでかなり相性は良い。
間違って「迫り来る復興」でクリーチャーを指定したりしないように。戦場の裂け木とワームが即死してしまうぞ。

さて、イニストラードの次ブロックはラヴニカへの回帰ブロック。
これはもちろんラヴニカブロックの続編ということになるのだが、そのラヴニカブロックこそが先述した発掘/Dredgeというキーワード能力発祥の地である。
この発掘を生み出したゴルガリギルド、今回も墓地利用に長けている様子であるのでこのギルドの参入によりドレッジデッキ、果ては檻破りが強化されることを期待したい。
と思われたが、結局ラヴニカの回帰参入後もあまり活躍できなかった…そもそも発掘は再録されなかったし。


追記・修正は高貴な獣を檻から解き放ってからお願いします。

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最終更新:2022年05月14日 00:13