闇の騎士デスサイズ

登録日:2014/03/05(水) 17:25:00
更新日:2023/11/28 Tue 08:26:39
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闇の騎士デスサイズとは、TVアニメ『SDガンダムフォース』の登場人物。登場当初は「闇の魔導士デスサイズ」を名乗っていた。

ちなみに、読みは「やみのないとですさいず」。ほかの騎士ガンダム、というか本作における「騎士」は基本的に「ナイト」と読む。
SDガンダム外伝『鎧闘神戦記』に登場する騎士ガンダムデスサイズとは全くの別人。


プロフィール

身長:151.40㎝
体重:189.72㎏
パワー:3692do.
CV:伊藤健太郎(デスサイズ以外にも複数の端役を兼任)


闇の魔導士として

11話から13話にて、キャプテンガンダムをはじめとしたガンダムフォースが、次元転送装置の暴走で送られてしまった異世界・ラクロア。
すでにダークアクシズに侵略されてしまったそこを支配していた、嵐の騎士トールギスの配下の魔導士である。

手足の無いエネルギー体のような姿をしており、攻撃時にも武器である鎌を出現、念力で操作するように振り回している。
が、下記の通り登場当初はトールギスの前にしか姿を現していなかったため、戦闘する場面は後半に出てくるまで無かった。と言うかほぼワンシーンのみ。

慇懃無礼な敬語口調で会話し、何か起こった時に報告する場面でのみ姿を現している。
配下であるためか自身が積極的に動く場面は無く、基本的にトールギスのサポートに徹していた。
が、トールギスが騙されていたと判明したときは鼻で笑ったりしている。

外伝漫画では、一度反乱を起こしたトールギスが捉えられていた間もどこかに隠れていたらしく、
彼の脱出とダークアクシズの侵攻を陰で手引きしていたことが描かれている。

ガンダムフォースがトールギスを撃退し元の世界に帰ってからは視聴者にも姿を見せておらず、
のちにトールギスが腹心であるメリクリウスとヴァイエイトを連れてネオトピアを襲撃した時も出て来なかったが、
ダークアクシズのネオトピア侵攻が失敗し、ガンダムフォースが異次元の度に乗り出した辺りで再び画面に映る。

名前の由来は言うまでも無くガンダムデスサイズ/デスサイズヘル
主要人物にウイングガンダムゼロモチーフの翼の騎士ゼロがいることもあり、何かしら因縁のある立ち位置なることは推測できたが、後にその正体が明らかになる。
魔導士としての姿は、自身の目的のためのカムフラージュだったのだ。



闇の騎士デスサイズ

デスサイズの本当の姿で、騎士ガンダムに属する種族。
さらにその正体は、ラクロア親衛隊の一員として王国を守る立場(つまりゼロの仲間)にあった氷刃の騎士ディードである。
高位の精霊であるスティールドラゴンと融合し、デスサイズになった。

なお、バグバグによって石化したリリ姫は彼のもとにいた。

今度こそデザインモチーフがガンダムデスサイズ/デスサイズヘル(と、かつて騎士ガンダムシリーズに登場した冥闘神デスサイズ)であり、
元の機体を思わせる翼と、金色のマスクパーツが特徴。つまり、今作の仮面枠である。
上述の姿は、偽装に使える闇系魔法によって作った物。トールギス以外にも、他の幹部たちと話すときは敬語口調。
どうでも良いが、今作ではガンダム伝統の仮面をかぶってるキャラが複数登場する。彼のほかに、プロフェッサーガーベラとハロ長官がいる。

己の“目的”のために仲間と故郷を裏切り、トールギスを唆し反乱させ、ダークアクシズにも加わって、最高幹部の一人と言う地位を獲得。
が、自身は魔導士の姿を取った上で彼の配下になり、表向きはトールギスがラクロアを支配することとなった(トールギス自身はこれを知らない)。
上述の通り、ガンダムフォースが異次元の旅を始め、ミノフス境界に漂流していたところで本格的に動き出す。

ガンダムフォースに倒され同じくミノフス境界に流されたトールギスに魔剣エピオンを渡し、
徐々に剣に飲まれて狂戦士エピオンになったところでゼロたちをラクロアに引きずり込む。
エピオンはこのままゼロに倒され、トールギスもそのまま消えたと思われた。

そして“目的”達成のため、元々ラクロアに向かうつもりだったゼロたちが持っていた白バグバグ、そしてゼロに味方するフェザードラゴンを手中に収めるべく暗躍。
この時点ではまだ正体を明かさず、ガンダムフォースのもとに偽物のリリ姫を(本物を奪還したと思わせて)送り込み、白バグバグを奪うよう仕向けた。

その一方でフェザードラゴンも捕え、あとは偽物が役割を果たすのを待つばかりだったが、シュウトたちと過ごす中で彼女が改心し、任務を放棄。
さらに、実は生きていたトールギスが「貴様の好きにはさせん」とばかりにフェザードラゴンを解放。逆転されてしまう。

最終的に、ゼロとフェザードラゴンと合体した銀翼の騎士ゼロカスタムと戦闘。死闘の中で一体化していたスティールドラゴンがフェザードラゴンと同調。
一体化に不調をきたし、追い込まれていく。ついに逆上して特攻するが、インフィニティウインズを食らって墜落して行った。


関連人物等

○氷刃の騎士ディード

デスサイズの正体。ラクロア親衛隊のメンバーであったが、“目的”のために裏切る。
ゼロ含む仲間からは相当信頼されていたらしく、デスサイズが彼だと知ったゼロは、最初は信じられなかった。

○スティールドラゴン

ディードと融合している高位精霊で、フェザードラゴンと対になる。属性は闇で、名前の通りに鋼の身体を持つ。ディードの敗北後はどこかへ飛び去っている。
その存在は文献から抹消されており、自身も封印されていたが、彼のことを知ったディードが解放、契約する。
デスサイズが使う鎌は、スティールドラゴンが授けたもの。

○翼の騎士ゼロ

ラクロア親衛隊の仲間。当初は騎士ガンダム唯一の生き残りとされていた。滅亡するラクロアからたった一人生き延び、石化した人々を戻す手段を探していた。
その中で出会った仲間・ガンダムフォースと共に手段を見つけ、ラクロアを目指す中でデスサイズに狙われる。
ディードの裏切りに関しては、「許す事の出来ない馬鹿者」と言っていた。

○フェザードラゴン

スティールドラゴンと対に位置する高位精霊。ゼロに力を貸しており、合体してゼロカスタムになるが、契約はしていないためいつでもは融合しない。

○嵐の騎士トールギス

ラクロア滅亡の表向きの首謀者。高い実力を持つが、「ガンダムで無い」と言う理由から不遇な扱いを受けて反乱を起こしている。
ガンダムに対するコンプレックスは深く、そこをデスサイズに利用された。

○バグバグ・白バグバグ

ダークアクシズが使う昆虫型のメカ。有機物を石化することができる。
白バグバグはある要因によって誕生したものであり、逆に石化した有機物を元に戻せる。

○リリジマーナ・ミヤ・ド・ラクロア

ラクロアの姫で、通称「リリ姫」。バグバグによって石になっており、ゼロに後を託して異次元(ネオトピア)に送っている。
少々わがままで、王族らしく常に堂々とした態度をしている。石化してその後彼女の身体はデスサイズが回収しており、手近に置いていた。

○リリ姫(黒)

デスサイズが用意した偽物。白バグバグを奪うことが使命。青いバラを基に魔法で生み出されており、姿は瓜二つ。
しかし、性格はこちらの方が大人しい(本物の方が後に登場したため、ギャップに驚いた視聴者もいるだろう)。黒いドレスを着ていたためこう区別される。
最後はデスサイズに背いたためバラに戻されてしまった。

○プロフェッサーガーベラ、騎馬王丸

デスサイズ同じく最高幹部。
策略家同士気が合うのかプロフェッサーとはウマが合う一方、非情ながら武人としての誇りを持つ騎馬王丸には気にいられていない。

○ジェネラルジオング

ダークアクシズのトップ。その体は未完成で、材料として大量のガンダミウム合金(騎士ガンダムでは、人間でいう体組織みたいな扱い)が必要になる。
彼がいる「ジェネラルの間」が、幹部たちの会合の場となっている。

○ラクロア親衛隊(紅蓮の騎士バトール、熱砂の騎士ロック、青銅の騎士ナタク)

ゼロと同様、かつての仲間。モチーフは『ガンダムW』に登場する主要ガンダム三機。
ゼロとリリを逃がすために戦い続けるが、最後はディードの裏切りにあい敗北。ジェネラルの身体の材料として溶鉱炉で溶かされてしまった
亡骸として、鎧や武器のみがジェネラルの足元に転がっている。


追記・修正お願いします










































何故だディード!?親衛隊の友情を誓い合ったお前が、誇り高き騎士だったお前が、何故……何故こんなことを!?

リリを……愛しているからだ



ここまでで書いてこなかった、デスサイズの“目的”が具体的に何なのか。

祖国を、仲間を裏切り、正体を隠して暗躍してまで果たしたかった彼の目的。


それを端的に言ってしまえば、人間になってリリと結婚することだった。


リリと結婚することだった。


リリと結婚することだった。


大事なことなので三回言いました。

ラクロア親衛隊の一員となった時から、彼は騎士と王族と言う立場を超えてリリに好意を寄せていた。が、身分以前に種族の高い壁が彼の前に立ちはだかっていた。*1
騎士ガンダムである彼がリリと結ばれることは不可能とされており、彼の想いは敵わぬものと自身でも思っていた。
そしてティードは、侵略にやって来たダークアクシズと人間となってリリと結ばれるために手を組む。
そして相反する属性を持つ二体のドラゴンをそろえ、それが可能となる力を欲し精霊王スペリオルドラゴンを顕現させること目論んだ*2

動機だけならまだ同情の余地はある(加えて、騎士ガンダムと言う人間と結ばれない立場によって彼の想いが屈折した可能性も考慮できなくもない)が、
彼はそのためだけに

  • 仲間を裏切り、あまつさえジェネラルの生贄にした
  • 祖国の有機物をみんな石にした
  • 騎士ガンダムに不満を抱くトールギスを唆し、さらに騙して魔剣エピオンに取り込ませた
  • 自身の目的のために偽物のリリを生み出し、不要になればすぐに切り捨てた
  • 挙句かつての仲間を王に仕える番犬呼ばわりし、自分はリリの隣(つまり王座)こそ相応しいと豪語

と、常軌を逸した行動、言動が多々見られた。
偽物で満足しない辺りはある意味一途と言えるかもしれないが、いくら裏切ったとはいえ扱いがあんまりである。自分だって裏切ったくせに。

名前が明確に出ているキャラだけでも

  • 紅蓮の騎士バトール
  • 熱砂の騎士ロック
  • 青銅の騎士ナタク
  • 嵐の騎士トールギス
  • 轟雷の騎士メリクリウス
  • 暴風の騎士ヴァイエイト

と数名の騎士(上述した通り上三人はかつての仲間)が命を落とす・人生を狂わされている。

さらに言えば、愛ゆえの彼の行動もまた常軌を逸しており、

  • 人質にするでもなく、石化したリリを自身のそばに置いておく
  • 石像となったリリに話しかける。それもずいぶん長々と(もちろん返事なんて来ない)
  • 話しかけつつリリに接近する。人間関係の話で無く物理的に
  • そのうちリリの周りをくるくる回る。視線はずっとリリに固定
  • しかもどんどんタメ口になっていく。口調に出ている通り騎士道とか王に仕える云々とかも捨て去っている
  • リリと結ばれるために種族すら捨てようとした
  • 裏切る前からストーキング(護衛の任務であった可能性もあってほしい。切実に)。木陰からリリのことを見つめていた

このありさまである。

このことから彼は「変態」、「今作最大の変態」、「SDガンダムどころかガンダム全体でも屈指の変態」だとか言われてしまっている。とにかく変態である。

裏切る前は仲間思いで、その仲間(もちろんゼロからも)やリリ含む王家からは深い信頼を寄せられていた。
そんな彼が裏切り、仲間を売るまでしてしまったのだから、愛とは恐ろしいものである。






「この気持ち……まさしく愛ッ!!」

グラハムさんアップしないでください呼んでません。






冒頭のセリフだけならまだ格好いいのだが、断末魔が

「ひいぃぃぃぃぃ!リリィィィィ!!」→ゼロカスタムに突撃
「リ、リリ……」→超魔法喰らって墜落。

てな感じで正直言ってみっともないもんだからなおさら変態呼ばわりされてしまうのかもしれない。

ただ、彼の歪んだ愛ゆえに人生を狂わされてしまった者が多いが、計画は失敗し、敗北し、
何よりその想いをリリに直接伝えることは結局かなわなかったことから考えて、誰よりも人生が狂ったのは彼自身であるというのは皮肉な話である。



余談

元々の予定ではデスサイズはダークアクシズに敢えて入り、内部から組織を崩壊させるスパイという立ち位置であり、
他の騎士達も実は生存していて最終決戦の時に参戦する筈であった。
しかし、尺の都合でこの展開が出来なくなったため設定を変更し、現在の変態が出来上がったのであった。

商品化の機会はさすがに主人公組ほどではないが少なくない。
簡易キット(プラモデル)が日本で発売されたほか海外限定でSDフレクション(可動フィギュア)が発売された。

後者のみディード(マント無し)、デスサイズの両方が再現可能。残念ながらスティールドラゴンは付属せず。
ゼロカスタムは日本でも発売されたが、これ含め、いくつかのキャラクターは海外のみの販売となっている。

前者はデスサイズのみの再現となるが、仮面は顔と別パーツになっており、外すとディードの顔がコンニチハする。
これ以外にも外装は取り外し可なので、改造次第でディードにもできるかもしれない。正し目のシールなどは付属しないため、自前で何とかするしかない。

いずれも令和の今となっては入手困難であろう。


関連項目




追記・修正は
愛する人を石化させ、
その上でその人に話しかけつつだんだん近寄っていき、
最終的にその人の名前を叫びながら空中から地上に墜落してからお願いします。




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最終更新:2023年11月28日 08:26

*1 なお余談であるが、カードダスの方では異種婚OKの世界もある。『新SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語』ではゼロガンダムとマーベットが結婚している

*2 実際、SDガンダム外伝シリーズの『鎧闘神戦記』では、スペリオルドラゴンの力が宿った武具によって天使族のヒイロが騎士ウイングガンダムに変身する現象が起こっている