タテガミライオー

登録日:2014/02/25(火) 14:56:00
更新日:2024/03/18 Mon 17:04:55
所要時間:約 20 分で読めます




※推奨BGM:イッツ タイム フォー バスター!


ゴーバスターズ、ネクストミッション!

あのライオン、なに~!?

私、ゴーバスターズ嫌いだから。

やな感じ~!

仲間にできるヤツかもしれないんだろ?

俺はこいつをねじふせる!



Mission.35 タテガミライオー 吼える!









タテガミライオーとは、スーパー戦隊シリーズ第36作『特命戦隊ゴーバスターズ』に登場するバスターマシン
初登場はMission.34(第34話)「敵はビートバスター!?」ラスト。

以下、若干ネタバレあり。


【概要】

開発者は葉月サブロー
エネルギー監理局に在籍し、バスターマシンの基礎を築き上げながらも自身の研究にしか興味を示さず、「君には『ビーン!』とした才能がある。だが、君の研究には胸に『ズッバーン!』とくるものがない!」と独特の表現で評した銀マサルト陣マサトからも「ま、俺とは違った意味で『天才』だな」と言われるほどの変人だった。
それゆえ、上層部からもマークされる異端児として扱われており、作中の時代ではすでに故人(と言っても亡くなったのは本編から見て最近の模様)で、彼が特命部を追い出されて以降に完成させたのが、このタテガミライオーである。

基本カラーは藍色で、識別ナンバーはLT-06「LT」とは「Lion(ライオン)」「Trike(トライク=三輪バイク)」の意味。
なお、「タテガミライオー」と言う名前はこの機体が持つ全モード共通の名称であり、ゴーバスターエースのように形態特有の名は持たない。
また、他のマシンは基本的にナンバーで呼ばれるのに対し、こちらは固有名詞であるためかほぼ一貫して「タテガミライオー」と呼ばれる。度々「ライオー」と縮めて呼ぶことがあり、本項でも時折縮めて呼ぶことにする。
陣からは「ライオンちゃん」とも呼ばれている。

中盤から登場した機体だが、それまでのバスターマシンとは設計思想の段階で大きく異なる。

CB-01をはじめとした初期三人のマシンは、パイロットの操縦をサポートするバディロイドと、巨大メカそのものであるメガゾードを組み合わせることで成り立っているが、
このタテガミライオーは最初からこの二つを一体化させる、と言うコンセプトのもとに開発された「バディゾード」である。
つまり、ある程度の自我を持った無人機である。ただし喋ったりはできない。
コックピットは存在し、ゴーバスターズが操縦することもできるが、その際にはライオブラスターというアイテムが必要となる。
また、緊急時には無人のまま駆けつけてくれる頼もしい存在でもある。

シリーズ内なら、無言でメンバーを助ける点は メガレンジャーデルタメガを思わせ、自立行動で戦闘やサポートを行う点はゴーゴーファイブライナーボーイに近い。
戦隊シリーズ以外に例えるならバジンたんことオートバジンが一番近いといえる。どっちもバイクだし。

とはいえ参入経緯はやや複雑で、タテガミライオーが味方になるまでは結構大変だった(後述)。

なお、本編以降の時系列の作品でちゃんと登場したバスターマシンは、現時点ではこのライオー(キョウリュウジャーVSゴーバスターズ)とRH-03(スーパーヒーロー大戦Z)のみである。


【各形態のデータ】


バディアニマル

全長:86.7m
全高:39.0m
全幅:31.0m
最高走行速度:450km/h

ライオン型の巨大メカ。
ふだんはビークルモードかメガゾードモードで待機している他のバスターマシンと異なり、これが基本形態。格納庫でもこの姿でくつろいでいる。
口からの破壊光線が武器で、発射時にタテガミ部分が回転・発光する。
格闘戦では、猛獣らしく引っかいたり噛みついたりしてくる。


バディビークル

全長:75.3m
全高:20.4m
全幅:31.0m
最高走行速度:500km/h

トライク型。
格闘などはできなくなるがスピードは上昇する。
基本的に味方のメガゾードを乗せるための姿で、エースやゴーバスタービートが乗った。
シルエットはアニマル形態に近いが、尻尾となるライオンサーガンが口に咥えられ、タテガミが外れて前輪となっている。
武装はフロントカウル部に移動したライオン頭部に咥えたライオンサーガン。
乗っている味方がこれを手持ち武器として使っているときは、空いた口から光線を放つ。


バディーゾード

全高:53.0m
全幅:20.4m
胸厚:23.7m
最高走行速度:350km/h

巨大ロボ形態。エースを上回る(はず)のサイズを持つ。
ライオンサーガンを槍として使い、頭部とタテガミをタテガミシールドとして左手に装備。
数値上のスペックは完全にエースの上位互換で、遠近問わない戦いができる。


【武装】


○ライオランサーガン

主武装である槍。両端に鉾先がある槍であり、コの字に折ることで鉾先が銃口になる。
他のマシンでも使える。と言うか使えることが前提の武器。

○タテガミシールド

アニマルモードの頭にあたる楯。
メガゾードモードで腕に装備し、合体メガゾード時は胸部に装着され胸がライオンとなる。口から破壊光線を吐く、攻防一体の武器。
メガゾードモードでこれを振り上げると「ガオー!」と吼える。こっちが本体なのだろうか…。


【必殺技】


○ライオインパクト

ライオンサーガンを強化した斬撃。
モーフィンブレスを操作して放つ初期メンバーの技と異なり、操縦桿であるライオブラスターを操作して発動する。

○ライオバースト

トライクモードで、騎乗しているメガゾードが放つ光線。
ライオンサーガンからビームを発射するため主導権は味方の方にある気がするが、一応ここに記載。



【加入までの経緯】

タテガミライオーはその開発者の事情などから、いろいろあった上で戦線に加えられることとなった。
スナドケイゾードとパペットゾードに苦戦するゴーバスターズの前に、突然現れたタテガミライオー。ヴァグラスばかりか彼らのバスターマシンにまで攻撃を加え、すぐに去っていった。

その行方を追っているうちに、ゴーバスターズはある人物と遭遇した。
ライオーを作った葉月博士。
そして彼が特命部を追い出されたことについて、恨んでいる人物……博士の実の娘である、葉月ミカである。
彼女は生前の父と衝突を起こしていたエネルギー監理局、ひいては特命部とゴーバスターズを「周りの犠牲を顧みない連中」と毛嫌いしており、父の忘れ形見でもあるライオーは父の恨みを晴らすために戦っていると思い込んでいた。
ヒロムはエースを駆りライオーと直接対決するが、荒ぶる獅子のごときパワーに一度は敗北。
そんな中、博士が残していた「BUDDY ZORD-Z」ことライオーの設計図を調べたリュウジと陣はある可能性に気づく。

二人の報告を受けたヒロムはニックと共にエースでライオーと対決。それを見守るミカに、リュウジと陣は自分たちの見つけた事実と推測を語る。
ライオーはエースに合わせて設計されており、今までの攻撃は、エース及びそのパイロットの実力を図るために行っていたのだ、と。
戦いの中、メガゾード形態に変形し更なる力を引き出されたライオーに驚くミカ。
信じられない光景に困惑する彼女にリュウジと陣はこう諭す。


そんな設計の元開発されたタテガミライオーが、
俺たちゴーバスターズを倒すためのバディゾードだと思うかい?

確かに、ある見方をすれば君のお父さんは『犠牲になった』のかもしれない。
でも……また違った見方をすれば、自分の研究を……
『意志を守った』ともいえるんじゃないかな?

キミの親父さんは、組織に見限られたんじゃない。
自分の『意志』を守るため、自ら離れた。
そういうおっさんだったよ。

あなた……父を知ってるの?いったい誰なの?

俺は……変人に何度も言われ続けた、『若造』だ。


激しい戦いの中、互いの武器を弾き飛ばされ素手での戦いに移行するエースとライオー。
エネトロンが尽きかける寸前でクロスカウンターが決まり、よろめくライオーはエースとヒロムの力を認めアニマル形態に変形。自身の上に乗るように雄叫びを上げる。
そこへゴーバスターズの戦力増強を阻まんとするエンターがメガゾードεで襲来。ヒロムはエネトロンの消耗が激しいエースからライオーに乗り換えてこれを撃退させる。
シャットダウン後、コックピットに操縦桿として配置されていたアイテム・ライオブラスターが自動的にヒロムの手に渡る。
そこには、博士のメッセージが残されていた。


ミカ、これまでよく私の研究を守ってくれた。
……もう大丈夫だ。

すべてを、彼らに託してくれ。
『ズッバーン!!』とな!

お父さん……お別れの前に、ちゃんと話してよ……。


かくして、父の遺志を受けとめたミカもゴーバスターズを認め、紆余曲折を経てタテガミライオーは特命部に仲間入りしたのだった。
なお、翌話であるMission36でニックたちがライオー解析にかまけるヒロムたちに対しストライキを起こすのだがそれは別の話……。


【ところで……】

さて、このライオーであるが、ある程度の自我をお持ち自立行動できることは上述した通りである。

本編での行動をいくつか追ってみると……

▽ヒロムが自分を扱うにふさわしいかどうか、殴り合いで確かめる
▽認めてからは、積極的にヒロムをサポート
▽格納庫で待機しつつ「ガオー!」
▽ヒロムのピンチを察知して吼える
▽しかし、閉じ込められたヒロムを助けるべく陣が乗ったときは嫌がった
▽が、リュウジにヒロムを助けるためと説得されて大人しくなった
▽以降はヒロム以外が乗っても文句を言わなくなり、ゴーカイレッドも乗せた
▽味方のピンチには積極的に駆けつける。
▽基本的に、指令室に出動を要請し黒木の判断で発進するが、まれに名前を呼ばれるとやってくることがある
▽最終回では一時行方が分からなくなったが、巨大戦が始まるとすぐに駆けつける
▽亜空間から帰ってくると、黒リンたちに手を振るゴーバスターズに合わせてタテガミシールドを振った

……とまあ、こんな感じである。これらを大きく曲解すると……

▽ヒロムが自分を扱うにふさわしいかどうか、殴り合いで確かめる→「あんたが俺を乗りこなせるか、見極めてやる!」
▽認めてからは、積極的にヒロムをサポート→「何だ……結構見どころあるじゃん……」
▽格納庫で待機しつつ「「ガオ―!」「暇だなぁ」
▽ヒロムのピンチを察知して吼える→「胸騒ぎがする……!」
▽しかし、閉じ込められたヒロムを助けるべく陣が乗ったときは嫌がった→「あんたじゃない、ヒロム呼んで来い!」
▽が、リュウジにヒロムを助けるためと説得されて大人しくなった→「し、仕方ないなぁ……」
▽以降はヒロム以外が乗っても文句を言わなくなり、ゴーカイレッドも乗せた→「ま、ヒロムも一緒に戦うなら……(ヒロムが乗らないときはエースが共闘している場合が多い)」
▽味方のピンチには積極的に駆けつける→「ったく、仕方のないなぁ」
▽基本的に、指令室に出動を要請し黒木の判断で発進するが、まれに名前を呼ばれただけでやって来たことがある→「呼んだー?」
▽最終回では一時行方が分からなくなったが、巨大戦が始まるとすぐに駆けつける→「そこまでだ!」
▽亜空間から帰ってくると、黒リンたちに手を振るゴーバスターズに合わせてタテガミシールドを振った→「ただいまー!」

……ツンデレと健気さを兼ね備え、結構可愛くは無いだろうか?
また、これはニックの推測だが、「生みの親も死んで、自分(ニック)達みたいに相棒もいなくって、寂しい思いをしてるんじゃないか?」と言われている。これが当たっているとすれば、なかなかにいじらしく思えてこないだろうか?

見方次第では、タテガミライオーは一種の萌キャラのように……思えないな、うん。


【エースとの連携】

上記の通り、ライオーはエースに合わせて設計してある。アニマル・ビークルモードどちらもエース(に近いサイズのメガゾード)が乗ることができるようデザインされており、後者に至ってはヒロムを認めて以降初めて使った機能である。

また、メガゾードモードではエースの合体コアとしてのポジションを取ってしまうが、これによって結果的にメガゾードの数は増加する(エースとゴーバスターライオーとヘラクレス、またはゴーバスターオーとライオーとヘラクレス)ことになり、戦いの幅は広がった。
ライオーの登場が発表されたときはエースがハブられないか心配されもしたが、むしろエース共々活躍することができるようになったのだ。


【ところで……2】

初期メンバーのマシンのコックピットはアニマルモード時の頭部にあり、合体メガゾード時にその形態の頭部にコックピットブロックごと移動する仕組みになっている。
で、気になるのがライオーのコックピット。
果たしてどこにあるのだろうか?

アニマルモード時の頭なら、メガゾード時にシールドにしていることになってしまう。描写が無かっただけで、こちらもモードごとにブロックごと移動していると考えるのが妥当だろう。

が、後年。ライデンキョウリュウジンがタテガミシールドを装備した時だ。それと同時にゴーバスターズの初期メンバー三人もキョウリュウジンのコックピットに移動してきたのだ。

やはり、頭部が本体なのだろうか?疑問は尽きない。


【関連機体】


ゴーバスターエース

ここで説明した通り。スペック的にも運用法的にもエースの上位互換なライオーだが、それに勝ててしまうあたりヒロムの操縦技術の凄さがうかがえる。


○ゴーバスタービート

一度だけビートがライオーに乗ったことがある。


ゴーバスターライオー


全高:65.8m
全幅:49.6m
胸厚:46.6m
重量:4800t
最高走行速度:500km/h
最大出力:1800万馬力

Mission.36「ゴーバスターライオー ガギーン!」で初合体。
ライオーがエースの代わりにGT-02、RH-03と合体した巨大メガゾード。合体時にライオーに誰かが乗る必要はあるが、呼び出し自体はライオーが無人のままでもできる。
ゴーバスターオー以上のパワーを持つ。武装もこちらの方が多く、胸に移動したタテガミシールドを高速回転させて放つ「イグニッショントルネード」が必殺技。
基本的に初期の三人で操縦するが、ブルーとイエローだけで乗ることもあった。
ゴーバスターズVSゴーカイジャー』では、メガゾードキーの力でコアメカ&胸がライオンつながりのガオキングガオケンタウロスにゴーカイチェンジ。妨害のために転送されてきたメガゾードを粉砕した。


ゴーバスターキン


全高:82.6m
全幅:50.1m
胸厚:56.3m
重量:7200t
最高走行速度:650km/h
最大出力:2700万馬力

Mission.38「実況!エースデスマッチ」で初合体。
GT-02、RH-03、BC-04、SJ-05と合体した合体メガゾード。
動きは重くスピードに欠け、リュウジからも明確に弱点と言われているが、高い防御力で持ちこたえ超パワーで押し切ることができる。
装備はバスターランスにBC-04のブレードで、似た編成のグレートゴーバスターよりも武装が増えている。また、こちらは別に亜空間用では無く、野戦合体が主。
必殺技は両腕部のブレードで敵メガゾードを攻撃する「ツインブレードスラッシュ」と、バスターランスに全エネトロンを充填させ乱れ斬りを繰り出す「エミッションブレイク」

初登場時にレッドが乗らなかった珍しい戦隊ロボで、年末回では最終回でもないのに素顔で操縦されている。


タテガミライデンキョウリュウジン

キョウリュウジャーVSゴーバスターズ』に登場。
ゴーバスターズ獣電池をガブリンチョ!したライデンキョウリュウジンがタテガミシールドを装備。何ともやっつけ感あふれる合体だが、勝利の決め手となった強力なフォーメーション。
この映画では、VS戦隊シリーズであるにもかかわらず、1号ロボを差し置いてライオーが出演している。
ゴーバスターエース&ゴーバスターオー「解せぬ」
バスターマシンのコックピットセットは「ヒーロー大戦Z」を最後に解体されてしまったのだろうか…?


【余談】

顔をよく見ると、他のバスターマシンよりもニックたちバディロイドに近いデザイン(マシンの計器を思わせる)をしている。

一度エースをニックが単独で動かし、ヒロムが操るライオーに乗ったことがあるが、これは普段のコンビとは逆の構図である(普段はバイクに変形したニックにヒロムが乗っている)

設定上エースより一回り以上大きいはずで、玩具などではそうなっているが、本編ではどう見ても同じ背丈になっている。
まぁ、ツッコむだけ野暮と言うモノであろう。これに限らず、スーパー戦隊ロボはこれに限ったことじゃないし。

操縦桿を兼ねるライオブラスターだが、電子音声は葉月博士の声を基に作られているため非常にうるさい。前年携帯電話次年の銃にも負けてない。
以下、その例。
「タテガミ、ライオー!けんざぁ―――ン!!」
「バディ、ビークル!ブロロロロロロ―――!!!」
「ロックロックロックオ―――ン!」
「ヒロム・サクラダ!チキン反応、マ―――ックス!!」
「ライオブラスター!ゴ―――!!!」
「イッツタァイムフォ―バスタ―――!」
「イッツ・タァイム・フォ―・ファイナル・バスタ――――!!!」
玩具の話をすると、発光ギミックとサウンドギミックの両方がタテガミシールドに内蔵されているため、ある意味これが本体である。

ゴーバスターライオーとゴーバスターキングのサイズ設定がおかしなことになっている。

テーマソングは「ライオー!見参!チャンピオン!」
歌うは葉月サブロー役の水木一郎。預言者こと藤林聖子女史の作詞に、劇伴の大橋恵が渡辺宙明をリスペクトした作曲・編曲、どこを切ってもアニキなシャウトが光るんだ、ゼーッと!
なお、一部歌詞を変更した「ゴーバスターキングVer」もあるが、劇中では未使用。日本コロムビアから発売された「特命戦隊ゴーバスターズ 全曲集 コンプリート ソング ファイル」のボーナス・トラックにて1コーラスでのみ収録されている。


ツイキプリ―ズ!プリ―――ズ!!
イッツタァイムフォ―シュウセ―――イ!!



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最終更新:2024年03月18日 17:04