ゴーバスターエース

登録日:2014/02/23(日) 14:27:00
更新日:2023/10/15 Sun 18:15:34
所要時間:約 5 分で読めます





言ったはずだ。無駄かどうかは、俺が決める!!

俺だけじゃない……誰一人、無駄にはさせない!


ゴーバスターエースとは、『特命戦隊ゴーバスターズ』に登場するメガゾード(巨大ロボット)である。
全高:38m
全幅:30m
胸厚:14m
重量:1400t
最高走行速度:330km/h
最大出力:500万馬力


【概要】

 パイトロットはレッドバスター/桜田ヒロムチダ・ニックが合体することでナビゲートを行う。彼専用のバスターマシンCB-01チーターがヒト型に変形した姿で、劇中ではこの機体を含めた人型の巨大ロボを「メガゾード」と総称。これに倣い、この項目でも相当する単語はメガゾードと表記する。また、登場人物は略して「エース」と呼ぶこともあるため、ここでも時折略すことを先に断わっておく。

 メインカラーはと黒。レッドバスターのものとは異なるメタリック調の色合いをしており、色が統一されていることもあって比較的シンプルな外見。胸にチーターの頭があり、ここにコックピットがある。緊急脱出装置も付いていて、指令室側の判断で強制脱出もできる。

 戦隊ものにおける単体のメカとしては、4つ(実質3つ)の形態への変形機構を持つ。エースもそのうちの一つであり、単体で人型になる点はレッドが初期から乗る専用メカとしては珍しい。前例は五星戦隊ダイレンジャー気伝武人・龍星王のみ(騎士竜戦隊リュウソウジャーキシリュウオー(/ティラミーゴ)もこれを前例に持っている)。
忍者戦隊カクレンジャーレッドサルダー電磁戦隊メガレンジャーロボイジャー1魔法戦隊マジレンジャーマジフェニックス手裏剣戦隊ニンニンジャーシノビマルは元から人型なので別。

 外見に似合わず重武装。エース時に使えなくなるものも数えると結構な数。とはいえ、その真価は機動力(非合体のメガゾードではライオーに次ぐ)を生かした接近戦にある。背中にあるスラスター(合体時のジョイントを兼ねる)で低空飛行を行えるほか、比較的軽量なため他のメガゾードと比較して身軽に動ける。最終回ではパイロットの機転で驚きのアクションを見せた。

 反面パワーと装甲は低く、その点で勝っている相手には苦戦を強いられる場面も目立つ。コックピットが切り裂かれて外から光が差す場面が序盤から出てきて、そのままパイロットがマスク割れする場面まで二度もあった。敵の飛ばした針が刺さったり、腕が千切れたりなど痛々しいダメージ表現は他にも多い。
初期は状況に応じて変形して戦うこともあったが、だんだんビークルは移動時のみの出番になっていき、アニマルはほぼ出番が無くなっていった。

 また、合体メガゾードのコアとしての役割も持ち、この機体に他のマシンのパーツを載せていく形で合体するのも特徴の一つ。そのため、機体もパイロットも合体して戦うのに不可欠な存在となる。


【武装】

○バスターソード
 メインウェポンとなる長剣で、バギー形態時はリアウィング、チーター形態時は尻尾になる。エースの戦闘に欠かせない武器であるほか、合体時の武器の基幹にもなる重要なパーツ。そのこともあってか特命部の基地には複数のストックが存在し、仮に破損・紛失しても転送されることで再装備できる。またゴーバスターライオーの武器にもなるため、エースと共闘するときは最低二本必要になる。
接近戦はもちろんのこと、砲撃を弾いての防御や投擲による攻撃など、パイロットの腕次第で攻防一体の武器となる。

○ミサイル
 両肩から発射する。遠距離戦に使われ、意外とその機会は多い。合体時のジョイントがそのまま砲口になっている。

○スタッグランチャー
 後述するスタッグカスタム形態時の武装。
SJ-05スタッグビートルの機種部が銃剣になり、エースの右手に装備される。

○スタッグシールド
 こちらもスタッグカスタム形態時の武装。
SJ-05の左右部がクワガタムシ状のシールドとなり、エースの左腕に装備される。

○ライオンサーガン
 本来はタテガミライオーが持つ武器で、矛先が両端にある槍。コの字に折ると鉾先が銃口になる。トライクモードのライオーに乗ったときはこれで射撃を行う。

○このほかにも、ビークルモード時用のバルカンや、アニマルモード時用のビーム砲も装備。


【各形態】

  • バスタービークル CB-01 チーター
全高:12.8m
全幅:19.2m
全長:45.0m
重量:1300t
最高走行速度:350km/h
最大出力:500万馬力

真紅のカウルが際立つバギー型バスタービークル。
チダ・ニックがコクピットと一体化することでチーター型の顔が出現する。リアウイングはエースのバスターソードを変形させたもの。
レッドバスターが戦闘に出ている際はこの形態で発進させることが多い。
武装はカウルの左右から展開されるバルカンとソードとして展開したリアウイングによる斬撃。


  • バスターアニマル CB-01 チーター
全高:23.3m
全幅:17.4m
全長:61.3m
重量:1300t
最高走行速度:300km/h
最大出力:500万馬力

バスタービークルから変形したチーター型バスターアニマル。
GT-02やRH-03と連携をとったりする際に変形するが、出番は少なめ。
鋭い牙で噛みついたり、ビームで攻撃したり、尻尾となったバスターソードで斬り付けたりと意外にも攻撃手段は豊富。

  • ゴーバスターエーススタッグカスタム
全高:38m
全幅:30m
胸厚:14m
重量:2100t
最高走行速度:340km/h
最大出力:800万馬力

Mission26と44に登場した派生合体。
SJ-05と合体した特殊フォーメーションで、SJ-05が分離して強化パーツとなる。
新たに飛行能力を獲得し、遠距離戦での攻撃力も上昇している。J曰く、「俺の合体2(無印はバスターヘラクレス)」。



【必殺技】

○レゾリューションスラッシュ
 エネトロンの力でバスターソードを強化して放つ斬撃。多くの敵を両断したほか、刺突にも使える。30話で初めて名前が呼称され、それ以降も度々名を叫んで発動している。モーフィンブレスを操作するシーンがあったりなかったり一定しない。必要不可欠と言う訳でもないのだろう。

○エースタッグスラッシュ
 スタッグカスタム形態における必殺技。
左腕のスタッグシールドにエネトロンを収束させ、急降下して敵メガゾードを斬り裂く。


【活躍】

 ここまで読んだ人のうち、ゴーバスを見てない人がいたら、
「どうせ中盤から出なくなる」
「出撃してすぐ合体が定番化する」
「最終回で出番があるか怪しい」
 と思う人もいるかもしれない。実際見ていた人たちも当初そう予想した人もいるらしいし、中盤で同じように合体のコアとなるタテガミライオーが登場。エースとライオーは合体しないため完全にポジションをとってかわられる形となっており、エースがいらない子になる可能性を危惧したものもいるとかいないとか。

 が、しかし!

 エースはそんな不安を一網打尽にし、数多くの活躍を果たした。

以下、ネタバレあり。












Mission1
花々しき初陣。変形機構をフル活用して敵メガゾードを撃破。このバトルの撮影は気合が入っており、『ゴーバス』のロボは今までの戦隊と一味違うことの片鱗を見せた。

Mission2
敵の放つ炎を真正面から受けながら突撃、と言う終盤にでもやりそうな無茶をさっそく敢行。

Mission4
敵が新たにメガゾードγを用意。基礎スペックの差から苦戦を強いられるが、上記のようにコックピットに切れ目を入れられながらもなんとか勝利する。序盤の序盤でここまでの破壊表現をされたのは異例である。

Mission6
合体披露エピソード。とはいえ単体での出番もあり、ゴーバスターオーとエースの性能の違いが表れている。

Mission7
整備士がメインの回。この話で、エースの整備に50人の整備士が関わっていることが明かされた。

Mission9
何と、合体披露から間もない時期に合体せず。GT-02、RH-03と共に単体メカのまま協力して敵を撃破。最強形態や合体した姿にこだわらない今作の意気込みが現れていた。

Mission18
この時点でゴーバスタービートが登場済み。メガゾードが増えたことで共同戦線を張ることができるようになったため、メガゾードを任せてバグゾード二機と戦った。他のマシンもそれぞれの役割で動いていたため、今回も合体は無し。

Mission24
ビート、及びSJ-05と共闘。合体技を披露して敵メガゾードを撃破。このころになるとゴーバスターオーの販売促進期間が終わったのか、単体での出番がむしろ増えていく。

Mission25
久々にほぼ独壇場。メガゾードと、それが使役するバグゾード二機と対戦。校舎をアニマルモードで撃破し、エースで残りも追いつめた(トドメだけバスターヘラクレスが掻っ攫っていった)。

Mission26
SJ-05と合体したゴーバスターエーススタッグカスタムが初登場。飛行能力を活かして、ゴーバスターオーに黒星を付けたことのある強敵メガゾードδを撃破した。あくまでエースの特殊武装形態ということで、エースとしての新たな活躍を見せたエピソードであった。

Mission30
亜空間での決戦編。メサイアの中枢を破壊するべく、単機で突入。エンターが操縦する新型メガゾードεに妨害されるも、隙をついて返り討ちにしてミッションを達成した。この間、他のメカの助力は一切なかった。またも独壇場である。爆発する施設からの脱出のために、バスタービークルに変形して壁走りするシーンもこの話の見どころといえるだろう。

Mission35
タテガミライオー登場。エースのパイロットであるヒロムの実力を見極めんと襲い掛かってくる。ヒロムはエースで応戦。激しい格闘の末にクロスカウンターで勝利し認めさせた。

Mission37
敵メガゾードと、それが召喚したサポートメカの軍団と戦う。ライオーのアニマル・ビークル両形態を乗りこなしてすべて撃破した。

Mission38
この回の主役はエースだったと言っても過言では無い。
ドームロイドの作った特殊空間の中で、次々と送り込まれる敵メガゾード相手にデスマッチを繰り広げた。αを余裕で下し、βに苦戦しつつも倒し、γとδにも奮戦した。救援に入ったゴーバスターキングにも援護を加え、ヒロムとニックの操縦技術とエースのポテンシャルの高さが垣間見えた回だった。
また、この戦闘でまたコックピットを壊されマスクも割れてスーツもところどころ破れた。相変わらずピンチ表現に容赦がない。

Mission39
ヘラクレスと共闘。敵の格闘力の高さに苦戦するが、押さえつけてもらっているところに一撃を加えて撃破。

Mission40
今度は冒頭にロボ戦。ゴーバスターライオーとの初の共闘。ゴーバスターライオーがレッドバスター抜きで操縦できることを印象付け、逆に今後のエース単体での活躍に期待が持てる戦闘であった。

Mission44
冒頭で大ダメージを受けて撤退を余儀なくされるも、応急処置を受けてメガゾード軍団の襲来に応戦。ヒロムが負傷したため特例的にニックが動かした。最終的に中破して動けなくなってしまうが、仲間との協力で大奮戦した。この回では単体での活躍のほか、存在するすべてのバスターマシン・合体形態が登場した。

Mission47
クワガタのメガゾードと戦うJをライオーやビートと共に援護。……が、Jのわけわからん言葉(「やはりクワガタとの戦いは避けられないらしい……」)やこの後の衝撃の展開の方が印象深い。

Final mission
最後にして、エース最大の活躍。バスターマシンのデータも持っているメガゾードΩに苦戦するゴーバスターズ。そこでヒロムは、今まで使ったことのない手として両足の出力を最大にすることによる高速移動を発動。これは本来、等身大戦でレッドバスターが使う固有能力である。Ωを翻弄して大ダメージを与え、勝利につなげた。他にスペックで勝る味方が苦戦する中で、ラスボスに一撃を与えるという大金星を挙げて見せた。

劇場版・東京エネタワーを守れ!
今回は劇場版特別な合体としてゴーバスターケロオーになるが、エネタワーに取り付けられた転送装置を破壊するために分離。GT-02がエースを飛ばし、FS-0Oが装置の破壊に向かい、邪魔をするεはエースが引き受け、攻撃をさばききって撃破した。その後、折れたタワーの修復作業にも駆り出された。

劇場版・ゴーバスターズVSゴーカイジャー
メガゾードキーの力で、ゲキトージャフラッシュキング、龍星王に次々とゴーカイチェンジ。妨害のために転送されてきたメガゾードを蹴散らしていき、亜空間を広げていく黒いゴーカイガレオンもエースに戻って破壊、今回の戦いに終止符を打った。


【結論】
 このように、多くの戦いでエースの存在が勝利に貢献していたことはわかるだろう。終盤に向かうにつれて、出番は減るばかりかむしろ増えていき、ゴーバスターオーやグレートゴーバスターの方が出てこないこともあった。

 合体ロボットが出る作品においては、単体メカより合体メカの方が強い場合が多いが、エースの場合一人乗りのメカがそのままロボになるため、仲間にメタロイドやほかのメガゾードを任せて巨大船を引き受ける、と言う分業ができる。それもバスターマシンのメリットであり、実際劇中でエースが単独で出てくるときは仲間が別の任務を遂行している。それにより、

仲間が巨大戦に参加しない=合体しないで戦う必要がある

 ことになるため、必然的に単体で戦闘を行うこととなる。これはエースに限らず、初期メンバーがメタロイドと戦っている間ヘラクレスがメガゾードと戦う、などと言ったパターンも存在する。

 また、無人機でもあるライオーが合体のコアと言うポジションを取ったことで、それまでビークルかアニマルのみだったブルーイエロー用のメガゾード(ゴーバスターライオー)が用意されることとなり、逆にエース単体で活躍する機会がぐっと増えている。さらに、ライオーはエースと連携できるため、むしろ戦いの幅は広がったと言える。
 戦隊では複数の巨大ロボが並ぶ場合、新メカが2体目以降のロボを構成するパターンが殆どであり、新メカが既存のロボのポジションを請け負う事で既存のロボが2体目として動けるようになるというのは正しく逆転の発想であった。

 さらに、ボスキャラに単独で挑んだり、整備する場面が頻繁に出てきたりなど、主役機だけあって特別な見せ場も多い。公式サイトなどでも、トップページを飾るロボはエースである。

 合体にこだわらず、必要に応じた様々な運用法で使われ、多くの活躍を見せたゴーバスターエース。今作を代表するにふさわしい名機体となったと言えるだろう。


【関連】

○ゴーバスターオー
 CB-01、GT-02、RH-03が特命合体した巨大メガゾード。上述の通りエースをコアにバラした他のマシンを装着していく形で合体するため、事実上の強化形態。戦隊ロボの合体にまつわるツッコミどころを解消した設定が秀逸。
 パワーでエースに勝り、必殺技のディメンションクラッシュ(疑似亜空間フィールドに敵を閉じ込め、回避不能の斬撃を繰り出す)は非常に強力。ただしエネトロンの消耗が激しく長期戦には向かず、特にディメンションクラッシュを破られると一気に追い込まれてしまう。後に新たにエクスプロージョンキック(ほぼライダーキック)を編み出してこれを解消、エネルギー効率も改善されたらしく終盤は普通に長時間戦っている。
 普段はコード入力で自動合体するが、いざという時はマニュアル合体もできる。

○グレートゴーバスター
 CB-01、GT-02、RH-03、BC-04、SJ-05が特命合体した巨大メガゾード。ゴーバスターオーと同じくエースを素体にする。
 エネトロンの消耗も、パイロットへの負担もこれまで以上に大きいため更なる短期決戦を強いられる。そのため最初からこの形態で出撃する必要があり、基地で合体を済ませてから出動する非常に珍しい機体。
 多くのパーツがひしめき合っているためか挙動は決して機敏ではないが、その分強力で複数の敵メガゾードを一掃できるほどの攻撃力を持つ。またスラスターの出力も強く、移動時などの純粋な機動力はむしろ高い。
 亜空間での戦闘のために陣が考案したフォーメーションだが、そのため疑似含め亜空間自体出て来ないときは出番がなくなり、活躍の機会には恵まれていない。終盤でも二度登場、この時は前線での野戦合体の上で戦ったが、あまり良いところは無かった。

タテガミライオー
 バディロイドとメガゾードを一体化させる、と言う思想の元誕生したバスターマシン。エースとの連携を前提に作られており、特にバディアニマル形態とバディビークル形態ではエースがタテガミライオーに搭乗する。


【余談】

 玩具では、ゴーバスターオーを構成するマシンは全てバラ売りで発売された。第一弾がエースで、その後にGT-02とRH-03も単品、もしくはGT-02&RH-03のセットで販売された。トイザらス限定でセット販売されたが、三つの箱を大きな箱で包む形で発売、専用のパッケージは用意されなかった。その分単体でのプレイバリューは高く、エースのDX玩具は日本おもちゃ大賞2012にて大賞を獲得した。
 また、DX玩具におけるエースの腕のジョイントは炎神戦隊ゴーオンジャーのDX玩具と共通規格であり、RH-03等の代わりに炎神バルカや炎神ガンパード等、腕に合体するタイプの炎神6種類をエースの腕に合体させることもできる。

北米版『パワーレンジャー・ビーストモーファーズ』では「ビースト・レーサーゾード」の名で登場。玩具メーカーがハズブロに移行したため、当然ながら他のバスターマシン共々完全新規造形である。
脚にやや肉抜きが目立ったり、一番パーツの保持力にやや不安があるのが残念だが、エース、合体形態共にプロポーションは良好で、可動もかなり優秀。この辺りは流石トランスフォーマーのハズブロと言うべきか。
ゴーバスターオーのセットは日本同様なかったが、代わりにグレートゴーバスターのセットが発売された。5機のバスターマシンの他、レンジャーのミニフィギュアと格納庫のキャットウォークをイメージした台座も付属しており、搭乗シーンを再現できる。
また、こちらでは廉価版フィギュアも存在。変形合体が廃された代わりに劇中のスーツに忠実なプロポーションを実現しており、サイズもDX版とほぼ変わらない。



劇中設定でヒロムが「エースパイロット」とされてるけど、単に「エースのパイロット」って意味なんじゃ……とか邪推した人もそうでない人も追記・修正お願いします。

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最終更新:2023年10月15日 18:15