トップをねらえ2!

登録日:2014/02/15 Sat 22:26:26
更新日:2024/03/15 Fri 12:27:30
所要時間:約 10 分で読めます






努力と根性で頑張りますから…
ノノは絶対、宇宙パイロットになるのだ!




『トップをねらえ2!』(Aim for the Top2! DIEBUSTER)とは、GAINAX20周年記念のオリジナルビデオアニメーション(OVA)。
そして同時に、同スタジオ製作のOVA『トップをねらえ!』の15年越しの続編として製作された作品である。
2004年から2006年にかけて発売され、全6話構成となっている。


【概要】

監督は『新世紀エヴァンゲリオン』の副監督を務めた鶴巻和哉、脚本は『少女革命ウテナ』の榎戸洋司と、『フリクリ』でタッグを組んだコンビによる。
そのため、『フリクリ』と同じ用語が劇中で多数登場しており、ファンの間では様々な考察がなされている。
また前作の監督庵野秀明も、監修をはじめ原画や絵コンテとして参加している。

タイトルが「トップをねらえ !2 」でないのは、あくまで『トップ』とは独立した作品とみなす、いわば続編のようで厳密に言うと続編ではないという少し複雑な事情がある。

製作当時の近未来(西暦2000年代)を舞台に、現実の雰囲気を残していた前作とは世界観が大きく変わっており、テラフォーミングされた火星など、人類が太陽系に進出仕切ったはるか未来を舞台にしている。
また貞本義行起用によるいわば「ポップ」で「萌え」系のキャラデザ、バスターマシンを筆頭としたメカのデザイン・設定の一新、全く新しい「トップレス」という存在など、前作とは正反対とも思える描写が多く登場している。
そのため物語序盤では前作との繋がりどころか繋がっているのかさえも判然とせず、前作ファンからの評価は芳しくないものだった。
しかし前作とはまた違った人物描写の繊細さや鮮やかな映像など、別の魅力を見せるようにもなっていき、
中盤から終盤にはノノの正体や本物の『敵』など、次々と前作から繋がる要素が明らかにされ、
最終的にあの名シーンの再現と、まさしく『トップ』の続編として相応しい作品となった。

また独特なSFディティールとメカデザインは映画『ベイマックス』のデザイン原案などで名を馳せるコヤマシゲト氏によるもので、この作品を出世作にその後も『天元突破グレンラガン』や『STAR DRIVER 輝きのタクト』、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』などでデザインワークを務めた。


2008年には前作と共に『トップをねらえ!&トップをねらえ2! 合体劇場版!!(GUNBUSTERvsDIEBUSTER)』も公開されており、現在はDVDやBlu-ray、ネット配信など多くのメディアでリリースされている。


2015年、『第3次スーパーロボット大戦Z 天獄篇』に参戦。
遂に前作および他のガイナックス作品との共演が実現した。




【ストーリー】

遥か遠い未来、人類が宇宙に進出し太陽系の惑星で暮らすのが当たり前になった時代。
人類は「宇宙怪獣」と呼ばれる謎の生命体の猛威に曝され、太陽系の中に閉じ込められていた。
そうした宇宙怪獣と戦っているのは、特殊能力を持つ少年少女「トップレス」と彼らが操る機動兵器「バスターマシン」だ。

そんな中、田舎で暮らしていた少女・ノノは宇宙怪獣と戦う宇宙パイロットとなるため生家を離れ、火星の街へ上京していった。
そこで彼女はトップレス部隊「フラタニティ」の少女・ラルクと出会う。
憧れの宇宙パイロットであるラルクをノノは「お姉さま」と呼んで慕うが、当のラルクはそれを鬱陶しがる。
そこへ宇宙怪獣の襲来。ラルクは愛機「ディスヌフ」を駆りこれと戦うが苦戦を強いられる。
その時、ノノが宇宙空間で生身でイナズマキックをかますと宇宙怪獣が綺麗に割れた。
こうして、ロボット少女・ノノはフラタニティの一員となり、宇宙パイロットを目指すためラルクと行動を共にすることになる。
やがて物語はノノを中心として、世界が大きく覆される事実と共にとんでもない方向へと転がっていく…。



【登場人物】

●ノノ
CV:福井裕佳梨
火星の山奥に科学者の「師匠」と共に暮らしていたが宇宙パイロットになることを夢見て上京してきた少女。
アホ毛の生えた長いピンク色の髪が特徴。
一見普通の女の子だが、実は師匠の拾った全身ナノマシンで構成されているアンドロイド。
天真爛漫かつおバカ、感情豊かで底抜けに明るい性格で、どんな時も常に前向き。「なぜならば!」と前置きするのが口癖。
目の中に星型ハイライトを持つほどまっすぐであり、どこか某螺旋王の娘に似ている。
伝説の女の子「ノノリリ」に会い、彼女と同じような宇宙パイロットになるのが夢。
ラルクと出会ったのが縁で彼女を「お姉さま」と呼んで慕い、フラタニティに加入するも、操縦するバスターマシンのない彼女はせいぜい雑用係。
お姉さまと一緒に戦えない苛立ちを感じていたが、実は…。
搭乗機:?

●ラルク・メルク・マール
CV:坂本真綾
フラタニティのエースパイロットの少女。
小柄で子供っぽい体格に褐色肌、銀髪とそばかすが特徴。
転送能力が得意で、現トップレスの中でもナンバーワンの戦績を誇る。
プライドが高く斜に構えた性格で、才能こそ大事と考え「努力と根性」の大切さを説くノノを鼻で笑う。
しかしつっけんどんな態度が災いして周囲から距離を置かれ冷やかされることもあり、内心寂しさを抱えており、ニコラに依存しつつあった。
出会って以降勝手にくっついてくるノノを当初は邪険にしていたが、自分をひたすらに慕い真っ直ぐに向き合う彼女を徐々に唯一心を開ける存在として捉えていき…。
搭乗機:ディスヌフ

●チコ・サイエンス
CV:沢城みゆき
フラタニティのメンバーの中で最年少のトップレス。テレパシー能力を有する。
やや毒舌家で生意気な性格。ラルクのことはライバル視しつつも、仲間として気の置けない関係。
幼馴染の少年が宇宙放射病で死んだことがトラウマとなっており、自身の無力さを悔やみトップレスの万能さに猜疑心を持つ。
ノノとは当初は子供じみた喧嘩を繰り返していたが、トラウマ克服後は落ち着いた雰囲気で接するようになった。
搭乗機:ソワサンシス→キャトフヴァンディス

●ニコラス・バセロン
CV:岩田光央
フラタニティのリーダー格の少年。愛称は「ニコラ」。
気障で格好つけたがり屋だが深慮深く、仲間からの信頼も篤い。ラルクが密かに惚れている。
でも正直言ってあの長身にそんな短パンは似合ってな(ry
反面、人一倍「あがり」を迎えることに恐怖感を抱いており、トップレスであることに執着している。
終盤では某石田声の綺羅星みたいなセリフを吐いていた。
「いい年こいて何がバスターマシンだよ!馬鹿みたいだ!」
搭乗機:ヴァンセット

●カシオ・タカシロウ
CV:山崎たくみ
フラタニティのコーチを務める中年男性。
かつてはフラタニティに所属し一騎当千の活躍を繰り広げた伝説のトップレスだったが、大人となった今ではただのオタクメタボ中年。
基本的にいい人だが、日和っている今もなお、過去の栄光に縋りついている節がある。

●サーペンタイン姉妹
CV:(姉・ピアジエ)小林沙苗/(妹・ルクルト)松岡由貴
双子で、二人で一体のバスターマシンを操るトップレス。
周囲との接触を避け、また仲間からもその異様な容姿と態度から煙たがられている。
二人で永遠にトップレスのままでいる方法を模索しており、ある方法を使って年を取りながらもトップレスであることを維持している。
そして、その研究の成果のためにタイタンの変動重力源を発掘していたが…。
搭乗機:カランドゥ

●その他のフラタニティメンバー
一応20数人ほどいるトップレスのバスターマシンパイロット達。
しかし尺が尺だったため全員を描ききる余裕はなく、ほぼモブのような扱いで終わった。
名ありキャラで、クールなルウ、生真面目なゴウヤ、嫌味っぽいニャーン、パンクなシトロン、お嬢様のパシカ、
可愛い系男子のグルカ、ガキ大将のカトフェルとスネ夫っぽいロイなどがいる。

●ハトリ大佐
CV:梅津秀行
宇宙軍主計大佐。
第2話で宇宙怪獣と戦ったラルクの尋問をした。元トップレスで、若き頃の自分への羨望から、嫉妬交じりにフラタニティの存在を邪険に扱う。
某空中戦艦の艦長(43歳でサービスサービスぅ!)と似た格好をしている。


【登場機体】

バスターマシン

対宇宙怪獣線用決戦兵器。
この時代のバスターマシンは計90号台にものぼっており常に進化し続けている。
ただし一万二千年の歳月の間に縮退炉をはじめとした超技術が失伝しており
かつての1~6号機と比べて基本的に戦力として劣る。
縮退炉の代わりにトップレスの能力「エキゾチックマニューバ」を利用した思考機械「フィジカルキャンセラー」によって駆動し、
現実改変能力として数学・量子現象を自由に操る。実質的にトップレス専用機。
日本語が衰退しているので機体名はフランス数字で呼称される。

主なバスターマシン

ディスヌフ
19号機。パイロットはラルク・メルク・マール。
漫画に出てきそうな番長がモチーフ。
腕力を用いた近接戦闘を得意とし、数多くの重火器も搭載している。
ガンバスターを除けば一番のベテラン機とあって、歴戦の戦いを勝ち抜き年期も入っている。
まだ縮退炉がある時代に建造された機体であり、現在は外されているが搭載自体は可能。
またコックピットも現在のは後から追加されたものであり、本来のものは別部分にある。

◆ヴァンセット
27号機。パイロットはニコラス・バセロン。
高機動戦闘による格闘戦を得意とし、大型のブレードを装備。
他戦艦へのハッキング機能を有する。
また見栄えのためにも、背中に大きな翼を搭載している。

◆キャトフヴァンディス
90号機。パイロットはチコ・サイエンス。
作中では最新鋭機。
自身の愛機、ソワサンシスが戦闘で大破し、ノノとの争いの末にチコの後継機となる。
軽量化をコンセプトとしており、高機動一撃離脱の戦闘が目的。
またマイナス1兆2000℃の冷凍ビームを放ち対象を破砕することが可能。

◆カランドゥ
42号機。パイロットはサーペンタイン姉妹。
二台で一機を構成しており、双子でしか動かせない。
二台合体すると巨大な顔型になる。

◆バスターマシン7号
作中に登場する最古にして最小の大きさのバスターマシン。
最小ながらもフィジカルリアクターを搭載し、単独でワープする能力やバスタービームを放つことができ、破格の性能を持つ。
第4話で復活するが、その正体は…。
中の人曰わく、地球に帰ったユングが作らせたとのこと。



【用語集】

●トップレス
宇宙怪獣再侵攻の前後から出現し始めた超・能力者。
頭部から発する光で物理法則を覆す「エキゾチックマニューバ」と呼ばれる超現象を引き起こすことができる。
この時代の子供は程度の差こそあれ皆このトップレスの力を持っているが、ある一定の時期が来ると(「大人」になったら)消えてしまい、このことを「あがり」と呼んでいる。
要するに中二病。ただし中二病特有の万能感がガチで備わっているということ。


●フラタニティ
対宇宙怪獣用に組織された、トップレスの子供達で構成されている迎撃部隊。
地球の平和のために志願している者も多く士気が高いが、
反面世間から優遇されていることもあって宇宙軍からは煙たがれ、中にはその厚遇を利用し危険な策謀を行っている者もいる。


●宇宙怪獣
太陽系外縁部にある「赤い天の川」から太陽系を侵攻するようになった謎の宇宙生命体。
基本的に群れをなし、統率がとれたような行動をする。
何かを探しているような行動が多い。
前作の宇宙怪獣とは大きくかけ離れた外観を持つが、その理由は…。


●変動重力源
土星の衛星タイタンで眠っていた異常な重力源。
当初は太古のバスターマシンの遺物ではないかと推測されていたが、その正体は凶悪な怪光線を放ちすべてを破壊しつくす怪物。
その容姿と特徴、どこかで見たことがある…。
同様の物体がブラックホール「エグゼリオ」でも発見され、ラストで地球に侵攻していった。


























全てが終わり、ラルクは一人、ヤンバルクイナのいる島でその時を待つ。





この夜をずっと待っていた。

  どうしても“彼女”に逢って話したい。

    いつも笑っていた“あなた”のことを。





なぜならば…





なぜならば!


あなたが憧れ続けていた伝説の女の子、

ノノリリが、

今夜帰ってくるのだから!






その日

バスターマシン1号2号

およびその搭乗者が地球に帰還した










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最終更新:2024年03月15日 12:27