宇宙怪獣ザランガ(ウルトラマンコスモス)

登録日:2014/02/14 Fri 02:58:03
更新日:2024/04/04 Thu 19:27:21
所要時間:約 7 分で読めます






この怪獣……妊娠してます。


妊娠!?



宇宙怪獣ザランガ
身長59m 体重7万4千t
  • スーツアクター:三宅敏夫

宇宙怪獣ザランガとは、2002年1月5日放送の『ウルトラマンコスモス』第27話「地球生まれの宇宙怪獣」に登場した怪獣。

出産時期が近付くと体温が急上昇して母子共に死亡する恐れがある為、
体を冷やす為に海の惑星である地球を目指す習性がある。

熱を逃しにくい宇宙空間はともかく、地球よりも体を冷やしやすい惑星はあるだろとか、
看板が自然発火するほどの熱なのに、地面が足跡部分だけ焼ける程度で木々すら燃えてないとか、あの熱ならエルニーニョ現象すら起きそうとか
いろいろ突っ込みどころはあるが、そこはウルトラセブン理論で無理矢理理解しよう。怪獣に常識を当てはめてはいけない。

ちなみに赤くなった時の熱の温度はコスモスすら逃げるほど。

またもやアヤノ隊員曰く、人間が妊娠すると炊き立てご飯の匂いが嫌いになるのと同じく、
火薬の匂いが嫌いで花火の匂いで目測を誤り、海ではなく山岳地帯に落下してしまった。

EYESとコスモスの協力で無事出産できたため、ベビーザランガと共に宇宙に飛び立っていった。
過去にも何度か地球に来た事があるらしく江戸時代の記録に残っており、『生濫駕』と書かれ、「天より落ち、燃える獣。海原より大小の獣となりて天に上る」と書かれている。
江戸時代の書物にも書かれているように毛の類はなく、豚のような尻尾がなかなかキュート。

  • 悲鳴は『ウルトラマンダイナ』のレイキュバスの流用。それにしては妙に出産間近の女性らしかったが…



◆ベビーザランガ

ザランガが無事出産した子ども。
生まれてすぐに飛行することが出来、母親と宇宙に帰っていった。

コスモスへなのか視聴者へなのか微妙にわからないが、画面に向けて鳴くシーンがかなりかわいい。

『円谷プロ全怪獣図鑑』では、別名を親と同じ「宇宙怪獣」と表記している。

【登場エピソードについて】


怪獣の出産を助けるという至極簡単な話ながら、
作品のテーマを貫きつつ、高クオリティーの特撮にも恵まれた見所たっぷりのコスモス屈指のギャグ回。
他のウルトラシリーズギャグ回のような突っ込みどころ満載なギャグではなく、見ててハラハラするタイプのギャグ。
ギャグの質としては「地球頂きます!」が一番近いだろうか?


ザランガによる社会的被害をきちんと描写しながらも、それに四苦八苦するコスモスやEYESと野次馬が上手い具合に調和している。

また凶悪怪獣やら侵略ロボットやらでEYESらしい活動できてなかったが、久々にEYESも大活躍している。
まぁ、結局失敗に終わってしまったが。コスモスも最後はEYESに譲ってやっても良かったのに。

特撮シーンは変なエフェクトや変なCGは使わずに正統派の作り方をしており、
実際の街とザランガとの合成もうまくされていてかなりのクオリティー。

ザランガに関しては赤く照らされたライトと焼ける草地の映像が高熱を上手く表現していた他、
シェパードを追いかけるザランガの足元が映ったときの陽炎効果も王道的な特撮でなかなかの出来。

シチュエーション的には「怪獣が突然降ってくる」「怪獣をワイヤーで引っ張ろうとする」「コスモス二回登場」など、
ウルトラマンのギャグエピソードであるスカイドン回と共通点が多い。ハヤシライスやカレーはないが。


「ウルトラマンコスモス」のメインテーマである『怪獣の保護と人間の共存』をしっかりと表現したうえで
緊張感を持たせ、笑いを誘うギャグが満載で、特撮のクオリティーも高かったので、この話が神回という人も多い。

ちなみにこのほんわかギャグ回の後が、あのエクリプス三部作である。
そのため、この回の後にムサシが急に焦りだすという展開になってしまっており、
「この回と『カオスを倒す力』は放映順が逆だった方がよかったのでは?」との声がある。

これに関しては、「年の初めにめでたい話をやりたかったのではないか」
「逆に年の終わりには前半の纏めとなる実体カオスヘッダーの話をやりたかったのではないか」
「この話を挟むことで『EYESの本来の使命』を印象付けたかったのではないか」といった説がある。



【登場人物】


春野ムサシ
我が道を驀進する天然。ある意味、凄い。
宇宙怪獣の登場に一気にテンションを上げた、ぶれない奴。
やれやれと言った感じで変身するシーンはいつもの叫び変身ではないためにさらに笑いを誘う。

マグロ(本当はシャケ)について語るアヤノの後ろでの百面相は必見。


ウルトラマンコスモス
不憫。動きが妙に人間臭く、それがさらに視聴者に笑いを誘う。
ザランガを引き上げるが体勢を崩して押しつぶされ、さらに走って止まれなくなったザランガに突き飛ばされたりと今回のコスモスは散々。

そしてそれにブチ切れてルナモードなのに拳を握ったあげく殴りかかろうとした。
ザランガの妊娠を知ったときのカラータイマーなどギャグ描写が満載。

熱を持ったザランガを触って(゚A゚;)アツッ! となったあげく、ビビって及び腰になっていた。

その後はルナコールドで冷やした後にトランスバブルでザランガを海に連れて行った。


モリモト アヤノ
ムサシほどではないが大暴走。いや、ぶっちゃけ一番暴走したのは彼女か。
シャケとマグロを勘違いしたり、テックサンダー発進前に、サングラスをかけようとしたりした。
(24話で操縦席でマニュアル引っ張り出したほどの実力。そのため今回も「若葉マーク付き」)

エピローグでは私も赤ちゃんが欲しいと言うが、のちに……


ヒウラ ハルミツ
アヤノを中心とした周りに流された……というか巻き込まれたギャグ要因。
一応、真面目にやっているのだがそれがすべて空回りしている感がある。


ミズキ シノブ
今回はドイガキとコンビを組んでギャグ要因に。
おばさん呼ばわりされたアヤノの後ろでなんか意味深な表情をしていた。19歳がおばさんと言われてそんなにうれしいんですか!?
居眠りしていたドイガキをローリングで起こしたり、ロマンチックな言葉を言っていた。

「……珍しくって? ちょっと、それどういう意味です?」


ドイガキ コウジ
今回は平和なため、気を抜いたのか任務中に居眠りしたりしてシノブリーダーにたたき起こされたりした。
アヤノおばさん事件では後ろでノリノリになって相槌を打っていた。
どうせなら引上げ作戦は貴方がやればよかったのではないのだろうか。

「怪獣のパパになった気分だな」


フブキ ケイスケ
今回の被害者。真面目にやってるのに……
野次馬ともめていたが、ザランガ親子が宇宙に帰る時には子供を肩車していた。


イケヤマ管理官
久々に登場してザランガを解説してくれた。


野次馬
交通規制とか避難誘導とかされているはずなのだろうけど、不自然なほど群がった野次馬。
無事に出産を終えて宇宙に帰っていくザランガ親子を見送って「チョーカワイイ!」「また来いよー!」と声援を送ったりと悪い人達ではない。
だが、記念写真を撮ったり、『Welcome 宇宙怪獣』のプラカード掲げたり、フブキ隊員に群がったり、
歓迎の花火を上げてザランガの誘導を邪魔してしまったりとかなり迷惑な行動をしていた。

もっとも怪獣保護が世論によって決まった世界で、
怪獣の事情の説明や避難誘導をしていなかったとしたらこの場合EYES側が悪いのだが。




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最終更新:2024年04月04日 19:27