スマプリコラ画像事件

登録日:2014/1/23 Thu 22:58:25
更新日:2023/12/06 Wed 00:04:51
所要時間:約 5 分で読めます




スマプリコラ画像事件とは、アニメ「スマイルプリキュア」放送中に起こったインターネット上の事件の名称。

事件に至るまでの経緯

ちびっこのお友達から大きなお友達まで楽しまれているプリキュアシリーズ。
だが、長い歴史には輝かしい事だけでなく、後ろ暗い部分も当然あるわけで……。


2010年のハートキャッチプリキュア!が注目され、また当時TwitterなどSNSの流行が要因でファンの交流や実況が広まった結果、
「プリキュアシリーズを観たことがない」というアニオタや(フレプリでもそれなりにいたが)戦隊ライダーを観ていた層がプリキュアのファン層に入るなど、
大きな変動があった。

ハトプリ以降のシリーズはアニオタから所謂深夜アニメと大差ない扱いをされるようになったが、それは必ずしも良いことばかりではなかった…
その中でも「スマイルプリキュア!」のこの事件はそういった暗部をさらけ出した事件と言えるだろう。


元々スマプリは放送開始前から主演声優に福圓美里金元寿子井上麻里奈などアニオタホイホイのキャスト勢をキャスティングしたことや、
あざといキュアピースのデザイン等で注目されていた。
放送開始後はウルフルンをはじめとした個性的なキャラのおかげで更に大きな注目を集め、
他にもサザエさんじゃんけん合戦等、色々な意味で話題性に尽きない作品であった。


その注目の中で大きな話題性があったのが「本編の画像を使ったコラ画像」である。


まず最初にターゲットにされたのはキュアピース、OP映像のダブルピースや本編のピカリンじゃんけんがネタにされ、
ネタ・エロ問わず放送開始から間もたたない間にふたばちゃんねるやTwitter上で大量のコラ画像が製作される。
またやよいがスケッチブックを弄っているシーンを素材とし、綺麗や絵から悍ましいものまで何でもかんでも描いてるようにコラージュされていった。

それ以降も本編の場面やキャラクターの表情を改変したコラが流行。
その中でも、青木れいかに対し星空みゆき一同が土下座をしているシーンは妙に汎用性が高く、
様々なコラが作成されることになった(通称土下座コラ)。


また、修学旅行編(本編の13~14話)はコラ素材の宝庫であり、
  • みゆきがおみくじで大凶を引きショックでとんでもない顔芸(大凶顔)を披露し悍ましい顔芸コラが大量作成される
  • こけしやソフトクリームなど様々なものに差し替えられたり卑猥なものに変えられる
  • 修学旅行の記念写真集を様々なキャラバージョンに差し替えられる
  • 丁度修学旅行回が重なっていたフォーゼとのコラボネタ(フォーゼの画像はクレしんコラボの物を使用)

……と様々なコラ画像が作られる事になり大きな話題になった。


このコラ画像ブームがあの事件を引き起こすことになるとは……

事件の概要

2012年5月にスマイルプリキュアの監督を務める大塚隆史監督がtwitter上で以下の呟きを行った。

放送した映像の静止画を描き変えたりコラージュして、インターネットに流すのはやめてほしいです。
本当に放送されたものと勘違いして苦情が来たりして困っています。
それに考慮して本編制作の際に本来は不要な規制を強いられる場合もあります。
あと単純に、気分のいいものではありません。(続く→)

(→続き)インターネットは不特定多数、全年齢の方が見ることができます。
作品を楽しんで頂けるのは嬉しいのですが、子供向けのアニメ番組ですのでその点のモラルを何卒よろしくお願いします。
監督として微力ですが、来週も楽しいものを放送していきたいと思っています。


…簡単に説明すると「苦情が来て放送がやばくなるかもしれないからコラ画像やめて下さい」というお願いだった。

実際、流行したコラ画像の中にアへ顔ダブルピースや、大凶顔などの訴訟不可避並のエロ系、リョナ系などの、センシティブなコラ画像がネット上で大量に流れていた。
また編集ソフトの機能も向上したこともあり、コラ画像も本編と区別がつかないほど精密な物に仕上がってしまった。
当然そういった技術に疎い保護者や子供もおり、そうした方々が見分けを付けられるはずもない。

常識的に考えればそんなものをお子様アニメタイムに流しているわけないだろう……と思う人もいるかもしれないが、
下手するとちょっと検索しただけで出てきたりするものなので、子供の目にも触れる機会が十分あるという意味で「無知乙」の一言で済まされるようなものではない。
是非は置いてフィルタという手もあるが、それも完璧ではなかったり、フィルタのかかっていない端末で見られたりなど抜け道がある。

安易に「はいはい、いつものPTAの苦情」とも笑い飛ばせる状況ではなく、この警告がファンの間で大きな騒動になった。

この事件に対し、

  • 「コラ画像は公式側が黙認してるからこそできるものだからやめるべき」
  • 「どう考えてもコラ画像作ったり騒いでた俺らが悪い」

と大塚監督の意見に賛成する者が多くいる一方、

  • 「コラ画像を規制するならネット上のキャプ画像やエロ系のイラストや同人も規制するべきではないのか」
  • 「そもそも公式がネタにされる場面を作ってるのにどういうことなのか」

と的外れな反論をする者も。

はちま寄稿やオレ的ゲーム速報、やらおんなどのアフィブログでもこの事件は取り上げられ、大塚監督の意見に賛同していた。
が、彼らは元々様々な悪行で方々に迷惑をかける悪質なブロガーであるため、「お前が言うな」と批判を受けることとなった。

またぷりそくやまとめいとなど、プリキュア話題やコラを中心に扱っていたまとめサイトは立場がまずくなるのか、
この話題を扱うことなく完全に沈黙した。

その後はふたばを始めとした各サイトで責任の押し付け合いが行われるなど、かなり紛糾したようである。


その後

騒動以降、プリキュアのコラ画像状況は…変わらなかった。

スマプリのコラ画像自体は流石に減ったものの、それはマナーの改善や規制のせいというより
「放送終了による単なるブームの終結」「本編でネタに出来るものが少なくなった」等、他の原因が大きい。

現に次回作のドキドキ!プリキュアではまこぴーの墨汁コラが流行るなど、相変わらずの模様。
キュアソード画像検索事件の惨状において公式側は全く反応がなかったが、取り上げて逆に注目を浴びることを避けて裏で動いた可能性はある)

バンダイの同ジャンル「アイカツ!」にでも言えることだが、製作側が何も対応をしなければこういう問題は起き続けるだろう……。

とはいえ本格的に対応しようにも、
規制の匙加減、問い合わせ対応や監視するための本来不要な人員や予算の確保、いたちごっこ、締め付けることによって圧迫感を与えたり人気の低下を招いたり等々……
二次創作などにも言えることだが、製作者側が本気でどうにかしたいと思っていても対処が難しいのが現状である。


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最終更新:2023年12月06日 00:04