魔術協会(TYPE-MOON)

登録日:2011/03/22(火) 04:03:37
更新日:2024/02/06 Tue 22:16:39
所要時間:約 6 分で読めます




TYPE-MOON作品世界に存在する組織。

魔術師たちによって作られた自衛・管理団体。ソロモン王の弟子の一人が、神代の終わりに伴い神秘を学問として残すために創立した学院を始まりとする。
魔術(TYPE-MOON)を管理し、隠匿し、その発展を使命とする。
魔術の発展のための研究機関を持ち、魔術犯罪の防止する為の法律も敷いている。
尤も正義や道徳と言った物とは程遠く、あくまで魔術の露呈を防ぐ為の物で魔術の研究過程で人間社会に多大な被害を齎しても処罰はされず、魔術の露呈をした場合のみ処罰するという。
一般人からしたら迷惑この上ない話である。

魔術を学ぶには最高の環境であり、研究こそが最優先の魔術師にとって、それらの魅力は何物にも代え難いとされる。
もっとも、自身の領土に質の高い霊地を持ち、環境が整っている魔術師の場合は事情が異なる。
アインツベルンはじめ冬木の御三家や久遠寺、フラガ、ルヴィア以前のエーデルフェルトのように、
自身の霊地を持ち魔術協会と一定の距離を保ちつつ、協会所属の殆どの魔術師より遥かに有能な魔術師も複数居る。

というか、優秀さも相俟って、協会の干渉から逃れて好き放題実験やりたがる外道魔術師も多い。

「魔術を後世に残す」という目的を担っているので、高い学費さえ納めれば何も知らないペーペーでも通って通常の教育機関のように学ぶことは出来る。
だが、第二次性徴期を超えると魔術刻印が肉体に定着し難くなることから、それまでに魔術刻印の譲渡も終えて一門の後継者として完成を見てからやってくる魔術師が貴族の中には多い設定である他、
既に究めたのとは別部門の知見を広める目的でやってくる、色々訳アリな者も少なくない。


因みに呪術は扱っておらず、イスラム圏内のソレに大きく遅れをとっているとか。
また大陸の思想魔術とイスラム圏の魔術基盤とは相容れず、互いに不可侵を装っている。

大きく三つの部門に分かれている。
本部は「時計塔」と呼ばれるロンドンの魔術協会
錬金術を研究するエジプトのアトラス学院。通称「巨人の穴倉」
北欧に根を張る複合協会「彷徨海」と呼ばれる原協会がある。
この三大部門が協力して魔術協会を運営しているというのが建前であるが、実際はもはや大した交流はされていないらしい。
また下位組織が複数ある事が判明しているが詳細は不明。

聖堂教会とは折り合いが悪く、現在でも殺し合いを続けているが、死徒抹殺の為に協力を要請される時もある。



〇時計塔

三大部門の一角。
魔術協会総本部。
設立は西暦元年で3つの魔術教会の中では最も新しいとされる。ちなみに設立時から院長は一度も代替わりせず、同一人物が務め続けている。
貴族主義、民主主義、中立主義に分かれ、日夜魔術の研究に励んでいるが、権威主義の塊であったり他派閥とのいざこざや権力闘争、予算獲得競争などが繰り広げられ一枚岩とはとてもいえない。

講師、生徒共に血統の優秀さを優先し、血の浅い魔術師には魔導書の閲覧すら渋る。

かつては、大英博物館の地下に存在し、下に行けば行くほど研究に狂った輩が潜むような魔窟かダンジョンか……といった施設と説明されていたが、
何か知らんが2014年には、ロンドン郊外に存在する学園都市という解説が新たにされ、設定が180度ひっくり返った。
とか言われたが、実際はそれぞれ独立して存在しているだけ、という設定に落ち着いている。
2000年初頭頃の作品では、上述の理由からある程度の完成を見た魔術師が設備や環境を求めて門をたたく研究機関としての面を強調されていたが、後年になって教育機関としての性質をより前面に出して行った結果、今と形となっている。


魔術協会を束ねる貴族、学部長を君主(ロード)と呼ぶ。
大貴族が三家、親族が二十ほど存在し歴史は五百年以上、バルトメロイ家に至っては二千年以上を誇る。
十二の君主(ロード)が管理する十二の学部が存在し
必須とも言える全体基礎(ミスティール)や魔術全体の共通常識、地脈、マナ学を一とし、個体基礎(ソロネア)、降霊科(ユリフィス)、鉱石学科(キシュア)、動物(キメラ)、伝承(ブリシサン)、植物(ユミア)、天体(アニムスフィア)、創造(バリュエ)、呪詛(ジグマリエ)、考古学(アステア)、現代魔術論(ノーリッジ)の内の学科を選択する事で魔術師の在り方を決める研究方針とされる。
それぞれの学科の呼び名は創設者の名前を取っているが、動物科に関しては始祖が不明なため、キメラと呼ばれている。
十三個目の項目として政治家を志す者たちの法政があるが、これは神秘を探求する学問ではなく社会を回すための学問なので十二学部にはカウントされない。

博物館の最深部には封印指定をされた者を閉じ込める『橋の底』と呼ばれる特別区画があり、封印指定された魔術師たちが幽閉されている。

協会内の魔術師達には7つの階位が存在していて
王冠(グランド)、色位(ブランド)、典位(ブライド)、祭位(フェス)、開位(コーズ)、長氏(カウント)、末子(フレーム)とそれぞれランク付けされている。

  • 冠位(グランド)
称号の最高位にして魔術世界における頂点。王冠とも呼ばれる。協会の歴史でも数少なくその為に幻の階級と扱われ、保有者は一国に匹敵する怪物。
蒼崎橙子ダーニック・プレストーン・ユグドミレニアなどが授かっている。
ダーニックは本来色位相当であり、持ち前の政治手腕で『Apocrypha』世界のみ王冠の位階になっている。
協会所属ではない為に階位は授かってないがミハイル・ロア・バルダムヨォンも王冠クラスの魔術知識を持ち合わせ、その知識を受け継ぐシエルも同様。
遠坂凛も最盛期ならばシエル級の評価を受ける模様。
  • 色位(ブランド)
第二階位。王冠に到達する魔術師の難易度から事実上の最高位とされる。
ケイネス・エルメロイ・アーチボルトなどが該当。
ケイネスを含む殆どの君主(ロード)は精々色位クラスが精一杯らしい。
  • 典位(ブライド)
第三階位。一般魔術師からすればこの階位でも雲の上の存在とか。
  • 祭位(フェス)
第四階位。魔術師は万能性が評価基準のようだが此方はある特別な技能・分野で功績を挙げた者が授かる階級。ウェイバーバゼットなどが該当。
  • 開位(コーズ)
第五階位。
  • 長氏(カウント)
第六階位。
  • 末子(フレーム)
第七階位。



他にも最高位の術者には色の名を冠した称号を与えており、最高位が三原色の。そこから合成色の、黒と続き後者にゆくほどランクが下がる。
勘違いされやすいが、階位の一つである色位(ブランド)とは別の称号である(冠位を得た者に色の称号を与える描写が存在する)。
なお一人にのみではなく相応しいなら惜しみなく与えられる模様。


魔術の特許も行ってあり、時臣はそれで年収数千万以上稼いでいる。

魔術協会の厄ネタの一位は悪霊ガザミィ、二位が封印指定、三位が封印指定の実行者。


【在籍者】


  • 院長
時計搭設立時から存命している。少なくとも二千歳以上の人物。


院長補佐。現・魔導元帥、ロードの一人。現代最高峰の魔術師。月姫2のヒロイン。特性は「万能」属性は「風」。魔術回路だけなら上述の院長並とされる。


  • クロンの大隊
バルトメロイの部下達。構成人員は僅か五十人だが全員が一流で死徒二十七祖とも殺り合える。


  • イノライ・バリュエレータ・アトロホルム
ロードの一人、ロード・バリュエレータ。創造科学部長。


鉱石学科の学部長でロードの一人。降霊科の一級講師。属性は「風」と「水」。


ケイネスの生徒。後にロードの一人になり「ロード・エルメロイII世」の名で呼ばれる名物講師となる。
現代魔術の学部長として数々の色位や典位の魔術師を生み出している。
第五次聖杯戦争後に協会に訪れる凛の後見人になる。


  • オルガマリー・アニムスフィア
天体科のロードであるアニムスフィア家出身。20前後の女性。FGOで「人理保障機関カルデア」の所長を勤める。
何故かサーヴァントのマスター適正だけはないが腕前は相当で赤いアーチャーのシャドウサーヴァントを相手に渡り合える程の力を見せた。
しかし優れた能力とは裏腹に性格面に問題を抱えており、高飛車なへタレのような性格をしている


第二法の魔法使い。
先代魔導元帥。


第五法の魔法使い。最高位の青の称号をもらっている。属性は「風」。


封印指定を受け脱退。赤系統の称号を受けている。おそらく橙色。


蒼崎橙子と同期。


蒼崎橙子と同期。


Fate/Zero』時は冬木市在住だが、若い頃は時計塔に留学しており、その為色々とコネがあるらしい。


本編後、在学。特性は「転換」属性は「五大元素」。


ルート次第で在学する。属性、起源共に「剣」。


在学生。
凜のライバルでプロレス好きのお嬢様。


時計塔の2級講師。講師としては不評だが相当の力量を誇る。
Fate/Apocrypha』の世界では協会に反逆し、聖杯大戦のキッカケを作った。


  • ガザミィ
悪霊と呼ばれ時計塔の地下で幽閉されている魔術師。
危険人物ではないが魔術師にとって厄介な魔術特性を持つとされる。
その内、何かの作品で出る予定。


  • フラウロス
「2015年の時計塔」にて登場した「冠位指定」の魔術師。魔術師であるが善良な性格で、現代を大事にする人物。
ある理由から自分を消すことを選び、自殺する。ちなみに魔術属性は「虚数」だったとか。
正体は「Fate/GrandOrder」に登場するレフ教授ことレフ・ライノール・フラウロスその人。別世界の同一人物にあたる。
後述の二人の行動が世界を揺るがしかねないと危惧し、それを止めるために死を選ぶ。結果、この世界線ではゲーティアによる人理焼却が発生しなくなった。

  • レフ・ウヴァル
「2015年の時計塔」にて登場した魔術師。大人しく控えめな性格で、かなりの研究者肌。
現代と未来を視野に入れておらず、古代の書物の編纂や再定義等の「過去」に関わる研究を行っている。
多重人格者であるフラウロスの人格の一つ。ライノールの人格を嫌っており、殺意すら抱くほど。

  • ライノール・グシオン
「2015年の時計塔」にて登場した魔術師。ガサツで粗暴、更にテクノロジーや機械を躊躇なく活用する魔術師らしくない型破りな男。
過去と現代に何の価値も感じないらしく、後の世代の為に集めた情報を「未来」に送り続けている。
多重人格者であるフラウロスの人格の一つ。レフの人格を嫌っており、やはりというか彼も殺意を抱いていた。
調停を行う主人格のフラウロスはまず自身を「殺し」、レフとライノールの双方を罠によって殺し合わせるように仕向けて自殺を図った。



封印指定執行者
強制的に封印指定を執行する際に派遣される魔術師のこと。

  • ミリョネカリオン
封印指定総与。特性は「繁栄」


封印指定の執行者。数少ない現存する宝具を持つ。


  • フォルテ
協会屈指と呼ばれる風使いの女性。
本人曰わく埋葬機関に匹敵する実力を持つらしい。
志貴と戦うも手も足も出ず敗北する。
青子とは一度だけ顔を合わせた事があるとか。


衛宮切嗣の師。
先祖にサキュバスを持つ半妖の血筋。
切嗣に殺害され既に故人。



〇アトラス院

三大部門の一角。
巨人の穴倉とも呼ばれ、錬金術の研究をしている。
西暦以前から存在する、エジプトを根拠とする錬金術師の集団。

所属する魔術師の力量は大したことはない*1が、代わりに全員が極めて高度かつ高速な思考能力を体得しており、その頭脳を活かしてさまざまな兵器や魔導具を開発することを目的とする。
曰く、「最強である必要はない、最強の兵器を作れば良いのだから」。
彼らにとって魔術師とは「魔導具づくりに必要な超性能のいいスパコン」でしかないため魔力や神秘の影響を受けにくく、
未来の時間軸を描いた作品では時計塔や彷徨海が滅びる中、最後まで残っている事が示唆される事が多い。

所属する魔術師に「高速思考」「分割思考」という特殊技能の修得を求めるのが特徴で、所属するには3つ以上の分割思考を出来なくてはならない。
で、それを体得してからようやく変換式、加速式といった錬金術の技能を修める。
分割思考を5つできれば天才とされ、過去の最高記録は8つ。

過去、誰もが平等な世界を目指した結果、滅びの未来に辿りついてしまい
歴代院長はその滅びを覆すのを目標にしている。
その結末をひっくり返す為に兵器の製造を行っており、その最たるものが「七大兵器」として展示されている。

「ここで作られたものを、決して外に持ち出さない」を大原則とし、外界との接触をとことん拒絶する。
魔術師も同様で、一度ここに所属すると死ぬまでこの中から出ず研究に生を費やす事となるという。
ただし例外もあり、「アトラスの契約書」なるものが関わる場合は姿を現すという。


【在籍者】


院長候補。


数代前の院長。型月時空では後に死徒化し脱退。
「ロード・エルメロイの事件簿」の世界線では死徒化しているものの院長を務め続けており、アトラシアの名を持つ。


  • ヘルメス・シリス・アトラシア
詳細不明。アトラシアの名からおそらく現院長。特性は「未来」。
ただし、上記のズェピアが院長を務めている世界線も存在するので、また別の世界線での現院長と思われる。


封印指定を受け脱退。


Fate/EXTRA』のキャラ。ヒロイン格でもある。
アトラス院製のホムンクルスの少女で、バーサーカーのマスターとして聖杯戦争に参加する。
なお、EXTRAの世界ではアトラス院以外の協会は衰退している。



〇彷徨海

三大部門の一角。別名「移動石柩」。
山脈の形をしており海上を彷徨い移動し、時々地上に上陸するという。
自らを宇宙から切り離し消滅している状態で存続しているというわけのわからない構造をしている。
通常の時間・空間から外れた場所に「本当の彷徨海」があり、そこから「彷徨海の影」を各時代に下ろしているため、時間のくびきそのものに縛られない。
たとえば2017年の彷徨海を工房ごと吹き飛ばしても2017年で彷徨海の歴史が潰えたりはしないし、過去の「彷徨海」を潰しても現代にある彷徨海が消えることはないという。

失われた神代魔術に重点をおいている。
主に肉体改造を主軸としている模様。
時計塔以前はこちらが総本部だったらしく、そのせいか折り合いは悪く冷戦状態の模様。

ちなみに入院者に対して試験や資質検査等を課すことはない。
代わりに、「彷徨海の扉が開いたとき扉の前に居合わせる」、言うなれば「運命」を試され、扉が開くタイミングでそこに居たものは誰であれ彷徨海に迎え入れられるという。


【在籍者】


当時の名前はフォワブロ・ロワイン。
「彷徨海の鬼子」として知れ渡っていた。現在は脱退している。

  • 宝石殺し
協会の原型となった人物で稀代の魔術師。特性は「停止」




追記・修正は魔術協会に在籍してからで

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2024年02月06日 22:16

*1 とくに自然干渉系の術はまったく扱えないらしい