相葉昴治

登録日:2012/04/03(火) 00:11:26
更新日:2024/03/07 Thu 23:54:56
所要時間:約 7 分で読めます




掴むのは「未来」じゃなくて「明日」で良い。






あいば こうじ

無限のリヴァイアス』の主人公。
CV:白鳥哲

【プロフィール】

誕生日:2209年4月5日
血液型:O型
身長:170.5㎝
出身地:地球

【人物】

航宙養成学校リーベ・デルタの第二種操船課に在籍しており、成績はいい方ではなく中間地点あたり。
容姿は坊ちゃん刈りに童顔気味だが、極めて「普通」

性格は人間関係の軋轢を修正、フォローに回り、誰とでも気兼ねなく付き合えるよく言えば「立ち回りができる人」、
悪く言えば(実際言われていた)「八方美人」
これは幼い頃に両親が離婚し、母子家庭になったことから、自分が弟の父親代わりになろうと、「しっかりしなければ」と意気込んだ結果、
自分の意見をいつの間にか押し殺して生きるのが習性になってしまったため。

弟の相葉祐希とは小さい頃は仲が良く、泣き虫だった弟の面倒を見る兄貴分だったが、
3年前の大喧嘩で祐希が昴治の肩に大怪我を負わせてしまい、以来顔を合わせるたびに口論、
暴力沙汰(主に昴治がフルボッコ)になるほどの険悪なものになってしまった。
この他にも、作中では様々な人物に殴られたりする。
とはいえ、自身も傷つくことを承知でケンカの仲裁に入ることもあるため、臆病者ではない。
ある意味では後先考えないバカ。

幼なじみの蓬仙あおいとはいつも口うるさく忠告をする鬱陶しい奴、くらいしか思っていなかったが、
心の底では密かに心惹かれている。

家族やあおいから離れたいという思いと将来のために備えて、リーベ・デルタに入学。
あおいや祐希まで入学したため、半分は居心地の悪さを感じながらも授業を受けていたが、
ゲドゥルドの海にリーベ・デルタが沈むというテロ事件に巻き込まれてしまい、
謎の巨大艦リヴァイアスに乗り込む羽目になってしまう。

【劇中での行動】

◆ツヴァイ政権

リーベ・デルタ圧潰事件で、訓練校で知り合った親友の尾瀬イクミと共に取り残されていた生徒の救助を試みるも失敗、
その後、避難に遅れた女生徒、ファイナ・S・篠崎を救出する。

リヴァイアスに乗り込んだ直後は、空気の読めない発言で生徒の一人のシャーロットを泣かせたり、
船の中でロボット、ヴァイタル・ガーダーを発見したが現実感のなさに笑ったり、同じ班にされたことで祐希に八つ当たりされたりと
本筋に悲しいくらい関わらない。
が、途中でファイナを自分のグループに入れる気配りは見せている。

◆ブルー政権

ツヴァイからチーム・ブルーに統治権が移った際、その場に居合わせた昴治はテロリストから逃れ、救助を受けるための最善策として、火星行きを提案。
その案をエアーズ・ブルーに採用されると同時に、ファイナと共にブリッジクルーに任命される。

ブリッジでは主に通信士を担当。その一方で軋轢のあるツヴァイとチーム・ブルーの間の潤滑役を務め、
ヴァイタル・ガーダー初陣の勝利記念パーティーでは実行委員に立候補。成功を収めた。
そんな功績があってか、ブルーからはブリッジクルー内で一目置かれる存在になる。
救助という縁で知り合うようになったファイナとはファーストキスを経て徐々に親密な関係になっていった。

だが、パーティーの最中、リヴァイアスが逆にテロリスト扱いされ、宇宙中のお尋ね者にされたニュースが流れるのだった。
今後の方針について、逃げる案が採用されることになった際、昴治は反対するも他の案を思いつけなかった。

ブルーの故郷にして、太陽系惑星間同盟には未参加の土星圏ハイペリオンに向かう中、リヴァイアス以外のヴァイア艦「青のインプルス」が襲撃。
昴治は恐怖のあまり、ブリッジから逃げ出そうとするが、過去にあおいに言われた
「会話を一方的にやめないで。言いたいことがあったら、ちゃんと言って、そうじゃなきゃわかんないよ、繋がんないよ」の言葉を思い出したことで落ち着きを取り戻すが、そんな昴治にファイナは嫉妬の言葉を浴びせるのだった。
リヴァイアスはインプルスに勝利するも、受け入れ先になるはずだったハイペリオンは破壊されてしまう。
その上、戦闘中に起きたブルーの裏切りとそれを利用したツヴァイのクーデターにより、チームブルーは失脚した。
裏切りは許せないが、チームブルーを一方的に追放したツヴァイの不条理さに憤り、ファイナにも不信感を抱くようになる。

◆第二次ツヴァイ政権

艦長がユイリィ・バハナに移行すると、彼女の「パイロットに弟がいるから」という指示でパイプ役になるべく、ブリッジからリフト艦に派遣される。
以前にも増して、祐希と衝突するだけでなく、ブルーがいなくなったことから、一般生徒に闇討ちされてしまう。
その状況になってもなお、彼にとっては「やるべきこと」であり逃避でもあったが、「深紅のディカスティア」戦では、上層部のツヴァイは混乱するばかりだったことから、昴治もパイプ役としては機能せず、イクミの気配りで「バルジキャノンのサーバーの確認」に行かされるも、そこで逃亡中のブルーに遭遇。
彼をかくまう手伝いをして戦闘に参加できず、結果パイロットたちに負担をかけてしまう。
戦闘終了後に戻ってきた昴治は祐希の鉄拳を受けるが、それ以上に痛かったのは、イクミからの軽蔑だった。

さらに追い打ちをかけるように和泉こずえの暴行事件が発生。それにより荒れるイクミを落ち着かせようとするが、
「1人の力で全員は守れない」という正論はイクミをより怒らせるだけとなり、これを機に2人の仲は完全に破綻した。

それでも普通であり続けることに興味を覚えたブルーからニードルガンを託され、
カレン・ルシオラからは「やりたいことに優先順位を付けて、努力しなくても良いから覚悟を決める」ことを教えられた昴治は
こずえと市川レイコを失い、孤立化したあおいを支えるようになる。
本心では、あおいのことが好きであることを自覚してからは、逃避していた生き方に向き合い始め、
未だに過去を断ち切ろうとしているだけのファイナに別れを告げる。

◆イクミ政権

イクミによるヴァイタル・ガーダーの占拠、独裁政治の勃発が起きた後、リフト艦クルー及びリヴァイアス本艦ブリッジクルーの座を完全に失い、シュタイン・ヘイガーの策略であおいと共にEランクに落とされた上、隔離されてしまう。ネーヤの導きで脱出した昴治はイクミたちに事情を説明し、独裁政権の中止を訴えるが、打開策のない発言は今の彼らには届かず、祐希にニードルガンを奪われ、それを手にしたイクミに肩を撃たれて重傷を負わされた上に放置されてしまう。
「ファイナとは終わった」発言を聞いたファイナにより「過去にする」ために首を絞められトドメを刺されかけるが、ネーヤに助けられ、クリフ・ケイによる手術により一命を取り留める。

リヴァイアスは「灰のゲシュペンスト」との戦闘の最中、イクミの指示によりクルーたちはリフト艦に避難していくが、ヘイガーの独断により全員が避難していないにも拘らず、Eランクメンバーを初めとした多くのメンバーは本艦に残されてしまった。
意識を取り戻した昴治はイクミたちに伝えたいことを伝えるべく、あおいと共に小型艇でリフト艦に乗り込む。

あおいを一室に閉じ込めた後、コクピットに足を運んだ昴治は、VGアインヴァルトを失ったことで仲間割れを起こすイクミたちに「投降」を呼びかける。
昴治はヘイガーの裏切りでリヴァイアスには多くの人間たちが取り残されたことも伝え、
リヴァイアスの歪みにケジメを付けるには投降しかないという結論を出したのだった。
意地でも彼を否定したいイクミは激昂するが、昴治は微笑み、彼を落ち着かせるようにして―――言う。
「俺は今笑いたいんだ」

半死半生ながらも覚悟を決めた昴治の言葉は自分を見殺しにしようとした「力があるだけの弱者」たちの内、殺人を犯していたファイナと陰の支配者のヘイガーを無力化させていく。祐希はカレンの叱責により兄を助けるために動き、イクミが昴治に放ったニードルガンの弾道を逸らしたが、イクミとの命を懸けた話し合いをやめようとしない昴治の言葉に祐希は動けなくなってしまう。イクミによる3度目の昴治殺害が行われそうになった時、政府側の変化により、ゲシュペンストからの救助が到着。最悪の事態は避けられたが、自分たちの弱さと向き合わなかったことから惨劇に繋げてしまったイクミとこずえにとっては遅すぎた救助であり、2人は自分たちの罪に嫌でも向き合うことになった。特に近親相姦の関係にあった姉の死から時間が止まっていたイクミは許しを請うかのように泣き崩れ、昴治はイクミを父親のように抱きしめて、介抱する。

◆リヴァイアス事件後

半年後、昴治は右肩に後遺症は残ったものの元の生活に戻っていき、
あおいとは晴れて恋人同士となり、祐希とも徐々にではあるが、関係を修復つつあった。
そんな平穏な日々の中、政府から数千年後の太陽系脱出のためのヴァイア計画を成功させるべく、リヴァイアス再起動のための再乗艦を依頼される。
それを伝えに来た矩継真琴に対し、昴治は右腕で殴り飛ばした。
不自由となった右腕からのパンチ。それは、禁じ手にしている暴力行為を使うことへの対価であり、リヴァイアス事件の傷を分からせるためでもあったのだろう。
イクミたち相手にも見せなかった昴治の鬼としての姿は祐希ですら驚愕する程であった。
「どれだけのものを失ったと思ってんだ!」

しかし、決して他人事ではないことにも気付き、リヴァイアスに再乗艦する。
こずえに会いたい一心で再乗艦したイクミとも再会。姉の死と向き合えなかったばかりに起こした惨劇を懺悔するイクミに手を差し伸べ、リヴァイアス事件を通じて導き出した信念「明日のためにやるべきことを続けていく」を伝えて和解を果たし、艦内で見かけたケンカを一緒に止めに入るのだった。
ケンカを止めた直後、ルクスン北条とユイリィから最初の目的地を頼まれ、彼は天王星のチタニアと答えた。
「会いたい人がいるんです、話し合いたいことがあるんです…」

リヴァイアス出航直後、部屋に戻る最中、昴治は先程のケンカの件で「さっきの連中、お前の事を今でも恨んでいるんじゃないか?」とイクミの罪でもある独裁政権を冗談という形で蒸し返すが、それはイクミ自身の罪の重さを改めて自覚させることになり、イクミは「悪かったよ」と返答した。そんなやり取りを交わしながら部屋に戻った時、2人は同じように和解を果たしたあおいとこずえに出迎えられるのだった。

【余談】

当初の予定では、「昴治はイクミに殺害され、それが元で、リヴァイアス内では殺し合いが勃発。救助後、数少ない生き残りのユイリィが矩継に艦内での惨劇を説明する」というバッドエンドになる筈だった。オープニング映像で昴治が宇宙の闇に消えていくようなシーンは、その布石だったと言える。
もし、当初の案が採用されていたら、祐希、あおい、イクミの3人は生き残ったとしても昴治の一件で生き地獄が続いたであろうし、
イクミを独裁者に変えた要因の一つであるこずえも本編以上の報いを受けたかもしれない。





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最終更新:2024年03月07日 23:54