エリファス

登録日:2014/01/15 Wed 19:30:02
更新日:2023/11/02 Thu 21:18:48
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どうやら再会を喜んでいる時間はないようだな



遊戯王ZEXALに登場するデュエリスト兼アストラル世界の守護神。
CVは浜田賢二

概要

初登場は第118話(Ⅱでは第45話)。
アストラルを救うため、天城カイトとV、虹クリボーの力を借りて、異次元ゲートを抜け、
無数の宇宙が泡状に存在する世界からアストラル世界に到着した九十九遊馬に奇襲をかける。

唐突なエネルギー波で遊馬を吹き飛ばしてモンスターをリアル召喚しながら、
逃げ回る遊馬を執拗に追いかけ、アストラル世界から出て行くように忠告する。
ストーカーとか言ってはいけないよ。

虹クリボーの力で一時期遊馬を見失うが、アストラルが拘束されている塔の頂上にて正体を現し、
アストラルの記憶と、アストラルを賭けたデュエルを遊馬と開始する。

その正体はアストラル世界の住人が作り上げた、ランクアップだけを目指すための存在。
そしてアストラル世界の守護神であった。


曰く数千年前、アストラル世界はあらゆる悪や憎しみ、利己的な想いであるカオスを追放し、純潔の世界を作り上げた。
その過程で結果的にできてしまったのがバリアン世界である。

さらにアストラル界の住人は世界の象徴である彼エリファスを造り上げ、ランクアップをひたすら目指すようになる。

しかしカオスの中には誰かを守りたい、生きていきたいという願いや、
生きる力そのものである原始的な欲求も含まれていたため、みるみるうちにアストラル世界は弱体化してしまう。

さすがにアストラル世界の住民もなんとかしようと試みるが、
自らが造ったランクアップのみを目指す存在であるエリファスに阻まれ、どうすることもできずにいた。



まぁ、とどのつまり、自業自得




さて、遊馬とのデュエルを開始したエリファスだが、ここで衝撃の真実が明らかになる。


アストラル世界のデュエル……それは全てがシャイニングドローによって成り立つ。それが私たちのデュエルだ!


なんとドローするカードすべてがシ ャ イ ニ ン グ ド ロ ー なのだという。

当然こんな力を持っているためその畳みかけはすさまじいものであり、RUMで特殊召喚するたびに1ドローできる永続魔法「ランクアップ・アドバンテージ」を発動。
その効果でドローする度にシャイニングドローを発動&創造したカードによる手札確保&モンスターをどんどん強化。
1ターンで3枚の手札アド&NO(ニューオーダーズ)3体を一気に展開するなど、それこそOCGじみた怒涛の攻勢を見せる。

しかし、エリファスのランクアップはここでは終わらなかった

遊馬よ。なぜランクアップが必要なのか、どうやら君はまだ理解していないようだな。

それは、ランクアップの先に、誰も見たことのない奇跡の世界があるからだ。君に見せてあげよう……その奇跡の化身を。

限界を超えた境地、ランク13のモンスターエクシーズを!

エリファスはアストラル・フォースでNO12をさらにランクアップ・エクシーズ・チェンジ。
レベルの最大である12すら超える、ランク13の『NO13 エーテリック・アメン』をエクシーズ召喚した。

効果で遊馬のCNo.39 希望皇ホープレイ・ヴィクトリーを相変わらずの不遇枠に変えた後、
エリファスは攻撃を続行するが、遊馬は「パージ・レイ」でヴィクトリーをリリースしてダイレクトアタックを誘い、それをトリガーに墓地から「虹クリボー」を特殊召喚。
そのため、守備表示の「虹クリボー」を攻撃して破壊した。

その後、遊馬がシャイニングドローで創造されたRDM-ヌメロン・フォールによってNo.39 希望皇ホープ・ルーツを特殊召喚。
ホープ・ルーツの効果。さらにダブル・アップ・チャンスでホープ・ルーツの攻撃力は79200となり*1、その攻撃を受けてエリファスは敗れた。


これが……この世界を導く新たなる光……!


結果的に無駄カードが一切なかったために遊馬を倒しきれず、その結果、無限を除く歴代最高ダメージを受けて敗北した。その数値、実に59000ポイント。OCGルールでも7回死んでお釣りが来る。
ランクアップだけを目指すための存在だから仕方ないね。

その後、デュエルに勝利した遊馬とアストラルの事を認め皇の鍵を遊馬に返却。
アストラル世界の危機は遊馬により救われたものの、以前バリアンの脅威は去っていない為、彼らにバリアン世界との相手を頼み、人間界に送り届けた。

その際、頭にかぶっていた兜が壊れ素顔が現れた。どことなくゴドウィン超官に似ている気がする。


バリアンとの戦いが佳境に入ってからは音沙汰がなかったが、ドン・サウザンドとの決戦の最中、ヌメロン・ネットワークのエネルギー逆流を食い止めようとしたアストラルのもとに突如出現。

間違った道を歩んだアストラル世界に、希望と絆という新たな力が生まれた。
アストラル、君はまだ消えてはいけない……全てを君たちに託す!

アストラルに「RUM-アストラル・フォース」を託すと共に遊馬のもとへ送り返し、自身はそのまま逆流するエネルギーを受け止め消滅した。
決戦後にはヌメロン・コードによるリライトで生還した模様。
兜は捨ててしまったのか、素顔のままだった。


【デッキ】
本編では一度もメインデッキのモンスターを使用しておらず、魔法カードで代用している。
メインデッキのモンスターがほぼないデュエリストとしては罠デッキ使いのリシドなど前例はある。(リシドはセルケトとラーのみ)

エリファスの戦術は、エジプト神話を連想させるエクシーズモンスター「NO(ニューオーダーズ)」を主軸とし、
それらを魔法・罠で補助しつつ「ランクアップ・アドバンテージ」で手札を確保していくという、
現実においてもなかなかに堅実なデュエルスタイル。

常時シャイニングドローを使用しているとはいえ、実際のところデュエルの中身自体は割と普通だった。珍しい。
遊馬からすればエリファスのデッキが完全に未知であるため、シャイニングドローをされてもデッキの中のカードを的確に引いて来たのと同じことになる。
RUM-アストラル・フォースはチート効果だがそれでもエクストラ圧迫という問題はある。

使用した「NO」もNO10 エーテリック・ホルスとNO8 エーテリック・セベクが素材レベルの関係上OCGだと強いが、
それ以外のニューオーダーズはエクシーズ召喚やランクアップの手間に見合ったものでチートさはあまりない。

魔法カードのほうもRUMの運用上のデメリットからすればわりと妥当な効果。
RUMとは直接関係ないランク・ドミネーション自体も高ランクエクシーズがなければかなり不利になる。

罠カードも戦闘ダメージ版かつ攻撃無効にしない魔法の筒『神秘の鏡』や条件の厳しい『昇華螺旋』。
はたまた攻撃の無力化でOKな『ランク・ウォール』などわりと普通。*2

シャイニングドローとRUM使い回しが無ければ回らないデッキではあるのだが、
逆に言えば自分の実力とランクアップに固執するあまり、
シャイニングドローの長所である「その場を逆転できるカードを創造する」という旨みを殺してしまっており、
実は意外にも噛み合ってなかったりする。まぁアストラルみたいな頭脳でもない限り無茶と言えば無茶ではあるのだが。

とはいうが、実際の所エリファスのデュエルスタイルは「連続ランクアップでペースを握りつつアドバンテージを稼ぐ」「切り返しが必要な事態にそもそも持ち込まない」という制圧型の戦術であり、シャイニングドロー最大の欠点である「次のターンに備えられない」部分をきっちりフォローするように立ち回っている。
最終的にはエーテリック・アメンを呼び出し、デッキ破壊で逆転を封じてトドメを刺しに行く。

遊馬戦でもこの戦術で終始優勢に立ち回ったが、最後の最後でランクダウンという未知の領域に踏み込まれたことでシャイニングドローの弱点が露呈、敗北している。


ちなみに登場したニューオーダーズは以下。
ランクアップを最優先したため効果のほとんどは使われていないが、フル活用されていたら遊馬はより苦戦を強いられただろう。

《NO4 エーテリック・アヌビス》
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/光属性/獣族/攻撃力1000/守備力1000
レベル4モンスター×2
自分の魔法・罠カードが破壊された時、このカードのエクシーズ素材1つを取り除いて発動できる。
破壊された魔法・罠カード1枚を自分の魔法&罠カードゾーンにセットする。
この効果でセットした罠カードは、このターンに発動できる。
ニューオーダーズその一。汎用ランク4で、効果は破壊された魔法・罠の再セット。
そこそこ有用だがステータスが低く、戦闘には向かない。

《NO6 エーテリック・アポピス》
エクシーズ・効果モンスター
ランク6/光属性/爬虫類族/攻2500/守1000
レベル6モンスター×2
相手フィールド上に存在するモンスター1体を選択し、このカードのエクシーズ素材1つを取り除いて発動する事ができる。
選択したモンスターの攻撃力は2000ポイントダウンする。
ニューオーダーズその二。効果は対象を取ってのモンスター弱体化。
単独で攻撃力4500まで処理できるのは大きいが、素材を揃えるのがちょいと大変。

《NO8 エーテリック・セベク》
エクシーズ・効果モンスター
ランク8/光属性/爬虫類族/攻3000/守2000
レベル8モンスター×2
このカードがエクシーズ召喚に成功した時、自分のデッキから魔法・罠カード1枚を手札に加える事ができる。
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材1つを取り除いて発動する事ができる。
自分の手札から魔法・罠カード1枚を発動する。
この効果は相手ターンでも発動する事ができる。
ニューオーダーズその三。効果はX召喚時の魔法・罠サーチと、フリーチェーンでの強化マキュラ効果。
ステータスも十分であり、正直レベル8軸なら普通に採用レベル。

《NO10 エーテリック・ホルス》
エクシーズ・効果モンスター
ランク10/光属性/鳥獣族/攻3500/守2500
レベル10モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材1つを取り除いて発動する事ができる。
自分フィールド上に存在するカードの枚数と同じになるように相手フィールド上に存在するカードを破壊する。
この時、破壊するカードは相手が選択する。
ニューオーダーズその四。効果は全体破壊。
破壊するカードは相手が選ぶので狙ったカードを破壊できるとは限らず、最低でもこいつ自身の分で1枚は残される。
あと、破壊耐性持ちを選ばれたら実質不発。

《NO12 エーテリック・マヘス》
エクシーズ・効果モンスター
ランク12/光属性/獣族/攻4000/守3000
レベル12モンスター×2
自分のターンに1度、このカードのエクシーズ素材全てを自分フィールド上に特殊召喚できる。
このターンのエンドフェイズ時、このカードの効果で特殊召喚したモンスターをこのカードの下に重ねてエクシーズ素材とする。
このカードがフィールド上から離れた時、このカードの効果で特殊召喚したモンスターは破壊される。
ニューオーダーズその五。効果は素材への分離と再合体。
素材の重さからRUMで出すことになるが、コイツ自身も打点が高いため、素材モンスターと合わせての総攻撃によるフィニッシャー担当となるだろう。


そして切り札の『NO13 エーテリック・アメン』

レベルの限界すら超える、ランク13のモンスター・エクシーズ。エリファスの言う、限界を超えたランクアップの象徴。
通常のモンスター同様星マークの数でランクを表しているが、少々無理やりにおさめたようになっている。

アメンのまわりをぐるぐる回るORUは実に綺麗。
さらにORUが増えるたびに高く伸びていくその姿はまさに神。天使族だけど

効果は以下の通り

ランク13/光属性/天使族/ATK 5000/DEF 4000
このカードは「RUM」と名のつく魔法カードの効果でのみ特殊召喚する事ができる。
このカードは戦闘及びカードの効果では破壊されない。
このカードの攻撃力は、このカードのエクシーズ素材の数×100ポイントアップする。
このカードが特殊召喚に成功した時、相手フィールド上に存在する
モンスターエクシーズ1体のランクとこのカードのランクの差分だけ、相手のデッキのカードをこのカードの下に重ねてエクシーズ素材とする。
相手フィールド上にモンスターエクシーズ1体が特殊召喚した時、そのモンスターのランクとこのカードのランクの差分だけ、
相手のデッキのカードをこのカードの下に重ねてエクシーズ素材とする。

手間がかかる分を考慮するとわりとなかなかのモンスター。
戦闘およびカード効果では破壊されず、さらに攻撃力が自分のエクシーズ素材の分アップする。


さらにデッキ破壊効果を持つ。


デッキ破壊とか墓地肥しあざーす、とか思ったそこの君。テキストをよく読んでくれ



相手のデッキのカードをこのカードの下に重ねてエクシーズ素材とする。



なん・・・だと・・・


相手のデッキのカードを直接オーバーレイユニットにするという地味に嫌な効果。
この効果で遊馬のデッキのカードをもORUにし、なんと33枚のORUを手に入れた。実際に試すとディスクにおけない。というかただのデッキ

イシズやバクラ、チームユニコーン等のデュエリストたちが数々のデッキ破壊戦術を見せてきたが、
こんな墓地アドバンテージすら与えてくれない戦法はエリファスが初。しかも彼としてはこの戦術は過程の一つである。

ベクターの時のデッキ破壊は墓地アド上手く使ってた遊馬もこれには苦戦し、結果的にこれ自体には対処できていない。
ただし、増えるオーバーレイ・ユニットを逆手にとって逆転勝利したが。

現実のOCG化した場合は破壊耐性がついているので早急に除外やORU化をする必要があるだろう。
まぁ、召喚の手間を考えると強化されそうだが。というかOCGだとアニメ版NOがアストラルフォースでランクアップできないのだが。


メインデッキにモンスターを一枚も入れていないデュエリストなのに
戦略はエクシーズモンスターによるビートダウンな辺りは正にエクシーズの申し子。



人物

思想としてはランクアップのために作られた存在であるがため、ランクアップ以外の思想に関してはかなり過激。
しかし「なぜランクアップすべきなのか」については確固たる信念を持っており、遊馬の言葉に対しても至極真っ当な、それでいて嫌味の全くない正論で返していたりする。
アストラルとその使命について語った際には、あくまで共に戦おうとする遊馬に対し、

もし、アストラルが使命を果たし、ヌメロン・コードを見つけ出したら……その時君はどうするつもりだ?

アストラルと共に戦いたいという純粋さはいずれ、アストラルを失いたくないという恐怖に変わるだろう。そしてそれは大きな枷となる。それが原因で君たちは敗北するかもしれない……それがカオスの愚かさだ。

そんな君に、我々の世界を託すわけにはいかない。

と諭している。カオスの力のもたらす負の面しか見えていないという視野狭窄に陥ってはいたが、彼からすれば自分たちの世界の未来がかかっている以上、不確定要素を簡単に受け入れられないのは当然である。
そしてその思想ゆえに排他・冷徹な所もあるものの、デュエルに負けてからの遊馬らの態度からわかる通り、個人としては普通に良い人。

デュエル自体もチートカードにほとんど頼らず、効果もさほど壊れでもないカードでこれほどの強さを見せつけたため
彼が好きという視聴者もかなり多い。


だのに……


基本真面目キャラであるほどいじられる遊戯王界隈において、彼もご多分に漏れなかった。

序盤に塔の頂上に拘束されていたアストラルを心配する遊馬に対して、

アストラルはバリアン世界を消滅させ、この世界をさらなるランクアップに導くために生まれた。だからこそ彼は潔癖であり続けねばならなかった。だが彼は、君のカオスによって穢されてしまった。だからその存在を消さねばならんのだ!

という何とも意味深な台詞で一部の視聴者を困惑させ、さらにたび重なる純潔を重視する思想や、
黒い染みができ傷ついたアストラルは一度消し去り、純潔で使命に従順なアストラルを望むなどの言動。

それらを受けた結果、一部で処女厨という不名誉な呼ばれ方をしている。
誠に遺憾である。

もっともエリファス自体は「ランクアップを目指すためアストラル世界の住人が作り上げた守護神」である為、
彼が処女厨であるというより彼を潔白に固執するよう作り上げたアストラル世界の住人の方が処女厨であることは間違いない。

寧ろカオスを引き離しバリアン世界を作り出す要因となった彼らとは異なり、
時間は相当かかったものの遊馬のカウンセリングという名の説得で考えを改める辺り、
彼の方がまだ柔軟だったのかもしれない。

ちなみに前作ではゾーンが欲望の暴走が元で人類が滅亡の危機に陥り、
人類を救う為に住民に欲を捨てるよう訴えたものの結局人類を救えなかったのに対し、
こちらは欲(カオス)を捨てたせいで滅亡の危機に陥ったものの遊馬に救われるという真逆の結果になっている。



中の人について

エリファスを演じた浜田賢二氏は他カードゲームアニメではデュエル・マスターズで切札勝利役、バトルスピリッツで暴将デュック役など、
エリファス含め主人公やストーリーに関わる強敵デュエリストが多い。

ちなみにエリファス役で(サブ役で出演したヴァンガード含め)遊戯王に出演したことでカードゲームアニメ4冠を達成することになった。




愚かな……先ほどの追記・修正。もしやと思ったが……


アニヲタwikiを脅かす荒らしが現れたとき、それから救う追記・修正者が現れる。
それがZEXAL


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最終更新:2023年11月02日 21:18

*1 実際には、相手モンスターのランクが自分のモンスターより低ければ差分×1000弱体化させる「ランク・ドミネーション」が適用されていたため、実数値は12000下がって67200だが、結果には影響していない。

*2 ちなみにこの罠カード、「魔法・罠の発動を封じる」ホープレイ・ヴィクトリーに対して使っている。ナンデ?