パラサイト宇宙人 イルド

登録日:2014/01/14 Tue 04:23:16
更新日:2022/11/14 Mon 20:32:16
所要時間:約 4 分で読めます





お前はイルドになることを選んだろう?




イルドとは、『ウルトラマンティガ』の第41話「宇宙からの友」に登場した宇宙人。


パラサイト宇宙人 イルド


身長:1.8m~55m
体重:100kg~4万t
声:石川英郎、伊倉一恵

宇宙から地球へと飛来した人間大の人型宇宙人。
銀色のボデイに青いラインと金色の模様のようなものが入ったデザインで後頭部から下方に二本の角が伸びている。複数の個体がいるが全員が同じ姿。

高度な文明と科学力も持ち人語を話すこともできる。戦闘では光弾や掌から出す長くてキモイ触手を使う。
だが身体能力自体は人間と同程度と見られGUTSハイパー一撃で死亡するなど耐久力も高くない。

複数のイルドがいれば合体して巨大イルドへと変身することもできる。尚、巨大化すると唸り声しか出さなくなる。

しかしイルドの本質は強さではない。



◆イルドの塔

全高:不明
重量:不明

塔のような形をしたイルドの宇宙船。内部は吹き抜け構造になっている。
ガッツウイング2号のデキサスビームを無効化するほどのバリアや塔先端部から放つ光線で戦闘も可能。


実はイルドは種族で一つの生命体。
全員が塔内部にある巨大な脳を共有しており「個」の概念を持たない。
曰く、「悲しみも痛みも不安も存在しない、誰もが等しく一つの同じ幸福を生き、互いに競い合うことも比べられることもない」らしい。

これに加え、前述の触手に接触した他の生命体の身体をイルドへと作り変え自分たちの一部に取り込んでその数を増やしていく。
人間がその触手を受けると短時間で肉体がイルドのそれへと変化していき、脳を共有しているためかその人間の脳も収縮し最終的には消えてしまう。
この触手は巨大脳にも備わっているがかなり巨大で一度に複数の人間をイルド化出来るものと思われる。

地球に飛来した目的も地球人をイルドに変え自分たちに同化させるためであり、紛れもない侵略者。


◇第41話ストーリー

冒頭、地球へ帰還する直前の宇宙船ロムルス号に一体のイルドが潜入。
シンジョウの旧友であるイヌイとキノサキを"人間イルド化の実験"のため襲い撃退されるものの二人に触手を当てイルド化させる。

なんとかロムルス号は地球に降下するが、キノサキのイルド化は急速に進行。地上についた時には、外見が完全にイルドになっていた。
まだ意識を保っていたキノサキは、現場に駆け付けたシンジョウにあえて自分を撃たせ、イルドを分析させるために自らの命を捨てる。

(シンジョウ……聞こえるか。一発で、仕留めろよ)


続いて本隊であるイルドの塔が地球へと降下し、TPC本部を一時システムダウンさせた。

そのうえでイルドは「自分たちと来れば安らぎをもたらす」という都合の悪いことを隠した甘い言葉で人々を誘惑。
そのまま静観していたが、しばらくすると本性を現し集まった人々を塔に引きずりこみ始める。
イルド化が始まってしまったイヌイだが、シンジョウと共に共にキノサキが好きだったメロンパンを合言葉に人々を避難させていく。

「よし……合言葉はメロンパンだ。お前がメロンでオレがパン。オレが答えなくなったらその時は……オレはイルドだからな」
「イヌイ!?」
「行くぞシンジョウ!」

しかし、避難行動が進む中でイヌイが突如動きを止める。
シンジョウが合言葉を投げるが、「メロン」に対し「パン」が帰らず、イヌイは虚ろな目で呟く。

「『そこにはもはや…悲しみも、不安も存在しない……』」

イルド化の進行。思わず駆け寄るシンジョウだが、その瞬間にイルドの塔から発射された光線に捕まり、塔に飲み込まれてしまった。
我に返ったイヌイだが、そこにも1体のイルドが歩み寄っていた。
親子連れを狙うイルドに対し、イヌイはキノサキを撃ったシンジョウの如く、「一発で仕留めた」。

塔の一部はガッツウイングEX-Jの攻撃で破壊されるが、地上に残っていたイルドが合体し巨大イルドが出現。
ウルトラマンティガも現れるが、塔の中の人間を人質にされ苦戦を強いられる。
しかし、イヌイが塔の近くに移動し、捕まったシンジョウに通信を送る。

「いいか……オレの言うとおりに復唱しろ。『我らは、イルドと共に生きることを望む』!」

驚くシンジョウだが、イヌイの考えを察してその通りに復唱する。
反応するイルドに怯える人々だが、シンジョウは彼らを一喝すると続きを促す。

「イヌイ……続けろ」
「……『悲しみも不安も存在しない……イルドに同化せよ』」

イヌイの言うとおりにシンジョウが呟くと、周囲の人々がそれに倣う。

「我らを……」『我らを』
「イルドに……」『イルドに』

「『同化せよ』!」

巨大脳から伸びるイルドの触手。瞬間、シンジョウがブラスターを抜いた。

「撃て!!」

直撃を食らったイルドは怯み、生じた隙にEX-Jの攻撃が命中し脳が破壊される。残った巨大イルドもティガのゼペリオン光線で爆散。
イルドの目的は潰えた。


イヌイはイルド化が進行していたものの、ホリイらの治療で回復。

「『メロン』……答えろよ! イヌイ!」
「宇宙飛行士、イヌイ……。 ! キノサキ……!?」

その後イヌイはシンジョウと共にキノサキの死に場所に花を手向け、これからは一人で宇宙へ行くことを思い空を見上げる。
キノサキの形見である腕時計と共に…。

「一人で……一人で行くんだな、オレは。ずっと一人で……」


【余談】

イルドのスーツはウルトラマングレート(アトラクション用)の改造品。これはイーヴィルティガのスーツを新造する為の措置。
「イーヴィルティガって要はティガの色違いでしょ?ティガの予備スーツの改造でいいよね」
「いや、イーヴィルティガのスーツはどうしても新造したいんです!なんとか予算つけてください!」
「仕方ないなぁ、代わりに既存のブツ使って怪獣1体作ってよ」
…といった経緯らしい。

この41話はイルド化されてしまったとはいえ親友を殺してしまったシンジョウやイルド化しながらも懸命に戦うイヌイの姿等、鬱回であると同時になかなかに熱い。
特に「メロンパン」の辺りは名シーン。
あと、冒頭でイヌイとキノサキが『帰ってきたウルトラマン』の替え歌を歌っている。

後に現れるスフィア及びグランスフィアとは「『個』を持たない集合生命体」「地球人に同化を迫る」と言った共通点がある。
ネオフロンティアスペースではこういう形態の異星人は案外珍しくないのかもしれない。

ガシャポン企画『ウルトラマン超闘士鎧伝』では、販売に至らなかったPART3に登場が予定されており、『激伝』の単行本新装版第8巻の巻末にデザインが掲載されている。
イルドはキリエロイド共々「ハンター」にカテゴライズされる、影道騎士ダークシャドーの配下のキャラクターとして登場予定だったとの事。



追記・修正は「メロン!」「パン!」の合言葉と共にお願いします。


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最終更新:2022年11月14日 20:32