狼長官

登録日:2012/07/22 Sun 22:51:57
更新日:2024/04/17 Wed 07:18:46
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地獄に行く前に、天国の夢でも見るがいい……!

出典:仮面ライダーストロンガー/東映/第32話「必殺!超電三段キック!!」/1975年11月8日放送


◆狼長官
声:峰恵研→安原義人(33話)

狼長官(おおかみちょうかん)」は特撮ドラマ『仮面ライダーストロンガー』の登場怪人。
番組後半からの強敵「デルザー軍団」の一員にして、歴史の影より人類を恐怖に陥れて来た改造魔人達の中でも、最も高貴な血統を持つ改造魔人。

人間出身で確固たる出自を持たない成り上がりのジェネラルシャドウが軍団の指揮権を握っている事に我慢出来ず、その追い落としを狙った策略家。
……だが、その割に自慢の策略が僅か一話で頓挫した事、またストロンガーを窮地に追い詰めながらも一瞬の隙を突かれてしまい、お粗末な最期を迎えた事から、改造魔人最弱候補の烙印を押されてしまっている。


【人物】


誰もが知ってる超有名モンスター狼男」の子孫にして軍団きっての策略家。
ウルフェン族の出身では無いし、この人とも関係ない。
ましてや人類の希望になったりはしない。むしろ逆。
「遠い魔の国」では、諜報機関SDの長官を務めていると云う。

作戦の前には、アジトに飾ってあるご先祖の狼男の肖像画に祈りを捧げ、託宣を受けるのが決まりらしい。

狼長官「狼男様はなんでも教えてくれるのだ!!」

……策略家と云うより、新興宗教の教祖か信者では?とか言ってはいけない。

上記の通り、彼は自らのルーツに並々ならぬ矜恃を持っており、シャドウを成り上がりと嫌って追い落としを画策。
デルザーきっての脳筋こと岩石男爵と共謀し、ストロンガーの戦いを見守っていたシャドウを暗殺しようとするが、あっさりと攻撃をかわされた上に、自身の差し金であると薄々勘づかれる

……当の狼長官はそうとは気付かぬまま、岩石男爵を唆して抱き込むと、シャドウの排除を優先するため、軍団内での内紛を理由にストロンガーの下へ直接出向いて休戦を申し込む。だが、先回りしたシャドウが予防策を張り、先んじて立花籐兵衛を誘拐していた為に恨みを買い失敗

この状況を打破するべく、ひとまず岩石男爵に籐兵衛を奪還させたが、この時には既にシャドウから腹の中を完全に見抜かれており、シャドウに現場を抑えられた上で、二人揃っての恫喝を受ける

狼長官「い、いやシャドウ……ま、待て、これは(ストロンガー達を欺く為の)計画なのだ!」
岩石男爵「話が違うじゃろがい!!」

……嘘がバレたからと言って開き直る度胸も無く、更に浅い嘘を重ねた上に共謀した仲間まで見捨てようとするクズっぷりにキレたシャドウからストロンガーを追うように厳命されるも、ここはシャドウと同じくキレた岩石男爵が自分が行くと豪語した為に辛うじて命拾いする

身から出た錆とは云え、いよいよ追い詰められた狼長官は御先祖の託宣を受け「満月の夜に子供の命を捧げ、自らのプラズマパワーを最大にする」作戦を開始。
部下に命じて子供達を誘拐するのはもちろん、歯科医「浅野」に化けて、かかりつけの籐兵衛と子供達を誘い出す事に成功する。

……子供はともかく、何で藤兵衛が虫歯で苦しんでいたのかを狼長官が知ったのかは不明。
もしかしたら狼男様が教えてくれたのかも知れない。

しかし、首尾良く事を運ぼうとしていた矢先、怪しい気配を追って来た城茂=ストロンガーと交戦する事になるも、真っ昼間であった為に戦闘力が振るわず、徐々に追い詰められた挙げ句に必殺の満月プラズマ光線も威力が足らず、全く効かなかった(※因みに、チャージアップ前)。

不利と見た狼長官はたまらず退散し、夜を待つ事にする。
儀式を進めるべく自身のアジトに戻ると、罠を仕掛ける。
籐兵衛を誘拐し、腕力では適わないストロンガーをアジトまで続く落とし穴など大掛かりな仕掛けでアジトに捕らえる事に成功するも、ここで予想外の訪問客である新たな改造魔人隊長ブランクが登場。
獲物を目の前に互いを牽制し合う中で、フライングしようとしたブランクの隙を突いてストロンガーが脱出。

ブランクをチャージアップの圧倒的なパワーで振り切ると、籐兵衛と子供達の捕らえられた狼岳の頂上に向かう。

……かくして遂に始まったストロンガーと狼長官の決戦だが、最初とは違い時刻は夜。満月の恵みを受けて最大のプラズマパワーを発揮した狼長官は電気パワーを跳ね返し、必殺の満月プラズマ光線は一撃でストロンガーを絶体絶命に追い込む。
ダメージをチャージアップ化で瞬間的に帳消しにしたストロンガーは超電スクリューキック超電三段キックを放つも、何と狼長官は超電子パワーをも跳ね返してしまう。

……もはや打つ手なしかと思われた直後、満月が雲に隠れた事でプラズマパワーが落ちた一瞬の隙を突かれ、チャージアップストロンガー最強の必殺技である超電子稲妻キックを喰らい、撃破された。

荒ワシ師団長と同じく、自身の策謀に自信を持ち油断したが故の『策士策に溺れる』と言う言葉が相応しい最期であった。

【能力】


狼の頭部にオーストリア・ハンガリー二重帝国の皇帝・フランツI世の軍服を元にした白い軍服を纏ったスマートなデザインが特徴の改造魔人。当時の雑誌には「プラズマ改造人間」とあり、頭部の特徴的な飾りはプラズマ粒子を現している。
どちらかと言えば腕力よりも知力に頼るタイプの為か、戦闘能力は余り高くなく、デルザーの改造魔人であるにもかかわらず通常状態のストロンガーに電パンチなどでボコボコにされていた。
……尤も、狼長官の名誉を思って言えば、狼長官が十分な能力を発揮出来るのは満月の夜、それも大勢の子供をかき集めて人柱にした状態のみであり、この時には上記の様に電気パワーは勿論、幾多の改造魔人を葬った超電子パワーすら平然と跳ね返す程のタフさを発揮していた。状況によって強さが極端に変わる、良く言えばトリッキーな、悪く言えば極めて極端な体質である。
なお、子供の命を捧げる儀式は直前で阻止されているのだが、単に満月の光さえ浴びればプラズマパワーは最大になるのか、
それとも あの強化具合でも最大ではなかった のかは意見が分かれている。

武器は両刃の槍型の指揮棒で投げて攻撃したこともある。頭部から必殺の満月プラズマ光線を発射する事が出来るが、上記の通り昼と夜では威力が段違いであり、昼に使用した際にはストロンガーの足止めにもならなかったものの、夜の戦いで浴びせた際は打たれ強いストロンガーをして「身体が焼けるようだ…!」と呻きながら藻掻き苦しませる程の威力と化していた。

この他、歯科医に化けた事に関係があるのか、歯医者に飾ってある入れ歯型の模型に似た歯型爆弾を使用する。

……配下の戦闘員には「狼部隊」と云うカッチョイイ名前が付いているのだが、見た目は全身黒タイツの上、恐らく満月がモチーフなのだろうが、顔にまっ金金の丸いお面を付けただけと言う出で立ちで、実にシュール極まりない。また、「ウォー!」と叫びを武器に使う。


【余談】


本作で言う「狼男」は、原典の様な知性の欠けた怪物では無く、高貴な貴公子風、言うなれば吸血鬼を思わせるイメージのキャラクターとして描かれている。
ちなみに狼長官のラフデザインと思われるキャラクターが、顔以外まるっきりマイティ・ソー




この狼長官は栄光ある狼男の子孫だ。シャドウ如きの追記修正は受けん!



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最終更新:2024年04月17日 07:18
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