魔装機

登録日:2011/11/22(火) 17:24:04
更新日:2024/02/05 Mon 12:30:00
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魔装機とは、スーパーロボット大戦シリーズ、及び外伝作品である『魔装機神』に登場する架空の兵器。


【概要】


地球の別位相に存在する異世界、ラ・ギアスにて開発された人型機動兵器。

ラ・ギアスの主要国家であるラングラン王国の王室アカデミーにて、
「ラングランを滅ぼす魔神が現れる」
という『予言』がなされた事により、その『魔神』に対抗する為に開発された。

ラ・ギアスの錬金学と魔術の粋を集めた、高性能機動兵器である。


【構造】


基本的な構造はほぼ一貫しており、錬金学士フルカネルリが提唱した『フルカネルリ式永久機関』と、ラ・ギアスで産出される精神感応金属『オリハルコニウム』を採用している。

また、推力に『エーテル』を使用する事で、理論上はあらゆる環境で永久的に稼働できる。


しかし動力機関の稼働には『精霊』との契約、及び操者(パイロット)の生体エネルギー『プラーナ』を必要とする事が稼働上の問題点となっている。


【精霊】


簡単に言えば、集合的無意識が顕在化した存在。

ラ・ギアスでは精霊信仰が盛んな為、その影響力は非常に強い。
元々は「万物に意志が宿る」という、日本で言う八百万の神々的なものだったようだ。


本来は人の意識が生み出した存在だが、長い年月を経る事でその存在はより確実に、そして純粋になる。
存在として純粋な物程大きな力を有する為、特に『地』『水』『火』『風』の特性を持つ精霊王ともなれば無尽蔵のエネルギーを持っている。

基本的に精霊は地水火風の四大属性に属するが、『光』『闇』『刻』『空』の聖位精霊といった、それらに属さない精霊も存在する。


魔装機はこれら精霊と契約し、その力を借りる事で莫大な出力を発揮している。

また、魔装機操者はその契約した精霊の精神的特性を持つ事が多い。


余談だが、魔装機が地上で出力低下を起こすのは、地上では精霊を認識する人間が少ないからである。


【エーテル】


別に昔に提唱された第五元素でもMPを回復するアイテムでもない。

簡単に言えば絶対空間に存在する特殊なエネルギーで、重力波や精神波を媒介する性質を持つ。

理論上はあらゆる場所に存在する。


【プラーナ】


一言で言うと人間の生体(生命)エネルギー。

精霊と機関の橋渡し的な役割を持ち、このエネルギーが高ければ高い程、精霊の力を上手く発揮できる。
その為、魔装機の操者は高いプラーナを持つ人間が理想。


しかしラ・ギアスの人間は地上の人間に比べて激しい感情のうねりが少ない為、感情のうねりによって起伏するプラーナ量が低い。

この問題を解決する為に、魔装機の操者には高いプラーナを持つ地上人を召喚する、という方法が採択された。

ただし、ラ・ギアス人の中にも高いプラーナを持つ者は(少ないが)いる。
これはラ・ギアス人の精神が成熟しているという意味でもあるが、
地上人召喚事件以降、ラ・ギアス人の意識が変わってきており、魔装機操者もラ・ギアス人が務める事が多くなった。

この精霊と機関の橋渡しを行う装置は「プラーナコンバーター」と呼ばれ、
技術的な面からも低いプラーナで稼働するラ・ギアス人でも操者が務まる魔装機が開発されてきている。
後述のD級魔装機の中には作業機械にプラーナコンバーターと武装を追加したものとされるものもある*1ので、精霊無しの単独でも戦力増強にはなるらしい。

【ラプラス・デモンタイプ・コンピューター】


魔装機の制御に使われるコンピューター。
『ラプラス変換理論』という事象予測理論を応用した演算装置。

操者の能力次第では因果律を予測できるとさえされている。
ラ・ギアスでは比較的普及しており、『予言』はこの装置と予知能力者の併用によって行われる。
どっかの誰かはラ・ギアスで普及しているコイツの入手のために、わざわざラ・ギアスに干渉して最強の魔装機神を捕まえようとしていたわけである*2

名称の由来は『ラプラスの悪魔』だが、あのラプラスではなくラ・ギアスの同姓同名の人物である。



【操者】


前述した通り、魔装機の操者は地上の人間であり、一定の条件に合致した者が召喚される。

複雑な条件付けは出来ない為、その条件は、
  • 高いプラーナを持つ事
  • 天涯孤独である事
のふたつのみ。


ひとつ目の条件は魔装機を動かす為の物。
ふたつ目の条件は異世界に召喚される事を鑑みての物だが、それ以上に、
「魔装機の操者はラ・ギアス全体の為に戦わなくてはならない」
という理念を満たすには、天涯孤独である人間の方が相応しい為である。


とはいえ条件付けは甘いと言わざるを得ず、結果的にかなりの危険人物をもラ・ギアスに招く事にもなった。

ちなみに、本当に嫌なら別に帰ってもいい。


【操縦法】


基本的に、コックピット内に配置された球状のインターフェースによって機体を制御する。

操者は機体と思考的に繋がった状態にある為、操縦法などはコックピットに座っただけでも理解できる。
また、その操縦は思考操縦のそれに近い。


実際にはイメージ通りに魔装機を操縦する事は難しく、何の訓練もなく魔装機を手足のように動かせるマサキ・アンドーやミオ・サスガのような操者は稀である。


【種類】


本来魔装機はラングラン王国で開発されたものであり、正式採用された16体の魔装機を『正魔装機』と呼ぶ。
しかし後に他国でも開発された為、同様の構造を持つ機動兵器は全て魔装機と呼ばれる。
また、地上人召喚事件では地上から来た様々な機動兵器に対して暫定的に魔装機と扱っていた。

その性能によってランクが分けられており、

  • A級……精霊王と契約した機体。通称『魔装機神』の事。
  • B級……魔装機神以外の、12体の正魔装機。
  • C級……正魔装機を元にした量産型。準魔装機とも言われる。
  • D級……正解には魔装機とも言えない魔装機もどき。

となっている。
これはラングランの初期ランク付けである為、必ずしもアテにできるものではない。


ちなみに正魔装機の機体名は真名ではなく、魔術的攻撃を避ける為の守護名となっている。


【魔装機神】


前述したA級魔装機。
精霊王と契約した事で機体自身が自意識を持ち、操者を選ぶ。

数ある魔装機の中でも段違いの性能を持ち、たった一機でも戦局を左右するとすら言われる。

……反面、選ばれた操者でしか力を発揮しない事、操者の力量で極端に性能が上下する事から兵器としての信頼性は低い。


聖位精霊と契約した魔装機は存在しない為、現状で最強の魔装機。
その特殊性から正規の命令系統を逸脱しており、超法規的権利を持つ。

事実上のスポンサーであるラングラン王国の命令も効力を持たない代わりに、ラ・ギアスや地上の危機には立ち向かう義務が生じる。

【ファミリア】


魔術的に生み出された生物。使い魔。
魔装機神操者は操縦補助と特殊兵器『ハイファミリア』の為に使い魔を持つ事になっている。
使い魔は操者の無意識から生み出される為、一見操者とタイプが違っていてもその本質を捉えている。
ex)マサキの『猫』、シュウ・シラカワの『小鳥』等。


使い魔自体はポピュラーな魔術生物なので、魔装機神操者以外にも持つ人はいる。


精霊憑依


ポゼッションと読む。
魔装機操者が、その精霊の力を100%引き出した状態の事。

魔装機神クラスともなれば理論上は無限大の力を引き出せるが、反面操者のプラーナ消費は極めて深刻。
場合によっては死に至る、両刃の剣とも言える。また、あくまで理論上可能というだけで、設計上は想定されていない。

LOE時点では、精霊憑依を行ったのは魔装機神サイバスターのみだったが、ROEにおいて調和神ラスフィトートの復活阻止の為にディンフォースが、その後ガッデスとグランヴェールが精霊憑依を行っている。ディンフォースは魔装機神では無い為特に驚かれた。
ちなみに、この時期にサイバスターの回路が精霊によって改修されており、任意での精霊憑依が可能となった。
POJではガッデスとグランヴェールのそれぞれで改修が完了し、ザムジードも遅れながら精霊憑依と回路の改修を短期間で済ませている。
また、ゼルヴォイドなる機体がROEで精霊憑依を披露しているが、これは補助機関『ゼルヴィオリア』による「擬似精霊憑依」であり、POJではこの機関を盗まれてしまった。しかし、ゼノサキス南宗家の当主としての責務を背負う覚悟をした事で精霊から選ばれた事で「真の精霊憑依」を会得する。なお、ゼルヴォイドは元から精霊憑依を前提としている為に形状や回路が変化する事は無い。


【亜種】


基本的にラ・ギアス製の人型機動兵器はほぼ魔装機となるが、中には『妖装機』や『咒霊機』、『靈裝機』のように精霊とは別の存在を媒介して稼働する物も存在する。分類名は異なるがセンサー類では基本的に全て魔装機として扱っている。

他にも古代兵器のゼルヴォイドの事を『魔装機帝』という分類としている(構造は違えど精霊と契約している以上は魔装機あるいは魔装機神だが)。

また、地上製のグランゾンSRX、異星人製のアストラナガンにも一部その構造が使われている。


ちなみに、作中で『超魔装機』と呼ばれる機体は精霊の力を借りておらず、地上の兵器技術とのハイブリッド機である。
その為、実質的にはグランゾンやアストラナガンのような亜種機体と言った方が近い。
ただし、精霊と契約した大型魔装機であるイスマイルやガッツォーΣ、ヴォルクルス教団が運用するペンタルコスまでも超魔装機とされているので現在は曖昧な部分がある。更に一般の魔装機のサイズで精霊の力を借りず、地上の兵器技術とのハイブリッドであるヴァルシオーガが登場。
その他にも『攻霊機』に分類されるレイブレードが登場している。


余談にはなるが、魔装機が開発されたのは『第2次』や『OG』本編からは2年以上前になる。
それでいて異星人製の機動兵器に匹敵する性能を持つ事から、ラ・ギアスの技術力の高さがうかがえる。
しかも、設定上地上では出力が落ちている。
挙句の果てに、本来不要のはずの宇宙戦ですら、とくに改造の必要もなく対応している。

『真・魔装機神』にも魔装機は登場するが、あちらのものは偶々落ちてきたサイバスターの腕を解析して作った物であり、ラ・ギアス製ではない。



尚、予言に登場する『魔神』は誰もが破壊神ヴォルクルスだと思っていたが、実際にはグランゾンの事である。
また、ラングラン崩壊にはグランゾンは直接的には関わっていない。



……シュロウガは別に闇の魔装機神ではない。多分。

メタなことを言えば、当時出演が取れなかったオーラバトラーの代役としての性格があり、設定の節々に共通点が見られる。


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最終更新:2024年02月05日 12:30

*1 プラーナコンバーターを後から換装することは不可能とする設定もあるので、既存の機体に追加したわけではなく新造したものと思われる

*2 一応これはサイバスターのラプラス・デモン・コンピューターが特殊というわけではなく、サイバスターは地上に出てきてくれるからというのが理由の模様。干渉できるんなら直接行ってフェンター辺りを分捕ってくれば?とか言っちゃダメ、絶対。