戦え!!イクサー1

登録日:2012/02/25(土) 10:36:09
更新日:2023/10/16 Mon 15:45:38
所要時間:約 5 分で読めます





1985~1987年にかけて制作されたOVA。

アニメーターの平野俊弘が初めて監督を務めた作品。原作は阿乱霊の漫画『戦え!イクサー1』だが、キャラクターの容姿や一部の名称が共通するだけであり、アニメ独自のストーリーが展開される。

話数は全3話と非常に少ないが、その強烈な趣味性の作風とエロティックな描写で話題となった。
とくにイクサーロボに搭乗する加納渚のシーンは衝撃的であり、なんと全裸になって触手のようなコードに繋がれるのだ。

全体的にシリアスな展開で、終始重苦しい雰囲気で物語は進んでいく。決してエロいだけのアニメではない。
だが、BD−BOX発売を記念して地上波放送された際は、こうした過激なシーンなどが全身黒塗り修正されてしまう事態になってしまったが。

後に、続編として『冒険!イクサー3』が制作されており、こちらは健康的なお色気と明るいノリの作風に変化。
主役のイクサー3のの声に当時アイドル的に活躍していた女子プロレスラー・キューティー鈴木氏を抜擢したが、演技経験のない氏を主役に据える事は大いに疑問視された。作品としての評価は前述の不安要素が的中した事も影響し、芳しくない結果に終わった。


【ストーリー】


ビッグゴールド率いるクトゥルフに狙われた地球。
唯一、クトゥルフに対抗する戦士イクサー1は、真の力を発揮するため、地球人「加納渚」をパートナーに選ぶ。

最初は戦いを頑なに拒否する渚だったが、何度も過酷な場面に遭遇し、やがて戦いを決意する。

これが、クトゥルフの脅威から地球を守る、ふたりの美しき戦士の戦いの始まりだった。

頑張れ渚、戦えイクサー1!


【主な登場人物】



  • イクサー1(CV:山本百合子)

主人公。宇宙を放浪する民・クトゥルフの長たるサー・バイオレットが、かつて彼らを守る戦士として作った、善なる心を持つ人造人間
それゆえビッグゴールドに支配されて他の星へ侵略活動を行うクトゥルフに対し、反旗を翻す。

自身だけの力で空を飛行するのは序の口で、宇宙空間の飛行や恒星間の航行も行えたり亜空間の出入りも自由自在と、行動範囲は無限。
戦闘時は両腕から放つエネルギー弾、レーザービームソードなどを駆使して戦う。
戦闘ロボットなどの巨大な敵に対しては、自らの分身とも言える巨大ロボ・イクサーロボを自分専用の異空間から出現させ、搭乗して戦う。

宿敵であるビッグゴールド以外の者には、例外を除いて必ず敬語を使う。
また、その美貌もクトゥルフ随一。


  • 加納渚 (CV:荘真由美)

どこにでもいる普通の女子高生。
イクサー1が地球へやってきたために、クトゥルフに狙われて友人や両親を失ったことから、ヒステリックを起こすほどイクサー1を恨んでいたが、小夜子との出会いを経て守りたい者を得たことで、最終的にイクサー1と共に戦う道を選ぶ。
一度イクサーロボに搭乗した後、イクサー1から特殊な服と防衛機能を備えた腕輪を渡されている。



クトゥルフの月の長。
本来は心優しい理想的指導者だったが、あまりにも長い宇宙放浪の間にふと生じた心の隙間を、機械生命体ビッグゴールドに侵け込まれて以降、邪悪な操り人形と化してしまう(島本が本来の人格、塩沢が操られてからの声を担当)。


  • イクサー2 (CV:戸田恵子)

イクサー1を倒すべくビッグゴールドによって作られた、邪悪な心を持つ人造人間。
「イクサー1の妹」を自称しながらも、イクサー1を抹殺することが自身の存在意義と信じており、その決闘を邪魔するものは民間人はおろか幼い命さえも踏みにじる冷酷さ、そしてイクサー1を超えるため渚を狙うほどの非情さを持つ。
イクサー1を上回る戦闘力と自信、そして彼女と同様に分身とも言える巨大ロボ・イクサーΣ(シグマ)を持つ。
なお、平野曰くイクサー2はハカイダーをイメージしてデザインされている。


  • ビッグゴールド (CV:塩沢兼人)

金色の光を放つ赤目の赤子の姿をしている、謎の機械生命体。イクサー1とは対極の「悪」である。
サー・バイオレットを操り人形と化してクトゥルフを支配した後、彼らの愛玩生物をクトゥルフ神話ばりの奇怪な姿と凶暴な性格を持つ怪物と化して尖兵とし、他の星を侵略しようと企む。



【用語】


  • イクサーロボ

イクサー1の分身とも言える巨大ロボット。
普段は自分専用の亜空間に留まっているが、イクサー1や渚の呼び掛けに応じてどこにでも出現する。イクサー1が搭乗して無数のコードに繋がれるだけでも強大な力を発揮するが、渚が液体に満たされている胸部に全裸で乗り込む(取り込まれる)ことによって、その力は何倍にも増幅される。

装甲の下は生体メカで構成されており、大きく傷付けば血液らしき液体も流れ出る。

主な武器は両腕から撃つエネルギービーム、胸から発射するイクセリオファイヤー、イクサーカッター、腕からの溜め撃ち、もしくは全身から放射するイクサーオーラ。イクサー1自身のイクサービームも発射できる。

第一話では女性的な丸みをおびた外見だったが、第二話以降は筋骨隆々な逞しい姿になった。


  • イクセリオ・エネルギー

イクサーシリーズの力の源となるエネルギー。
このエネルギーから作られた存在は、元々これを所有していたイクサーと姉妹のような関係になる。


  • 富士一號

自衛隊富士基地にて、極秘に建造された首都防衛用空中戦艦。
艦主にドリルを持ち、メーサー砲、ミサイルなど多彩な兵器を装備するが、クトゥルフの前ではガラクタに過ぎなかった。
世間では一般的に認知されているらしく、市民にも名前を知られている。


  • F.J-Ⅲ

地球防衛軍が誇る宇宙戦艦。クトゥルフ迎撃のために月へと出撃するが、ビッグゴールドの前にあえなく撃沈する。

【外部出演】

スーパーロボット大戦L』に続編のイクサー3と共にまさかの参戦。
さすがにCEROの規制の関係で、エログロ描写は無いが、エログロ描写があるため参戦が絶望視されていただけに参戦には驚きの声が上がった。
イクサー系のユニットは最初は生身で戦い気力の上昇でイクサーロボを呼べるという仕様になっている。
生身ユニットの時は紙装甲高回避のリアル系、イクサーロボはリアル系とスーパー系を足して割った性能である。
ちなみにイクサー1は序盤~中盤にかけて参戦した後、一時イクサー3と入れ替わりで離脱、終盤に復帰するというやや独特な参戦。それもあってか何と第3話で早速登場するのに4段階改造済みという強力ユニットで、パイロットステータスも総合2位と言う凄まじいスペックを持つ。
ユニットのサイズのせいで火力不足になりがちではあるがその分回避力はすさまじく、サイズ差補正無視を習得させれば火力も解決するため、生身状態のまま囮役として前線に出してしまうのも手。
『L』にはエヴァも参戦しているため十傑集のヒゲオヤジと同じく生身で使徒と戦える。
妹のイクサー2も序盤から敵対しつつも終盤イクサー姉妹最強の味方として参戦する。

余談だがスパロボLではイクサー系以外にもジャック・スミスクラン・クランといった生身ユニットが多いため、それらを「イクサー〇〇」と呼ぶネタが存在する。



イクサー1「渚!追記・修正を!!」

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最終更新:2023年10月16日 15:45