アバン=デ=ジニュアール3世

登録日:2012/06/26 Tue 10:04:05
更新日:2024/03/02 Sat 22:39:37
所要時間:約 5 分で読めます


タグ一覧
アバン アバンストラッシュ アバンテJr. アバン先生 アバン=デ=ジニュアール3世 オールラウンダー カール王国 コメント欄ログ化項目 ジャンプ二大家庭教師 スピンオフ主役 ダイの大冒険 チート ドラゴンクエスト メガンテ 万能の人 万能型の天才 伊達メガネ 先代勇者 先生 全ての始まり 切れ者 前作主人公 力なき正義は無力なり 勇者 勇者の家庭教師 勇者アバンと獄炎の魔王 勇者アバンのパーティー 勇者ダイのパーティー 器用万能 国王 学者 家庭教師 師匠 我らが先生 教師 文武両道 料理上手 昼行灯 櫻井孝宏 武芸百般 死んだと思ったら生きてた 田中秀幸 能ある鷹は爪を隠す 自己犠牲の塊 自爆 親の仇




やっぱり修業で得た力というのは他人(ひと)のために使うものだと私は思います
たぶん私の力はこの日のために… あなたたちを守るために神様からさずかったのでしょう…
いつかあなたにも必ずわかる日がきます



CV.田中秀幸(1991年版)/櫻井孝宏(2020年版)
ドラゴンクエスト ダイの大冒険』の登場人物。スピンオフの『勇者アバンと獄炎の魔王』では主役を務めている。

目次

【概要】

主人公であるダイの師匠。「アバン=デ=ジニュアールⅢ世」が本名で、普段は「アバン」と略されている。

勇者育成業……ま、平たく言えば家庭教師ですな

自称『勇者の家庭教師』であり、弟子達からは「アバン先生」と呼ばれている。
年齢は31歳。
青の巻き毛と黒縁メガネが特徴的な男性。目立たないが、かなりの美形でもある。

その正体は、過去に魔王ハドラー率いる旧魔王軍を壊滅させた勇者。
彼の正体を知った上で自称を見直すと、『勇者の家庭教師』は勇者を育成する家庭教師であると共に、勇者であった家庭教師も意味する事になる。
怪しげに見える黒縁メガネは、実は度の入ってない伊達メガネ。
名前そのものはあまり広まっていないのか、弟子のポップやブラスですら気がつかなかった。*1


【人物】

性格は温厚で、ややひょうきんな一面も目立つが、その人柄から彼を慕う者は多い。
家庭教師としての腕も確かで、人の才覚を見出すのは抜群に上手い。
趣味は料理。腕前は王宮付きの料理当番の女性たちに味付けのコツを語れるほど。
また、新しい町や村に着くたびに住民全員に話しかけるように心掛けており、RPGにおけるプレイヤーの定番を再現しているといえる。

稀代の天才学者だったジニュアール1世の血を継ぐ学者の家系の産まれで、元々はカール王国所属の騎士だった。
両親を早くに亡くしたアバンは祖父であるジニュアール1世と執事ドリファンによって育てられた。
当時は王女だったフローラをモンスターから救った事がきっかけで、フローラに推薦されカール騎士団へ入団したものの、騎士団では味噌っ粕扱いを受けていた。
ジニュアール1世はその超抜した科学知識でもって天変地異を驚異的な精度で予測しカール国民を救ったが、突出し過ぎた技能は異能同然と受け止められて、ジニュアール一族は国民から気味悪がられて距離を取られていた。
アバンもまた、そのジニュアール家に生まれた者として、昼行燈に徹して騎士団の恥晒しの汚名を甘んじて受け入れていた。
それでも持前の人当たりの良さと要領の良さのお陰でカール王国時代は王宮勤めの女性たちからも人気が高く、フローラ王女にも密かに惚れられていたのだが、魔王ハドラーのカール城襲来を契機に状況は一転。

隠していた実力を発揮して魔王を辛くも一時的に撃退した直後に、魔王討伐の為の修行の旅に出た。そして見事ハドラー討伐した。

だが、姫に理由を語ることもなく、再びカール王国を去ることになる。

ただし、後に…


【劇中の活躍】

パプニカ王国からの依頼で、ダイの才能を磨くべく、弟子のポップと共にデルムリン島に上陸。
彼に7日で勇者になれるという『スペシャルハードコース』を課す。
しかし、スペシャルハードコースの特訓3日目。
ダイが海破斬を習得した時、ハドラーが島に上陸。
バーンに力を与えられたハドラーに追い詰められた(特訓のドラゴラムでMPを消費していたこともあるが)アバンは、ダイとポップにアストロンをかけ、卒業の証『アバンのしるし』を託す。


ポップ…ダイ…あとはたのみますよ…

メ・ガ・ン・テ!!


自己犠牲呪文『メガンテ』を唱え、ハドラーを道連れに光の中へと消えていった――


上記が起こるやいなや現実世界の読者からは批判の嵐が巻き起こった。
登場回数が少ないにも関わらずその後も読者人気は衰えしらずであった。
それは作中でも同じであり、以降も「アバンの書」を介してアバンの使徒のみならずアバンを直接は知らない仲間たちまで勇気づけ鼓舞するなど、退場してもその存在感は大きく精神的支柱となり彼らを支えて行った。
このように、絶大な影響力を持つ人物であり、彼の存在は死後も、登場人物の成長を促してきた。
クロコダインも、武人として一目会いたかったと敬意を表していた。




おやおや まだ編集中なのに そんな感動してもらっちゃこまりますよ
これからもブリバリ追記・修正してくれないと それにふさわしいアニヲタになれませんからね!



































以下、ネタバレ











心配かけてまことに申し訳ありませんでしたが…

ここにいる私は…幽霊でも…ニセモノでも…幻でもありません。無論他人の空似でも…!!


本物の… 私です!!


後半、ハドラーとの最終決戦の後にてまさかの復活。
過去フローラから貰っていた「カールのまもり」が、彼の命を救っていたのである。

しかし生還した後、ダイとポップの船出を物陰から見届けていたアバンは、自分がダイの成長の妨げになることを予期しており*2、いずれ大魔王バーンと相対するであろう彼らを助けるために「自分にしかない力」を求めることを決意。あえて自身の生存を隠したままデルムリン島からこっそり離脱し、カール王国にある破邪の洞窟で修行を開始。
バーンとの初戦を経た後のマァム含むパーティでも地下25階で苦戦するダンジョンをソロで150階まで踏破する廃プレイに邁進。
結果魔法力を増幅する破邪の秘法、二種類のフェザーを引っさげて戻ってきた。

卑劣なキルバーンの罠を破り、宿敵であり、友となったハドラーの最期を看取った後は、アバンの使徒のパーティーに復帰。
激しい死闘と老獪な騙し合いの末に狡猾なキルバーンを撃破。

そのままモシャスでキルバーンに扮してミストバーンから大魔王バーンの情報を掠め取ろうとしたり、マァムに取り憑いたミストバーンを追い払うなど要所要所で活躍を見せるが、最終決戦では戦いでカイザーフェニックスを受けて負傷したことでバーンの「瞳」に屈し前線を離脱することになる。
*3

バーンパレスから脱出できた際は、ようやくフローラと再会。
…出来たが、どうやらフローラは「カールのまもり」の真の力を知らなかったようで、アバン死亡を信じ切ってしまっていた彼女は当然のように自分の隣に立っているアバンを見てその場で失神してしまった。そりゃそうだ。
バーン撃破後ダイを労っている最中には、フローラから「勇者なんてのはちゃんと捕まえておかないと、事が終わればさっさと居なくなってしまう」と釘を刺されて青ざめてしまい、さらにポップとクロコダインに「男として責任取れ」とおちょくられるという、これまでにない情けない姿を見せてしまう事に。残当。

最後の戦いの後は、本当にフローラに捕まったらしく、付け髭みたいな髭を生やし2人で玉座に並んで座っていることから、王配(女王の配偶者)になったと思われる。
彼がカール王国で指導していれば、超竜軍団を撃退出来ずとも、世に聞こえるカール騎士団員の犠牲を大きく抑えられたと惜しむ声もあったことと、これまでの功績を鑑みれば王様になってフローラ様の尻に敷かれても全く不思議ではない。
また、ハドラーを倒した10代の頃には若僧相手だからと妬みや軽視も買い易いが、加齢によってそれも多少なり軽減出来る。
当時の執政者達が寿命を迎えたか反省したか、時間が解決した部分もあるかも知れない。単にカール王国が壊滅した際に全滅して文句言えるヤツがいなくなった可能性ももちろん有り得る。
彼とフローラならば、王国の再興もそう遠くない未来に成し遂げられるだろう…。


【能力】

勇者の名に恥じない力を持ち、、鎖*4、牙*5の全ての技と奥義を極めている。
「武芸百般」を自称しており、更に上記の6系統に対応する独自流派「アバン流殺法」の開祖。
特に必殺技であるアバンストラッシュは、作品の代名詞とも呼べる技であり、ダイに受け継がれて以降は、様々な派生技も完成した。
呪文も魔法使い顔負けのレパートリーを巧みに操り闘気技も使用できる。
賢者限定の呪文であるマホカトールを使える事から、彼の本来のクラス適性は賢者で、勇者呼ばわりはその業績からつけられた称号ではないかという考察もある。
劇中で登場した人物では魔法と闘気の両方を使える「人間」は彼とノヴァの二人だけである。
心理戦にも長けており、話術で相手のペースを乱したり精神的動揺を引きだして相手の隙を作ったり自分のペースに引き込む老獪な戦法も使いこなす。誰が言ったか「アバン流口殺法」。

おまけに魔弾銃を作り出すほど機械技術にも精通し*6、本来学者ゆえに古代の文献や伝承にも造詣が深く、家事万能で知識も豊富、作中で一番の頭脳明晰と文字通りの完璧超人。
アバンの使徒の証である「アバンのしるし」も、文字通り彼にしか精製できない代物。
シルバー及びゴールドフェザーも、彼の独自の発明品である。

なにこのチート

愛弟子のポップやヒュンケル曰く『あの人は特別製』『恐るべき達人』と讃えられている超人ではあるが、自身認めるとおり戦闘能力は大魔王に挑んだ中では決して高くはない方。
物語終盤ではダイやヒュンケルはおろか、ポップにすら劣る戦闘能力しか無い。
とは言え、ダイに修行をつけていた作中最初期の時点で、ゲーム的に表現したパラメータ上のレベルは36。
実戦を離れたとはいえ他所のシリーズでならラスボスに挑めるくらいの実力は維持している。
初期のハドラーに圧倒されメガンテでも倒すことはできなかったが、魔王時代のハドラーを倒した時から15年のブランクがある上にドラゴラムで魔法力を消耗した状態だった。
更に先述の修行によって鍛え直し、最終決戦時点における十分な脅威の一人であったキルバーンを倒してもいる。
要は単に、ダイ達や挑もうとしている大魔王バーンがアホみたいに強過ぎるだけである。それも、DQ的に言えばステータスの数値的な意味で*7

そのため、最大破壊力ではダイやポップ(メドローアの存在)に一歩譲る。デタラメな力を持つ大魔王に有効打を与えるのはダイの役目、とレオナに語るシーンもある。
アバン自身は劇中登場人物の中でも最強クラスの実力者であり、現にマァムやクロコダインが耐えられなかったバーンの「瞳」に一度は耐えて見せた。

しかしアバンの最大の驚異(脅威)は
  • 持ち前の聡明な頭脳と豊富な知識・経験
  • 独自技術による新兵器や魔法のアイテムを個人の力で発案し開発・完成させられる技術力
  • 数手先を見透かすかのような冷静沈着な判断力と洞察力
  • 時と場合によっては敵味方問わず平然と欺き騙し抜けるダイにはない老獪さと冷徹さ
  • 命の危機に直面しても揺るがず、マイペースに余裕を演じる底知れない演技力
  • 有望な若者の才能を見出し、超一流の戦士に育て上げる人材育成力
  • 「魔王を倒した勇者」としての圧倒的なカリスマ性及びずば抜けた統率力
などから来る戦闘力以外での多方面に渡る優れた才覚である。

魔王軍側からしてみればこんな奴を放っておけば何をしでかすか分かった物ではなく、単純なレベルやステータスの強弱だけでアバンの強さを表すのは不可能な、正しくワイルドカード(ジョーカー)的存在。
それ故にアバンの事をよく知らないミストバーンが「今更アバン如きが我々の脅威になるとは到底思えないのですが…」と大魔王バーンに語った際に、「たわけ!!」と怒られる羽目になってしまった。
これがミストバーンが大魔王バーンに怒られた唯一の場面というと、大魔王バーンのアバンに対する警戒心の高さがわかろうものである。

その底知れなさと総合的な実力はあの大魔王バーンでさえ、遥かに力が劣るはずの彼を「もっとも厄介な男」「何をしでかすか分からない地上随一のキレ者」と危険視し、竜の騎士であるバランより先に抹殺を命じていたことからも彼の存在感がうかがえるだろう。
最終決戦において瞳の中に彼を封じ込めた際にも「お前が真っ先にいなくなってくれて正直安心した」とまで言わせてしまう程である。

かつて彼の仲間であったマトリフは、「なんでもできるがなんにもできないのが勇者」だと勇者の器用貧乏さを指摘したが、アバンに関して言えばそれはあてはまらない。
一応以前パーティーを組んでいたロカやブロキーナ、マトリフは、それぞれの得意分野で当時のアバンをしのぐ実力者だったようだが、僧侶であるレイラは引退している事もあり、当時のアバンと比較してどの程度の実力だったのかは不明だが、たとえば剣の腕前ひとつをとってみても、ロカが死亡している本編の時間軸で純粋な人間でまず間違いなく彼よりも上だろうと思われるのはヒュンケルくらいのもの*8であり、器用貧乏どころか地上屈指の実力なのである。
わけても破邪系の呪文に関して言えば文句なしで地上最強の使い手であり、破邪の秘法を習得したことで、大魔王バーンの施した封印さえも打ち破るほどの力を見せている。

ポップの評したとおり、正しく勇者の中でも特別製の人物であり、「器用万能」とでもいうのがふさわしいだろう。
究極武器と超必殺技に恵まれなかったので最大破壊力で一歩譲った、というのが実情か。
逆に言うと当時すでにその道では有名人だったブロキーナ、マトリフと並んで得意分野ではアバンより実力が上とされるロカのヤバさである。


弱点

そんな彼の欠点は、自己犠牲の精神が強すぎること。
そして、独りで抱え込んで自己完結しがちな気質にある。

傑出しすぎた自分の力を自覚しているのか常に浮かべる笑顔の裏でどこか悲観的に物事を見ている節があり、「平和な世界では自身(勇者)の存在は害である」*9と考え表舞台から身を隠したり、実力的に敵わない相手には自己犠牲的な攻撃手段を取ることも厭わない傾向がある。
「自身があくまで先代の勇者であり、既に役目を終えた身である」という考えもそれに拍車をかけているのか、若い世代であるダイ達を助けるためなら自身の命を削り、時には犠牲にしようとすることにも躊躇がない。
彼が生きて行動しているだけで敵にプレッシャーを与える資質を持っている人物なのだが、
その現実を知ってか知らずか、自分の生死を軽く扱って行動していた側面が、かなりあるのだ。

また、親友のロカだけでなくレイラやマトリフとの出会いを通じて緩和されたものの、表向き人当たりは良くても出自故にどこか人間不信めいたきらいがある。
アバン当人の大概のことは独力でこなせる能力の高さ故に、本当に限界を迎えるまで他者に助けを求めずに何でも独りでこなそうとしてしまっていた。
カール王国から離れた経緯も、フローラ姫以外の王国重鎮がその能力故に疎んじて汚職の濡れ衣を着せて追い出しを図ったのも一因なのだが、アバンはそのことをフローラに打ち明けて助けを乞うことは決してしなかった。

良くも悪くも「典型的な勇者」らしい人物なのだが、最終話で再会したフローラにその事を上記の通り咎められる羽目になってしまった。
フローラの咎めはあくまで彼を愛する女性としての立場からのものであり、アバンがもし彼女の傍に留まって家庭教師業をしていなかったら世界は滅びていただろうから、より大きな視点から見れば批判を受けるようなものではないだろうが。

また、ハドラーからも最期に忠告された通り、どうしても非情になりきれず甘さが露呈する場面も多い。もちろんそれがアバンの魅力の一つでもあるのだが。
しかし、いつでも始末できたピロロを見逃したせいで、後々に大きな禍根を残してしまった件については、明確にこの甘さが招いた事態であると非難されても仕方ないかもしれない*10
ただ、あそこでアバンが本気でピロロを殺そうとしていた場合、彼だけでも道連れにしようとピロロがその場で黒の核晶を起動させるなどの行動に出ていた可能性も高いので、結果論ではあるがベターな行動であったと言えなくもないだろう。
もしもアバンがこの時点で死んでいれば、その後のミストバーン戦に彼が駆けつけることもなくなり*11、もちろんバーン戦にも参戦できず、戦いの流れが大きく変わって、最悪ダイ一行は全滅していたかもしれないのだから。


使用技

本家本元にしてアバン流における動の奥義。当時の全国の小学生が一度は真似した技。
最初はひのきの棒で披露し、ダイにその威力を伝えた。
元々はカール王国を襲ったハドラーに対し無我夢中で放った技で、これを安定して使用できるように開発したのがアバン流殺法であるらしい。
キルバーン戦では、ジャッジの鎌の残骸の棒というガラクタ同然の代物で槍版のアバンストラッシュを使用し、勝利している。
「大地を斬り海を斬り空を斬り、そして全てを斬る技」とも称され、下記のアバン流殺法の3つの技を全て会得して初めて完成する技。
アバン流殺法の3つの技を全て会得していなくてもアバンストラッシュ「らしき技」は撃つ事はできるが、その場合は威力の劣る不完全版にしかならない。
(とはいえ竜の紋章の力があればコンディションが万全ではないクロコダインを倒す程度の威力は発揮するので不完全なアバンストラッシュでも単純に大地斬や海破斬を放つより威力は上がるようだ)
アバン流殺法が6つの系統の武器に存在する事からアバンストラッシュも全ての系統にあるはずだが、作中では剣によるアバンストラッシュしか登場していない。
剣によるアバンストラッシュは剣を逆手に持ち、上半身を捻って後ろから一気に前に振り抜く。

後に、同じ動作で闘気の刃を前方に飛ばす飛び道具の「A(アロー)タイプ」と、刀身を直接相手にぶつけて切り裂く「B(ブレイク)タイプ」の2パターンが存在する事が明らかになった。
この2タイプの使い分けはダイしか行っていないが、本家であり闘気技も会得しているアバンも当然使い分けはできると思われる。
しかしこれを交差させて放つアバンストラッシュX(クロス)は竜の騎士の身体能力だからこそ成せる技なので流石のアバンも使えないだろう。
  • 武器に対応する全ての殺法
剣・槍・斧・弓・鎖・牙の6つの系統が存在し、それぞれに「大地の技」「海の技」「空の技」が存在する。
大地は形のある物をパワーで切り裂く技、海は形のないものをスピードで切り裂く技、空は目に見えないものを捉えて討つ技・
剣はそれぞれ「大地斬」「海破斬」「空裂斬」、槍は「地雷閃」「海鳴閃」「虚空閃」という名前が判明している。
  • グランドクルス
十字状のものを媒介として闘気を放つ。
ただし大地に底が見えないほどの巨大な亀裂を入れるヒュンケルのものに比べると、せいぜいが身長の2~3倍程度の岩を破壊する程度の威力しかなく、本家でありながら威力で大幅に劣る。
これは闘気放出技でこんなバカげた威力を出して死なないヒュンケルの方が異常なのであって、普通は闘気放出技は自爆技になってしまう危険が高いために、「かなり小さめ」に放つのがコツであるため。
アバンがやってみせた技もそうやってかなりセーブされた状態で放たれたものである。
最大限に闘気を放出しながらも自爆にならず生き残るには類い稀なセンスが必要で、ヒュンケルにしかできない芸当。

バーンパレス心臓部からの脱出の際には「魔法でなく、かつ心臓部の壁を吹き飛ばすほどの大規模な技」としてグランドクルスが候補になったが、
「本家」として技を放つと名乗り出たアバンは、瀕死のヒュンケルに却下されている。
アバン自身は「軽くやってやりましょう」程度のノリで発言していたが、それがただの強がりで死の危険がある行為であるとヒュンケルにすぐバラされてしまった。
と言うか、「少なくとも技だけは確実に成功するオレがやるべきだ」とのヒュンケルの発言から、アバンでは心臓部の壁を破壊できずに終わってしかも死ぬという結末まであり得た模様。
あるいは、自己犠牲をいとわないアバンの性格からして、確実に心臓部の破壊を成功させるため自分の安全を度外視して威力を高めることだけに注力し、結果的に間違いなく死ぬだろうと彼のことをよく知るヒュンケルが見抜いていたか。
その後、どちらにも任せられないと判断したヒムが「オレもまた不死身だァーーーッ!!」と叫んでぶっ放した見様見真似グランドクルスは、
技そのものは心臓部の壁を吹っ飛ばして脱出路を開くに足る威力を出せたものの、彼のオリハルコン製のボディをもってしても多大な反動を受けて両腕が全壊・消失している。

なお、アバンがこの技を編み出すに至った経緯は勇者アバンと獄炎の魔王で描かれた。
剣を封じられ呪文も効かない相手に水中に沈められ、このままでは溺死を免れないという決死の状況に追い込まれた際に、闘気を最後の武器とすることに思い至って敵の鎖を交差させ、そこに全闘気を集中させて放っている。
この際に使用したのはヒュンケルと同じような高出力版であり、重厚な金属鎧でできた敵の体をはるか上空まで吹き飛ばした上に消滅させるほどの威力を見せた。
しかし、咄嗟に編み出した技だったために闘気の制御ができておらず、生命エネルギーを激しく放出したために体力が尽きて水中から浮上する力もなくなってしまい、ロカが駆けつけてくれなければ危うくそのまま溺死して相討ちとなるところだった。
おそらくはこの時の経験を踏まえて、アバンは自爆技にならない範囲に出力を抑えて放つという、ヒュンケルとは別方向に発展させる形で技として確立させたものと思われる。
  • 無刀陣
アバン流究極奥義。
敢えて武器を手放し更には闘気をゼロに抑えた無防備状態で敵の最大攻撃を誘って受け流し、隙を晒した相手に必殺技を打ち込む捨て身のカウンター。
アバンストラッシュを動の奥義とするなら、こちらは静の奥義。
勇者時代は、この技とアバンストラッシュのコンビネーションでハドラーを打ち破った。
後にヒュンケルもバランとの戦いの際にこの技を記憶を頼りに使用している。

なお、この技の原形のようなカウンター攻撃が、勇者アバンと獄炎の魔王に登場した。
凍れる時の秘法から解放された直後に、状況が把握できていないところを間髪入れずに不意打ちで仕留めようと狙った刺客に斬りかかられた際に、かわす余裕がないと悟って咄嗟にダメージを最小に抑えるようにして受け流した上で、カウンターの海波斬を放って撃退している。
  • 豪破一刀
カール騎士団正統の型の初撃。
元々はロカの必殺技だが、勇者アバンと獄炎の魔王のキラーマシンとの戦いでロカとの剣撃を合わせるために自身も使用した。
しかし昼行燈に徹していた頃は騎士団の修行をよくサボっていた為、ロカほどには威力、ないしは精度が高くないらしく、ロカが一撃でキラーマシンの頭部を両断して機能停止に追い込んだのに対して、アバンのそれは頭部を半壊させる程度に留まった(本人曰く、「大地斬なら負けなかった」とのこと。ロカは負け惜しみと捉えていたが)。


装備

色々特殊な道具を製作しているが、弟子たちが自分の力を活かせる専用の武器を求めていったのと逆を行くかのように武器に全く拘らない
しかも劇中で彼が使用した武具は、後述のように基本ダイパーティの用いる武器のように特殊な逸話や伝説、大それた肩書き、特筆すべき特徴が存在しない所謂『無銘の武具』である。
自分の力を出せるなら市販品で問題ないようで、終盤参戦でメイン武装は鋼の剣という圧倒的ショボさ。まぁ、そもそもこれ以上の武器を調達する時間がなかったとしてもおかしくはないが。
これも途中で折れてしまったため、最終決戦中なのに目まぐるしく武器を変えていくそもそもその気になれば素手でも戦える人であるけど
おまけにこの時の服装も金属部が左肩の肩当てくらいしか見当たらず、大魔王との最終決戦だというのにかつてのハドラー戦よりも明らかに軽装だった。
さすがにポップみたいに旅人の服とかで参戦したという事はないと思われるのでパプニカの闘衣と同系統の防具とは思われるが、詳細は一切明かされていない。
彼はそのようなありきたりの武装でもって、キルバーンと対等に渡り合っている。
もしもアバンが鎧の魔剣などの、他のメンバーに引けを取らない強力な武器防具を装備できていたら、罠などは別として、純粋な剣の勝負では圧倒出来ていたはずである。

特筆すべき装備や武具は後半で持ってきた各種フェザーや、ラーハルトから一時的に借りた鎧の魔槍ぐらいのもの。
時にはただのガラクタでさえも一流の武器に化かしてしまう事もあり、アバンが敵に回った際の恐ろしさを感じさせてくれる。
そしてこんな危険人物を追い出したカール王国の大臣達の無能フヌケっぷり



使用呪文

勇者でありながら攻撃、回復、補助の全てをオールマイティに使いこなせる
挙句は魔法使いしか使えないドラゴラムや、賢者にしか使えないマホカトールといった、本来勇者のジョブでは専門外であるはずの呪文すらも素知らぬ顔で使用可能。
呪法に関しても優れた知識を有しており、本人の性格から好んでいないがやろうと思えば魔族顔負けの呪法も使える様子。



etc…


代表的な製作品

  • 魔弾銃
アバンが「銃」についてのうわさと書物だけで作り上げてしまった武器。
弾丸に呪文をこめて装填することで遠距離に発射し、命中した対象にその呪文効果を発動し攻撃する。
高い汎用性が最大の売りで、補助呪文や回復呪文を装填すれば撃ち抜いた対象にその効果を与えられる便利武器。
弾数は10発。一度発射すると魔法の弾丸に詰められた呪文はなくなるが、呪文を詰め直せば何度でも弾丸を再利用できる。
ただし、魔法そのものを封じ込められる状況下に置かれると、魔弾銃も起動せず無力化されてしまう点が弱点となる。また1つの弾丸に複数の呪文を詰めてしまうと負荷に耐えきれず銃そのものが破損してしまう。
総じて極めて精巧に作られたワンオフ品であり、真空の斧すら修復したバダックをして「これを作った者は天才じゃよ」と言わしめ、構造がまったく判らず終いのまま修理できなかったトンデモ武器。
なお弾丸の素材には魔法力を蓄積する力がある「聖石」という宝玉が使われており、後のフェザー系アイテム作成の礎になったと考えられる。
また、新アニメ版ではハドラーとの初対決時に試作品の魔弾銃を使用している(使用した銃はすぐに壊れてしまった)。

余談であるが、作中に「本物の銃」は最後まで登場しなかった。
進んだ技術を有している大国ベンガーナにも、大砲を備えた戦車部隊はあっても銃はないようだし、魔族が使っている様子もない。
そのくせ、ロモスの片田舎に住んでいた幼いころのマァムでさえ、魔弾銃を見ただけでそれが銃=武器だとわかったようなのだが……。
一体、本物の銃は世界のどこに存在しているのだろうか?

一応、公式本によると「機械科学のレベルが低くて小型化ができない」から大砲があっても銃が普及していない理由とされている。
今後の発展具合はともかくとして、ダイ大当時の銃はそれこそよほどの職人でなければ作れない高価なワンオフ品で、軍隊に配備できる代物ではないことがうかがえる。
じゃあなんで片田舎に住んでた子供の頃のマァムが見ただけで分かったんだという話だが、たまたま何かの縁で見聞きしたことがあったのかもしれない。
なお本家ドラクエのほうでもボウガンは別として現在なお銃系統の武器はほとんど登場しない。
ライバルのFFのほうが早いシリーズから銃どころかミサイルやはどうほうなんて登場させたのとは対照的である。
  • アバンのしるし
アバンが教え子たちに卒業の証として贈る青く透き通った涙滴形のペンダント。
『輝聖石』という貴重な石を磨き上げて呪法で凝縮したもの。
錬成方法はジニュアール家に代々伝わっているもので、その製法はアバンしか知らない。
完成させるには時間がかかるが、呪文の効果を増幅させる「輝石」と、魔法力を蓄積する「聖石」の特性を併せ持ち、聖なる力を高めて邪を退け、敵から受けるダメージをある程度減らし、持ち主の力を高める効果がある超一級品のアイテム。
ヒュンケルがチェーン部分でラーハルトの槍を受け止めていたり、チェーン部分も含めて地味に耐久性も高い。
  • アバンの書
アバンが後世のために記した手書きの本。
世界にこれ一冊しかなく、アバンの母国であるカール王国の図書館で宝箱に入れられ保管されていたが、カール王国が壊滅した後にマトリフによって回収され、ダイたちに手渡された。
  • 武芸について記された「地の章」
  • 闘気の技や呪文について記された「海の章」
  • 心について記された「空の章」
の三章からなる。
この書にはアバン流殺法の極意も記されており、ヒュンケルはそれをもとにアバン流槍殺法の修行を行った


【主な人間関係】

  • フローラ
カール王国の女王でアバンの想い人。
フローラの存在は自己犠牲の精神が強いアバンにとって唯一にして最大の未練でもあったようで、新アニメではハドラーにメガンテを仕掛ける直前に在りし日のフローラの姿がフラッシュバックしてメガンテを躊躇しかけている*14
長年戦い続けた宿敵だったが、ハドラー自身もアバンからは多くのものを学び取り、ダイ達に「アバンの使徒の何たるか」を逆に教えている。
元来、横暴で部下を平気で身代わりに使う残酷な魔王であったハドラーが、後にあそこまでの武人となれたのは、彼へのライバル意識があったからこそと言っても過言ではない。
アバンが散ってからも度々対峙することになる彼の弟子達との闘いは、その後ろにいるアバンとの闘いでもあった。

度重なる死闘で肉体は強化されてゆき、死への階段を一歩一歩上りながらも、その精神は武人へと変化。
キルバーンの罠にはまり、心が折れかかったポップにアバンの使徒のなんたるかを大喝して立ち直らせ、誰よりもアバンの使徒にこだわって見せた。
今際にアバンの弟子を庇いあまつさえ涙をみせ、そしてその散り際は追い求めた宿敵アバンの腕の中であった。
彼はそのことに人間の神に感謝まで示し、消えていったのである。
そして死した後も、彼は灰となってアバンの命を何度も救った。
残忍な魔王としてではなく、誇りある武人として最後を遂げたハドラーの生き様は、ある意味アバンの影響力を物語るものだったと言えるのかもしれない。
キルバーンの脅威から仲間たちを守るため、挑発の意味をこめて仮面を半壊させキルバーンを「怒らせる」ことにより、自らオトリとなる。
また、キルバーンに武人の心を踏みにじられ続けたハドラーの無念を晴らしたい思いもあり、仮面を割った一撃は「ハドラーへの手向け」と称している。
余談だが、キルバーンに変装した際は、キルバーンとまともに話したのはこの対決の最中くらいなのに、キルバーンと長年親しかったミストバーンが一時は本物だと完璧に信じ込むほど精度の高い外見・人格両面の模倣に成功するという地味に訳の分からないことをしている。
多分アバンが愛称の呼び間違いという初歩的なミス*15をしなかったら、そのままミストバーンから何かしらの情報を引き出せていたであろう。
なんなんだこの人…!!声が同じだからってやりたい放題である
  • ジニュアール1世
アバンの祖父にあたる人物。
アバンと同じく知識が豊富で、その知識を国の役に立てようとしたものの、地震や竜巻などの天変地異を言い当てる様子に人々から気味悪がられてしまい、迫害されてしまう。
アバンが自身の能力を無暗にひけらかしたりしないのは、そういった事情があったからこそのようだ。

勇者アバンのパーティー

主人公であるダイが生まれる以前、地上の平和を脅かしていた魔王ハドラーと彼が率いた魔王軍を倒して平和を取り戻した者達。
だが『勇者』というくくりが有名な一方で、意外にも彼ら自身の名前はあまり知られていなかったりする。
2020年のアニメ放映に合わせてVジャンプで『勇者アバンと獄炎の魔王』の連載が開始。
これまで謎に包まれていた彼らの冒険譚が語られている。
勇者アバンのパーティーの第1号となった人物でマァムの父親。
元はカール王国騎士団の団長で、当時表向き人当たりが良くても深層心理で心を閉ざしていたアバンにとって、唯一と言って良い親友だった。
性格はアバンと正反対ながらも面倒見のいい彼は、昼行燈を演じるアバンにも積極的に構い続けたことで胸襟を開いて接せられる関係を築けた。
娘であるマァムにも受け継がれた尋常ならざる膂力の持ち主で、ちょっとした鉄の盾程度なら拳で粉砕してしまう。
この膂力はロカを騎士団長の座にまで導いてくれたものの、単なるメリットとは呼べなかった。
適当に剣を振るうだけで他の剣士を圧倒してしまう過剰な怪力は、苦労して技量を磨き上げる機会をも奪ってしまったために、剣技は歴代騎士団長に比べると未熟なまま。
アバンと旅に出た直後は、万能選手のアバンと自分を比べて苦悩していた。

本編の時代には既に故人となっているが、死亡した時期や死因については記述されていない。
初登場は13巻に掲載された読み切り短編「勇者アバン」。また、33巻にもブロキーナ老師の回想シーンとして少しだけ登場している。
  • レイラ
元勇者アバンのパーティーの一人でマァムの母親。
経緯については不明であるがロカと恋仲にあり、アバンが凍れる時の秘法でハドラーを封印する事を提案した時には、既にマァムを身篭っている状態だった。
それを察したアバンはパーティーを一時解散しており、アバンとハドラーが共に時間凍結している間にマァムを出産した。
ハドラー撃破後は現役を引退しており、夫の死後は女手一つでマァムを育て上げた。
本編でうかがえる姿はいかにも温厚で絵に描いた女僧侶といった感じであったが、「勇者アバンと獄炎の魔王」で判明したその素性は…
元勇者アバンのパーティーの一人。
ヨミカイン魔導図書館での一件を経てパーティ入りした賢者…いや大魔導士。
当時から表面上こそひねくれたちょい悪い親父的な言動をしていたようだが、上記のロカとレイラの離脱期にも彼らに負担を掛けないようにと人一倍奮闘してアバンを支えており、その実秘めていた仲間への思い入れの強さが見て取れる。*16
アバンの方も冷静な判断力と多くの呪文を使いこなす彼のことは殊更に信頼していたようで、最終決戦では多くの戦いを経て成長したポップの姿に彼の影を重ね合わせていた。
元勇者アバンのパーティーの一人。厳密には一時的な助っ人といったところか。
元々は武術の神である彼に師事して体術を学ぶつもりだったが、老師の助言で大地斬が完成したため、その必要がなくなりそのまま次の目的地へ旅立つことになった。
その後は凍れる時の秘法を使うための決戦で参戦。
奥義である閃華裂光拳を用いてもハドラーを倒すまでには至らず「やはり魔王は強い」と認めながらも、彼を自分との勝負だけに集中させ釘づけにしておくことで、アバンが秘法を用いるまでの足止めをすることに成功した。

アバンの使徒

勇者アバンの弟子であるダイ、ポップ、マァム、ヒュンケルら4人を指す。後にレオナもこの中に加わっている。
最初にこの呼称を使ったのは意外にもクロコダインであり、クロコダインとの初戦時に、ダイがアバン流刀殺法を使いアバンは自分の先生だと名乗ったことから名付けられた。
以降は敵味方を問わずこの名前が使われるようになり、本人たちもそう名乗るようになった。
一番弟子。
「あなたにとって…オレはなんですか?」とのヒュンケルの問いに、「…決まってるでしょう…誇りです…!」と答えた。
彼の養父であるバルトスの遺言に従い、彼を立派な戦士にすべく鍛えるが、バルトスの命を奪ったのは間接的であっても自分であるという負い目があったためか、バルトスとの間に起きた出来事を一切ヒュンケルに明かさなかった
これにより内心ではアバンを慕いながらも憎しみを捨てきれなかったヒュンケルはアバンに仇討ちを挑んでしまい、既に手加減して勝てる相手でもなかったのでアバンも本気で応戦せざるをえず、結果川に落とされたヒュンケルはミストバーンに拾われて魔王軍へ流れ着き、不死騎士団を率いてパプニカを攻め滅ぼすという偶然も重なったとはいえヒュンケルの将来に大きな影を落とす大ポカをしてしまった。*17
結果として、勇者であるアバンがヒュンケルに真相を明かす勇気を持てなかったために最悪の結末を招いたというのは皮肉としか言いようがないだろう。
ヒュンケルに言い訳をしたくはないアバンの気持ちもわからなくはないし、当時のヒュンケルが素直に話を聞いてくれたかは微妙かもしれないが、アバンを信じてヒュンケルを託したバルトスは怒ってもいいと思う。
なお、原作では川に落としたヒュンケルの捜索をあっさり諦めているというツッコミどころがあったが、新旧両アニメではアバンも即座に川に飛び込み、必死にヒュンケルを探す様子が描かれた。
パーティーの仲間だったレイラとロカの娘。
彼女には回復呪文、防御呪文、武道を教え、卒業の日に『アバンのしるし』と『魔弾銃』をプレゼントした。
銃なんて使えないと言うマァムに対してアバンはその優しさを愛しみつつも「優しさだけでは必ずしも他人を守れない時もある。正義無き力が無力であるのと同時に力なき正義もまた無力」と教えた。
ランカークス村を訪れた際に弟子入りを志願され、主に攻撃呪文を教えていたが、真剣に授業を受けようとしない彼に頭を悩ませていた。
これに関してはアバンの指導方針と当時のポップの性格の相性が悪かった面もあり、後に師匠としてマトリフがスパルタ指導をしたおかげで一人前の大魔導師へと成長を遂げた。
とはいえ、ほんの一年ほどの修行期間でずぶの素人をメラゾーマが使えるまでの魔法使いにしたのだから、おそらくはポップ自身の才能もあっただろうが、アバンの指導力の高さがうかがえる。
後にバーンパレスにて再会した際は、策略面での自分の後継者と認めていた。
ちなみにマァムの卒業からポップの弟子入りまで4年ほど時間が空いているが、この間何をしていたかは不明。
師事したのはわずか三日間だったが、ダイに剣術と勇者としての心構えを教えた。
大魔宮にて「全ての戦いを勇者のためにせよ」という言葉と、呪法のトラップの壊し方を教える。
ちなみに師事期間は約一時間。


【余談】

ちなみに「アバン」という名前の由来は、「アバンタイトル」(ドラマやアニメなどで、オープニングの前に行われる簡単なあらすじ紹介)から。
ダイの「前の」勇者という意味でつけられた。

長ったらしいフルネームは、当時小学生に人気だったアバンテJr.(ミニ四駆)をフランス語っぽくしたもの。
なお、微妙なツッコミどころとして、貴族の「◯世」というのは同名の人物を区別するためのものなので、本来フルネーム・家名の後につくものではない。
仮にジニュアール家の当主の名前が代々アバンだとしても「アバン3世」となるべきだし、3代目というだけで名前が異なるなら「アバン=デ=ジニュアール」で十分である。

よく「アバンの復活が唐突」という指摘もあるが、作者の三条陸氏によれば「キルバーンの登場から既に復活を決めていた」そうである。
勿論、女性読者からの支持もそれに後押しさせただろう。
「敵のジョーカーに勝てるのは味方のジョーカーだけ」であり、実際にキルバーンの罠を破り、彼に勝つ事が出来たのはアバンただ一人であった。

1991年のアニメ版ではアバン役の田中氏はナレーションも兼ねているほか、前述のようにキルバーンも担当している。時には魔王軍の悪魔の目玉役なども担当してハドラーに敬語を使って喋る場面もあった。
2020年の新アニメでもアバン役の櫻井氏がナレーションを兼ねている。キルバーンや悪魔の目玉役の声優はさすがに違う
ナレーションの方はインタビューによれば、「吟遊詩人のような感じでやってくれ」とディレクションが入ったとの事。




よろしいっ!

では…

この項目に追記を…!!

あ 修正でも結構ですよ!!



この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ドラゴンクエスト
  • ダイの大冒険
  • 自爆
  • メガンテ
  • 勇者の家庭教師
  • 親の仇
  • 死んだと思ったら生きてた
  • 万能の人
  • オールラウンダー
  • 器用万能
  • 先代勇者
  • 国王
  • 勇者
  • 家庭教師
  • 我らが先生
  • 全ての始まり
  • 師匠
  • 先生
  • 教師
  • 武芸百般
  • 田中秀幸
  • 学者
  • 伊達メガネ
  • チート
  • 切れ者
  • アバンテJr.
  • アバン
  • アバンストラッシュ
  • 文武両道
  • ジャンプ二大家庭教師
  • 料理上手
  • 万能型の天才
  • 櫻井孝宏
  • 自己犠牲の塊
  • アバン=デ=ジニュアール3世
  • 勇者アバンと獄炎の魔王
  • 昼行灯
  • 能ある鷹は爪を隠す
  • 勇者アバンのパーティー
  • 力なき正義は無力なり
  • アバン先生
  • スピンオフ主役
  • コメント欄ログ化項目
  • 前作主人公
  • 勇者ダイのパーティー
  • カール王国

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年03月02日 22:39

*1 2020年アニメ版では、でろりん達がその名を聞いて「本物の勇者じゃないか」と驚く描写がある。

*2 再会したバーンとの最終決戦時には、本人曰く「自分の力は今のダイの半分以下」。ダイ一行は強敵達との連戦によって急速に成長を遂げたが、アバンが居てはその貴重な経験を得る機会を半端に奪ってしまう。

*3 ちなみにミストバーン戦の際、さり気なくクロコダインは「アバンと会いたかった」という夢が叶っていた。

*4 鞭系の武器

*5 拳に付けて使用する武器を指す

*6 正確には、銃という武器を伝聞や本の知識からアレンジして彼流にマァムのため組み上げたものが魔弾銃という武器。え?それ新種の武器じゃね……?

*7 そもそもの話、ダイは素の状態でも覚醒後のヒュンケルやポップに劣らない総合ステータスな上に、紋章の力でそれを更に倍以上に増幅させる。言ってしまえばこの二名でさえダイの半分程度の実力である。アバンがダイの半分未満だからと言って、同様に半分程度の他のパーティメンバーと比べて実力的に極端な格差があるという訳ではない

*8 ダイは竜の騎士との、ラーハルトは魔族との混血

*9 バーンもダイに対して同じ趣旨の指摘をしており、ある意味正しいが

*10 ピロロに一切反省や降伏の感情が見られないことはこの直前のやり取りからも明らかであった

*11 この戦いでアバンは、モシャスでミストバーンから情報を引き出す、ポップとブロキーナを反射されたメドローアから救い出す、虚空閃を放つことで憑依されたマァムの体が限界を迎える前にミストを追い出すなどの重要な働きをしている

*12 敵陣に突入時に回復アイテムを持てるだけ常備するのは戦闘における基本中の基本。ただし、この作品はこのシルバーフェザー登場まで回復アイテムの需要が恐ろしく低かった。どうやらHP回復アイテムの最上級は薬草らしい(世界樹の葉は一切登場していない。アモールの水もDQ6以前から連載開始されたのもあって未登場)上に、MP回復アイテムの魔法の聖水を使ったのもMP切れのポップが街中で緊急でルーラを使う必要が出てきた際に持っている人間を訪ねて譲ってもらった一度だけである。そもそも魔法の聖水自体が希少性が高いというのもあるのだろうが。

*13 実際に一度、どう考えてもワープしたとしか思えない短時間でダイ達に追いついて合流している

*14 早くメガンテ撃たないと本当にやめてしまうと思ったのか、直後のダイとポップに後を頼む台詞が原作に比べて必死。超必死。

*15 と本人は言っているし、確かにキルバーンが「ミスト」と言っているのをアバンが耳にする機会はあったが、「駆けつけたらちょうど謎解きの最中だったから」などという急拵えの変装にそこまでの精度を求める方が酷であろう。

*16 作中でもアバンやロカの事を、「良い奴は居なくなって、俺やお前(魔軍司令時代のハドラーの事)みたいな悪党だけが生き残っちまった」と自虐半分で語っている。

*17 というのを作中アバンが気にしている様子は全くないが、これはヒュンケルが仇討ち失敗後に魔王軍にいた事をアバンは合流時点では知らなかったためと思われる。おそらくレオナにこれまでの戦いの経緯を聞いた段階で知ったと思われるが、ヒュンケルと腹を割って話し合える状況でもなかったので作中では結局この件に関してどう思ったのかは不明のままである。