アルテウル・シュタインベック

登録日:2013/12/31 (火) 23:59:58
更新日:2024/04/05 Fri 13:00:47
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第2次スーパーロボット大戦OG』の登場人物。
CV.乃村健次

概要

地球連邦政府大統領直轄部隊「ガイアセイバーズ」の司令官を務める男。現大統領であるグライエン・グラスマンの補佐官の一人であったが、後に特次副大統領に昇格した。

ツェントル・プロジェクトやリ・テクノロジストのスポンサーでもある。

修羅の乱終結後、グライエンの打ち立てた軍事政権下で大統領直属部隊を設立。新西暦50年代に存在した独立部隊の名を取り、これをガイアセイバーズと呼称、自身はその司令官に着任する。

裏ではゾヴォークの人間であるニブハル・ムブハルを配下とし、事前にリークされていた情報を元にゲストの多面攻撃を阻止してみせ、ガイアセイバーズは地球を守るとして華々しいデビューを飾った。

その後、ラ・ギアスに召喚されて一時期行方不明になっていたことを理由に鋼龍戦隊に反逆の容疑をかけ、強制的に機体の接収を行おうとする。

しかしこれは大統領暗殺の罪を鋼龍戦隊に着せるための罠であり、包囲網にわざと穴を開けてそこからハガネとヒリュウ改を脱出させるよう仕向け、そこにガロイカを配置することで緊急加速を行わせた二艦の進路に巻き込ませる形で大統領の輸送機を発進させ、謀殺した。

まんまと鋼龍戦隊に罪を着せることに成功したアルテウルは彼らを反逆者として追撃し、ガイアセイバーズを差し向け、戦隊の捕獲作戦を続行したが、機体の接収にしてはあまりにも回りくどい手に過ぎた。

そしてシュウが流した捏造のスキャンダルによって立場的に窮地に陥るが、何ら具体的な手は打たず、大統領を暗殺したにもかかわらず、自分の地位にはなんの興味もないかのような様子を見せる。

最終的には本拠地グランド・クリスマスにて乗艦エア・クリスマスを沈められ、死亡。

その不可解な行動の謎は彼が死んだことで闇の中に消えた…

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「なら、メテオ3を地球に送り込み、イングラム教官を…エアロゲイターを裏で操っていたのは、てめえか!?」


「そうだ」


「俺たちにトロニウムを始めとするEOTをもたらしたのは…!」
「わ、私にレビの人格を植えつけられるきっかけを作ったのは…!」
「私たちを兵器として育て上げ、ホワイトスターという檻へ閉じ込めるように…そうするようにイングラム少佐に命令を与えたのは…!」




「それもだ」




その正体はユーゼス・ゴッツォ
ゼ・バルマリィ帝国の一員であり、イングラムを操っていた張本人。

その意外すぎる正体にプレイヤーは驚愕の念を禁じえなかった…


と言いたいところだが、ぶっちゃけシリーズをプレイしてきたファンからはバレバレだった。

まず『第3次α』に登場するシヴァー・ゴッツォと顔がそっくり。
この時点で正体は分かったようなもんだが、それだけではない。

実は『スーパーヒーロー作戦』にはユーゼスが素顔で登場しているのだが、ぶっちゃけアルテウルの顔はその時のまんまだったりする。
作品をプレイした人は見た瞬間に正体がわかったことだろう。

ちなみに『アルテウル』という名前は『アルティメット』と『ウルトラ』を合体させたもの。偶然だが『Artul』→『Ultra』とアナグラムにもなっている。
更にガイアセイバーズの旗艦であるエア・クリスマスはボディカラーが赤と白のツートン、ブリッジが緑とウルトラマンカラーになっている。
どんだけウルトラマン好きなんだよ。


ノーマルルートでは上記の展開のまま行方不明になるのだが、ハードルートでは転移装置によってエア・クリスマスを脱出させ、鋼龍戦隊が南極を去った後にズフィルード・クリスタルによってAI1を再生。
AI1にクロスゲートを吸収させ、破壊されたナシム・ガンエデンを人造マシアフであるイングに制御させ、クロスゲートを完全に開かせると共にAI1とガンエデンを融合させて「アダマトロン」を誕生させる。


しかし、リー決死の突貫とガンエデンごと内部に取り込んでしまったイルイの干渉によってイングの脱出を許してしまう。

そしてイルイによってガンエデンの念を押さえ込まれたユーゼスは自らが誕生させた運命変動因子、イーグレット・イングによってアダマトロンを破壊され、敗れ去った。



だが、ユーゼスを倒しても真のクロスゲートは健在。これにより銀河大戦および虚空からの使者来訪の因子が全て揃う。

そして―――異星人の来訪月の民の覚醒による新たな戦いが始まり、ラ・ギアスに最大の災厄が訪れることとなった……。












……と、ここまでだと過去のユーゼスと同じく黒幕として暗躍し、最終的に敗れ去ったという風に見える。


しかし今回のユーゼスは


やたらと小物臭い。


順を追って説明しよう。


まずユーゼスの目的はシリーズ通して「クロスゲート・パラダイム・システム」を完成させ、宇宙の因果律を統べること。
しかしその発端はそれぞれ異なり、スーパーヒーロー作戦のユーゼスは絶対者として君臨することで宇宙を守護すること、αのユーゼスは因果律を狂わせるケイサル・エフェスの打倒をそれぞれの目的としていた。

そして今回のユーゼスの目的は、自分の『虚憶』を解明すること。

宇宙の誕生から消滅を経て、新たなる宇宙で同一存在として再生した者は、時折過去の宇宙での記憶を持つことがある。
宇宙誕生から消滅を『一大劫』、同一の存在として再生することを『再有生』、そして過去の宇宙の記憶を『虚憶』という(『自分の体験』としての実感を伴っている場合は『実憶』という)。

要するに、今回のユーゼスはスーパーヒーロー作戦やα世界の記憶を持っており、その記憶の中にあるクロスゲートやガンエデンの謎、そして自分がなぜそんな記憶を持っているのかを解明することが目的だった。

そしてユーゼスはその虚憶を頼りに多数の強念者が存在する地球にガンエデンがあるのではないかと見当をつけ、結界の開放を機に地球への干渉を始めた。

ガンエデンが念動力者にしか制御できないことを知っていたユーゼスはそれを制御するために人造マシアフの製造を始め、その念動力を呼び起こす材料とするため、リュウセイを始めとする念動力者をイングラムを介して育てさせていた。

そして遂に強念の固着に成功したバルシェムとマシンナリー・チルドレンのハイブリッド、イーグレット・イングが誕生し、彼を鋼龍戦隊に潜り込ませ、その強念を育成させていた。

要するにエアロゲイターとガイアセイバーズは彼が用意した当て馬。


しかしここから彼の小物ぶりの加速が始まる。


まずイングの記憶をいじり、ガイアセイバーズから脱走させたところまでは良かったが、ドゥバンがやりすぎてしまったため、危うく出鼻からイングが死ぬところだった。
つまり第2次OGのプロローグは実はこういう状態、

ドゥバえもん「うらぎりものめーぶっころしてやる!ビッグライト~」
ユの字「やめてええええええええええええ!?」

その後はクロスゲートの居場所を突き止めるため、ファブラ・フォレースを調査していたリ・テクノロジストにカルケリア・パルス・ティルゲムの技術を供与し、扉を開かせた。
しかしそれによって危うく完璧親父に宇宙が滅ぼされるところだった。

当然これに関しても手を打っていると思いきや、「天は我を見放さなかった」「偶然に偶然が重なり」とか言っちゃう。しかもペルフェクティオを鋼龍戦隊が倒したことについては感謝までしちゃう。

そしてそんな偶然頼りな行き当たりばったりの計画を十重二十重の計画とか言っちゃう。

加えてどうも『虚憶』が不完全なものであったらしく、これまで自分が辿ってきた敗北の因果を残らず再現してしまうという失態を犯す。というのも今回のユーゼス、何と自分にとって都合の悪い部分の記憶が綺麗に欠けていたのである。
例えば、α世界の完全な記憶があれば裏から手を回してラプラスコンピューターを手に入れることもできたはずなのに一切興味なし。『未入手に終わったCPSとベストマッチなパーツ』の記憶がないのは確定と言える。


さらにアダマトロン顕現とその後の行動にしても、
  • ウルトラマンを模した超越存在⇒『スーパーヒーロー作戦』の超神ゼスト
  • アストラナガン(に該当する存在)を取り込もうとする⇒『α外伝』のアウルゲルミル
  • CPSを組み込み、自身がクロスゲートの能力を持つ⇒『α』のユーゼス専用ジュデッカ
  • 今ある世界を滅ぼし、新たな世界を作ろうとする⇒『IMPACT』『OG2』のノイ・レジセイア
  • マシアフ無きガンエデンを別人の念で操る⇒サルファのゲベル・ガンエデンinルアフ
  • ゴッツォの人間がマシアフを利用してガンエデンを制御、自ら作り出した存在と対峙)⇒サルファのゲベル・ガンエデンinシヴァー

と、過去の大ボス=倒された超存在に纏わる敗北フラグを一度に成立させるといういっそ見事なまでの自爆っぷりである(しかもエクセレンには戦闘台詞で指摘されている)。
とはいえ、ジンクスに過ぎないので普通なら敗北フラグをいくら積もうがそれが趨勢に関わることは基本的にないはずである。
ところがそんな不確定要素を確定要素にしてしまう困ったちゃんがCPS。因果律を利用しているがゆえに因果律に縛られているこいつは、フラグが立てばせっせと後押ししてしまう。
しかも、ユーゼスは制御できてない上に原因もよく分かってない可能性あり。分かっているなら、運命に影響のない範囲で鋼龍戦隊のメンツを消してるはず。
そんなわけで、最大の味方が最強の敗因として君臨してるという最高に頭の悪い状況なのである。

更に元々の失敗としてイングラムを死なせてしまったことがある。

イングラムはユーゼスにとって最大の障害であると同時に、因果の鎖から抜け出すために必要不可欠な存在でもある。それを失ってしまった時点で因果の鎖から抜け出すことは不可能となり、今回も彼の計画は失敗に終わった。
かつてスーパーヒーロー作戦でも超神ゼストになったユーゼスがイングラムを殺すことで因果の鎖を断ち切ろうとしたが、今作でアダマトロンになったユーゼスが鋼龍戦隊を直接殺すことで再有生のない消滅を目論んだように、あくまで因果干渉できる超越存在になってから直接殺して呪輪廻を断つべきで、ただ死なせただけでは因果の鎖でユーゼスと結ばれたイングラムの魂は顕在。

そもそもイングラムの死に際のモノローグは、「何回目の、何人目の俺であろうと、迎える結末は全て同じ」である。であれば、同じ鎖で縛られているユーゼスだけが違うはずもない。

更なる大失敗として『輪廻からの解脱』を懲りずに開始してしまったこともある。そもそもの目的は虚憶を持っている理由とその始まりを知ることであり、アダマトロンが完成した時点でそれを達成していたのだが、CPSを手にしたことで調子に乗ってしまい、呪輪廻を断ち切ろうと暴れ出したために返り討ちにあってしまった。

『因果の鎖』に縛られている原因とその理由について理解した時点で逃れられる可能性は出ていたのだが、やり方が変わらなかったばかりに同じ結末となった。

むしろ明らかな因果律改変を目論んだのに『因果律の番人』たちが現れなかった辺り、最初からアダマトロン完成後にやられる運命だった可能性が高い。
根拠は上記の「天は我を見放さなかった」「偶然に偶然が重なり」というセリフ。言い換えると、つまりこう言っているのである。


ユーゼス「神様、アダマトロンを作らせてくれてありがとう。じゃあ、これから殺すね」

出来るわけがねぇ。これでGOサイン出す神って、どんなマゾだと思っているんだろうか、この男。


そしてその散り際。


自らの敗北を認め、イングラムの存在を肯定したSHO、結果的に霊帝を打倒する戦力を育て上げることに成功し、計画の成就を確信して高笑いのうちに散ったα。

そして今回。


「もう一度聞きます。クロスゲートを作ったのは、何者です? 何が目的なんです?」


「ふはははははははは!!」
「私だ!私が造ったのだ!そう、あれは!私が造るはずだったのだよ!!」
「クロスゲートもガンエデンも!新たな世界も、人類も!!ははははは!!そう!私が全て造るはずだったのだ!!」

「なのに、何を間違った!?何が原因なのだ!?イルイか!?はははは! そうか!イルイだな!!」

「……そのイルイを取り込んでしまったのは誰だ?」

「私! この私だ!!」

「僕と言う運命変動因子を作ってしまったのは……誰だ?」



「それも私だぁぁぁぁぁ…………!!」


もうスタッフが狙ったとしか思えないネタっぷりである。

アダマトロン


……失われた記憶が……虚憶の欠片がつながっていく……我のネフェシュが真実の姿に……

理解した……我が何処より来たか……何者であったか……

ゼルファート……ズフィルード……ゼスト……ジュデッカ……それらを経て……

新たなアダムであり、メタトロン……すなわち、“アダマトロン”が我が真体となる

全高:不明
重量:不明
BGM:ULTRA ONE

OG世界のユーゼス・ゴッツォが開発した切り札たる機動兵器。
ネーミングは聖書に登場する「アダム」と「メタトロン」の複合。
建造のために
  • ズフィルード・クリスタルとラズムナニウムの力で再生した「AI1」
  • イルイの制御を離れた「ナシム・ガンエデン」
  • 真言により洗脳状態に陥れた「イーグレット・イング」
  • ファブラ・フォーレスに封印されていた「クロスゲート」
を融合させることで誕生させた超兵器であり、ユーゼスは「新人祖」と豪語している。

その外見はガンエデンをより有機的で醜悪なデザインにしたものであり、
  • ユーゼスの仮面を模したような頭部
  • 背中に生えた3対の天使の羽と一対の悪魔の羽
  • 蛇のような下半身
  • 天使の輪の如く頭部頭上に静止するクロスゲート
  • カラータイマーの如く胸に埋め込まれたAI1
が印象的。胸部の形状などはどことなくゾフィーっぽい。
本機そのものがクロスゲート・パラダイム・システムであると断言しているが、完璧に完成したシステムではなかったらしく、鋼龍戦隊の存在は消したくても消せず直接闘って手を下すしかなかったようである。


ユーゼスはこのアダマトロンを以って、ゴッツォ家に関わる者・バルマー本星・全並行世界を滅ぼして輪廻を再構築し、己が考える新たな世界を作ることを目的としていた。


武装

  • エデン・ゲルーシュ
翼の基部と胸部左右にある赤い球体を発光させ、無数の黒いレーザーを放って広域を爆撃する。
MAPW版もあり着弾点指定型で撃ち出される。

  • イドオニー・ザアム・カーラー
頭部のクロスゲートから光球に包まれたカナフ、ザナヴ、ケレン、窮奇王、饕餮王、応龍皇を召喚。
召喚した6体が放つ破壊光線で一斉攻撃を仕掛けさせ、その後胸部のAI1の部分から放つ大出力のレーザーで呼び出した6機を巻き込みながら大地をなぎ払うようにビームを撃つ。
演出などからウルトラセブンのカプセル怪獣が元ネタという説があるが詳細は不明。

  • エルヨウン・イェダ・ドーマー
時間と空間が交差し、お前は(いにしえ)忌憶(きおく)を垣間見る

これは黒き地獄
これは黒き天使
これは黒き銃神
これは古き人祖達

至高の知識が、お前の脳髄を焼滅させる……!

エルヨウン・イェダ・ドーマー!

クロスゲートによって時間と空間を交差させて生み出した異空間に敵を引きずり込んで「古の忌憶」を垣間見せた後、AI1から現出した敵をクロスゲートに吸収。
バラルの園に落下させたのち空から無数の隕石を降らせて追撃をかけ、最後に頭部の仮面から放出したエネルギーを収束・爆裂させて敵を内部から破壊・消滅させる
黒いジュデッカ、アストラナガン、ディス・アストラナガン、ナシムとゲベルの2大ガンエデンのシルエットが連続で流される演出という点で、ウルトラマンのOPを彷彿とさせる演出が印象的。


余談

こいつと後に登場する魔装機神シリーズのラスボス「カドゥム・ハーカーム」は妙に符合する要素を持つ。
現状、その意味などは不明である。
  • 「神体」に乗った「巫女」が撃破されたのち、それを奪い取る形で出現
  • ガンエデンが存在していたのは「バラル(混沌)」で、カドゥムが封じられていたのは「調和」の塔の下。
  • 神の意思によって滅びる運命だった様子がある。
  • クロスゲートを我が物にしている。
  • スパロボオリジナルにて、ちょくちょく関連付けられているっぽいタロットカードのうち、「塔」の示す内容に合致する。

ちなみに、他のタロットカードに符合していると思しき人物は、どいつも運命に関与してそうな因子の持ち主。
なお、これらは確定という訳ではなく、意味など特にないかもしれないので注意。
  • 愚者(方向性の定まらない姿。賢い馬鹿):ジ・エーデル・ベルナル
  • 魔術師(全ての起源。奇跡を操るように見えて実は万能ではない):シュウ・シラカワ
  • 吊られた男(を超えた先の解脱。約束された死を享受する男):イングラム・プリスケン
  • 太陽(宇宙全てを掌握する存在。相反する要素を統合する):至高神ソル





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最終更新:2024年04月05日 13:00