レビル将軍

登録日:2009/05/27 (水) 14:07:14
更新日:2024/03/18 Mon 23:26:43
所要時間:約 3 分で読めます





全軍を指揮する者が弾の後ろで、
叫んでいては勝つ戦いも勝てんよ。



TVアニメ「機動戦士ガンダム」に登場する人物である。
アニメ本編での出番はそう多くはないが、要所要所で顔を見せる重要キャラである。

  • プロフィール(後年設定された物含む)
本名:ヨハン・エイブラハム・レビル
年齢:年寄り
所属:(ゼネラルと付いているため多分)地球連邦陸軍→第三艦隊→第一連合艦隊
階級:連邦軍中将→連邦軍総大将(総指揮官)。
性別:男性
苦手な物: 「黒い三連星」「ソーラ・レイ
CV:池田勝(TV版)、村松康雄(劇場版)、堀勝之祐(特別編)、中博史(THE ORIGIN)
搭乗兵器:マゼラン級アナンケ、ディッシュ

  • 作中の活躍・設定
アニメ本編開始前の「総人口の半数を死に至らしめた」と言う、通称「一週間戦争」が勃発。
奇襲や核兵器、毒ガスの乱用によるなんでもありな攻撃を繰り広げるジオン軍に対し、
各コロニー、および駐留している連邦の勢力は壊滅状態に陥る。

その後ジオンがコロニーを落とすものの、連邦の抵抗、計算外な崩壊を始める等でコロニーはジャブローに落ちなかった。
すぐさま第二のコロニー落としをすべく、再度軍事行動に移るジオン軍。
それに対しレビル将軍は、動かせるあらゆる戦力を投入し、「ルウム戦役」に身を投じる事になる。
単純な戦力の差で言えば連邦軍の方が保有している戦力が多かったのだが、
レーダーの効かない混乱と、機敏に動き回り次々と戦艦を破壊して回るMSの前に連邦軍は大敗。
自身も黒い三連星の猛攻にあい*1、旗艦から脱出せんとした所を捕縛され、捕虜となってしまう。
その後、ジオン側も戦力を磨耗したものの*2、圧倒的名国力差を覆しての勝利を得たため、連邦軍と優位な講和を結ぼうとしていた。

しかし、経緯は不明だがレビル将軍はジオンから脱出し、1週間戦争においてジオンも戦力を大幅に失っている事を暴露。
いわゆる「ジオンに兵無し」を演説し、スペースノイドの開放を謳いながら、自分達以外のコロニーを仲間と認めない*3ジオンの唯我独尊なキチッぷりに弱腰になっていた連邦政府に抗戦を決意させた。
その後、ルウムで大敗したとは言え、様々な思惑の元、徹底抗戦を謳うレビルが宇宙・陸・海等全ての軍の最高責任者となるのであった。

以後、ミノフスキー粒子によるレーダーかく乱技術によって、連邦の主戦力である戦艦や、フライ・マンタ等の航空機、61式戦車が大幅に弱体化、
一部の戦闘機や爆撃機や戦艦が何とかやりあえる程度でしかない、目を覆いたくなるような現状を打破すべく、大鑑巨砲主義を掲げる勢力を説き伏せ
MS開発計画「Ⅴ作戦」を実行。MSの本格的な量産や、膠着した戦線の微妙なバランスの揺れを持って「オデッサ作戦」を実行、これに成功。
作戦中にエルランのような高級官僚が裏切るという手痛い出来事もあったものの、ソロモンを陥落させ、ア・バオア・クーまで迫るが、
デギン公王の呼びかけに応じて和平会談をしようとする…、そこで実の父ごと連邦の主力艦隊を吹き飛ばす腹積もりの
ギレンのソーラ・レイによって消滅、歴史からその姿を消すのであった。


  • 人柄&能力
(最新鋭の機密兵器を動かせるとはいえ)現地徴用の一般兵でしかないアムロ達にも勤めて紳士に振る舞い、偉ぶるところの無い良いおじさん風である。
その反面ジオン公国…というか、1週間戦争でのジオンの凶行を目の当たりにしたせいか
温厚な人柄に反してジオンおよびザビ家に対しては自身の生命の危険も顧みずに徹底抗戦の構えを取るし、その際に自分の権限で作戦を強行する事もあったりする。
オデッサ作戦でマ・クベが水爆を盾に撤退要求をした際に、黙って全軍に前進を命じたり(結局本当に水爆は発射されたのだから笑えない。ブライトの独断でガンダムが阻止したが)
侵攻の最終目標をア・バオア・クーではなくサイド3(おそらく完全占領してザビ家の反攻の火を消す為)にしていたりと結構過激。
そのため視聴者から反スペースノイドのタカ派とも思われがちだが、タカ派はタカ派でもティターンズのような過激な思想・行動はしていない上、あくまでも人類の脅威であるザビ家の独裁と軍事力の打倒が目的であり
彼自身はむしろ宇宙移民に対して理解があるし、同情的でもある。
更に連邦内にはコリニーを筆頭とするもっと激しいタカ派の保守勢力(№2はあのジャミトフ・ハイマン)が存在しており、
むしろレビルはジオンの徹底的な殲滅とスペースノイドの抑圧を提唱する彼らを抑止している立場だったりもする。
(ただし、一年戦争時はそういった派閥どうのこうの言ってる暇あったらジオン公国どうにかしろという状況だったため、ほぼ一丸となっている)

また、徹底抗戦と言っても「ジオン許さねぇ拠点もMSも全部潰すか奪い取って問答無用で全員ぶっ殺してやる」、「今に見ていろジオン人全滅だ」、「私に意見する奴は非国民だ!ジオンと同類のクズだ!」という程ではなく、ゴップ提督の楽観視に最後には反論しつつも理解の念は一応述べたり、デギンの申し出にYESを選択する程度の線引きは出来るので
非人道的な行いが目立ちまくるジオンの(特にギレンの)行いや、そんなジオン優位なまま結ばれる講和に人一倍の危機感を持っていた。という所だろう。

本来なら機密保持のために逮捕、拘束されるべきアムロ達を自らの権限で保護。
更に腹心の部下であるマチルダを直々に補給部隊に任命し、装備や物資を工面するなどWB隊を支え続けた。
ジオンでもWB隊はかなり有名になっていたため、そのまま志願兵として主力とは別方面の最前線で活動させて囮に使ってる辺り、「勝利のためならあえて褒められた事ではない事もする」
リアリストな面も垣間見えるが*4、彼らの実力を正当に評価し信頼した上での運用とも言える。
なお、囮にしたといってもジオンのジャブローへの攻撃を促した事による懲罰措置や騙した訳ではなくきちんと命令による処置を行った為にWB隊の面々もそのことを理解している。
また、同然見殺しや使い捨ての措置でもないので、単騎突出させているわけでもなく他の部隊と合流させたり、戦力の増強措置を取っている。

小説設定によると、学校を主席で居続けたエリート中のエリートらしい、さすが将軍…。
あまりに出来た人物、能力の持ち主故、08小隊に出て来る「イーサン・ライヤー」のように、嫉妬の目で見てくる人物も出た。
その反面政治的な派閥を強化しようと言う思考は薄かったようで、自身を慕う者は数あれど、
自身が死亡した後に軍や政治で活躍する後継者的な人物が現れず、偉大な功績が軍艦の名に付けられる程度に収まった。

ソロモンに駐留してるときに、ジオンのNTが発するサイコミュ波を感知したと思わしき頭痛を訴える等、
「NTなんでは?」と思われる描写もあった。
また、NTを「戦争しなくて良い人種を言うんだ」と言ってる辺り、ジオン・ダイクンのNT論を理解していたことは確か。実際にどう思っていたかはともかく。


一年戦争でちょいちょい出てただけで、MSに乗るわけでもない彼は、ギレンと同じくゲームで全面的に出演する事はあまりなかった。
だがそんな彼が一躍主人公に躍り出るゲームが発表される、そう、「ギレンの野望」である。

NTの能力を持ってると解釈されており、NT兵器にのるとなんと補正を受けられたり、サイコミュ兵器が使えるので、
系譜や脅威でサイコガンダムに乗って「わしのお兄ちゃんはどこじゃあーーー!」
と暴れまわったりしたとかしないとか。*5
また、プレイヤーの選択次第では自身が音頭を取る訳ではないにしろ、非人道的要素が垣間見える強化人間計画を許可したり
ゲームによってはエゥーゴやティターンズと言った派閥を全部敵に回す等、黒いレビルを演出できる事も。

レビル将軍率いる連邦軍が勝利すると、基本的に「良い世界になりました」で終わる事が多い。
ジャミトフのような一部の性急な連中とは違い、ゆっくりと穏やかに、それでいて確実に人類を宇宙に移民させるというアースノイドやスペースノイドも納得のグッドエンドを迎える。
独立戦争記のオリジナルモードではそこまでいかないにせよ、戦乱を収めた後に後進に任せて引退しているので自身のやるべき事はやった事がうかがえる。

ガルマとマ・クベが主役の外伝のギレンでは、どうあっても連邦が敗北するのだが、展開次第でその後内乱を起こしたジオンとの戦いで
ガルマ側にホワイトベース隊と共に加わったりする。

ちなみにこのギレンシリーズ、ゴップの能力がやたら低いことが多くまるで彼がジャブローのもぐら代表のような印象もあるが(実際前線には積極的に出ていない*6ので正解ではある)、実はゴップこそ前線に赴くレビルを後方支援や政治面で影から支え続けた人物であると後に設定されたため、実はレビルの一番の支援者兼理解者といっても過言ではない。*7


スパロボシリーズではほとんど登場しない、第3次で陥落するジャブローからロンドベルに通信を送ってフェードアウト。*8
ちなみにPS移植版では没データだがボイスが収録されている。
その後音沙汰無し、以後ずーーーっと出番が無く。
実に10数年後にようやく一年戦争メインのスパロボであるGCで復帰した。
さらに後のOEではソーラ・レイ発射が阻止されたことで、ようやくスパロボ補正を受けて生存した。
ちなみに、原作で共に死んだデギンはこの場では生き残るも、軍を奮起させるために前線に赴き、戦死するというオリジナル展開を見せる。

  • その他
騎士ガンダムシリーズでは、連邦軍の大将だったこともあって、物語開始時の舞台であるラクロア王国の王様として登場…するが、
伝説の巨人*9に城を壊されたショックであじゃのパーになってる印象が一番強いだろう…。
(´Д`)「巨人が~ 巨人が~ ううーん」
しかし、彼が騎士アムロにかけたある言葉が、その後の騎士アムロの活躍のきっかけとなっており、
出番はジークジオン編のみながらかなりの重要人物と言える。


70年以上後の時代である「機動戦士Vガンダム」に、レビル将軍そっくりな連邦軍人ムバラク・スターン大将が登場する。
主流派から外された人物であるため、流石に連邦の軍全てを動かせる程ではないが、「提督」で「大将」とかなり高い地位に居り、
自身の権限で動かせる軍隊を引き連れて、主人公側の民兵集団に協力するなど、かなりレビルな人材として描かれる。
また、彼が率いるムバラク艦隊は連邦が形骸化し、軍全体が旧式兵器*10という老朽化している当時の連邦軍でもかなり精強な艦隊であった。


漫画『NIGHT=HAWKS!』ではチャアミン・ブラウン曹長という孫が登場している。



辛いのだな…追記や修正も。わかった、交渉に応じよう。

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最終更新:2024年03月18日 23:26

*1 この時三連星が乗っていたMSは媒体でザクⅠだったりⅡだったり

*2 アニメやゲームでジオンのエースが多いから言われてもピンと来ないが、開戦前から訓練を積んで来たベテラン兵が相当戦死してるとされる

*3 独立戦争開始前に協力を明確に断ったサイドが標的にされたと言う

*4 最も後年になるとZガンダムのバスクやジャマイカン、ZZのホワイトや「機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91」のガレムソン等虐殺や毒ガス攻撃を始めとしたもっと酷い事をしてたり、戦場で戦ってる兵士に無礼極まりないとしか言いようがない発言をする輩がウヨウヨいることや、そもそも1stの戦況自体前半の大敗戦によって凄まじい損害を負っていたので勝利のためやむを得ないという事情などから私情で虐殺に及んだりする外道や無能と言ってもよい彼らとは全くの別物である。

*5 連邦編で唯一入手可能なNT用巨大MAでIフィールドも搭載しているため耐久力が高く、サイコミュ搭載で遠距離砲撃が出来るので、系譜ではサイコガンダムにレビルを乗せるプレイヤーが多かったらしく、共通の話題としてちょくちょくネタになる

*6 尤も軍の統括を位置する大将と言う階級を考えれば迂闊に前線に出るのも考え物である。 実際レビルがジオンに捕まったのが降伏の受け入れの原因の一つとなっていた。

*7 OIGINやジョニーライデンの帰還で有能描写が増えた後の作品である新ギレンの野望ではレビルほどではないが指揮や求心力を持ち大将という階級による広い指揮範囲を活かせるそれなりに有能なキャラになった

*8 その後の第4次に名前の一つも出てこないのでまず間違いなく戦死していると思われる。

*9 イデオンではないぞ

*10 この時代で使われている連邦軍の兵器はほぼ全てがジェガン、ヘビーガン、ジェムズガン、ジャベリン、量産型F91等20年以上前の兵器ばかりである。最もジェムズガンやジャベリン等はパイロット次第でゾロアット等の最新兵器にも対抗できるポテンシャルを持っているが。