モスラ(1996年)

登録日:2011/07/13 Wed 23:41:32
更新日:2023/10/28 Sat 09:25:02
所要時間:約 5 分で読めます






守るために、戦う!

僕の家のリビングルームから北海道の大森林まで
モスラワールドは大騒ぎ!


「モスラ」は1996年12月14日に公開された東宝の特撮映画。
平成モスラ三部作の1作目である。



【ストーリー】

北海道紋別で行われていた森林伐採、現場監督の後藤は謎の遺跡を発見し、そこにあったメダルを家族へのおみやげに東京へ持ち帰ってしまう。

しかし、後藤の家にメダルを狙って悪い妖精のベルベラが現れる。実は遺跡は妖精エリアスの遺跡で、メダルは古代に暴れた怪獣デスギドラを封印したものだった。

エリアスの末裔のモルとロラの姉妹は、後藤家の長男の大樹と協力してベルベラからメダルを取り戻し、家族で北海道へ向かった。

しかし、時すでに遅し、デスギドラは復活してしまう。
大自然の力を吸収し自然を死滅させるデスギドラに対抗するために、エリアス姉妹は守護神のモスラを呼び寄せる。
しかし、卵を産んで死を待つだけだったモスラはデスギドラに苦戦する。そこに、卵から新しいモスラが誕生しようとしていた。


【概要】

ゴジラシリーズが「ゴジラVSデストロイア」で一旦終了したために始められた平成モスラシリーズの第一作。
田中プロデューサーはモスラが気に入っていたための抜擢だったらしい。

本作はファミリー向けの子供が活躍するファンタジーとして作られ、従来のモスラ作品と比べてファンタジックに仕上げられている。
また、スタッフも本編を中心に変更を加えられ新しい血が加えられた。

また、環境破壊もテーマに加えられ、森林伐採がデスギドラ出現の原因の1つとなったり、正義を振りかざすマスコミといった要素がスパイス的に加えられている。

特撮場面は、都市破壊や自衛隊その他との交戦は無いが、初代以来のダム破壊シーンや隆起する岩塊や、ギドラの系統ではあるがボリューム満点の新怪獣のデスギドラ等見所も多い。
また、CGも多用され、モスラの出産や羽化はファンタジックに仕上げられた他、戦闘シーンにも活かされている。


【登場人物】

■エリアス姉妹

モスラシリーズ恒例の小美人。身長12㎝は歴代小美人でも最小。
また、没個性で台詞がいつもユニゾンだった小美人と異なり、エリアス姉妹はそれぞれ個性を持ちユニゾン台詞も多くない。

◆モル(演:小林恵)
エリアス姉妹の姉。人間年齢18歳。
責任感がある性格で、親モスラの死にも涙を浮かべつつ、取り乱すことがなかった。
ロラをリードし、行動を決定していく。
命が短いモスラを呼ぶことを決定したのもモルである。(ロラは渋っていた)

◆ロラ(演:山口紗弥加)
エリアス姉妹の妹。フランクな性格。
モルの決断に異論を唱えたりはするが、姉妹仲は良く姉を信頼して共に行動した。
親モスラの死には泣き叫んでいた。

◆ベルベラ(演:羽野晶紀)
エリアス姉妹と対立する妖精。人間を信用しておらず、デスギドラを復活させ手下にしようとする。
実はエリアス姉妹の長女である。

◾️取り巻く人々

◆後藤大樹(演:二見一樹)
後藤家の長男。妹思いだが、あまり態度には見せない。
父がメダルをおみやげに持ち帰ったことから、冒険を経験することになる。
フェアリーとガルガルのバトルに虫取り網で加勢を試みたりカイトでエリアスの盾を奪還するなどかなり行動的。
演じた二見一樹は後に「カブタック」の主役になった。

◆後藤若葉(演:藤沢麻耶)
大樹の妹。ベルベラに洗脳されて一時悪い子ムーブをしていた。
すぐに大樹に泣きついて兄を困らせ、ぐずることがあるが決して嫌いではない。
メダルは基本的に若葉が預かっていた。

◆後藤真紀子(演:高橋ひとみ)
大樹達の母親。仕事が忙しくなかなか家に帰らない裕一には多少不満がある模様。
家のヴェネチア・グラスのコレクションをガルガルとフェアリーのバトルで粉々にされまくる。
子供達と共に北海道へ向かった。

◆後藤裕一(演:梨本謙次郎)
豊国商事の課長で、大樹達の父親。
彼なりに家族を愛しているが、森林伐採の責任者であるため、北海道へ単身赴任中であまり家族と一緒にいる時間がない。
いざと言うときには結構頼りになる側面を見せる。


◆田川義徳(演:萩原流行)
テレビ局のレポーター。
彼なりに正義感はあるのだが、負傷者であふれかえる病院で電子機器を使おうと押し問答するなどやや暴走の気配がある。
デスギドラ復活の責任者として裕一を詰った。(裕一も自覚があるのか反論をしていない)


【登場怪獣】

◆モスラ
本作の主役。卵から孵ったばかりの次代のモスラ。
強大なデスギドラに果敢に立ち向かうも幼虫の身では力及ばず、屋久杉の下で羽化を待つ。
雌だが、男の子をイメージして演出されている。
モスラ(平成三部作版)を参照。

◆親モスラ
卵を産んで死を待つだけだったがデスギドラと戦う。
苦戦してしまうが子供を助けるためにダムを破壊して、水流でデスギドラの動きを止め海へ子供を残した後は後を託して海に沈む。
1:1でも最初のうちはデスギドラ相手に攻勢であり、卵を産んだ後という悪条件がなければ勝負は分からなかったのではという説もある。
デザインや能力は「ゴジラVSモスラ」のモスラに近いが、ずっと小柄でモデルは新造である。

◆フェアリー
ゴジラVSスペースゴジラ』に登場したのとは別物だが、モスラの分身的存在である点は同じ(ただしモスラの本体の生死は特に影響する気配がない)。
エリアス姉妹の移動手段としての活躍が主だが光線技も所持しており、ガルガルと後藤家を荒らしながら戦った。

◆ガルガル
ベルベラが使う小型怪獣。ベルベラの移動手段で大きさの割にパワーがある。
実はロボットである。

デスギドラ
詳しくは項目を参照。モスラ親子と死闘を繰り広げる。

◆樹齢1万年の屋久杉
屋久島に生えている巨樹。木の下で繭をはったモスラに1万年の叡智を授けた。

【余談】

後藤家には本多猪四郎氏の写真が飾られている。監督の米田氏は黒澤組にいた際に本多氏と交友があったためらしい。

当初は宝生舞がモル役で、小林恵がロラ役だったが宝生舞が病気で撮影前に降板したため、モル役に小林恵、ロラ役が山口紗弥加に変更された。

後に「ウルトラマンメビウス」にレギュラー出演する内野謙太氏が子役として出演している。

小説版が存在し、大筋は同じだが独自に設定の補完が行われている。



追記・修正は遺跡のメダルを家族のおみやげに取ってからお願いします。

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最終更新:2023年10月28日 09:25