倉密メルカ

登録日:2012/01/24(火) 20:57:12
更新日:2023/08/11 Fri 00:08:39
所要時間:約 6 分で読めます




ミライにはキタイはしないしキボウもない


空の境界 未来福音』の登場人物。
CV:石田彰

初登場時の時系列は俯瞰風景の少し前、1998年8月3日。

完全外注制度の解体屋であり職業的爆弾魔。
器物、建物を主とした爆薬を使い、1998年には年に三件の割合で爆弾事件を起こしていた。
なお金さえ用意すれば爆破予告から実行まで全てを一人で受け持っており
携帯電話一本で仕事を請け負い、根城も背後組織も持たず、依頼主の素性を知ろうともせず、ただ金だけを目的にしていたために爆弾の仕事だけで食べていける職業的爆弾魔となっていた。

本人曰く「人様には口外出来ない依頼を受ける後腐れのない興業者」

爆弾魔としての活動期間は98年時点で5年ほど。

右目で未来を、左目でその未来に至る手順を視ることができる「未来視」の持ち主の一人。
彼の未来視は右目のみでありそれも五分後や一日後、一月後など視られる未来は一定しない。
そしてこれは未来予測ではなく未来を自らの意思で決定させる未来測定
数値を埋めて未来を視るものであるため、未来を見たい対象物を視認していなければ未来を視ることができない。
つまりその現場に居合わせることがこの未来視の条件。
確定される未来を視る未来視のために未来に対する夢や希望を失い、この能力を最大限に生かす道具として爆薬を用いるようになった。

作中では工房・伽藍の堂が設計に関わったホテルの落成記念式典を「ホテルのワンフロアを倒壊させ、なおかつ死傷者は出さずに台無しにしてほしい」という依頼を実行するためにホテルに来ていたが、
その直前にたまたまその場にいた両儀式に、

『おい、そっちは危ないぜ』

と声をかけられたことが本編での事件の発端。
依頼は成功したが式に対してわずかな違和感、好奇心、密かな期待を持ってしまう。
後に落成式の参加者を調べ、右目が視た結果に式が『いなかった』ことに興味を持ち、正体を知られた可能性や顔を見られたことへの危機回避のためも含め、式を殺せるかどうか確かめるために彼女を付け狙う。
人を殺そうとしたのも式が始めて。

余談だが本編では全ての事件に関与していた荒耶宗蓮だが、『未来福音』のこの事件は彼が関わっていない唯一の事件である。

ホテルの爆弾事件から三日の間に、

一度目は夜の工事現場で閃光じみた爆弾
二度目はアーネンエルベ近くの路上で、地雷じみた焼夷弾
三度目は彼女がふらりと立ち寄った廃ビルでの、倒壊を目的とした時限式爆弾

合計三度、爆弾で式を狙うが、
『確実に死亡するであろう状況』に式を追い込むだけで殺す結果を視なかったために無傷で回避されてしまう。
8月3日の四度目、橋の上の爆弾トラックでようやく最後まで見届けようとした(つまり確実に殺そうとした)。
しかしそれでも式が死ぬ未来は視えず、式は橋から飛び降りることで難なく生還した。
この時に彼は
『今から15分後の立体駐車場で八つ裂きになる両儀式の死体』を鮮明に未来視する。
その後立体駐車場で待ち伏せするも直死の魔眼で彼女が死亡する『未来』を切られてしまいまたも殺害を失敗してしまう。

「なんで、あの未来が変わったんだ!?」

「変わったんじゃない。もとから未来ってのは無いんだ。無いものに手は出せない」
「未来ってのはあやふやだから無敵なんだ。けどさ。それにカタチがあったら、壊れちまうのは当然だろう」
「偶然には手はだせないけど、必然には手をだせる。じゃあな爆弾魔。結果をはっきりとカタチにした時点で、おまえの未来は行き止まりだったんだ」





十一時五十分。
立体駐車場の爆発事件は五分遅れで現実となる。
現場では家族をかばった父親が軽傷、十四歳の子供が重傷を負ったが、奇跡的に死傷者は無し。
そこには倉密メルカという爆弾魔も、着物姿の少女もいなかった。






以下ネタバレ

























本名、瓶倉光溜。

1998年8月3日の時点では14歳の少年だった(前述の重傷を負った少年がズバリ彼。軽傷を負った父親は関係なし)。
倉密メルカという偽名はたまたま見かけたコミックに出てきたある悪役の名前であり、また、本名を入れ換えたアナグラムでもある。
劇場版での描写では、外見は分かり易く言うとFateの子ギルを銀髪にした感じである。
式もまさか少年だったとは思っていなかったため一切の興味をなくし、その場を立ち去ってしまう。
また未来ごと右目を両断されてしまったため視力を失ってしまう。

12年後の2010年には興信所兼絵本作家としてもと工房・伽藍の堂だった建物を事務所兼住居としており、蒼崎橙子のコネクションも受け継いでいる。
そのため出版社の覚えがよく、25歳の新人ながら何冊か作品が出版されている。

絵本作家になっているが、子供向けの物語のくせに半分子供を置き去りにした作品を書く。
著書は『吸血鬼の涙』『残光ケージ』など。
ちなみに元々子供置き去りの話を書いていたのは友人(詳細不明)で思うところがあって跡を継いだ模様。

唯一の趣味は屋上から漠然と町の営みを眺める事。

2008年に元工房・伽藍の堂だった貸事務所の家賃や生活費などで借金を重ね、債権者に問い詰められる破目になった。
その債権者の元締めというのが暴力団関係の名代で、漁船だろうが海洋油田だろうがとにかく観布子市を離れたくて仕方がなかったらしい。
しかし光溜の絵本の読者である『両儀未那』が割って入って仲裁。
その後に二度目の対面となる閻魔のごときボスが現れ、あれよあれよと彼等の一員となることで一命を取り留める。
その際に専属の興信所とされたが、もともとの絵本作家も副業として許可されている。

女性には弱いが両儀未那には自分の父親に特徴が似ているためか妙になつかれている。
因みに初対面の時はマナ君と呼んでいたらしい。

物語の最後にはボスとまたも対決する羽目になってしまうあたりお人好しでありながらも、不幸体質なのかもしれない。



ちなみに、DDDにも登場している。
D判定のA異常症患者。
D判定では珍しく人間として自立出来る人物。
カットされてはいるが一応名前だけではなく描写がある。


こっちでは石杖火鉈と戦いあっさりとやられている(一応3秒以上はもったらしいが判定負け)。
女々しくも彼女の中に逃げ込むが逃げられなくなるという状況に陥ってしまった。

というかそもそも初登場はこちら。
空の境界とDDDの世界観はつながっていないため、全くの別人。
しかしながら、DDDのメルカの「相手を自身の脳内に閉じこめるという能力」を空の境界の世界観に落とし込むどうなるかという結果として「未来測定」というカタチとなり、上述の「空の境界」のキャラとなった。
なので無関係というわけではない。
メタ的な部分においての関連ということである。








私の未来は、まだ、希望と不安に満ちている。
この筋書きにライトが当たることはなくとも、多くの主役たちによって、舞台は回っていくらしい。
物語は続いていく。
  私の行き先は、漠然とではあるが、きちんと左目(いま)に見えている。




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最終更新:2023年08月11日 00:08