カズマ・アーディガン

登録日:2011/06/10(金) 23:53:20
更新日:2024/04/18 Thu 17:26:56
所要時間:約 5 分で読めます





連合宇宙暦100年12月26日
クリスマスから一夜明けた。結局、今年も何も無かった。
……
………
少し涙が出てしまった。


カズマ・アーディガンはスーパーロボット大戦Wの主人公。
よくネタにされるが、ロストグラウンドで反逆しまくったりグリリバと殴り合ったり
アンデッドと戦うためにヘシンしたりはしません。


【概要】

宇宙の運び屋「トレイラー」を営むヴァルストーク・ファミリーの長男であり、ヴァルホークのメインパイロットを務める。

精神的、技術的に未熟であるが、完成度の高いシナリオの中で版権キャラと良クロスオーバーを連発しながら成長していく熱い王道展開をぶちかましてくれたため、
プレイしたユーザーからは軒並み好意的に受け入れられた。
二部の痛々しい邪気眼全開の言動も、今となってはネタとして愛されている。



【第一部】

16歳。
時は連合宇宙暦99年6月13日。ガンダムWデュオカトルを地球に運ぶ依頼を受けた所から物語が始まる。
アットホームなヴァルストーク・ファミリーの雰囲気と相まって、序盤からストレスなく版権キャラと絡む。第一話でデュオとは親友になる。
テッカマンブレードガオガイガーがメインのシナリオの中で、
一人前のスペースマンであるDボウイに尊敬、憧れの念を抱いている。
同時に自分自身がパイロットとして、スペースマンとして、何より一人の男として半人前である事を自覚している。
そして偉大な父、ブレスの存在もあり、その事がコンプレックスとなっている。
未熟者扱い&家族で下の方ということもあり、主にマヨ姉ちゃんからは「姉弟あるある」な扱いを受けていたりする。

性格は年相応の幼さがあるどこか単純な熱血野郎。いつか父を超えたいと願うまっすぐで強い意思をもっている。
父親の「思い出を大切にしろ」という言い付けを守り、毎日航海日誌を付けている。ゲーム中では一話進行ごとにカズマが日誌を付けるシナリオデモが流れる。
これがシナリオの簡単なおさらいと、これからの流れを確認出来るため、何気に役に立つ。
もっとも、内容はカズマの所感やらその時に話題のなった他愛の無い話とかがほとんど。
例えば、旧西暦時代は太陽系惑星は9つあり、その一つは冥王星と呼ばれていたが、今ではほとんどの人にその事を忘れられている……という発売当時の時事ネタとか。

設定面はともかく、ステータスとしては第一話から使えて安定した能力を持ち、自軍の中核に据えることができる。サブパイロットにミヒロがいるため、精神コマンドも問題ない。
中盤になるとヴァルストークとの合体技、そして合体してゲッター3……じゃなかった、ヴァルガードになったりと、運用の幅が広がり手がつけられなくなる。
未熟未熟と言いながら家族の力を借りてしっかりと無双する。

また第一部ではほとんどの主要な版権キャラと良い感じに絡む。先にも書いた通りこのクロスオーバーがカズマ、そしてスパロボWが好評な要因でもある。

忘れがちだが美人の版権キャラが2名ほど、(鬼)教官として訓練を施してくれるという
うらやましいような地獄のような状態となっており、これと幾多の戦いの経験のおかげで、第一部の8ヶ月という短い時間でブレスも褒めるほどの成長を見せている。

だが、Zマスター攻略とゾヌーダ事件の解決直後に地球連合軍はプラントへの核攻撃を決定。
阻止するために急行するも、現れたインファレンスの攻撃によってブレスと共に行方不明となってしまう(死亡扱い)。
そしてプラントと地球の戦争が始まり、その日は血のバレンタインと呼ばれたのだった……。



【第二部】

とまあ、主人公が死ぬわけもなく生きていた。17歳。
時は連合宇宙暦100年8月。半年ほどの期間で成長期に入ったのか表情も青年らしく、体格が良くなり、髪型がロン毛になっている。トレードマークの絆創膏はそのまま。
JやサルファでさんざんやったからかSEED本編そっちのけでガンダムアストレイがメインを張り、
カズマもサーペントテールのメンバーとなっている。
この時はカイトという偽名*1を名乗っていたが、DESTINY ASTRAYのカイト・マディガンと同名だったために勘違いしたプレイヤーも多数。以降、「トンビ」はカズマの象徴として扱われる。

第一部の後遺症で戦闘に対して恐怖心を抱いているが、直ぐに克服する。この時にイライジャからそのテクニックを神業と称されている。
そしてここから何故かキザを気取った痛々しいキャラとなった。戦闘台詞にまで反映されている。
その痛々しい言動の数々に、あるプレイヤーは頭を抱え、あるプレイヤーは腹筋崩壊させる始末。父親を意識してみたが色々伴ってない感じがだんだんと露呈してしった。
しかし戦闘の最中では「うまい台詞が思い浮かばない」とかでキャラが徹底できてない*2場合がある。
どうしてこうなった……
尚、一部での普通の少年だったカズマを知らないASTRAY組はこれをバカにすることはなかった。むしろ「キザったらしいけど実力に相応の態度を取ってる」として見られていた節すらある。
特にイライジャからは嫉妬されるほどの有能さ加減だったようで、これがカズマのアレな言動に拍車をかけていたとも見れる。

ヴァルストーク・ファミリーに帰ってきたあとはオッパイが大きい方の姉ちゃんにひっぱたかれたりホリスに説教されながらも暖かく迎えられ、以後ファミリーのリーダーとなる。

一パイロットだったかつてと違い、父に代わって自軍を引っ張る存在となり、メンタル的に成長した所を見せる。……邪気眼全開の言動で。ちなみにあのガイ(ヤマダの方)ですらちょっと引いていた。
なお、途中で痛々しいと気付き(デュオorルネに指摘される)普通の口調に直した*3
おして、最終決戦時にラスボス・インファレンスの痛々しい言動が自分由来だと知った際に「俺はあんな言動してない」とドン引きしたが

「していた」

と、たった一言、わずか4文字で論破され、イライジャやホリス、果ては実物を見ていないけど噂は聞いてた甲児からもフルボッコにされている。
まさしく恐るべきは「旧友」と「家族」であった。…ってか、部隊内では既に黒歴史が広まっているってなんて恐怖?

そんなこんなで冥王星での決戦を制し、旅立つザ・データベース(フラグが立ってたはずのアリア含む)を見送ったカズマとヴァルストークファミリー。結局最後までカズマに彼女ができることはなかった
エンディングはそれから30年後、一連の事件の日誌を「トレイラーの真実」として出版したことが明かされ*4 、最終決戦後の日誌を以て「トレイラーの真実」第一章は幕を下ろした。
つまり、ゲームはエンディングを迎えたが「トレイラーの真実」はまだ全然終わっていない。確かに続編の内容が残っている作品がちらほらあるが、この世界はこの後どうなるのだろうか。


第2部ではステータスが若干向上。それ以上に機体性能がえらいことになっており、恐らく歴代最強の主人公。只でさえチート機なのに加えて家族総出の精神タンク(まさかの精神コマンド6人分)及び、
2周目以降は好きな精神コマンドを修得可能な上、SP無限バグを使うとラスボスも1ターンで沈むという、もうチートという言葉では到底片付かないくらいに強い。
ただそれでも叩かれないのは、ヴァルストーク・ファミリーがシナリオの中で版権キャラと上手く調合され、
スパロボWというゲームの内容にプラスに作用したからにほかならない。

きょぬーな姉にひんぬーな姉、ヤンデレ気味なロリ妹にツンデレ気味な同い年くらいの双子みたいなもん(寧ろ同一人物)に美人でボインなカーチャンと身内的にはかなり豊かな女性関係を持っており、
「家族」には恵まれるものの「ゲーム全体」を通して「恋愛対象」となる&なった女性がゲーム終了までついに出てこなかった、スパロボ界でも屈指の希有さを持つオリジナル主人公の男でもある。
このため前作男主人公とはよく比較される。
『バレンタインか…なぁ甲児、ボス、さやかさん義理チョコくれるかな?』

ただ、別に嫌われたり避けられたりして「モテない」「男として魅力が無い」わけではなく、恋人としてのヒロイン枠のオリジナルキャラが設定されていないが故に割を食っただけである。*5
一瞬アリアとフラグが建ちそうになったが、諸々の事情から即フラグはへし折られた。不憫な…。
その代わりと言ってはなんだが、本人の明るい性格と社交性の高さから、デュオをはじめとして、版権キャラにも友人は多く、
色んなキャラと雑多な雑談をする事も多いため、友好範囲は歴代のオリジナル主人公の中でも広い部類に入る。
なお、『W』ではヒルデは登場しないので、カズマはデュオが彼女持ちという事をついぞ知らないまま終わってしまった事をネタにされたりも。
その後のデュオのあんまりにもあんまりな転落人生をカズマがどう思ったのかは永遠の謎。

ちなみに原作のイベントを消化したにも関わらず、原作と違う経緯*6でイベントが終了したせいか
二部になっても延々あちこちさまよって敵対してたウーフェイをあまり良く思ってないようで
仲間になった後、ふとしたことで、本人に聞こえないように脳内でボソッと毒を吐いたことがある。
仲の良いキャラが多めな分、この「仲間になった後でも仲良くないキャラが居る」描写が目立つのか、某Wikiでも紹介されていたりする。

図らずも「カズマ・カガリ(SEED)・ユミ(テッカマンブレードⅡ)・マヨ姉」の4人で「アホの子カルテット」を披露したのも有名である。

実はちゃっかりガンダムSEEDフレイにフラグを立てていた
フレイはサイとヨリを戻したっぽいけどな!(確定ではない)


また蛇尾時代から風花とのカップリングもわりと人気
彼女から好意のようなものを寄せられているように見えたり、実の妹のミヒロから好かれていることから
「年下(妹系)キラーの素質があるのでは?」と考察されないこともない。
本編で彼女&嫁が出来なかったのもこの辺に原因があったのでは?とも。


エンディングの事を考えるとその後も長い事健在かつ現役であるようだ。ちなみに攻略本によると件の著作はベストセラーを記録したらしい。
デュオが同時期に火星大統領になっている可能性が浮上しているので余計に売れてしまった可能性もある。
この時カズマは47歳。かわいい嫁さんが居る事を願わずには居られない。



【セリフ】

「こっちのテンションはとっくにレッドゾーンだぜ!」

「黙れよ、ド悪党共! てめえらまとめて相手してやるぜ!」

「俺に出会った不幸を呪いやがれ!」

「分の悪い賭けは…えーと、どっちでもいい!」

「くそおおおおっ! せっかくイメチェンして大人の男になったってのによ!これだから昔のダチってのはタチが悪いぜ!!」

「宇宙の怖さ、一人の人間の弱さ…、そして、生命の大切さ…俺は弱い人間だ…だが、生命の大切さは忘れない…!」



【余談】

開発段階では性別選択ができる予定であり、その場合ミヒロとアリアの性別も変更になる仕様だった。
結局実装はされなかったが顔グラフィックは残っており、女性版カズマの方は第1部はミヒロに似た勝気そうな少女、第2部はアカネに似た美女である。
ちなみに男性版アリアの方は表情に変更を加えた上でディセイバーとして流用されている。




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最終更新:2024年04月18日 17:26

*1 父親が「タカの目」という異名を取っていたことから、「トンビがタカを産む」を逆の意味で使い、「不肖の息子」という自嘲を込めた偽名

*2 当然ミヒロに突っ込まれている

*3 一部の台詞は気に入ったらしく、そのまま使っている。が、一番キマってた時の台詞をミヒロに真似されて悶絶したりもする。

*4 攻略本によると正式タイトルは「トレイラーの真実 ~トンビがくるりと輪を書いた~」

*5 そもそも他の作品でも、版権キャラはだいたい彼氏持ち

*6 ウーフェイが心を入れ替える決定的な要素である民衆決起が無いままエンドレス・ワルツのエピソードが終わってしまったため