ガンダニュウム合金

登録日:2012/02/13 Mon 00:26:09
更新日:2024/02/05 Mon 22:45:34
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GUNDANUM-ALLOY


新機動戦記ガンダムW』に登場する特殊合金。
紛らわしいが宇宙世紀シリーズ等他のガンダム作品に登場する「ガンダウム合金」とは別物である。


◆概要

A.C.195年、5機の『ガンダム』と呼ばれるモビルスーツ(以下MS)が、コロニーの反抗作戦『オペレーション・メテオ』で地球に送り込まれた。
そのガンダムの構成素材として採用されたものが、このガンダニュウム(GUNDANUM)合金である。

本作品におけるガンダムの超高性能の秘密であり、『ガンダム』の名の由来でもある。


名称のGUNDANUMとは、
Genetic on
Universal
Neutraly
Different
Alloy
に、接尾詞であるNUMを付けたもの。
日本語に訳すと、
「電気的に中性な異種構造の宇宙合金」
となる。

開発当初は『GND合金』とも呼ばれた。
また、G-UNITなどのように、『G-METAL』と呼ばれる事もある。

元々は月面から採掘された、太陽系の起源とは関係の外宇宙の隕石に含まれていたらしい星間物質を含有した『GND原石』と、ルナ・チタニウムを無重力空間で分子間結合して精製した合金。


「電気的に中性」とは、簡単に言えば環境の変化によってその特性が変化するということ。

平たい言い方をすれば、環境適応力を持った素材という事になる。


様々な特徴はあれど、この素材を一言で表すならば

とにかく強い

という言葉が相応しい。


当時、兵器に広く使われていたチタニュウム合金とは比較にならない程の強度があり、その強度と環境適応力から、ビーム・実弾兵器を問わずに凄まじい耐久力を示す。

その上チタニュウム合金と同等、或いはそれ以上の軽量性も持ち、同じ耐久性を求めた場合、チタニュウム合金よりも遥かに軽量でそれを実現可能。


加えて言えば、素材の強度が飛躍的に向上するという事は、パーツあたりの更なる軽量化・高耐久化の実現にも繋がり、機体構成そのものにも余裕が出る。

結果として各部パーツの更なる高性能化に繋がり、機体全体の性能も劇的に向上する事になる。


更にこの合金が特殊なのは、「電磁波を吸収する」という特性であろう。
これは実質的にレーダーなどによる探知が難しい事を示しており、極端に金属反応が出にくい。

素材そのものにも金属的な質感がない為、それと知らなければ金属には見えないらしい。


更に更に、この材質で造られたビーム兵器は界面の変化が抑制される為に、大気中や水中でも減衰が起きにくいという特徴がある。
ガンダムのビーム兵器が水中でもほとんど減衰する事無く使用可能なのは、発振器そのものの高出力性もさることながら、この特性も大きく影響している。



纏めると、ガンダニュウム合金製のMSは、

●極めて強度が高い
●にもかかわらず軽量
●その恩恵として、高出力・高性能化
●従来のMSと比べてレーダーにかかりにくい
●ビーム兵器の汎用性が高い

という特性を得る事が出来る。
どんだけだよ……


ガンダニュウム合金さえ採用していれば、最近何かと話題なも、超高性能MS?の仲間入りである。



さて、ここまで見ると
「MS全部ガンダニュウム合金で造ればいいじゃん」
と思ってしまうだろう。実際そう思う。


が、しかし。
そんな上手い話がないのが世の常……

一見パーペキに見えるこの合金が作中で普及していないのには理由がある。


◆ガンダニュウム合金が普及しない理由


理由その1:コストが高い

そのまんま。
この合金、『宇宙合金』というだけあり、宇宙空間でしか精製できない
これは精製、硬度強の過程で「重力の影響の無い高温プラズマ」「ナノ単位の分子調整を行えるラグランジュポイントのような恒常的に安定した重力」「入射角などを安定制御した太陽光の電磁波」といった宇宙空間でしか確保できない環境・要素が複数必要なため。
また、その精製作業自体にもそれなりの高性能設備が必要とされる。

素材となるGND原石自体も数が少なく高価だが、とにかくその精製にコストがかかる。


また、連合・OZは当初MSの生産を地球上にほぼ依存していた為、輸送にもコストがかかった。
まあ輸送コストの高騰は連合が行ったコロニー分離政策のせいなので若干自業自得だが……


その特殊性から量産によるコスト低減も見込めず、大きなデメリットと言える。



理由その2:技術がない

前述したように、ガンダニュウム合金製MSの限界性能は極めて高い。

だが、MSに求められる限界性能が高くなるという事は、それを実現するだけの技術力が必要にもなるという事である。

そもそも、ガンダニュウム合金という特殊な素材を扱い、その上で素材の能力を引き出したMSの開発など、戦闘用MSの原点であるトールギスを開発したチーム5爺's+1……ガンダム開発者にしかなし得ない事だった。
爺共が作った兵器には羽が再生したり、大破停止してるのにもかかわらず勝手に動出して遠くにいる搭乗者に未来を見せだすといったオカルト現象まで起こす始末。


事実、連合・OZは20年もの間、(実用性がないとはいえ)トールギスを上回る性能を持つ機体の開発が出来なかった。
トールギスは『決戦用MS』としては既に完成されていたのである。

それは開発者達の持つハード・ソフト両面における技術の賜物であり、それらが奇跡的とも言えるレベルで結合した結果だった。
トールギスとその思想を受け継いだガンダムは、『兵器』である以上に『芸術品』と言える程のものだった訳だ。

後に開発されたビルゴトーラスやトールギスなどの例外を除き、廉価性能のガンダニュウム合金技術でありながらリーオーなどの兵器の技術より数世代先にあるものであり、爺共が作ったガンダムはその更に遥か向こうにいるというものである




理由その3:需要がない

ここまで散々と「使えない理由」を語ったが、実の所普及しない最大の理由は
「必要ない」
からである。

ここまで強度の高い素材を必要とする機械などMSくらいである上、前述したようにあまりに高性能なMSの存在は持て余す。
量産型MSならばチタニュウム合金で十分な完成度を実現する事が可能であるし、そもそもそこまでして戦う敵がいない。

実際、コロニーからガンダムが現れるまでは軍縮の話が活発化していた程だった。




……上記のような理由で、この合金はその潜在能力を評価されながらも、一部の技術者が研究する程度の扱いであった。
恐らく、ガンダムというMSが登場しなければ、人々の口にも登る事がなかったであろう。
更に後年にはガンダニュウムには及ばないものの、高い強度を持ちながら安価で扱いやすいネオ・チタニュウム合金が開発され、そちらが新型量産機に採用されており、やはりガンダニュウム合金の扱い難さは変わることはなかったようである。


ちなみに『ガンダム』という名はガンダニュウム合金製MSに与えられる名称であるが、単に開発者達が最初に制作したガンダニュウム製MSの名前を『ガンダム』としただけで、通例ではない。

特にコロニー側の行動でガンダムの名が「反乱の象徴」となった後は、OZ及び背部組織であるロームフェラ財団は『ガンダム』の名称を認めておらず、後に制作されたガンダニュウム製MSにはガンダムの名を冠していない。

ガンダムの名を冠するのは角があって目が二つの機体に限られるのは多分偶然である。(外伝小説『右手に鎌を左手に君を』では異形の機体を「ガンダム」と認識して敵視するコロニー民にデュオが「(目が二つあればガンダムなのかよ!)」と憤るシーンがあるが)

尚、『フローズン・ティアドロップ』では技術改良により更なる硬度と軽量性を獲得した『MG合金』も登場する。



◆ガンダニュウム製の兵器

ウイングガンダムゼロ
最初の『ガンダム』。
ガンダニュウム合金の採用により、武装とプロペラントを除いたフレーム段階でその性能がトールギス二機分以上の性能を持つ。
しかしあまりに高すぎる性能、インターフェースであるゼロシステムの危険性から20年近くに渡り設計図が封印されていた。

ウイングガンダム
ガンダムデスサイズ
ガンダムヘビーアームズ
ガンダムサンドロック
シェンロンガンダム
ゼロの基本設計を継承しつつ、性能の抑制・局所化を施された結果として完成した5機のガンダム。
『オペレーション・メテオ』に使用された。

ガンダムエピオン
OZ総帥にして服を着たエレガント、トレーズ・クシュリナーダが5機のガンダムとゼロシステムのデータから製作した「敗者の為のガンダム」。
土台があったとはいえ、ゼロをも上回る性能の機体を造り上げたのは流石としか言えない。

ヴァイエイト/メリクリウス
OZに捕らわれた開発者達が新たに産み出した「ガンダムを超えるMS」。
実際にはガンダムをパワーアップさせる為の叩き台だったようである。

ビルゴシリーズ
ヴァイエイトとメリクリウスをベースに開発された無人MS、『モビルドール』。
初のガンダニュウム合金製量産機である。
使用されている材質は、量産の為にやや純度を落としたもの。

ガンダムジェミナス
資源衛星MO-Xにて開発されていた試作型MS。
換装による性能変化が特徴。

ガンダムグリープ
OZが開発していた可変型MSを流用し、オデル・バーネットが開発した機体。
ジェミナスを大きく上回る性能を持つ。

ハイドラガンダム
ガンダムに対抗する為、OZが開発していた『対ガンダム用ガンダム』。
パイロットのヴァルダーはこれでトレーズ閣下のエピオンと戦うつもりだったらしい。







追記・修正はガンダニュウム合金に魚雷で突っ込んで『つづく』となってからお願いします。



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最終更新:2024年02月05日 22:45