トゥアハー・デ・ダナン(フルメタル・パニック!)

登録日:2009/12/23(水) 02:55:52
更新日:2023/09/22 Fri 16:53:30
所要時間:約 7 分で読めます





ライトノベル作品『フルメタル・パニック!』に登場する架空の潜水艦。



TDD-1[トゥアハー・デ・ダナン]

艦種:強襲揚陸艦
全長:218m
全幅:44m(潜舵除く)
排水量:水上/30,800t、水中/44,000t
主機:PS方式パラジウム炉3基/電気駆動/二軸・210,000hp
最大速力:通常推進のみ使用時30kt、通常推進・EMFC使用時40kt、超電導推進・EMFC使用時65kt+
通常装備:533m魚雷発射管×6、多目的垂直ミサイル発射管×2、Mk48Mod6ADCAP魚雷、〈アド・ハープーン〉対艦ミサイル、〈トマホーク〉巡航ミサイル

設計者 テレサ・テスタロッサ、バニ・モラウタ

艦長 テレサ・テスタロッサ大佐
副長 リチャード・マデューカス中佐




極秘傭兵組織〈ミスリル〉の西太平洋戦隊に所属する艦。母艦であるため戦隊名も「トゥアハー・デ・ダナン」となっている。
普段は「ダナン」あるいは「デ・ダナン」と呼称され、フルネームはあまり使われない。

一応型式番号の「TDD-1」は「デ・ダナン級一番艦」の意味だが、ダナンクラスは本艦だけである。
TDNではない。念のため
名前の由来は〈Tuatha D Danann〉。
女神ダーナを母神とするダーナ神族からきている。



【性能】

はっきり言って凄まじい。
多数の戦闘ヘリや輸送ヘリ、VTOL攻撃機、アーム・スレイブを搭載可能という圧倒的なスペースを持つ巨体ながら、他の潜水艦のすぐ傍にいても察知されない静粛性と、魚雷を振り切るほどの速力を持つ。
つまり最新鋭機の大部隊を、誰にも察知されず世界中のどこへでも送り込める訳である。
まさしく『世界最強の潜水艦』の名にふさわしい艦である。

その圧倒的な性能ゆえミスリル内では練習相手がおらず、整備後の試運転などでは米海軍の潜水艦にちょっかいを出す形で行われる(このちょっかい出された潜水艦の艦長がテッサの父の元部下だったりする)。

米海軍はダナンを突如すぐ傍に現れ、かと思えば夢だったかのように居なくなる事から幽霊潜水艦として〈トイ・ボックス(オモチャ箱の意)〉のコードネームで呼んでいる。
ちなみに、艦の前半分には搭載戦力、武器弾薬、魚雷などが集まり、後ろ半分には発令所や居住区、動力室が集められている。つまり前が兵器機能であり後ろが船の機能である。
万が一の場合は前と後ろが隔壁によって完全に分けられる。

ちなみに最大速力の65ktは、実在の海上自衛隊の艦船のおよそ二倍の速力である。
時速に直すと実に120km。速いなんてもんじゃない。



【強襲揚陸潜水艦】

揚陸潜水艦というのは艦内に戦力を積み込んで移動し、密かに戦場へ送り込む潜水艦の事である。
戦略的意味は多少違うが、コンセプト自体は第二次大戦時に日本海軍の保有していた伊400型潜水空母に近い。
実現不可能という訳ではないが「水上艦より積める戦力が少ない」「戦力を積んだことによる重量増加に伴う機動力の低下」「それを補うための推力強化による静粛性の低下」「戦力を発艦させる時に船体が無防備になる」「ソナーに映り放題」「かなりの深度(100m〜)でないと海面から見える」等々の理由で現実では使いものにならない。
実際に作られたかどうかは詳しい人追記頼む。

この非常に特殊な艦種ゆえに、著名なものはこの〈ダナン〉くらいである。
試しに強襲揚陸潜水艦でイメージ検索してみるといい。かなりの数でダナンがヒットする(普通にググると強襲揚陸艦がヒットする)。

ダナンでは当然ながら架空の技術で上記の問題を全てクリアしているのだが、いくら架空とはいえここまで設定を考える作者ってどうよ?

ちなみに某有名架空戦記には8万t(!)の潜水空母もあったり、某大艦巨砲主義万歳ゲームでは一個艦隊を正面から全滅させる化け物潜水艦もあったりする。



【プロジェクト985】

ソ連海軍で建造中だった巨大潜水艦。
完成前に予算の関係で開発が中止になり北極海に破棄されたとされるが、実はそれをミスリルが横流ししてもらってダナンの素体に使っている。
実在するとかしないとか。




以下、ダナンを世界最強の潜水艦たらしめている技術。


【可変ピッチ・スクリュー】
形状記憶合金製で水流に合わせて形が変化するスクリュー。これによって水の抵抗を減らし、ひいては静粛性と速度向上につながっている。
潜舵も同様に変形し、静粛性と速度を高めている。
どういう原理だ。


【EMFC】
電磁流体制御装置。通称『スマートスキン(賢い肌)』。
フレミングの法則で艦表面を流れる水流をコントロールする機能。これで周囲の水流を滑らかにする事で航行音は軽減し、速力は向上している。
また一切推力を使わなくてもこの機能だけで航行出来る。ただし、全く音がしない(いつもほとんどしないけど)代わりに酷く遅い。


【超電導推進】
電気的に海水を取り込み後方から吹き出して推力を得る機能。EMFCと併用する事で従来の潜水艦とは比べ物にならない静粛性と速度を実現する。…実はこの技術、三次元では実際に使用されている。
クルーザーに試験搭載され、高い機動性、運動性、操作性が認められた。


【ダーナ】
M9と同じ対話型人工知能(AI)。ただしM9の物とは規模が違う。
名称は〈女神ダーナ〉から名付けられている。
非常に優秀で艦の制御の他、様々な場所にハッキングをかけたりも出来る。やろうと思えば艦長とダーナだけで艦をコントロールする事も可能ではあるが、その場合は超電導推進やEMFCが使えないため本領発揮は出来ない。

やはり全力を出すにはベテランの腕が必要なのである。

ただし、艦内の機密区画〈聖母礼拝堂(レディ・チャペル)〉でウィスパードがTAROSという装置を使えば艦と一体になって一人だけで全能力を発揮出来る。(ただし、飲まず食わず且つ無睡眠でやる破目になるが。)


【パラジウムリアクター】
M9にも搭載されている低温核融合炉。ダナンには大型の物が三基搭載されている。
高い静粛性と出力を持つが、通常の原子力潜水艦とは違い燃料切れがある。ただし理論上は満タンにすれば八ヶ月潜行出来る(隊員のストレスや食料を度外視した場合)。



その他にも海面に浮上した際に無防備になる船体を隠す特殊なECS不可視モード(通常型のECSは水に触れるとスパークを生じる)や、重さ10tのASをわずか二秒で500km/hまで加速させる70mのカタパルト、各種電子兵装等々。

これらの技術により、ダナンは馬鹿げた大きさと重量ながら圧倒的な静粛性と速度、ステルス性を持っているのである。
普通の潜水艦では……というか潜水艦以外の何者でも捕捉はまず不可能で(捨て身なら可能だろうが対応前に沈められると思われる)、その気になれば誰にも気付かれないまま世界中のあらゆる場所にミサイルを撃ち込める。
つまりやり方次第では世界を滅ぼせる。

なにこれこわい。


ちなみに、デ・ダナンの活躍は原作の長編六巻「躍るベリー・メリー・クリスマス」の海中戦と、アニメ版第三期「フルメタル・パニック! TSR」の第一話が見所である。





スパロボシリーズにおいて】

『フルメタル・パニック!』が参戦したスーパーロボット大戦J、及びWに登場。
さすがに他の戦艦と違い移動範囲がだけなので、たまに援軍で現れた時に使えるだけである。残念。
ちなみにフルメタの挿絵担当の四季童子さんが描いた4コマではスパロボネタ等で飛べない云々言ってるとテッサが笑顔で「飛べますよ?」と言ってたりする。

修理補給を持つので少し便利だが、前線が陸上に移ると放置される。
あしゅら男爵の海底要塞ブードとの潜水艦対決は見物。

武装はハープーンとトマホークでどちらも射程がクソ長い(J及びWでは最大15。ここまで長いのは、他で言うとZシリーズのアクエリオンの無限拳ぐらい)。何気にスパロボで現実世界の兵器が登場したのは本艦が初めてである。
改造不可なので大ダメージは見込めない。しかし、並のASやMSや機械獣程度ならぶっ飛ばせるので、Jでは頑張ればテッサをダブルエースにできる。
修理装置と補給装置もついているが、地上に上がれないため使う機会は少ないだろう。
パイロットはテッサ、マデューカス、カリーニンの三人。祝福や応援を持っているので使ってやろう。


第3次Z時獄篇ではついに終盤で正式加入。なんとオムニ・スフィアの力で単独で宇宙に上がれるようになるというどこぞのヤマトもビックリな方法で宇宙戦艦に変化した。かがくのちからってすげー!
射程オバケっぷりも相変わらずで、ハープーンが射程10でトマホークが射程13(以前より短くなってるじゃん?と思うだろうが、EVOLの無限拳と同射程な上に、射程2から撃てるようになった)、
そして地味に魚雷が適応に難があるもののP武器射程7というとんでもない事に。ただし射程1に入られると文字通り手も足も出ない。
ただし、修理・補給装置はなくなった。
また、天獄篇では早期に参入するようになったものの、宇宙では射程が短くなってしまうので弱体化している。

ちなみに作者の賀東氏公認…というか、「全力でOKを出した」「細けぇ事はいいんだよ!」「どこまでも行こうよ!宇宙の果てまでも!」とノリノリだった模様。
寺田Pと賀東氏はJの時点で飛ばすつもりだったが、開発スタッフがあくまでも潜水艦としてのダナンに拘ったため、見送られたそうな。

Vでも第3次Z同様、宇宙での運用が可能。(フルメタが属している、宇宙世紀の)世界では至る所で戦いが起きているため、当初から宇宙での運用も可能なように設計されており、ネルガルが少し整備しただけで宇宙に打ち上げられるようになった。
ただ、宇宙でも航行出来る潜水艦ということで、宇宙と海中を行き来するのにはマスドライバーのような物で打ち上げる必要があり、また他の戦艦のように空を飛べる訳ではないので、地球上ではマップ以外では使用不可。
ただし、地球ではない火星や惑星フェルディナ、ガミラス本星では出撃できたりする。重力が弱い火星やフェルディナについてはともかく、地球と同等と思われるガミラスでなぜ普通に飛んでいるのかは謎。

ソーシャルゲームのX-Ωでも、自軍戦艦として運用可能。
本作では、いつものスパロボとはシステムが異なるため、とうとう地上マップでも普通に出撃可能になった。(ダナン以外にも『マジンガーZ』の敵である海底要塞サルードも普通に地上に出てきている)
ノーマルモードでは自軍の移動速度やクリティカル率を強化するため、進撃イベント等の早く敵を殲滅することが求められる時は頼りになる。
VSバトルモードでは貴重な命中・回避率・行動力を強化する効果を持ち、回避型の陣形を組むときによく使われた。


テッサ「ダナンの項目の追記と修正を」

wiki籠り「アイアイマム。ダナンの項目を追記、修正します」

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最終更新:2023年09月22日 16:53