ロックマンゼクス

登録日:2011/05/29(日) 03:33:27
更新日:2023/09/26 Tue 00:47:23
所要時間:約 4 分で読めます




2006年に発売された、ニンテンドーDS用の横スクロールアクションゲーム。




企画・制作
インティ・クリエイツ
監修・発売元
カプコン

本家、X、DASH、エグゼ、ゼロに次ぐロックマンの6シリーズ目であり、『ゼクス』シリーズ第一作。
タイトルは6を表すドイツ語sechsと主人公ロックマン・モデルZXとのダブルミーニングとなっている。

ロックマンシリーズ初、女性ロックマンが主人公で選べる作品。女主人公自体もトロンにコブン以来。

本シリーズは『変身』が特徴で、プレイヤーは複数の姿になれる。
プレイ画面でXボタンを押すと、その場で実行する。このため没入感を削がずに次々と姿を切り替えて攻略に臨める。一応、メニュー画面からも変身は可能。
かわりに特殊武器やラーニングはない。

本作では拠点を除く全てのエリアが地続きとなっていて、さらに各エリアの名前もΑやCなどの英字で表されているため目的地が分かりにくく非常に迷いやすい。
初ミッションで行ったことのないエリアへ向かう途中、着くまでにくたびれてしまったりはよくあること。

ロックマンゼロシリーズまでと比べて、ボイスが豊富。
イベントシーンや通信は基本声付き。
また、随所に高クオリティのアニメシーンが挿入されているなど、当時の携帯ゲームとしては豪華な仕様。

2007年には続編の『ゼクス アドベント』が発売された。

2020年にゼロシリーズ4作と、ゼクスシリーズ2作をカップリング収録した『ロックマンゼロ&ゼクス ダブルヒーローコレクション』が発売された。
対応ハードはNintendo Switch、PlayStation4、Xbox One、PC(Steam)。

定価は3,990円。
ロックマンシリーズのDL版は、セールの常連なので気になる方は是非狙ってみよう。

シナリオだけ見たい人向けの「カジュアルシナリオモード」、中間セーブポイントを複数設置する「アシストセーブ機能」が搭載されていて、オリジナルより遊びやすくなっている。
ボイスの音質と、画面の滑らかさを美麗にする機能もあり、オリジナル版との選択制。

新モードとして、オンラインで他プレイヤーとのクリアタイムを競う「Zチェイサーモード」のほか、設定資料やBGMの視聴ができる「ギャラリー」「ミュージックプレイヤー」などのファン向け機能も充実している。

無料のDLCで劇中BGMを切り替えられる。


■用語
○ライブメタル
かつて存在した英雄たちの力が宿った、手のひら大の変身アイテム。通称漬け物石。
ロックオン(変身)する事でロックマンになれる。

○ロックシステム

Rebirth
Of
Crystallized
Knowledge
SYSTEM

結晶化された知識の再生機構。
ライブメタルに秘められた力であり、ライブメタルに選ばれた者はこのシステムによってロックマンへの変身が可能になる。
ちなみにアメリカでのロックマンシリーズは『メガマン』というタイトルなので、このROCKシステムも「MEGAシステム」に名前が変更されている。

○ロックマン
ライブメタルに選ばれた適合者だけがなれる存在。
Xシリーズやゼロシリーズのような「伝説の存在」ではなく「新たな存在」的な意味合い。
ライブメタルを構えて『ロックオン』することでアーマーが装着されて強大な力を得る。
つまり本シリーズには複数人のロックマンが登場し、主人公はモデルXを主軸として合計6+1の形態に変身が可能。

○セルパン・カンパニー
巨大なエネルギー供給企業。
イレギュラーにも対抗できる警備メカニロイドを所持しており街を護っている。



■ストーリー
ロックマンゼロの時代から数百年後の更なる未来。
国はセルパン・カンパニーの管理する安全な市街地『インナー』とイレギュラーののさばる危険地帯『アウター』に区分されていた。
運び屋の先輩ジルウェと共に荷物運搬の仕事に出た主人公は、アウターでイレギュラーに襲われてしまう。
窮地に陥ったその時、積み荷の中身『ライブメタル・モデルX』に選ばれた主人公はロックマン・モデルXへと変身。ライブメタルとロックマンを巻き込んだ長い戦いに身を投じていくことになる。



■登場人物

エール/ヴァン(CV.どちらも小林沙苗)
主人公の人間。10年前、遊園地でイレギュラーの襲撃を受けた際に母親を失う。
ジルウェと一緒に運び屋として生活していたがライブメタル・モデルXの適合者として戦うことになる。
女主人公のエールと男主人公のヴァンから選択でき、途中で選び直すことはできない。
細かい能力に差があり、ストーリーもエール編は事の黒幕について、ヴァン編はガーディアン前司令官についての言及がそれぞれ多め。
街の人に話しかける時は変身を解いた状態でないと警戒される。ただし一部の人は例外で、アイテムをくれたりする。
この設定が面倒だったためか、次回作ではロックオン中でも普通に会話できるようになり、トランスオン状態の時は自動的に解除してから話しかけるようになった。
「お前が全てを支配するロックマンだと言うのなら…オレ(私)は…全てを守るロックマンになってみせる!」

モデルXを別のライブメタルと合体させる「ダブルロックオン」が出来る。
これはモデルXの能力によるものとする説があるが、公式で明言されていないので注意。

変身のほかに、O.I.S(オーバードライブ・インヴォーク・システム)という能力が使える。
発動中は攻撃に属性がついたり、攻撃力が2倍になったりする。
専用のゲージがあり、秒間2目盛を消費する。
また、このゲージはXとZX以外は、チャージ攻撃時にも消費する。

ちなみに各種ライブメタルにはエックスやゼロの人格があり、声優も同じ。

◆各種形態
  • ヒューマン(Hu)
変身をしていない姿。
攻撃、ダッシュ、壁蹴りができない。

唯一しゃがみ移動が可能。例外もあるが、一般人と話せるのも基本この形態のみなので、敢えて変身を解く場面が何度もある。

また、メカニロイドに攻撃されない……といっても、変身して無視するなり倒すなりした方が圧倒的に速いので、活用しない人も多い。

  • モデルX
基本形態。
ライブメタル時の人格はエックスで、声優は水島大宙
使用できるのはOPから少しの間までだが……?

武器はメインウェポンのバスターのみで、サブウェポンを持たない。
しかし、チャージショットを二連射する「ダブルチャージ」が超強力。

O.I.Sは無し。

  • モデルZX
ストーリーが進むと、これが基本形態になる。
ライブメタル・モデルZ時の人格はゼロで、声優は風間勇刀。

メインはゼットセイバーで、サブはバスター。

攻撃の自由度が高く、遠距離と近距離の両面で活躍する。
セイバーは立ち攻撃が三段(いわゆるヒッフッハ)、ジャンプ中に↑+セイバーで回転斬り。

O.I.Sは無し。

XとZXは他のライブメタルより適応率が高いという設定で、ゲージを消費せずにチャージ攻撃が出来る。

  • モデルHX
ライブメタル時の人格は賢将ハルピュイアで、声優は緒方恵美

武器はダブルセイバー。
メインで弱攻撃、サブで強攻撃を出す。
O.I.S発動時は雷属性を付与し、炎を消せる。

変身中はボスの弱点部位をサーチする「エネミーアナライジング」を下画面に表示する。

移動の自由度が高く、ジャンプ中にもダッシュ可能。
左右のエアダッシュと、上方向のヴァリアブルエアダッシュで探索に持ってこいの性能。ボス戦でも回避に使える。
また、ジャンプ中に再度ジャンプで、ホバーを吹かして滑空する。

攻撃は一段のみ。
強攻撃の範囲が広く、頭上や背中側の相手も斬れる。

チャージショットで雷属性の追尾弾や、超強力なプラズマサイクロンを発動する。
後者は壊れレベルの破壊力だが、確実に弱点を攻撃してしまう。
本作は「ボスの弱点部位を攻撃するほど、ボスのライブメタルが破損し、それだけ修復に費用がかかってしまう」という困った仕様があるのだ。

  • モデルLX
ライブメタル時の人格は妖将レヴィアタンで、声優は今井由香。

武器はハルバード。メインのみ。
O.I.S発動時は氷属性を付与し、敵を凍らせる。

変身中は簡易マップと、アイテムを探してくれる「アイテムサーチング」を下画面に表示する。

水中特化の形態。
水中で動きが遅くならず、泳ぎや8方向ダッシュが出来る。
水中ダッシュは発動回数が無制限。
また、水中ではハルバードを振り回して、全方向に攻撃出来る。

攻撃は一段のみだが、立ち状態のものは最大2ヒットする。
隙が大きめで、連打ができない。ボス相手にはジャンプ斬り→立ち斬りが基本。
攻撃範囲はそこまで広くなく、HXの強攻撃と同程度。
歩き攻撃はない。

チャージショットで水に浮く足場や、敵を追尾する氷龍を繰り出す。
サブを持たないため、チャージ中は通常攻撃が出来ない。

  • モデルFX
ライブメタル時の人格は闘将ファーブニルで、声優は中井和哉

武器はナックルバスター。
両腕に装備していて、メインとサブで撃ち分ける。
O.I.S中は炎属性を付与し、氷ブロックやイバラを燃やせる。

メニュー画面でセレクトボタンを押すと、左右のバスターの弾道を変更する「バスターエディット」が出来る。
エディット内容を下画面に表示する。

バスターは一発ごとの威力が高く、連射すれば中ボスに大ダメージを与えられる。
使用時は足が止まる。上方向にも攻撃可能。

チャージでパンチ攻撃のメガトンクラッシュ。敵を吹き飛ばしたり、特定のブロックを破壊したり出来る。
また、地面を殴って火柱を噴き出すグラウンドブレイクも使える。

  • モデルPX
ライブメタル時の人格は隠将ファントムで、声優は稲田徹

武器はクナイ。メインのみ。
O.I.S発動中は攻撃力が2倍になり、ダッシュがほとんどの攻撃を無効化するシャドウダッシュに変化する。また、後述のバリアが強化される。

変身中はLXよりも狭い範囲のマップと、敵の位置をサーチする「サーチスコープ」を下画面に表示する。
普段は上画面を見た方が早いが、視界の制限される暗所で役に立つ。

ジャンプ中に↑で、天井や足場に捕まれる。
また、暗いマップでもある程度視界を確保できる。

クナイは威力が最低クラスだが、ボタン押しっぱなしで最大4連射。
ジャンプ中は前方斜め下への範囲攻撃になる。

チャージで多段ヒットの手裏剣を投げる。この手裏剣は短距離を進むと、プレイヤーの元へ帰ってくる。
バリアを貼ることも可能で、攻撃を防ぐか体当たりで消える。
LXと同じ理屈で、チャージ中は通常攻撃が出来ない。

攻撃の威力が低く、範囲も狭いため、特に上空の敵には苦労させられる。

  • モデルOX
後述の隠しボスを撃破し、ラボに戻ると解禁される隠し形態。

モデルZXと同じアクションに加えて必殺技が使える。
基本的にZXのアッパー版だが、一部性能が劣る技もあるため、完全上位互換ではない。

ジルウェ(CV.風間勇刀)
ライブメタル・モデルZの適合者で運び屋ジルウェ・エクスプレスの経営者。
主人公の先輩で命の恩人。ガーディアンの一員でもある。
フラグ持ちのモデルZのおかげで期待通りの運命を辿る。
「はいはい!依頼とあらば、どんなものでも、どこにでも! こちら「運び屋」ジルウェ・エクスプレスでございます! 」

○プレリー(CV.広橋涼)
イレギュラー発生の原因を探る組織『ガーディアン』の司令官。
行方不明となった前司令官に代わり主人公をサポートする、『ロックマンゼロ』におけるシエル的立ち位置。
数百年前のイレギュラー戦争時代に生まれたレプリロイドであり、前司令官を「おねえちゃん」と呼ぶ。
まさかアルエットなのか…?
「ライブメタルの力と、あなたの力を…あなたの勇気を信じるわ」

セルパン(CV.梁田清之)
セルパン・カンパニー社長にして街を護る英雄レプリロイド。だが彼の真の目的は…

○死神プロメテ&魔女パンドラ(CV.岸尾だいすけ伊藤静)
セルパンとつるむ謎多き男女のレプリロイド。
プロメテはロックマン・モデルZXの名付け親でもある。

○フォルスロイド
本作の8ボス。
各フォルスロイドを倒すことで他のライブメタルを入手・強化できる。
詳細は本項目タグの「フォルスロイド」から各自で。




【おまけ要素】
隠しボス
ロックマンゼロ3ロックマンゼロ4とダブルスロットインすると、あるエリアの閉ざされていた部屋に入れるようになり、その奥にいるゼロシリーズの各ボスと戦える。
戦えるボスはバイル八審官アインヘルヤル八闘士から4体ずつ。

さらに、トゲに守られた奥の部屋にはあの自称メシアの姿も。




【その他】
おぎのしんがファミ通コミックにて漫画版を執筆し、単行本も発売された。
『ゼクス アドベント』も担当したが、こちらは未単行本化。
書籍「R20」にもお祝いイラストを寄稿している。
ワンフェス2012で開かれた「HOBBY☆ROCK -ホビロック-」ではプレリーのガレージキットも販売され、おぎのしんの作画担当である木の子(佐々木心)氏がイラストを手掛けた。
ゼクスに関しては2020年に、復刊ドットコムによって新装版が販売されている。


追記・修正はゼクスシリーズの続編を待つ人にお願いします。

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最終更新:2023年09月26日 00:47