ブリュンヒルト

登録日:2012/06/14(木) 22:26:13
更新日:2022/02/22 Tue 19:23:15
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ブリュンヒルト様とは北欧の叙事詩「ニーベルンゲンの歌」に登場する萌えキャラである。異論は認めない。
ニーベルンゲンの歌は様々な神話や伝承を集合して成り立っており、形態によって人物もかなり違う。本項は「ニーベルンゲンの歌」とワーグナーの戯曲「ニーベルングの指輪」について解説(?)する。


・人物名は物語や言語によってバラバラだが本項はややこしくならないよう全ての人物名を統一しています。

・本項目は多少曲解が含まれています。そう言うのが嫌いな方は本家Wikiへどうぞ


ニーベルンゲンの歌

こちらのブリュンヒルト様は人間。イースランド(アイスランド)の女王である。

竜を倒して不死身の肉体を手に入れ、ニーベルンゲン族を打倒してその財宝を手にした英雄ジークフリートはブルグントの王、グンターの妹クリームヒルトに結婚を申し込む。そこでグンターは交換条件としてブリュンヒルト様と結婚する為に仲を取り持つよう要求する。

このブリュンヒルト様、素晴らしい美貌の持ち主であったのだが、同時に恐ろしいまでの豪傑であり、家臣が3人がかりでようやく運べるような重い槍や盾を軽々と振り回す怪力の持ち主であった。
そんなブリュンヒルト様が情けない男の妻になることなどありえず、自身の求婚者に対して「槍投げ」「石投げ」「幅跳び」の3競技で勝負し、自分に勝てれば結婚するが、負けた求婚者は殺してしまうという恐ろしい条件を出していたのだ。
過去にブリュンヒルト様に求婚する男は何人もいたが、誰一人として彼女には敵わずみな殺されていたのである。



「ジクえもんジクえもん。ブリュンヒルト様って言う超絶美女と結婚したいんだけど自分より強い男としか結婚しないって言うんだ」

「しょうがないなグン太君は。ボクに任せて。」


「透明マント〜〜〜!」


「これで姿を消して手伝ってあげるよ。」


という事で見事グンターはブリュンヒルト様に勝利し結婚する事になった。釈然としないながらも約束を守るブリュンヒルト様。実に義理堅い。


しかし初夜の晩、やっぱり勝負の内容に納得していなかったのか、ブリュンヒルト様は獣の様に猛るグンターを縛り上げてお預けプレイにしてしまった。
流石ブリュンヒルト様。ドSである。



「ジクえも〜ん!あいつ嫁のクセに旦那にお預けプレイにするよ〜!何とかしてよジクえもん」

「しょうがないなグン太君は。ボクに任せて。」

「変身マント〜!!」

「これでグン太君に化けてどっちが主かわからせてあげるよ。」

そして次の夜もグンターをお預けプレイにしようとしたブリュンヒルト様。
しかし相手はヘタレグンターではなく、12人分の力を得ることのできるマントを装備した英雄ジークフリート。
ジークフリートも死を覚悟するほどの大激闘の末、ついにブリュンヒルトは負けを認める。

そこでジークフリートもグンターと交代し、ブリュンヒルトはグンターに調教されその雄々しさにメロメロになってしまう。
正に即堕ち。ブリュンヒルト様はドSと見せかけたドMだったのだ。断っておくがこれはエロゲではない。

おまけにこの時の性交で処女を失うと同時に、怪力無双の戦闘力を失ってしまう。
もう一度断っておくが、これはエロゲではない。


10数年後、ブリュンヒルト様は義妹のクリームヒルトと「どっちの旦那がより素晴らしいか」という下らない理由で言い争いになってしまう。



「ジークフリートこそ至高。なんたって竜殺しだし。」


「何を言う。グンターこそ究極。なんたって私に勝ったし私をレイプしたし。」


「それ全部ジークフリートがやった事だしwwwww情弱乙wwwww」



天真爛漫と言えば聞こえは良いが空気を読まず口の軽いDQN女のクリームヒルト。言ってはならない事を口走ってしまう(しかも事実をネジ曲げて)。コレにはブリュンヒルト様も大いに怒・・・


らなかった。何と屈辱のあまり自室に逃げ帰り泣き寝入りしてしまう。ブリュンヒルト様は攻められると弱かったのだ。



その後忠臣ハーゲンがブリュンヒルト様の名誉を灌ぐ為(&ジークフリートの財宝パクるため)口の軽いクリームヒルトからジークフリートの弱点を聞き出してジークフリートを暗殺、クリームヒルトの凄惨で悲劇的な復讐劇が始まるのだがそんなモノはどうでもいい。何せブリュンヒルト様、その後ほとんど出てこない
せいぜいジークフリートが暗殺された時に「ザマァwww」とクリームヒルトを煽ったのと、フン族の地にグンターが旅立つ前にイチャコラしていただけである。
ぶっちゃけ「ニーベルンゲンの歌」においてブリュンヒルトはヒロイン降格をくらった脇役。舞台進行の道具でしかなかったのだった。哀れ。







ニーベルングの指輪


こちらは堂々メインヒロインに昇格。大神オーディンの娘で戦乙女逹「ワルキューレ」の長姉、ジークフリートの両親、ジークムントとジークリンデ(実は二人は双子の兄妹であり近親相姦だったりする)とは異母兄弟に当る。ワーグナーのブリュンヒルト様萌えは半端ではない。ニーベルングの指輪は余りに長い上にブリュンヒルト様は全編に登場するので少々割愛する



オーディンの不義の子であるジークムントは死を命じられるが弟を哀れに思い、逃がしてしまったブリュンヒルト様。
ジークムントの子にジークフリートと名付けるが、大神オーディンを怒らせたブリュンヒルト様は岩山に連れていかれ神格を奪われ、目を開けた時初めて見た男を生涯愛する呪いをかけられてしまう。(何処かで聞いた話だと思った人、それは多分正解である。北斗の拳でカイオウがリンに使った破孔死還白はこれがモトネタである)
泣いて許しを乞う愛娘を哀れに思ったオーディンは岩山を「恐れを知らぬ英雄でなければ越えられない炎」で覆う事を約束。ブリュンヒルト様は安心して眠りにつく。

時が過ぎ去り成長したジークフリートは岩山に眠るブリュンヒルト様の噂を聞き、試練を乗り越えブリュンヒルト様の元にたどり着いた。そして二人は永遠の愛を誓ったのであった・・・














ここで終わらないのがワーグナー。ハーゲン(指輪のハーゲンはグンターの部下で策士気取りの小悪党)はブリュンヒルト様が持つニーベルングの指輪(世界を統べる力がある)を狙いジークフリートにクリームヒルトをあてがいブリュンヒルト様とグンターを結婚させるNTR計画を目論む。了承するグンターとクリームヒルト。


首尾よくジークフリートに忘れ薬を飲ませ、ブリュンヒルト様を忘れたジークフリートとクリームヒルトを婚約させる事に成功。
ジークフリートの協力で岩山のブリュンヒルト様を拉致する事にする。



「ジクえもん。この炎はボクには越えられないよ〜」

「しょうがないなグン太君は。ボクに任せて。」

「変身マント〜!」

「これでグン太君に化けてブリュンヒルト様を連れてきてあげるよ」


突然現れたグンターに指輪を奪われ拉致されるブリュンヒルト様。泣き叫んで抵抗するもジークフリートには敵わない。哀れ拉致監禁されてしまう。



身の不幸を嘆き啜り泣くブリュンヒルト様が見たものは自分を捨て別の女と婚約し、あまつさえ自分をグンターに売ったジークフリートの姿だった。
コレには流石のブリュンヒルト様も大いに怒・・・ったが大声でグンターやジークフリートを罵倒するしか出来ないブリュンヒルト様。しかもジークフリートには何の事かわからないので伝わらない。哀れ。
(それにしてもこの戦乙女、泣かされてばかりである)
その後指輪を狙うハーゲンは復讐を誓うブリュンヒルト様に近寄りジークフリートの弱点を聞き出す。


ジークフリートを不死身にしたブリュンヒルト様だが決して敵に背を向けない男と信じ、背中は不死身にしなかった。これを知ったハーゲンはジークフリートを殺害。指輪を争いハーゲンはグンターをも殺害するが遺体からどうしても指輪が取れない。

ここで満を持してブリュンヒルト様登場。妹逹から全てを聞かされたブリュンヒルト様はジークフリートを丁重に火葬する事を命じる。詰め寄るクリームヒルトを一喝するとクリームヒルトは気圧され引き下がる。凛々しい。そして愛する男と時を同じくしてラグナロクによって燃えるヴァルハラの炎を見つめるのであった・・・







あ、どうでもいいがついでにハーゲンは指輪を奪おうとしてワルキューレに殺されました。





長々と解説したが言いたいことは要するにブリュンヒルト様がとんでもない萌えキャラだという事だけである。
戦乙女、女神、女王、ツンデレ、純愛、不幸属性、ドS、実はドM、寝取られ、泣き虫、でもやっぱり凛々しい、これだけの萌え属性を装備した御方などそうは居ない。萌えは現代日本人だけのモノではないのだ。
また、田中芳樹原作のスペースオペラ小説銀河英雄伝説においては、ラインハルト・フォン・ローエングラムの愛した座乗艦として登場している。至尊の冠を戴く英雄が終生乗り続けた事から、彼女は戦艦となってもまた愛でられている事が判明した。


追記、修正はブリュンヒルト様を泣かせてからお願いします

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最終更新:2022年02月22日 19:23