令呪

登録日:2012/04/09(月) 10:20:22
更新日:2024/03/03 Sun 02:02:09
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令呪を以て命ずる

Fateシリーズ、聖杯戦争のシステムの一つ。

マスターの手か腕に現れる、刺青の様な黒い(絵では赤い)紋様。意匠は人によってまちまちだが、3つの図形で構成されている点は共通する。
まあ例外だらけのTYPE-MOON作品らしく、上記の定義に当て嵌まらない例も山程ある。

間桐臓硯が第一次聖杯戦争の反省から発明した。
劇場版『Fate/stay night [Heaven's Feel]』では第一次聖杯戦争の前から令呪という単語はあったので、
以下の様な効果を持たせたのが第二次から、ということなのかもしれない。同作では年代とかおかしな点は他にもあったので、単なるミスの可能性もあるが

効果

マスターがサーヴァントを従わせることのできる絶対命令権。
これを消費して命令すると、サーヴァントに魔術的な強制力をかけて命令に従わせることができる。1回につき1画消費し、通常3回まで使える。
使い魔として扱うには強力すぎるサーヴァントだが、これがある為にマスターに反逆することはできない。自害を命じることでそれを防ぐことができるのである。
??「自害しろ、ランサー」

逆に言えば、良好な関係を築けていないマスターは反逆に備えて最低1画は令呪を保持する必要がある。

また、令呪はサーヴァントの命令強制だけでなく、行動支援にも使うことができる。ステータスの強化、離れた場所からの瞬間移動等も可能になる。
その為令呪の使用が戦局を左右する場合も多い。


絶対とはいうものの、実際には効き難い例も多い。型月ではいつものこと

まず一つ目は、命令の内容に由来するケース。
令呪は単純もしくは瞬間的な命令ならば強力だが、曖昧だったり長期間に及ぶ命令の場合、効力が落ちる。
例えば恒久的な絶対服従を命じたとしても、せいぜい命令に反する行動をする時にステータスのランクが少し落ちる程度である。
サーヴァントにできないことは令呪を以てしても不可能。
治癒能力を持たない者が重傷を負ったとして、動けと命じられても、一時的に止血して無理に動くのがせいぜいである。

二つ目は、サーヴァントの持つスキルによっては抵抗されるケース。
対魔力Aや狂化EXともなると、サーヴァントの意向次第では一画までは抵抗出来る。
但し対魔力Aは一画だけでも全力で抵抗せねばならず、一日経てば屈することになる。二画目を重ねられれば一巻の終わりである。
狂化EXについては、そもそも意志疎通が完全に不可能で、当人が聞く気が無いか命令の主旨を理解できていないという理由。
こうした制御不能状態にあるため、そのサーヴァントにとって有利な命令ですら受け付けない。
尚、狂化スキルが低ければここまでの問題は起こらない。
例えば、狂化Cの四次バーサーカーの場合は、絶対に受け入れたがらないであろう「アイリ拉致の間はセイバーを無視しろ」という命令を一画で聞かせられた。


三つ目は、令呪を使う側の魔術的力量によって効き目が左右されるケース。
上で例に出た「絶対服従」という曖昧かつ長期的な命令が曲がりなりにも行動阻害という効果を発揮したのは、使い手の遠坂凛が魔術師として高い才能を持っていたからである。

そして四つ目は、その英霊が高い神性を有する出自等の恩恵を受けて、呪いや契約に関連した耐性が高いケース。
元来霊格の高い存在との契約は困難とされており、上級霊に相当するサーヴァントに対してはその傾向が顕著に現れるため、契約の一種である令呪が全く効かない場合もある。
例えば、本シリーズにおける代表的キャラクターの狂化ヘラクレスなどが当て嵌まる。
イリヤスフィール・フォン・アインツベルンは、全身の魔術回路を令呪にすることで、そうしたサーヴァントにも効く様にしている。いつもの不正行為

三つ目と四ツ目の条件が重なったカルナに至っては、「ジナコのように未熟なマスターが令呪で命じても、自分に対しては石に躓く程度の効力しか無く無意味だ」と語っている。


令呪の移動

令呪はマスターの合意さえあれば譲渡も可能。
強奪は、令呪がマスターの魔術回路に根付いていることから難しく、腕ごと切り落とすか、更に高度な魔術行使が必要になる。
第五次聖杯戦争で猛威を振るう破戒すべき全ての符さん、マジパネェっす。
魔術回路に根付いてはいるが独立した魔術でもある為、魔術回路が駄目になった場合でも行使に支障は出ない。

マスターやサーヴァントが死亡する等で契約が解除されると、令呪は大聖杯に回収され、場合によっては再分配される。
マスターを失くしたサーヴァントは魔力が尽きると消滅するが、その前に他のマスターと再契約すれば現界し続けられる。
そしてサーヴァントを失くしたマスターも、改めて令呪が付与されることがある。
敗者復活の可能性が大いにある為、一度マスターになってしまった後は、サーヴァントを失くした後も、他のマスターから狙われることになる。

聖杯戦争が終わった後も契約したサーヴァントが健在なら、令呪は残り、使うこともできる。

派生作品での扱い

Fate/Apocrypha』では令呪の色が赤に変更されている。
主人公ジークは黒い令呪、「竜告令呪(デッドカウント・シェイプシフター)」を所有。
サーヴァントとの契約だけでなく、1画につき3分間だけ自身の身を英霊ジークフリートのそれへと変身させるという前代未聞の用途を持つ。
ルーラーはクラスの特権で背中に28画の令呪を抱え、マスター1人当たり最大2画転写できる。

Fate/EXTRA』の月の聖杯戦争では、現れる場所に制限が無くなったのか、腹に令呪が刻まれてしまったモブマスターが登場する。
使いきると契約が切れて敗北扱いになってしまう為に実質2回までしか使えない。
ただし、ルール上違法な映写機越しとはいえ他人の決戦場に跳んだり、戦闘中に使えばHPMP全回復+相手のコマンド全開示と、効果は折り紙付きである。
ゲームとしては使用できるタイミングは固定されており、実際に3つ全てを使いきることはできない。

ちなみに『Fate/EXTRA CCC』においてギルガメッシュ王の財宝に所蔵されていることが明らかになり、
主人公が彼のデタラメ具合を改めて認識することになった。

Fate/Grand Order』の主人公は男か女かで微妙にデザインが違う。*1
他の作品と違い絶対的な命令権としては使えず、土下座してのお願い程度の効果しかない。
そのためストーリーでは宝具の全力解放など純粋な魔力リソースとしての使用や、はぐれサーヴァントとの仮契約などがメイン。
また、魔力ブーストとしての効果のためかゲーム上はサーヴァントでない味方キャラにも効果がある。
ゲーム上は「1体のサーヴァントのNPを100チャージする(1画)」、「1体のサーヴァントのHPを100%回復させる」「戦闘不能になったときにコンティニューできる(3画)」が使用可能。
また、毎時0時に1画が回復する。*2戦闘中でも0時になれば回復するので、日付をまたいで戦闘することで1戦に4画使うという裏技も可能。
また第二部に登場するクリプターは「大令呪(シリウスライト)」と言う特殊な令呪を持っている。
マンガで分かる!Fate/Grand Order』ではぐだ男がダ・ヴィンチちゃん相手に令呪を(2画も)使って生えさせようとしていた。
それは、令呪を使うほど、大切なことだったのです。

Fate/Requiem』では、人類が唯一人を除いてみなマスターとなった世界が舞台である為、令呪の仕様も変わっており、
サーヴァントだけではなくマスター自身へも様々な作用を可能とする他、
どんな用法でも一画ずつ消費する回数制から使用魔力量に応じて消費されるゲージ制になった。
このゲージ制令呪はマスターたちが心臓に聖杯を有しているため時間経過でチャージが可能。
旧来の回数制令呪を持っているのは人類がみなマスターになる前「戦前」のマスターだけである。




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最終更新:2024年03月03日 02:02

*1 下部と側面を覆う盾のような一画は共通で、図柄中央の二画がアレンジされている。

*2 設定上はカルデアの魔力リソースを使って復元しているらしい。