ノラガミ

登録日:2013/12/18 Wed 13:34:21
更新日:2024/02/24 Sat 18:44:35
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『ノラガミ』は月刊少年マガジンにて連載していた漫画作品。
コミックスは全27巻。番外編の拾遺集も壱巻迄。
作者はアライブ最終進化的少年の作画担当あだちとか。同氏単独では初の連載作品である。
『進化するアートワーク』と謳われた作画の美麗さはこの作品でも健在。ついでに単行本のオマケも健在。
別冊に掲載されるサイドエピソードも豊富で、『ノラガミ拾遺集』として単行本刊行中。
一方の本編については、先導してくれる原作のついていた前作の頃との勝手の違いに苦悩してもいるようだ。

2014年1月から3月にテレビアニメが放映された。制作はボンズ。
映像化されたのは内容は原作における3巻までの雪音のエピソード(若干の改変あり)と、アニメオリジナルストーリー。
原作者が関わっていたことなどもあって原作のイメージを崩すことを極力避けており、出来はなかなかのもの。
2015年10月から第二期『ARAGOTO』を放送。こちらは4巻以降の毘沙門天編を取り扱う。

前作の映像化企画の際、原作者河島正氏の訃報で頓挫してしまった経緯があるため、ボンズ的には弔い合戦の意味もある……と言うのは流石に無理があるだろうか……

【ストーリー】

八百万の神が人知れず活動する日本の町。
中学生の壱岐ひよりは、ひょんなことから〈夜卜〉という神に出会った際、幽体離脱しやすい体質となってしまう。こうして、神仏悪鬼魑魅魍魎の棲まう〈彼岸〉の世界と関わるようになってしまったひよりは、体質を治して貰うため夜卜につきまとう。
だが、夜卜は「斬る」以外に能のない万年ド無名の売れない神。人格的にも最悪、更にはいわくつきのろくでもない奴だった……
悲喜こもごもで紡がれるご町内神話。

【登場神人】

  • メインキャラクター
◆夜卜(や-)
CV:神谷浩史
現在のコーディネート:「ゆるふわ」黒ジャージ・ブーツ・首に手ぬぐい
住所不定無職で、いつも小汚ないジャージを着た「神」を自称するひと。
本来は〈神器〉で魔を斬る武神だが、ガサツで気分屋でヘタレな男であるため、人気は皆無というマイナー神。
祀られる社すらなく、信仰はゼロに等しい。
たった五円の料金(賽銭)で悩み事を解決するという便利屋まがいの地道な活動をこなす日々を送っている。
長い年月を生き永らえているためか、謎の女子力と小手先の器用さを備えており、神憑りに同人誌にと要らんところでそのスキルを発揮する。
知名度を上げ、ゆくゆくは日本一の神になることが夢。
実は依頼されれば人をも斬る〈禍津神〉という本性を持っており、それを周りに隠している。
更に「ヤト」は本当の名前ではなく、真名が別に存在する。

◆壱岐ひより(いき-)
CV:内田真礼
必殺技:ジャングル・ソバット
ヒロイン。ひよりん。
医者の父親とやや過保護な母親がいる。
蟷野という格闘選手の隠れファン。
夜卜と遭遇したはずみでバスに跳ねられ、魂が抜けやすい体質――此岸と彼岸の狭間に身を置く状態、すなわち生きながらにして半妖になってしまう。
魂が抜けて生霊になると卓越した身体能力を発揮することができるが、本体と霊体とをつなぐ緒が切れると死んでしまう。
メグの顔をしたナミっぽいビジュアル。
中高一貫校に通っており、作中で進級するが、夜卜のせいで鮮烈な高校生デビューを飾った。

◆雪音/雪器(ゆきね/せっき)
CV:梶裕貴
少年の死霊で、夜卜の神器となる。
ユッキー。こっちじゃない。この子でもない。
享年14歳。素行は良いとは言えず、我が儘でたびたび夜トを振り回す悪餓鬼。待遇の悪い夜卜も悪いのだが……
根は年相応に繊細で多感な思春期の男の子である。
『雪器』――夜卜の武具として使われる時には、白銀の長刀に変身する。
また更に、彼を守る意志の発露によって太刀と小太刀の二振りに変貌。
夜卜を導く唯一無二の〈道標〉になることを意識してゆく。


  • 小福ちゃん家
◆エビス小福(こふく)
CV:豊崎愛生
七福神の一柱『大黒天』を看板に活動する神。夜卜の金づる。
ふわふわした雰囲気の天然気味なギャル。かわいい。
大黒天と言えば福の神。ぽややんとした小福ちゃんを見るだけで幸福感で一杯になれる。かわいい。
実はとんでもない本性をお持ちです……

◆大黒/黒器(だいこく/こっき)
CV:小野大輔
小福の神器。
厳つい顔でカタギには見えない、まともな職業についてなさそうなオッサン。
小福と同居している。羨ましい。
自分の主人である小福を俺の「カミさん」と呼んで溺愛している。もげろ。
性格は乱暴なチンピラだが情が深く、思いやりのできる男っぷり。語弊ありまくりだが、子供大好き。
この人が本気を出すと日本が滅びるそうです。


  • 毘沙門さん家
◆毘沙門天/ヴィーナ(びしゃもんてん)
CV:沢城みゆき
七福神の一柱『毘沙門天』の名を冠する金髪の美女。いや、痴女。
武器に衣服・騎獣など複数の神器を駆る最高の武神。
気高く武人然とした人格者で、自らの神器を大切な仲間として扱っており、一門の結束は固い。だが……
過去に自分の神器を大量殺戮された因縁で夜卜を敵対視しており、復讐のために現れる。
多くの神器を抱える大所帯の肝っ玉母ちゃんだが、ある日を境に交換日記が彼女の元に届いていない。
「抱き合わせ商法」は禁句。

◆兆麻/兆器(かずま/ちょうき)
CV:福山潤
毘沙門天に仕える神器。人間時の姿は眼鏡をかけた理知的なおにいさん。エリート。
毘沙門天の神器の最古参であり、彼女にとっての道標。
常に複数装備される神器の中では頭目的な役割を担い、毘沙門の戦闘時には彼のサポートが欠かせない。
夜卜は敵でありながら、彼にとっては恩人でもあるという奇妙な関係。
主のヴィーナを母親のようにも性的対象にも見ている。もげろ。
夢は七福神センターをプロデュース。兆麻P!

◆囷巴(くらは)
CV:井上和彦
毘沙門天に仕える神器。人間時は髭面の壮年男性だが、武具に変身すると獅子の姿の騎獣と化す。
毘沙門のことを「お嬢」と呼び、他の神器には「~さん」と礼儀正しい。
変身後の姿が姿なので、ペットの猫扱いされては泣いたり怒ったり、家族同然の神器の子供達にじゃれつかれたり。
そこ、にゃんこ先生って言うな。
夜トとの戦いで雪音に右目を斬られ、再びの登場からは眼帯を着用している。

◆陸巴(くがは)
CV:星野貴紀
毘沙門に仕える神器。
褐色肌にギョロ目の、エキゾチックな風貌の男。
主人や仲間の健康を管理する薬師で、毘沙門のために薬を調合するのが役目でありながら、個人的な目的があるようで暗躍中。
兆麻のせいで毘沙門が痴女扱いされていると思っている。
野良やその背後の術師とも繋がりがある模様。

◆毘沙門の他の神器達
あまりにも多いため大部分は割愛。
西洋甲冑に変身する藍巴(あいは)、妖から助けられた経緯で割れた鏡に変身する嶺巴(みねは)、園芸が趣味の鈴巴(すずは)、それぞれ拳銃に変身する刈巴(かるは)と数巴(かずは)の双子の姉弟、切れ味ばつ牛ンな片刃の大剣の靫巴(ゆぎは)、鞭に化身するロングヘアーのお姉様な紝巴(きぬは)、裸ジャケットになって毘沙門の痴女化に拍車を掛ける紹巴(つぐは)、毘沙門の懐刀のバーコードおじさん秋巴(あきは)、兆麻の指南役だった詢麻(とうま)など。


  • 天神様のお社
◆天神(てんじん)
CV:大川透
天敵:小福
学問の神様、菅原道真公。
神々の中でもネームバリューが極めて大きく、全国に社を持つ神。
威厳ある好々爺でチョイ悪。「恥部」とか平気で言っちゃう。
「三大怨霊」「負け組」「左遷」は禁句。天神サンダー!
東風(こち)吹かば匂ひおこせよ梅の花あるじなしとて春な忘れそ(※持ち歌)

◆真喩/真(まゆ/まこと)
CV:今井麻美
天神の神器である女性。
その前は「伴音/伴器(ともね/はんき)」という夜卜の神器だったが、「もームリ」「もーダメ」「生理的にイヤ」といって自主退職。
駄目な上司を持つと部下は苦労する……
現在の神器としての姿は煙管。物凄い爺いに身体を吸われるのは生理的にオーケーなのか?
趣味兼特技は編み物。昔は拾ってきたセーターを解いてマフラーをこさえていた。


  • 七福神
◆恵比寿(えびす)
天敵:小福
七福神の一柱。大黒天と共に双璧を成す長身痩躯の神。
商業の神なので普段着はサラリーマン風のスーツ姿。
たとえ死んでも信仰により生まれ変わり、代替わりを繰り返してきた。
革新的な考え方を身に付けており、野良を複数雇うことも厭わない上、面と名を与えて妖を使役しようとしている。
そのため刺されては床に伏せることも多く、運動神経も壊滅的に悪い。

◆巌弥(いわみ)
恵比寿の道標で、彼の持つ中で最も古い神器。
代替わりの多い恵比寿に代わってその遺志を引き継ぐことが至上の目的。

◆邦弥(くにみ)
恵比寿に仕える神器。格闘技の心得があり、素舞いを得意とする。
珍しい憑依型の神器であり、彼を装備すれば運動音痴の恵比寿でさえ戦闘マシーンになりきれる。


◆大黒天/大国主命(だいこくてん/おおくにぬしのみこと)
天敵:小福
七福神の一柱。恵比寿と共に双璧を成す色黒で筋肉質な老人の神。
ハワイにも支社を築いており、神々の中でも特に多忙な日々を送っている。
若い頃は「クモ」だの「クマ」だの「クマソ」だのと呼ばれ、高天原の神々と大喧嘩していたという。

◆いなばちゃん
大黒天が溺愛している因幡の白兎。
いなばちゃんの安否の如何によって日本の宗教情勢が大きく左右される。


  • 術師の勢力
◆野良(のら)/緋(ひいろ)
CV:釘宮理恵
謎のおかっぱょぅι゙ょ。
着物姿で、天冠をつけたステレオタイプな幽霊のよう。
神器の証である名の印を全身に夥しい数持つ〈野良〉。
かつては夜卜の神器であったが、彼のために複数の主に仕えるようになったらしい。
馴染みの間柄のはずの彼には邪険に扱われている。こんな可愛い子をあんにゃろう!!
恵比寿には「筒弥(つつみ)」という名で呼ばれる。
ぅゎょぅι゙ょこゎぃ。

◆父様(ととさま)/親父(おやじ)
夜卜の父親であり、願いから彼を生み出した存在。
息子の元に野良を遣わし、普段彼が勤しむものとは別件の「仕事」を依頼する。
夜卜にとっては恐怖の象徴であり、真名を握られているため下手に反抗もできない。
若い頃に一人で黄泉(死者の世界)に行っちゃうなどヤンチャし放題。
完成された術の使い手であり、多方面から命を狙われている。


  • ひよりの学友達
◆山下晶(やました-あきら)
ひよりの友人。あだ名は「やま(ちゃん)」。
ヴィジュアル系ハードメタルバンド「百鬼夜行」のファン。最近彼氏ができました。爆発しろ。

◆田端愛美(たばた-あいみ)
ひよりの友人。眼鏡。
ゼニーズというアイドルグループのファン。音楽センスは山下とは破局的に合わない。

◆藤崎浩人(ふじさき-こうと)
春にひよりの学校に編入してきた男子生徒。高校三年。
田舎暮らしを満喫していたが、子供連れの姉夫婦がUターンしてきて、実家に居場所がなくなったため、単身赴任の父親の元に引っ越した。
ひよりの高校デビューを目撃してから彼女に強く惹かれ、大胆にアプローチを仕掛けてくる。
しかしそのせいで嫌われた。ざまあ。

◆阿部(あべ)
藤崎がグループデートに連れて来たひより達の先輩。
「百鬼夜行」のファンなので山下と即座に意気投合しバカップル形成。爆発しろ。

【用語】

◇彼岸(ひがん)
我々の言葉でいう『あの世』。
生ある者が暮らす領域としてのこの世――〈此岸〉に対する『あちらの世界』。
彼岸と此岸は同時並行的に存在する場で、『こちら』からみれば死角にある。その狭間に踏み入らなければ、此岸の者は基本的にそこに棲息する妖怪神魔を認知できない。

◇神(かみ)
人の胎からではなく『願い』から生まれた上位存在。信仰により在り方を保つ。とはいえ八百万もいる神は、格もピンキリ。
作中の神の成すことは全て『善』であり、それが『是』か『非』かは神自身が決める。
人々の信仰心により存在を保たれており、信仰の厚い神ならば死んでも新しく生まれ変われる。
逆に夜卜のような無名の神はほぼ残機0の状態で、人から忘れ去られると消滅してしまう。

◇高天原(たかまがはら)
神々の住まう天上の世界。入居するには『社』が必要とされ、認可が下れば後述の神議にも出席できる。
天の役所には現実の役所のように仕事がほんの少しルーズな面もある。
これに対して現世の人間界は『中つ国』と呼ばれる。

◇神議(かむはかり)
天におわします神々が一堂に会して開く大会議。
通常は年に一回神在月に開かれるのだが、切迫した議題があると急に神々を招集することも。

◇神器(しんき)
神に名を付けられ、魔と戦う武具かつ運命を共にする従者となるもの。元は死んだ人の魂で、彼岸から召し抱えられる。
元は人間である神器の精神が乱れると、主である神に苦痛が伝わる。それによって神は善悪を学ぶ。

◇祝の器(はふり-うつわ)
主のために自ら進化を遂げる神器のこと。「主である神に二心なく忠誠を誓う」ことがその絶対条件。
神器は誰もがその素質を秘めているが、これに実際になれる者は極々稀にしか現れない。
現在作中では雪音と兆麻がこれに該当する。

◇妖(あやかし)
害をなす敵。魔。人の魂を貪るもの。
認識の外である『死角』に存在する魔物。
陰鬱とした空気を好み、人にとりついて邪心を助長させる。とりつかれた者は『魔が差し』てしまう。神や死霊もエサとして狙う(いいにおいがするらしい)。妖が『障る』と神は〈ヤスミ〉、死霊は妖に変えられてしまう。

◇面(めん)
術師が名を与え、使役するようになった妖。
神器と同様の口上の元、「器」ではなく「鬼」の字を宛がわれて存在を保っている。
元々妖なので当然主を『障り』、最悪の場合死に至らしめる。
完全に屈服させ操るためには〈黄泉の言の葉〉が必要とされるのだが……

◇ヤスミ[名]/ヤスム[動]
不浄をもらうこと。
病を言い換えてそう呼ぶ。
妖に障られるなどの原因で発生し、外見的には傷を受けたその部位の肌が変色し、焼けるように痛み、体を蝕む。
患部に接触するなどで他者にも伝染し、祓うか清めない限り体に蓄積され、いずれ全身に広がり、どんどん悪化していく。
また、神器が悪事や不義を働いた場合に、主である神がこれを患うことになり(神器に魔が差す→神が「刺される」)、放っておくと妖に転じてしまう。

◇時化(しけ[名])/(しけ-ル[動])
彼岸の住民である妖が好む陰鬱な空気・雰囲気。
それが発生することを「時化る」という。発生源は風穴や大勢の人間の気の澱み。
「時化た学校だぜ……!」

◇風穴(ふうけつ)
妖が出てくる場所。黄泉に繋がっており、落ちれば神でもひとたまりもない。

◇境界(きょうかい)
神器だけが使える能力。己と他との間に一線を引き、通行を拒んではじき出す。身を守る盾としても、敵を攻撃する矛としても使える。

◇禊(みそぎ)
ヤスミを払う特別な儀式。
3人の神器で境界を張り(これを獄という)、主を刺した神器を閉じ込め、折檻する。

◇野良(のら)
複数の主と名を持つ神器の通称。
神の恥部。
というのも、基本的に神器の名はひとつで、ひとりの主に仕えるものであり、多くの名を欲しがる者は、その数だけ主を裏切ることとなるから。このため、野良は下賤の者として忌み嫌われている。
天神いわく、大抵は「自分の神器にはさせられない仕事をする時」に使うという。

◇術師(じゅつし)
まじないを用いて妖を操る存在。
言わずもがな八百万の神々にとって脅威となる存在。

◇神憑り(かみがかり)
ある特定の状況下で神が人の肉体に乗り移った状態。
中身が神様になるので普段からは想像もできないほどの言動と尋常でない身体能力を発揮する。
神憑きじゃあないよ。

◇カピパーランド
行ったことのない夜卜も夢中になる夢の国。
カピパーの中にはむさいオッサンなんて入ってない。入ってないから!






追記・修正の願い 確かに聞き届けた
あなたにご縁があらんことを





















夜卜「いつか皆様に愛される立派なプロゴルファーに……………………あーーーーーーっ」



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