園崎魅音

登録日:2009/05/31(日) 23:59:08
更新日:2024/03/23 Sat 01:17:21
所要時間:約 7 分で読めます




園崎魅音(そのざきみおん)とは、ゲーム・アニメ『ひぐらしのなく頃に』シリーズの登場人物。
綿流し編のヒロイン。
報われない巨乳キャラ担当。


声:雪野五月(現・ゆきのさつき


通称:魅音
必殺技:ニーマシンガン、コブラツイスト、空気投げ
得物:何の使い道もなかったモデルガン、暴徒鎮圧用水鉄砲、玉弾きの刀


前原圭一竜宮レナの親友。2人より学年は1つ上(作中では誕生日がまだなので、年齢は圭一と同じ)。
学校では最年長で、委員長としてクラス全体の指揮を担っている。


雛見沢に次期園崎家頭首としての修行の為、祖母のお魎と同居している。両親と双子の妹の詩音とは別居しているが、仲が悪いわけではない。

過去にちょっとした出来事があり、自らを「おじさん」と呼ぶ。
豪快かつサバサバした姉御肌。それでいてかなり自己中心的。
常に無邪気で明るい顔をしているが、頭首代理として振舞う時は冷徹な顔だったり、女の子な一面が出た時はとても穏やかな表情を見せる。

雛見沢御三家筆頭の園崎家の次期頭首であり、軍事的なものを含めてありとあらゆる訓練を受けている。
その関係上、家事やお家芸のみならず、銃器や車両の操縦もこなす。

普段は残り物を詰めた弁当ばかり持ってくる為圭一に料理が出来ないと思われていたが、
実際は隠れたプロ級の料理の腕前を持ち、時間と材料とやる気があれば満漢全席すら作ると豪語する。
やる気が出れば 、だが。
しかし普段の弁当にしても盛り付けがかなり上手く、とても手抜き弁当には見えないらしい事からその実力が垣間見える。


部活の創始者にして初代部長であり、ゲームが大好き。
世界中からかき集めた非電子系ゲームと罰ゲーム用のコスプレグッズをロッカーに詰め込んでいる。
また、家にはゲームでいっぱいになっている部屋も存在する。

部活でのゲームスタイルは常勝の知略派。
ただしレナ曰く当初は負け続きだったらしいので、どちらかと言えば蓄積された経験と用意周到さのおかげと思われる。
本来はプロレスを得意技とし、空気投げで大の男を投げ飛ばす等、肉体的にはかなり強いはずだが、部活ではあまり発揮されない。


普段は親戚のオモチャ屋の手伝い等をして小遣い稼ぎしているが、たまにエンジェルモートで詩音にすり替わってバイトすることも。

実は同人誌を隠れて作成しており、同人イベントでの出展経験もある。
部活メンバーに呆れられる程厨二な内容らしい。ハンドルネームも痛い。
…頑張れ魅音超頑張れ。

ついでに言うと園崎の立場や雛見沢の学習環境も相まって部活メンバーの中では最も成績が悪い。(次点で勉強嫌いの沙都子)
年長者である魅音は年少組に対して勉強を教える立場にあるのだが、それもたまにやばい。
圭一が引っ越して来て以降は圭一から学習方法や勉強そのものを教えてもらっており、それによりかなりマシになったらしい。
魅音自身は「圭ちゃん勉強出来るから、圭ちゃんに教えてもらうからいいし~」とあまり勉学に真剣ではない。
そして詩音に「もっと勉強頑張れ!年下に受験勉強教えてもらうな!」と怒られている*1
なお夏休みが終わったあたりから受験に備えて勉強漬けの日々が約束されている模様。とはいえ梨花曰く「魅音なら何かとんでもない秘策で合格そのものをもぎ取りかねない」との事だが…。

圭一と悟史に恋心を持っているが、自分のキャラや立場を意識するあまり詩音に変装して近づく等、いまいち素直になれず進展はあまりない。
悟史の時は村の悪習とその中枢にいるが故に破れない立場から、アプローチどころか仲間として打ち解けあうことすら叶わなかった。

男っぽい性格で自称もしているが、好きな人には内心は女の子として見てほしいと思っている可愛らしい一面も持つ。


普段の姿から常に余裕のある自信家に見え、実際勢いに乗っている時はメキメキと部活メンバー屈指の実力や計算高さや統率力を発揮する。
しかし、最も常識人であり、かなり打たれ弱くもあるため、一度想定外のアクシデントに見舞われると何もできなくなるほど取り乱したり意気消沈することも多い。
このあたり、「赤い炎」として皆に発破をかける圭一との相性が抜群である。
また、普段の傍若無人さに反して大きな決断を要する局面では慎重になったり全体の利益を考え客観的に動く為、他の面子のように我を押し通せない。
梨花曰く「慎重と言うか臆病と言うか」


自身は園崎家次期頭首としての優遇された立場と雛見沢の内情に詳しい関係で、
疑心暗鬼を募らせることがなく、後述の『業』『卒』のイレギュラーを除いて、雛見沢症候群を明確に発症した描写はない(可能性としては綿流し編・目明し編での監禁中くらいか)*2

しかし、
  • 関係なくても園崎家が黒幕を演じる(※それらしい振る舞いをするだけで嘘はついていない)ブラフ家訓
  • 連続殺人事件のようなすぐに知られることや、レナが殺した2人の死体の移動など、わざわざ隠す必要のない情報を隠す秘密主義
  • 良くも悪くも客観的な発言、行動をする為、そのつもりが無くとも結果的に友人すら見捨てる(ように感情的になっている仲間からすると見える)日和見な態度
等が発症者の疑心暗鬼を強め、暴言や暴力の矛先を向けられやすい。
なお、ブラフ家訓については秘密の口伝形態をとっていたため魅音のせいではないが詩音すらも知らないため、余計にこじれる要因となっている。
そうでなくとも、大事な事*3をだいぶ後になってしれっと告げてかき乱す事も少なくない。
しかし、特に詩音による惨劇が起きる時は悟史の件などの影響で早々に疑心暗鬼に囚われているため、伝えたところで解決に繋がるものではない可能性も高い。
また、いくら否定したところで暴力団などの関係で結局疑われるため、ブラフ家訓については半分仕方ないところがある。


実は彼女が妹の「詩音」だったが、頭首を決める日の儀式の日、「宴会で出された鯛の刺身が食べたい」といつも以上に強くねだって入れ替わっている間に、
「魅音」として背中に頭首の証の入れ墨を彫られてしまった。当人らは直前まで入墨を彫られる日である事を知らなかった。
自分は違うと幾ら親族に訴えても見た目が酷似してる故信じて貰えず*4次期頭首として生きる事が決められてしまった。
彼女はその日に儀式が行われる事を知らなかった為、姉から当主の立場を奪ってしまったことを引け目に感じている。
件の宴会以前からも魅音(本編での詩音)ばかりいい目にあってズルいとぼやいていたり、宴会の日以外はねだってもあっさり引き下がっていた事から一部の話では詩音から「自分から頭首の座を奪おうとしてあの日に入れ替わりを画策した」と憎まれる事がある。
アニメ版ではこの設定自体カットされており、目明し編での一部台詞や後半以降の展開、祭囃し編での一部台詞の説得力、そもそも詩音に対してやたらと気遣う理由などが非常に弱くなってしまっている。


過去の過ちから何かしら学んで変わっていく主要メンバーの中では、良くも悪くも一番変化が見られない。
これは成長していないと言うより、性格的に一番成熟している・自分の在り方に負い目を感じていないからだろう。
ストーリーの転回点になるレベルの過ちを犯していないという点もある。
(ストーリーの転回点になったことはあるが、解で過去の世界を思い出した圭一がひたすら魅音に謝っている通り、惨劇に至ったことについては圭一が悪い。)

ダム戦争の時は留置所の常連と豪語するほどに結構派手に暴れていたようだが、
やはり詩音の方がかなり過激だったらしく、度々入れ替わっている際に生じた身に覚えのない罪が結構あるらしい。


だがそれ以上に、事件を連想させる不用意な行動をとったり、何でもありとはいえ部活でコネと財力を使って勝とうとする等*5 空気を読めない癖がある。
他にも結果的に損な役回りをさせられたり出番を奪われたり、色々と恵まれない。
鬼隠し編ではいくつかの余計ないたずらや不審な言動のせいで余計に疑われて(これはレナにも言えるが)レナ共々撲殺されるわ、
綿流し編のヒロインなのに後半は詩音に(成り済まされたため)出番を取られるわ、
祟殺し編では圭一の必死の訴えに対し上から目線でのダメ出しばかりをして薄情者呼ばわりされた挙句圭一に間接的にとはいえ人殺し扱いされて人殺しを頼まれるわ*6
罪滅し編では疑心暗鬼に陥ったレナに鉈でフルボッコされた(峰打ちだが)挙句それを圭一に(魅音を傷つけた事を悔やむレナを慰める為とはいえ)「双子の見分けがつきやすくなったと思ってる」などと嘯かれるわ、
皆殺し編では死に際でも最期まで潔く、それぞれ黒幕とのやり取りがある部活メンバーの中でただ一人だけ命ごいにも見える反応を見せた直後に速攻で射殺されるわ*7*8
と毎回のごとく酷い目に遭っているのだが、その空気を読めない癖による自爆が多い気がしないでもない。
彼女なりの気遣いや先見の明で行っているものが多いのだが、結局裏目に出てしまうパターンが多い。
特に罪滅し編では彼女なりに(彼女は勿論、園崎家にとってもリスクでしかないのに)精一杯裏で手を回していたのにそれすら逆恨みのタネにされている。

しかしその不器用さが一種の人間味を醸し出しており、ファンを引きつけているのも事実である。

一応シリーズ最終章である祭囃し編や澪尽し編ではメンバーの中核として見せ場や出番も優遇されていたり、ドラマCDでもメインになる事が多々ある。
その一方、CS版などでは原作のKYぶりが変な所で加速しており、中にはストレートにkYな発言や態度をとる事もあり、原作ファンの批判を買っている。
原作でも「昼壊し編」ではストレートにKYであるが、まあこちらは元のゲームの都合上とんでも設定になるのは必然なので……。


ただし、それまで重要な活躍を果たしていなかったかと言うとそうでもない。

悟史が失踪した日に激昂しお魎に詰め寄った事があり、それにより村の風習に固執していたお魎の心を動かし、
村の悪習を吹き飛ばすには外部の人間という「風」が必要と悟ったお魎が外部の人間を招き入れる為、
雛見沢の土地の分譲販売を行う事で圭一が引っ越す大元の土壌を築き上げる…という隠れた立役者でもある。
魅音の激昂無くして前原一家の引っ越し、および村の悪習の完全打倒はありえなかったのである。
また、転校初日の圭一に最初に話しかけるのも彼女で(転校前日に梨花が話しかけてはいるが)、彼が学校および雛見沢に馴染むきっかけにもなっている。

目明し編で詩音がけじめとして爪を剥がれた後、詩音だけ罰を受けるのはおかしいとして、その必要は全く無いのに「悟史と詩音の交際を認めて欲しい」とお魎に訴え詩音と同じ「けじめ」を受けた為、
結果として園崎家への不満や不信が極まっていた詩音から一定の信用を得られたことで、詩音は一旦精神の平定を取り戻し、意図したことではないが当面の惨劇を阻止している。悟史失踪の日にお魎に掴みかかったのもこのけじめが理由である。
たとえ親友や家族のように絶対の信用をしていても、発症すると疑心暗鬼を向けてしまう様になるのが雛見沢症候群ではあるのだが、
この出来事がなければ詩音は4年目の時点でストレスと疑心暗鬼をそのまま深めてほぼ確実に発症していたことだろう。

地味~に流れるが実は詩音と共に北条家村八分についても探っており、村人のほぼ全員が沙都子を実は嫌ってはいないことを確認している。
(村人達自身はダム闘争時の記憶から仲良くすると自分も村八分にされるという恐れを抱いていたため、知人や知人の知人は嫌っている等の言葉を頭から信じており、一人ずつ直接聞き取る必要があった)
お魎にとっても自分の一存では終結宣言を出せない情勢だったため、お魎が死んだ時に完全終結させる予定だったことと、
恐らくレナや圭一が村から受け入られやすくするための思いやりもあって、魅音は沙都子の事情諸々も含めて黙っていたが、
村からの圧力にもめげなかった圭一に感化されてこれらの事情全てを語ったため、圭一は誰とどう戦うべきかの道筋を付けられたというファインプレーを詩音と共にしている。


宵越し編にも登場し、舞台が平成18年(2006年)のため茜に似た妙齢の女性となっている。



宵越し編は罪滅し編のようにレナが起こした籠城事件で校舎が爆破してから20年以上が経過した世界であり、
本物の魅音は籠城事件でレナ、圭一、沙都子、梨花と共に爆死していた。
作中に登場する園崎魅音は籠城事件で死亡した魅音の代わりに、立場と名前を継いで当主となった詩音である。
仲間たちに先立たれた孤独感と、園崎家のお家騒動が重なって押し潰されそうになっていた詩音のため、彼女の体に乗り移って行動していた。
肉体は詩音、精神は魅音といったところ。本物の詩音はラストのみ登場する。
ヤクザを一蹴したり銃弾を刀で両断したりと、本編では見られなかった戦闘能力を遺憾なく発揮している。

余談ではあるが、非常にわかりやすく圭一に好意を抱いているからか、魅音と圭一のラブコメはデイブレイクやアンソロジードラマCD、特典ドラマCDなどで多くのとこでネタにされている。
圭一と魅音の場合はコメディもシリアスもどちらでも書きやすいというのが大きいのかもしれない。
特に色々とぶっ飛んでいる「女こまし編」においては、ゆきのさつきの名演もあって可愛い魅音が見られる。
ただ意外かもしれないが、少なくとも原作では魅音本人が圭一への恋愛感情を明言した事自体は無かったりする。


続編にあたる『ひぐらしのなく頃に業』『ひぐらしのなく頃に卒』の綿騙し編、綿明し編では、
薬品による強制的な発症ではあるものの、初めて雛見沢症候群を発症した魅音が描かれた。
投与後、圭一が詩音に取られてしまうという嫉妬心をきっかけに症状が顕在化。
二人の祭具殿への侵入を知ったことで「祟り(を装う何者か)によって圭一が消されてしまう」という妄想に囚われ、
圭一を巻き込んだ詩音や、祟りの黒幕と睨んだ御三家の人間(お魎、公由、梨花)を次々と殺害していく。

「村の因習を浄化し、今現在も生きている圭一を”守る”こと」が目的であるため、その原動力は主に使命感と圭一に対する愛情である。
標的がいずれも普段同じ村で過ごす家族や友人であるからか、彼らのことも憎んではおらず「同じ村の因習に縛られている被害者」と思っている。
なので本人は「情報や協力を得るための詰問」のつもりだが、結局暴走して全員殺してしまっている。
冷たい頭首モードで迫り、協力してと言いながら相手を殺害。直後に素に戻って相手に泣いて謝り、そしてすぐにまた落ち着くなど、詩音とは別な方向に狂っている。
殺害手段も扼殺など効率重視であり、怒りや憎しみによる残虐性の目立った詩音とは対照的である。
一方で公由に対しては情報を聞き出すために妹も真っ青なえげつない拷問を加えた。
ヤバい形相で梯子をガタガタするなどさすが双子な共通点も。

守る対象である圭一は地下室に監禁するという方法で保護しようとした。
その身を守りつつ、救出されても自分に無理矢理閉じ込められた被害者として収めるための配慮であり、圭一に対してはどこまでいっても健気。
果てには事実上の愛の告白も成し遂げてしまったのは皮肉というほかない。




「この残酷で…無惨で…気の毒で…悲しい……この記事を追記・修正してください。それだけが…俺の望みです。」

「あの時一つ代わりに編集してあげたでしょ。今度はダメーーーー!!!!!! あはははははははは!!!!」

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最終更新:2024年03月23日 01:17

*1 なお詩音はルチーアの詰め込み教育の結果、かなり勉強ができる。

*2 原作者曰く、綿流し・目明し編後半の魅音は「かなりヤバい状態」との事で、疑心暗鬼などは見せていないがやはり発症していた可能性がある。事態が事態なので当然ではあるが。

*3 祟殺し編で鉄平が沙都子を連れ戻した事を当日すぐ知っていた事、悟史の失踪と園崎家が無関係である言質を事前にお魎からとっていた事、前原一家が引越の折に園崎本家に挨拶していなかった為お魎の心象を損ねていた事など

*4 ただし情報屋からこの儀式について漏れてるあたり、本家側はそれを認識してはいたが入れ墨を彫ってしまった後なので今更取り返しがつかず、やむなくそのまま押し通した可能性がある。

*5 授業でカレーを作る事になった際は事前に予定を知って自宅からハンバーグを持ち込む、罪滅し編での水鉄砲を用いたサバイバルゲームでは特注の水鉄砲を持ってきて無双していたり

*6 当時は園崎家絡みの事は秘密にしていたにもかかわらず鷹野の告げ口で圭一に知られてしまい、想い人である圭一に(幾ら悪人とはいえ)人を殺してくれとせがまれた心中は察するに余りある

*7 ただし、ヘタレ扱いされる事もあるが、寧ろ他のメンバー(特に圭一やレナ)が運命をすんなり受け容れ過ぎなのである。実際は魅音のような反応が普通であるし、彼女があっさり殺される事で本格的にこの場面の絶望感をかき立てるという側面もある。そもそもあの場面では死を受け入れるか1秒でも時間を稼いで可能性を広げる(作中での魅音の反応はこちらだろう)以外の選択肢はなかったため、特別エゴな行動ではない。

*8 アニメ版では「残ったメンバーを逃がす時間稼ぎのため単身囮になる」というより分かりやすい展開に変わっている。