別に倒してしまっても、構わんのだろう?

登録日:2009/06/15(月) 22:19:21
更新日:2024/03/16 Sat 22:03:14
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「ところで凛。一つ確認してもいいかな」

「いいわ。なに」




  • 概要
TYPE-MOON製作の成人向けPCゲーム『Fate/stay night』の登場人物「アーチャー」の名言。

中ボス格のキャラクター、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンの城からの脱出の際、
主人公衛宮士郎達の殿を自らのマスター、遠坂凛に任された際に放った一言。
割と名セリフ・珍セリフの多いゲームだが、その中でも屈指の名言。


  • 状況
『FATE』ルート。十一日目・『アインツベルン城ロビー-遠い背中』
脱出時に主人公達を追撃してきたサーヴァントバーサーカー
バーサーカーは作中で最強のサーヴァントとされる存在で、対峙することは即ち死を意味することであると説明され、
事実ゲームオーバーになる理由としてはサーヴァントの中で一番。
命じた凛は自らのサーヴァントに「自分達の身代わりに死ね」と命じたことに罪悪感を感じ、弱気になってアーチャーに何か声をかけようとした際、
それを遮るようにしてアーチャーは言った。
その一言に奮起した凛は一時戦略的撤退。アーチャーはバーサーカーと死闘を繰り広げ、6回殺すことに成功するも死亡。
凛はその後共に脱出した衛宮士郎・セイバーのコンビと共に見事バーサーカーを打倒することに成功する。


  • 解説
因みにこのバーサーカー。
序盤に士郎とセイバーの2人を相手して、腕力のみで半殺しどころか9割分ずつくらい殺している。
その直前にセイバーは1人でアーチャーと互角に戦ったランサーを鎧袖一触している。
ついでにアーチャー自身もセイバーに一撃で深手を負わされている。
この時点で士郎達は絶望。
更に『Bランク以下の攻撃は通用しない』『12回殺さないと死なない』『一度ダメージを受けた攻撃には防御力3倍』という、
作中屈指のチート宝具『十二の試練』を持つことを知る。
原作者の奈須きのこ曰く、
「格闘ゲームで言うならば、スーパーコンボ以外の全ての技にスーパーアーマー+ノーダメージ」
そんなチートなのに作中で「過剰な威力の攻撃をすれば、一度の攻撃で数回分殺せる」という弱点が発覚するのだが、それはまだまだ後のこと。

3つあるルートのうち、2つでその方法でやられており、11個ある命も最高で一撃7個という連続殺され記録もある。
が、この倒し方はいわば裏技的な倒し方で、『12の試練』に対する正攻法ではない。

その後アーチャーは圧倒的劣勢の中6回『違う死因』で殺している。
想像し難いならば、先ほどの格ゲーの状態を想定してくれればわかりやすいだろう。

「そんな無理ゲー状態でバーサーカーを幾度となく殺し、最後まで正体不明であった『アーチャー』とは一体どういう英雄だったのだろう?」

という疑問をプレイヤーに抱かせ、またその回答編である『unlimited blade works』ルートへの布石になっているシーンなのである。

  • こぼれ話
その後『Fate/hollow ataraxia』においてきのこ本人がパロディ化。
本編のシリアスっぷりをどこに置いてきたのか、激しくキャラ崩壊、魚釣りしながら今度はランサーに言い放った。
「なあランサー、別にこの港の魚を釣りつくしても構わんのだろう?」
「あーあー、できるもんならやって見やがれ」
この後アーチャーは士郎がいることに気づかないまま「ひゃっほー」しながら魚釣りを楽しみ。
ついでにどこぞの金ぴか英雄王と子供達を交えて魚釣り対決をはじめ、ランサーを辟易させることになる。
なお、きのこ本人としてはこのアーチャーは忘れておいてほしいらしい。是非ともみんなで覚えておこう。
……等と言っていたら『Fate/Grand Order』の2020年夏イベントでアングラー宣言してしまった。どうやらきのこも忘れられなかったらしい。

また、hollowドラマCD『あるいは怪物という名の食卓』にて葛木先生の好物を推理する場面で使用。
「何ならその料理、私一人が正解を出してしまっても構わんのだろう?」
その後きっちり正解を当てるのだが、日本食をよく知らない海外サーヴァント達から全否定されてしまう。
やっぱり死亡フラグであった。

また、Fate/EXTRAのビジュアルファンブックに掲載された短編小説においても「――倒してしまっても構わないだろう?」と言い放ち、
その後ガウェインに敗北している。

  • オマケ
非常にシリアスなシーンなのだが、実はPC版ではこの後濡れ場があり、更にアーチャーとバーサーカーの戦闘の激しさを物語る大事なシーンで誤字がある。
「魔力供給」という設定上、必要だった前者はともかく、後者はどうにかならなかったんですかきのこ先生。

また、アニメ版では「かっこいいポーズ」と称される珍妙なポーズを披露してしまい、(直後の感動的な死亡演出も相まって)視聴者を笑わせながら泣かせるという、偉業を成し遂げてしまった。

  • ところで
「死亡フラグ」の代表例として挙げられる事も多いこの台詞だが、「調子に乗った台詞を吐いたら死んだ」ような台詞ではなく、
「死ぬと分かっている状況で仲間に気を使ってあえて強気を見せた」と言う所にこの台詞の粋がある。
なので、この台詞は死亡フラグでも何でもない(強いて言えば「バーサーカーとの遭遇」が死亡フラグで、すでに成立済)。
まあ「確実に死亡展開に繋がる」という意味では完全に間違ってるとも言い切れないのだが、
どちらかと言うとその後の展開もひっくるめて「死亡イベント」の一部とした方が実状に近いか。

  • 最後に
作中屈指の名言であり、なおかつ厨二心をくすぐるセリフなので、ファンも多いがアンチも多い。
現に某剣道漫画のライバルキャラが口走ったとき盗作だと多数の批判を浴びた
しかもかっこいい反面、いざ言うとかっこつけすぎ感が否めないのでTPOをわきまえて使おう。
さもなくば知ってるアニヲタからも知らないリア充からも冷たい目で見られることになる。




「ああ。時間を稼ぐのはいいが――
別に、あれを倒してしまっても構わんのだろう?」

「――ええ、遠慮はいらないわ。
がつんと痛い目にあわせてやって、アーチャー」

「そうか。ならば、期待に応えるとしよう」




「追記するのはいいが、別に、修正してしまっても構わんのだろう?」

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最終更新:2024年03月16日 22:03