シーボーズ

登録日:2011/09/06 Thu 17:26:02
更新日:2024/04/03 Wed 15:43:36
所要時間:約 4 分で読めます





シーボーズとは、『ウルトラマン』第35話「怪獣墓場」に登場した怪獣。

別名:亡霊怪獣
身長:40メートル
体重:3万トン


『ウルトラマン』での活躍

宇宙で怪獣墓場を見た科学特捜隊が怪獣達の葬儀を行っている中、突然怪獣墓場から地球に落ちてきた。
しかし、スカイドンといい、良く怪獣が降ってくるよな……。

全身が骨(といっても骨だけでなく中身はあるのだが)という不気味な姿の怪獣なのだが、この怪獣、ひたすら可愛いのだ。

「亡霊怪獣なんて名前ついてて骨だけの怪獣が可愛いわけねーだろ」とか思った奴、甘い。

なぜならこいつ、怪獣墓場から落ちてきただけで、特に何もしていない。しかも行動がいちいち可愛い

以下主な行動
  • 怪獣墓場から落ちてきてここがどこか分からず、ひたすら泣く。
  • 飛べば帰れるんじゃないかと思ったのか、ビルによじ登りてっぺんからジャンプ→失敗して地面に激突。
    つーか、そもそもシーボーズには羽根すらない。
    「あの野郎、飛べもしねぇくせに!」と言ったのはイデ隊員。
  • なかなか帰れなくていじけて夕日をバックに石ころ(岩)を蹴る→だがスカして失敗→悔しくて泣きじゃくる。
  • ウルトラマンと戦闘すらしない。というか、ウルトラマンが拳を振り上げただけで殴られるかと思い頭を庇う→流石にウルトラマンも拳を下ろす。
とまあ、まるで子供のような怪獣なのだ。

そんな『ただ帰りたい』というシーボーズの思いが伝わったのか(どうか定かではないが)、科学特捜隊も攻撃を止め、
シーボーズを宇宙へ帰す作戦を開始する事に。
ビルによじ登ったシーン以外では特に都市破壊をしていないのが幸いであった。

科学特捜隊はロケットにシーボーズを括り付け、宇宙に帰す作戦を決行するが、その最中にシーボーズが暴れてロケットを倒してしまい破壊。
失敗してしまう。

その後ハヤタ隊員がウルトラマンに変身し、シーボーズを抱え宇宙に帰そうとするも、駄々っ子に悪戦苦闘し時間切れで失敗。

作戦は一からやり直しになったが、ハヤタ隊員の「ロケットをウルトラマンの形にすれば、しがみついてくれるんじゃないか?」という案を採用し、ウルトラマン型のロケットを作る事に。

いざウルトラマン型ロケットを設置するも、シーボーズは中々しがみついてくれず、ハヤタは再度ウルトラマンに変身してシーボーズを説得する事に。
だが、駄々っ子シーボーズは中々言う事を聞かず、ついにウルトラマンは実力行使に。
一発投げ飛ばしてやると、シーボーズはおとなしくなり、ウルトラマンに促されるままロケットに向かい、そのまま宇宙に帰されていった。


この話はウルトラマンの中でもかなり異色で、
怪獣墓場で漂っている怪獣達の魂を見たイデ隊員が、「こうして静かな所を見ると可愛いもんだな」と言ったり、
怪獣墓場の事を聞いたハヤタ隊員が、「許してくれ、地球を守るためには仕方なかったんだ」と怪獣達に謝るシーンがある。

そして、なによりも印象深いのが、怪獣達の葬式である。
隊員達は皆しっかりと喪服姿、今まで倒された怪獣達の遺影もしっかり用意し、
『宇宙院妙法怪獣居士』という立派な戒名まで付け、お坊さんも呼びお経も唱えるという徹底ぶり。

だが場所は科学特捜隊の本部だったらしく、シーボーズ出現の一報が入った時は皆真っ先に葬儀場を抜け出し出動していった。
お坊さんだけ一人残されてびっくりしていたが。

ちなみにこの話は、ウルトラマンのスーツアクター・古谷敏氏が、
怪獣が倒されてばかりかわいそうだ。一度でいいから怪獣を倒さない話を作ってほしい」という願いから生まれたとか。
それ以前に第15話「恐怖の宇宙線」のガヴァドンや第20話「恐怖のルート87」の高原竜ヒドラ、第30話「まぼろしの雪山」の伝説怪獣ウーは倒されてはいないが……


『ウルトラマンメビウス』での活躍

時を経た『ウルトラマンメビウス』にて再登場。

怪獣墓場で例のウルトラマンロケットに抱き付いたまま未だに宙に漂っていて、
これを見た往年の視聴者は、「どうやら無事に戻れたんだな」と、ホッとした気分になったとか。
クゼ・テッペイ隊員はシーボーズを見て感動していた。


◆余談

怪獣墓場にはアントラーネロンガギャンゴテレスドンケムラーピグモンの姿が確認でき、科学特捜隊は怪獣達を「宇宙に追放した」と表現する。
だがすべて光線技(例外もあり)で爆発していたはずであり、実際にウルトラマンが宇宙に追放したのはガヴァドンBのみ。
尤もシーボーズ自体の外見も考えると、これらは肉体を持った存在ではなくある種の「幽霊」みたいな存在であると考えた方が無難かもしれない。

帯番組『ウルトラファイト』にも登場。サッカー好き(石ころを蹴っていたからだろうか?)。

漫画ウルトラ怪獣かっとび!ランド』では「完全に骨だけ」という設定であり、鍋の出汁にされたり吸血植物から完全スルーされたりしていた。
家はお寺だがなぜかピラミッドが庭にある。「し~坊主」だからお経は断固として読まない。

バルタン星人がM240惑星日本国神奈川県川崎市に怪獣墓場ならぬ怪獣酒場を開店した際に徴用されたようだが、
どうしても怪獣墓場に帰りたいと脱走したらしく、空を見上げている怪獣がいたら御連絡をとお尋ね者怪獣として店から指名手配されていた。

ウルトラ怪獣擬人化計画』ではKADOKAWA版で擬人化。アニメ版と連動した小説版『始まりの物語』では前述の『ウルトラファイト』におけるサッカー好きの設定が拾われている。
POP版では、擬人化されず怪獣の姿のまま例のウルトラマンロケットにしがみついたまま漂っている。怪獣少女たちの間でも名物になっているらしく、メフィラスは「あいつを見ると宇宙に来たって気がするな」と述べている。

ウルトラマンZ』でオオタ ユカ役を演じた黒木ひかり氏は推し怪獣としてシーボーズを挙げている。



追記・修正は、倒された怪獣達にお線香をあげてからお願いします。

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最終更新:2024年04月03日 15:43