メガトロン/ガルバトロン(G1)

登録日:2011/04/18 Mon 21:40:57
更新日:2024/04/07 Sun 21:52:06
所要時間:約 8 分で読めます







圧政を通じての平和を!




トランスフォーマーシリーズに登場するキャラクター。声優は加藤精三(英語版ではフランク・ウェルカー)。
所属はデストロン(ディセプティコン)で役職は破壊大帝 。デストロンのリーダーであり、「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー」のおける一応の大ボスである。


他を寄せつけない体力・知力・狡猾さをも持ちあわせ、玩具でのテックスペックも大体は最上位に設定される。
武装は反物質エネルギーを発射する右腕の融合カノン砲と、左腕から展開するエネルギーの鉄球エナジーフレイル。また初期の頃は背中の砲身(玩具では脇腹に固定)を使用した事も。あとザ・ムービーの素手ビームサーベルと素手ハンドガン。

いわゆる独裁者で軍の全指揮権は彼が持っている。
元来力がありながらその纏まりのなさからそれを活かせないでいたデストロンを、その圧倒的な力で纏めあげた。

荒くれ者の集まりであるが故に彼の地位を狙う者も少なくない(特にスタスク)が、そんな彼らの裏切りすらなんだかんだで許容する器の大きさから彼を慕う者も少なくない 。

また、いつもに比べてやけに安全運転なスタントロン(実はコンボイらの変装)を警戒したスタースクリームに「そうではない、大事な積荷を傷つけまいと奴らなりに気を遣っておるのだ。」と言ったり、部下が功績を挙げればたとえそれが3話に1回は裏切るスタースクリームであっても素直に認めて褒めてやるなど、善人じみた面も目立つ。

更に、リーダーでありながら最前線に立ち直接作戦を指揮したり、利害が一致さえすれば宿敵であるコンボイとの共闘すらためらわない。

彼の座右の銘は上の見出しの通り。
単純な悪ではなく彼なりに平和を目指しているのだ。

このような点からファンからは「理想の上司」「慈愛大帝」とも呼ばれ、上司にしたいトランスフォーマーランキングでも1位に輝いた。
…といっても、地球上で必要以上の破壊を行わないのは「人間を取るに足らない生き物と見下している(=殺すためにわざわざエネルギーと時間を割くのは無駄だと思っている)から」というのが大きい*1
事実、人間を「殺した」事こそなくとも「殺そうとした」事なら劇中何度もあるし、加えてエネルギー強奪のために人間を奴隷化したり、果ては地球そのものが壊滅するような作戦を立案する事も少なくない。
また宿敵であるサイバトロンに対しても、モブ兵士を率いての非戦闘員の虐殺やロボスマッシャーによる一般市民の洗脳、伝染病を利用したパンデミックといった非道も普通に働く。
ザ・ムービーでは「素手で捻り潰してくれるわ」と言いつつ途中から凶器を使ったり、セイバートロン星の掟に則った決闘でズルをするなど小物なところもある。
そして、部下に優しいというのも必ずしも正しいわけではなく、スタースクリームのことを何度も見捨てたり不必要に煽っては逆襲に合っているし、
アストロトレインやビルドロン部隊といった部下の尽力があったのにもかかわらず自分の命を優先したりしている。
ザ・ムービーではユニクロンの命令に従わないと言いつつ始末を宣言され、(相手が悪すぎたのもあるとはいえ)哀れっぽく命乞いを始めるなど、自分の命に対する執着は異常とも言える。
よって、この慈愛ネタはあくまでネタ程度に捉えておくのが良い。実際、玩具展開の都合上部下を粛清できないだけで、その制約が緩んだザ・ムービーではガルバトロンになったとはいえ
容赦なくスタースクリームを粉微塵にしていることからもわかる。(そのガルバトロンもTVシリーズでは一部を除き許している)

公式では弱点はないとされるが、部下を原則恐怖政治と悪目線におけるカリスマで統率しているため、自主性が薄い部下ばかりが育っていることと、
そんな感じなため自主性があったらあったで平気で裏切ってくる部下が多いこと。
また、作戦の立案には慎重を期す一方で、思い通りに事が進むと有頂天になって部下の話を聞かなくなりがちになることも往々にしてある。
これにより失敗した作戦も少なくなく、彼の弱点の一つだといえるだろう。
何より、決断力のあるコンボイとの相性の悪さもある。彼の仲間を思う心や人間を慕う気持ちから生まれた行動力に負けることもしばしば。
また、先の通り自分の命優先なため、一時の命惜しさで見捨てた結果、せっかく掴んだグリムロックの信用を失ったり*2
コンボイの計画を見破ることもある一方、長年の付き合いということもあってかコンボイに計画を見透かされて単身先回りされ失敗、などということも。

変形モチーフは乗り物ではなくなんと銃。ワルサーP-38に変形する。
後のターゲットマスターやアームズマイクロンのような武器になるトランスフォーマーのはしりと言える。
この時自身では動けなくなるため、彼を握る射手を必要とする。それでいいのか悪の大ボス。
しかもアメリカの世情の変化もあり、銃に変形するメガトロンは原則このG1限定となってしまい、リメイク玩具等では再現されづらくなった。

主な射手はスタースクリームサウンドウェーブ、そして最大のライバルであるコンボイ。
たまに自力で撃っているが突っ込んではいけない。というかOPに毎回一人で撃ってるシーンがあるので射手が必要という印象が薄い。
変形するとサイズが小さくなるが、ラジカセに変形するサウンドウェーブも縮小したり、逆にスペースシャトルに変形するアストロトレインが巨大化することから、変形モチーフによっては拡縮できる可能性もあるのかもしれない。

前述した通りスタースクリームには事ある毎に裏切られるが彼は怒りながらも最終的には許している。
これは一種の恒例行事と見られており、3話ではスタースクリームがメガトロンに銃を向けても他の面子は通常業務に勤しんでいた。



【G1ガルバトロン】



殺せ!ぶっ潰せ!破壊しろぉぉ!!



『ザ・ムービー』においてデストロンを追放された彼がユニクロンの力でパワーアップした姿。
SFレーザー砲台に変形できる*3
武装は右腕のSFキャノンと呼ばれる火器で、推進器代わりに使う事で高速移動も可能なスグレモノ。
『ムービー』の時はまともだったが、『2010』にて戻ってきた際にはユニクロンの呪縛による後遺症から頭脳回路に障害がでてキチ○イと化す。
精神病院に送られる悪役はいれど、忠臣の手によって送られた上に送られた病院を破壊してしまった悪役は彼くらいだろう。



【劇中の活躍】

●「トランスフォーマー ザ・ムービー
冒頭で部下と共にアイアンハイド、ラチェット、プロール、ゴングを抹殺し、サイバトロンシティを襲った後コンボイとの一騎討ちに臨む。
素手で捻り潰すと言いながら武器を使うなど卑怯な手を使う。
これが原因でコンボイが死んだ!のだが自身もまた瀕死の重傷を負う。
こうして弱り果てた結果、破壊大帝の座から失脚するのだが前述した通りガルバトロンとなる。

新たな部下を引き連れ、ニューリーダーとなったスタスクを処刑。
その後はウルトラマグナスを破りマトリクスを奪う。
そしてユニクロン体内にて新たな司令官ロディマスコンボイに敗れ、宇宙の彼方へぶっ飛ばされる。


●「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー2010
5年間(原語版では1年)溶岩風呂で入浴していたところを忠臣のサイクロナスに救われデストロンに復帰。
しかし前述したように狂っており、メガトロン時代のような落ち着きや狡猾さは見る影も無くなり、一度気分を害すれば敵はおろか味方すら破壊する危険な性格になっていた。
その有様にデストロン兵士たちは公然と不満を口にするようになり、中には「こんなリーダーにはもう付いていけない」とデストロンを離反してしまった者までいるほど。
そしてその被害に一番悩まされたのは他でもないNo.2のサイクロナスである。
だが初代からの腹心であったサウンドウェーブは信頼しているのか彼に対してだけは暴力的にならず、負傷した際は手を貸して共に離脱したり、サウンドウェーブの発案にのったりとメガトロン時代の落ち着きを見せていた。
サイクロナス本人も元を正せばサウンドウェーブと同じ初代からの腹心であるスカイワープなだけに、尚更不遇なサイクロナスである。

(ただし、第18話「セイバートロン星の吸血鬼」にてガルバトロンはスカージなどを生贄にしてまで逃げようとしたのにもかかわらず、サイクロナスが1度吸血鬼に襲われていた時は、ガルバトロンが攻撃をして助けているなど、ガルバトロンはサイクロナスに対してもある程度大事にしているようではある。)

終盤にはマトリクスの光によって宇宙ペストを治療されると同時にかつての理性を取り戻し、復活して宇宙を救ったコンボイと握手をして物語を締め括る。


その後の展開はG2までは国内と国外で異なる。


《日本展開》
●「トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ
頭脳も幾ら回復したらしく、サウンドウェーブの死に泣き崩れるなど、真っ当な情緒も見せていた。
一人称は「俺」も使うようになった。
スコルポノックの手によりセイバートロン星が爆破されると知った時は慌てて止めに行くも間に合わず爆発に巻き込まれ、しばらくの間行方不明になる。

後に無事帰還して「グランドガルバトロン計画」を計画するも失敗、最終的に氷山の中に消える。
この回では頭が弱点という設定にされている。またデストロンで唯一の、カウンターパンチがスパイだと気付いた存在となった(それを確信した直後に倒されたので他メンバーには知られなかったが)。

●破壊大帝スーパーメガトロン(リターンオブコンボイ-ザ☆バトルスターズ-)
謎の帝王ダークノヴァの力でスーパーメガトロンとして復活した。容姿が若くなっている。
ガンジェットに変形する。
人間を食べて力にする等より凶悪になり(下記参照)、同じく復活したスターコンボイと死闘を繰り広げる。

何故か額に「SM」と書いてあるのがネタにされる。

後の『トランスフォーマーアニメイテッド』のメガトロンのデザインベースとなる。


※画像は当時、児童誌で企画されていた『トランスフォーマーテレフォン』より。なお答えてる本人は至って真面目な様子


●最強破壊大帝ウルトラメガトロン
スーパーメガトロンの進化形態。飛行重戦車に変形する。


《海外展開》
●「トランスフォーマー ザ・リバース
こちらでは日本展開の物より更に知能が回復したように見られ、メガトロン時代と同様にむやみに部下に対して罵詈雑言や暴行を加えることはなくなり、話を聞くようになっている。
そしてこちらでは行方不明にはならず、再び全宇宙の支配者になることを宣言した後にどこかへと去った。

●「トランスフォーマーG-2」
戦いの末に悪の心をなくし、サイバトロンとも和平を結んで戦いに終止符を打った…筈だったが、平和の使者として送った部下を地球人に殺害され、激怒したメガトロンはロボット生命体以外の「人類を含む生物」は全て敵とし、地球を征服しようとし、追いかけてきたコンボイも一度は破壊する。
しかしコンボイは…

この時の彼は戦車に変形するがライバルのように特別な名前を持たない。

デザイン自体は『ビーストウォーズⅡ』のメガストームにそのまま流用された。


●「ビーストウォーズメタルス
千葉トロンが蜂起した真の理由が、ゴールデンディスクにG1メガトロンが遺したメッセージに基づいたものだと明かされた。
G1メガトロン本人もテレトラン1内部で休眠中の状態で登場しているが、設定上はビースト戦士たちの生まれた時代では行方不明扱いらしい。
因みに千葉トロンはG1メガトロンの末裔を名乗っている。
この時の声優は日本語版が高木渉、原語版はゲイリー・チョークである。


●「キスぷれ」
『ザ・ムービー』でロディマスに投げ飛ばされた後に東京に落下し、地球人とトランスフォーマーと関係悪化の種を作っていたことが判明する。
第1部終盤で再び宇宙に放逐され、『2010』に続くことになる。



【玩具】

メガトロン時代はニューミクロマンの「ワルサーガンロボ」の流用*4
こちらは新規パーツ追加などの仕様変更をしながら何度か復刻発売されている。最近だとDOTM版メガトロンとのセットで発売したのが新しい。
まるで立体パズルかの如く複雑かつ高難度な変形機構となっているが、その分拳銃モードとロボットモード共にプロポーションは優秀で、今なお傑作玩具としての呼び声が高い。

ガルバトロンはモチーフ無しオリジナル新規デザインの光線銃だが時代を差し引いても劇中との差が激しい…というか別物。
さらに情報の混乱により一部CMや書籍などで、メガトロンの子分で肩書きが要塞参謀*5となっている。

その後はマスターピース、リボルテック変形!ヘンケイ(CLASSIC)などでメガトロンが発売。

トランスフォーマーシリーズにおいて、メガトロンの名を持つキャラは多いが、銃に変形するタイプは少なく、戦車や戦闘機が多い。
この為、G1メガトロンのリメイクが絶望視されていた時期もあったが、前述したヘケヘケやMPは銃タイプである。
尚、銃変形が少ないのは、乗り物や動物型と違って、移動手段に困ることや後述の規制が大きいのだろう。

その後の国内のいわゆるクラシックラインと呼ばれるリメイクラインではユナイテッドでヘケヘケの色替えのアースモードと海外でGenalationsとして発売されたセイバートロンモード、G2メガトロンが発売された。
ジェネレーションズではメトロプレックスと絡ませられるメトロマスタークラスとしてスタースクリームとセットで登場。なおこのTOYはデザインがアメコミの「MEGATRON ORIGIN」版に近いのがポイント。またステルス機に変形するメガトロナスもオライオンパックスとのセットで発売された。このセットは2大リーダーのかつての姿を再現しており、すぐに対決させられるのが魅力である。

現在海外で展開されている「コンバイナーウォーズ」でもリーダークラスで発売された。日本では「トランスフォーマーレジェンズ」として発売。
こちらは戦車にトランスフォームするがロボモードのスタイルがG1アニメ版にかなり近い。海外では同月にメガトロン(マイクロン伝説)が頭部変更、カラー変更のリデコ品として発売された。隠しギミック扱いだがなんとマイクロン伝説のショックウェーブと合体できたりする。これにはクワガタンクも大喜び!

また、コトブキヤからD-styleでプラモデルの発売も決定。表情を変えられる差し替え顔パーツやエナジーメイス、コンボイやスタースクリーム(製作が決定されている)に持たせることが可能なメガトロンガンも付属する充実した仕様になるようだ。

キュートランスフォーマーシリーズでもコンボイと共に発売決定。

「トランスフォーマーシージ」ではサイバトロンモード、「アースライズ」「キングダム」ではアースモードでリメイクされている。
いずれも変形モチーフは戦車であり、シージとアースライズはボイジャークラス、キングダムはデラックスより小さいコアクラスである。

ガルバトロンもヘケヘケ(海外ではUNIVERS)で発売されている。
当初は3段変形し、大きいボイジャーサイズの予定だったが何故かデラックスサイズに縮小されてしまった。ヘケヘケにある4本足になる謎ギミックはこれの名残。

「コンバイナーウォーズ」「ユナイトウォーリアーズ」でのサイクロナスはなんとスクランブル合体可能で、合体後の顔がガルバトロンのものになる。
合体後の名前は英語版が「ガルバトロナス」、日本語版が「グランドガルバトロン」。

「タイタンズリターン」「レジェンズ」では3弾変形*6するうえにヘッドマスターになったガルバトロンが登場。

「トランスフォーマーキングダム」でもボイジャークラスでリメイクが発売されることが決定している。ヘケヘケぶりの「普通の」ガルバトロンである。



【余談】

アメリカでは子供向け玩具を出す時に「リアルな銃そっくりな玩具は出してはダメ」「出すなら派手な色にしてから出すこと」という制約がある。
その為、G1放送時に発売された玩具はワルサーP38の銃口にオレンジ色のキャップを付けられている。
G2メガトロン以降モチーフに戦車が選ばれているのもこの影響で、昨今はこの手の玩具銃規制を逆手に取り「実銃に玩具銃を模したガワを被せる偽装パーツ」なども
アングラの犯罪者向け用途で出回っている為、余計に元の実銃モチーフでは出し難くなりつつある。


銃形態に変形するUNIVERSEメガトロンはアニメからかけ離れた紫と緑主体のカラーとなり、EZコレクションに相当するレジェンドクラスメガトロンも銃口がオレンジに塗られている(どちらも日本投入に際してアニメ本編のカラーに色替えされている)。


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最終更新:2024年04月07日 21:52

*1 メタな事を言えば当時のアメリカの放送コードで殺人描写がご法度だったため

*2 この時は隕石の爆発から逃げるため、グリムロックを助けず見捨てており、コンボイは逆に彼を命がけで救った

*3 玩具版では「SFガン」と呼ばれ、光線銃モードと砲台モードを使い分けられる

*4 よく同種のガンロボである「ブローニングガンロボ」がメガトロンの元ネタと勘違いされがち

*5 おそらく本来は別会社の商品である「レーザーウェーブ」の後継キャラとして開発されたため

*6 レーザー砲台はそのままだが、SFガンがSFジェットに変更されている。