minori

登録日:2009/07/01(水) 00:47:03
更新日:2024/03/19 Tue 21:24:36
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株式会社ミノリのアダルトゲームブランド。2001年発売の『BITTERSWEET FOOLS』で活動を開始した。



概要

社名やブランド名は“We always keep minority spirit.”(いつも少数派の魂で)や「実り」という言葉にちなんでいる。
流れるような作画、アニメや映画の様な演出、新海誠氏の手掛けた完成度のOPムービーで有名な会社。
作画とOPは間違いなく業界最高峰で、minoriとタメを張れる会社はおそらくPurple softwareくらい。
しかし、当初は完成度が高過ぎた事でシナリオが追い付けなくなり、よく「OP詐欺」と言われていた。
なお、新海氏がこのブランドのムービーを手がけたのは『ef』までであるが、以降の作品のムービーに対する評価も基本的に高い。
また、現在では声優としても躍進を遂げた原田ひとみ氏をデビュー当時から主題歌に起用している。
はるのあしおと』以降、『ANGEL TYPE』「すぴぱら」以外の全作品のOPを原田氏が歌っている。

比較的短い作品に対しても、差分なしで数百枚レベルのハイクオリティなCGと異常な枚数の差分とアニメーションを用意するため、
よく立ち絵の存在感が希薄になるという、他のブランド作品では珍しい現象が起こることも。
eden*』では立ち絵を全廃し、イベント絵だけでシナリオを進めるという演出を披露した。
また、物語を「鑑賞させる」ことに特化し、ADVでありながら選択肢を極限まで減らしているのも特徴的で、
minoriは同社の全作品のジャンルを「インタラクティブ・ノベル」と呼称している。
実写さながらの美しい背景美術も極めて評価が高く、しばしば他社のゲームの背景の外注を請け負っている。
音楽も質量ともに高評価で、新海誠氏のほとんどの映画作品で音楽を担当している社内スタッフの天門氏が奮闘している。
ただし高度な演出の代償として、フルプライス作品であっても、ほとんどの作品でシナリオは短め。
ボイスやエロシーンを飛ばさなくても20時間前後でコンプできる作品が多い。

演出に妥協しない姿勢が災いして、新作が出るスパンが比較的長く、よく空気になる。
実際、『ef - a fairy tale of the two.』は開発が長引いた結果、序章と完結編を、かなりの間を開けて分割販売することになり、
作品自体の評価に反して、分割商法の例としても有名な作品になってしまった。
その後も、完全新作は1年に1本も出るか出ないかの状態で、エロゲメーカーのなかでは寡作の部類に入る。

また、「どん判金ドブ」と揶揄されるほどの実験的な商法を繰り出すこともある。
eden*』では本編を全年齢対象とし、18禁要素に該当する拡張データディスクを別途発売したが、
コストが嵩んだために売り上げに反して収益は少なかったという。
『すぴぱら』シリーズは異常なまでの演出強化に加えて、全年齢版で分割商法を試みたが、
売り上げが伸びずに頓挫し、一時は会社の存続さえ危ぶまれた。
現在、『eden*』『すぴぱら』シリーズは海外に販路を求め、Steamにて英語版が販売されている。
(ほかに全年齢で分割商法前提の作品作りをしている著名な作品としてはkeyの『Angel Beats!』がある)

『夏空のペルセウス』以降は費用捻出のためか、ブランドの売りである作画や演出を活かしたオーソドックスな18禁作品を作り続けている。
コスト度外視のイベント絵使用も抑えられ、シナリオも「小品」とも呼ばれるコンパクトなものとなった。
(とはいっても、同規模のプレイ時間の他のゲームと比べると、CG・BGMともに遥かに多い)
そのなかで「巨乳のヒロイン」を前面に押し出すようになり、「ペルセウス」以降のヒロインは全員Dカップ以上である。
光や陰影を効果的に用いたエロシーンのCGは必見。
また、ソフ倫系のエロゲメーカーでもまれな、隠語無修正、ピー音なしのメーカーでもある。
普通に「おま○こ」や「お○んちん」などの音声が無修正で流れてくるので、最初は面喰うことになるだろう。

FDやドラマCDで自らのゲームをレイプしたりする。

2019年1月25日発売の『その日の獣には、』を区切りにソフトウェアの制作を終了し、制作チーム解散を発表。
ソフトウェアのダウンロード販売やサポートを除いた業務の終了も発表された。
経緯についてはホームページの「ソフトウェア制作終了のお知らせ」にて詳細な内容が公開されており、情報の歪みを避けたいため公式ホームページを参照されたし。


著作権について

minoriは著作権に対しては特に厳しい規定を設けている。
実況プレイは勿論、体験版やデモムービーのアップロードも認めておらず、削除対象となる(公衆送信権の侵害)。
また、本編の他の語への翻訳パッチをつくることも、当然ながら認めていない(翻訳権の侵害)。
しかし、一部作品のデモムービーは公式が動画サイトにアカウントを作った上で公開しているので、問題なく見ることができる。
正規に購入せずにゲームをプレイしようとする、いわゆる「割れ厨」の影響もあって売り上げが伸び悩む業界なので、
正規購入を促すという意味では正しい行為である。
また後述するような、海外への情報流出を避ける目的もあると思われる。
(動画サイトにエロシーンなどを丸上げされることで、海外の人の目に留まり、当該国で犯罪になるような画像を所持される恐れがあるため)
ただし体験版は、公式で公開されているものを実際にプレイしてみればいいだけの話といえる。
推奨スペックに達していないPCを使っている人は潔く諦めましょう。


海外への対応

2009年に起こった、いわゆる「レイプレイ騒動」などに端を発するエロゲ販売への風当たりに抗する動きとして、
2009年6月23日より海外からの公式サイトのアクセスを遮断するという試みをしている。
以降、ゆずソフトやビジュアルアーツ・アリスソフトなど、一部メーカーが後を追った。
もともと日本専売の、日本語の長文を読むことができる人をターゲットにしているソフトを販売していることもあり、
それらのソフトの情報が海外へ流出するのを避けたものであるという旨を、J-CASTからのインタビューのなかで、
代表取締役の酒井伸和氏は述べている。

実際、国によってはこれらエロゲーを「持っているだけでアウト」になるところもある。
ソフ倫の審査はあくまでも「日本国内」の規定のため、海外では通らないこともあるのだ。
それゆえ、何らかの形でminoriのエロゲーの画像を手にした海外在住の人が意図せず犯罪者になり、
それによってエロゲー(とブランド)への風当たりがますます強まることを懸念した結果が、「海外からのアクセス遮断」である。
これについて、酒井氏は「海外において弊社の商品やWebサイトに掲載している画像を単純所持していただけで、当該国において犯罪者となる可能性があるのなら、それは弊社の配慮不足を起因とした問題です」とまで言い切っている。

ちなみに、言うまでもないことだが、わかっていて購入したのならば自業自得以外の何物でもない。
しかも、それでメーカーや業界全体にも影響が及びかねないという意味では、二重に迷惑である。

ただし、全年齢対象の『eden*』(PLUS+MOSAICを除く)『すぴぱら -Alice the magical conductor.』は、Steamで英語版の販売を行なっており、
海外との繋がりを完全に絶っているわけではない。
実際、「すぴぱら」は今後の売上次第では、第2部が海外先行発売になる予定もあるという。
『ef』も本編の英語版を発売していたが、売上がほとんど伸びずに頓挫した。

現在、TPPをはじめとする国際的な協定の取り結びについて議論されるなかで、エロゲにとどまらずアダルトな表現がどのように扱われるのか、
minoriとともに、慎重に目を凝らしてみていきたいところである。


作品一覧


BITTERSWEET FOOLS(PS2版あり)

Wind -a breath of heart-(DC版・PS2版あり)
┣そよかぜのおくりもの -Wind Pleasurable Box-
┗Wind -a breath of heart- Re:gratitude(リパッケージ版)

はるのあしおと(PS2版あり)
┗さくらのさくころ -はるのあしおと Pleasurable Box-

〇ANGEL TYPE(minori feat. Aerisとして発売)

ef - a fairy tale of the two.関連作品(「first」と「latter」はPS2版・英語版あり)
┣ef -First Fan Disc(先行ファンディスク)
┣ef -the first tale.
┣ef -the latter tale.
天使の日曜日 -ef Pleasurable Box-

eden*(全年齢対象、英語版あり)
┗eden* PLUS+MOSAIC(上記作品の18禁拡張データディスク。単品ではプレイ不可)

〇すぴぱら -Alice the magical conductor.関連作品(すべて全年齢対象。英語版あり。開発凍結状態)
┣すぴぱら NICE TO MEET YOU!(先行グッズ。体験版収録)
┗すぴぱら - Alice the magical conductor. STORY #01 -Spring Has Come!(本編第1部)

〇夏空のペルセウス

〇12の月のイヴ

〇ソレヨリノ前奏詩(プロローグ)

〇罪ノ光ランデヴー

〇トリノライン
┗トリノライン :ジェネシス(ファンディスク)

〇その日の獣には、


余談

2009年にはLyceeに参戦した……のだが、このminori1.0でだいぶやらかした。
シュートや新藤千尋(記憶障害)を初めとした雪の底上げ強化と雪単の構築価格の値上げ、ハーモニカやモデルなどでの花の強化とまぁ雪と花の大優遇。
パックを割いても出るレアは雪か花という尖りっぷり。尖りすぎて他の属性を涙目にした。


追記、修正よろしく。

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最終更新:2024年03月19日 21:24