ビルドロン(G1)

登録日:2011/11/04 Fri 12:38:20
更新日:2024/03/19 Tue 20:04:34
所要時間:約 7 分で読めます






パワーと機動力を兼ね備えた、ビルドロン部隊だ!







ビルドロンとは、トランスフォーマーシリーズの初代アニメ、『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』及びその続編に登場するデストロン軍団所属の陸上部隊である。
劇中ではビルドロン部隊ビルドロン師団とも呼ばれる。
海外名は「コンストラクティコンズ」。



―さて、今日のトランスフォーマーは、ビルドロン部隊の概要から物語を始めるとしよう―


第10話から登場するデストロンの陸上部隊。建設車両に変形する6人組で構成されているのが特徴。

建設車両だけあってかなりのパワーと機動力を持ち、戦闘だけでなく臨時基地の建設や新兵器の開発、破壊活動など様々な場面で活躍する。
加えて他のデストロン同様、ロボットモードで飛行可能。
また、ビルドロンに限った話ではないが溶岩に落ちても何ともない。
その為、ダイノボットでなければサイバトロン戦士達の苦戦は免れない。

共同作業が多いからか、メンバー間の仲も良好であるようだ。
「リーダーは俺達」「ビルドロンは6人でひとつ」「俺は皆とチームを組めてよかった」という発言からもそれがうかがえる。

その生い立ちに関しては一定していない。
10話ではメガトロンがデストロン名物・臨時基地で製作したという設定だった。
事実、セイバートロン星出身のトランスフォーマー達がセイバートロニウムの劣化で大混乱に陥った際に地球出身のダイノボットと彼らには何ら影響はなかった。
ところが35話でのオメガ・スプリームの回想では、元々デストロンでありながら戦いを好まない優秀な都市建設技術者達であり、オメガ・スプリームとは親友であったが、メガトロンの罠にはまって洗脳・改造されてしまい、破壊の限りを尽くすデストロンへと変貌してしまったという過去が語られた。
なお、オメガ・スプリームは洗脳を解こうと全員ブチのめして再改造を施したが、洗脳が解けないばかりか逆に罠にはめられて洗脳されかかり、後遺症で感情を欠損してからはビルドロンに激しい憎しみを抱いている。ビルドロンも洗脳されているので恨むのは筋違いなのでは。
さらに2010の4話「マトリクスの秘密」においては、後のデストロンリーダーであるメガトロンを生み出した様子も描かれていて、もう何が何やら…。*1

まぁ、トランスフォーマーでは設定なんてコロコロ変わるので気にしたら負けだろう。
どうしても辻褄を合わせるとすれば

ビルドロンがメガトロンを開発

自分を開発した(=自分の機能や弱点も知っている)ビルドロンをメガトロンが洗脳し、配下とする

セイバートロン星の戦いで大破、パーソナルコンポーネントの状態で地球に持ち込まれる

地球の臨時基地でボディを作り直し復活

といった順に並べるならば矛盾は起こらない。

自分から積極的に行動を起こさないもののスタースクリームやトリプルチェンジャー同様彼らもニューリーダーの座を狙っているらしく、人使いの荒いブリッツウイングに反旗を翻し、メガトロンが戻っても暴れ回っていた。
トランスフォーマー ザ・ムービー』でもニューリーダー決定戦に参加している。洗脳されてるんじゃなかったっけ?

実はサウンドウェーブと仲が悪く、互いに「馬鹿」「ゴマすりのクズ野郎」と罵りあっている。



これが、その問題のメンバー


輸送兵ロングハウル

ダンプトラックに変形する。
主に運搬作業を担当しているが、自分の仕事をあまり好かないらしく、ダンプトラックに生まれたことを後悔している。


建築兵スクラッパー

ショベルドーザーに変形する。
設計の名人であり、作業上の頭脳労働が彼の役目だ。
謙虚な性格で、ビルドロンを代表したりテックスペックが他のメンバーよりやや高かったりと彼がリーダー格であるらしい。


衛生兵グレン

クレーン車に変形する。
精密作業が得意であり、その精密さはサイバトロンの誇るマッド…もとい科学者のホイルジャックを感心させる程。コンボイをバラバラに解体したのもコイツ。
冷静な性格の為かメガトロンへの報告も彼であることが多い。
『ザ・ムービー』でサウンドウェーブに馬鹿にされて「ゴマすりのクズ野郎」と言い返したのは彼。


偽装兵ミックスマスター

ミキサー車に変形する。
ミキサーは自動車を溶かして鉄骨に変えたり酸を調合したりと様々なことが出来、それを活かした特殊作業を担当している。


採掘兵スカベンジャー

装軌式ショベルカーに変形する。
ショベルは探知機になっていて、岩の向こう側からでも目標を探知出来る。
合体中(後述)に集中攻撃を受けたりと災難が多い。
『ザ・ムービー』ではプロールを射殺している。


破壊兵ボーンクラッシャー

ブルドーザーに変形する。
スクラッパーと共に採掘をするのが彼の仕事。
破壊兵の役職通り好戦的な性格だが、仲間意識は強い。
『ザ・ムービー』で負傷兵の放逐を提案したのは、実はスタースクリームではなく彼である。



そして、ビルドロンの6人にはサイバトロンにとって驚異的な能力が隠されていたのである!




「ビルドロン部隊、トランスフォーメーション!」

「フェーズ1!」

「フェーズ2!」



巨人兵デバスター


ビルドロン部隊の6人が合体した姿。トランスフォーマー史上最初に登場した合体兵士である。
ロングハウルが胴体、スクラッパーが右脚、グレンが頭と肩、ミックスマスターが左脚、スカベンジャーが右腕、ボーンクラッシャーが左腕となる。

なお、この合体機能はメガトロンに洗脳された際に付け加えられたものである。
最初期の合体兵士故に強さはスタントロンのメナゾールやコンバットロンのブルーティカスに及ばないものの、ダイノボットやメガトロンでさえ太刀打ち出来ないそのパワーは合体戦士やオメガ・スプリームのいなかった物語初期のサイバトロンにとっては大きな脅威であった。

しかしデバスター対策が整えられ、両軍に新戦力が現れた物語後期や『2010』以降では以前程の驚異とはならなかった。

また合体中は振動や衝撃に弱く、サイバトロンの狙撃やフレンジー&ランブルの地震攻撃などで合体が崩れることも。

プロテクトボットのガーディアン以前の合体戦士全員に言えることだが、頭脳回路も全員の意思統一された部分しか使えないので頭も悪く、もっぱら単純な破壊作業しか出来ないのも弱点。(実際、サイバトロンにコントロールされたことがある)

顔がゴーグル状だったり二つ目だったりと作画ミスが多発しているが、一応ゴーグルが基本のようだ。

実は中の人がメガトロン様役でお馴染みの加藤精三氏である。
ちなみに因縁の相手であるオメガ・スプリームの中の人はコンボイ役の玄田哲章氏であり、何気にどちらも自分達のリーダーと同じ声同士である。



さぁ、活躍だ!


◆『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー
10話で登場して以降ほぼ全編に渡って活躍した。
だが、互いの戦力が整った後半では弱冠デバスターの影が薄い。
23話「スチールシティ」、49話「デバスターを倒せ!」ではサイバトロンを相手に大活躍する。


◆『トランスフォーマー ザ・ムービー
スカベンジャーがプロールを射殺したりデバスターとなってサイバトロンシティを恐怖のどん底へ叩き落としたりと活躍。
ニューリーダー決定戦ではフレンジー&ランブルによって合体解除されて敗北、スタースクリームの戴冠式でラッパを吹いていたが、下手くそだった。


◆『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー2010
惑星ジャールでは僅かなエネルゴンキューブを巡って仲間同士で争うなど他のデストロン同様荒みきっていたが、ガルバトロン帰還後はダイナザウラー(ダイノベース)を誰にも気付かれることなく建造するなど活躍した。
その反面デバスターとしてはメナゾールに粉砕されたり合体を阻止されたりと大した活躍はなかった。


◆『トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ
ダイノベースの駐留部隊として登場。


◆『トランスフォーマーZ』
デストロン九大魔将軍の一人、技術将軍デバスターとして登場。装甲ギアを纏いドリルも装備、知能も上昇したようだ。
だが、ダイアトラスの策で溶岩に飲み込まれて死亡。
初登場回では溶岩に落とされてもその後何事もなく再登場してたはずなのに…*2


玩具展開をとくとご覧いただこう。

G1当時から合体可能な玩具が発売されている。単品売りとセット売りが行われていた。また、後にアンコール版として再販されている。
初期TFの合体系の多くに言えることだが、余剰パーツが多いのが玉に瑕。
さらに建機のミニカーや「GOBOTS」などを展開し、現在はハズブロ参加となった玩具メーカー「トンカ」とのコラボ商品、「トンカネーター」としてカラバリ版が発売されている。

後に玩具オリジナル展開「合体大作戦」にて、サイバトロンの合体戦士「シックスビルダー」としてリメイクされた。
カラバリでビルドロンカラーも展開されたが、恐ろしい程封入率が低かったため、かなりのレア物でフルコンプは難しい。

後に出たアメリカ版はオープンパッケージ、細部の塗装が増えた状態で販売されて日本のファンを悲しませたとか……。

建設機械特有のごついフォルムを生かしたデザインは秀逸。
後に登場する「勇者警察ジェイデッカー」のビルドタイガーや「トランスフォーマー カーロボット」のビルドキングにもその影響がうかがえ、タカラの建設合体ロボの元祖といえるだろう。

2011年11月に新規に金型を作り直してデバスターの玩具が復刻販売された。

2015年には「コンバイナーウォーズ」でフォートレスマキシマスやTGメトロプレックスにせまる巨大なタイタンクラス*3として完全リメイクが決定した。そして日本では「ユナイトウォーリアーズ」として12月に発売された。
実際、無茶苦茶デカい。
変形前のロボットモードに若干しわ寄せが来ている(特にロングハウル)が、しっかりと変形合体を再現し、かつ可動性も追及している。



名付けてこれ、余談と呼ぶ!

元ネタとなった玩具はダイアクロンの「建設車ロボ」。
オレンジと赤を基調にしたカラーが特徴で、緑と紫を基調にしたビルドロンと大きく印象が異なる。

トランスフォーマースーパーリンク」でスクランブル合体兵士「ビルドロン*4」として、「トランスフォーマー リベンジ」では海外名準拠で「デバステーター」としてリメイクされている。また、玩具は出ていないが、アニメイテッド版も登場。しかし全員集合するシーズン4が頓挫したため、一部の登場に終わった…


「オレ達ビルドロン部隊が追記して修正すれば無敵だ!」

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最終更新:2024年03月19日 20:04

*1 ただし彼らに関してはビルドロンと明言されたわけではなく、例えビルドロンだったとしても画面に8体映っているのでスクラッパー達とは別個体とも考えられる

*2 メタ的に考えるなら作風の違いによるものだろうか。

*3 単体ロボは比較的大型のボイジャークラス、それが6体合体することでタイタンクラスのデバスターになる。

*4 合体時の名称。マイクロン伝説で「デバスター」というトランスフォーマーが登場しているため名称が異なる。