ジンハイマニューバ/ハイマニューバ2型

登録日:2012/09/19(水) 00:31:08
更新日:2024/04/17 Wed 00:34:36
所要時間:約 6 分で読めます





「ジンハイマニューバ」及び「ハイマニューバ2型」とは、『機動戦士ガンダムSEEDシリーズ』に登場するモビルスーツ(MS)。



目次





ジンハイマニューバ


基礎データ

型式番号:ZGMF-1017M
全高:21.13m
重量:80.41t

武装:
JDP2-MMX22 試製27mm機甲突撃銃
重斬刀
ビームサーベル

パイロット:
ラウ・ル・クルーゼ
ミハイル・コースト


機体解説

C.E.70の第一次地球連合・プラント間の大戦中ザフトが開発した量産機
既にザフトの主力機として普及していた「ジン」の改装プランの一つとして生み出された高機動戦闘用MSである。
基本構造やモノアイ、トサカ状センサーアレイなど、ノーマルジンの面影を残している部分は多いが、
メイン装甲部をグレー一色からライトグリーンを主体としたものに一新されたカラーリングと、各部の追加パーツにより、印象はかなり異なっている。

大戦前半からザフトはジンの後継機として「シグー」を開発・投入し、次期主力機「ゲイツ」の開発も進められていた。
しかし、シグーはジンのバージョンアップ版程度の性能でそれほど大きな優位性は無く、ジンの代替として早期の大量配備を行うのは現実的ではなかった。
次期主力機と目されていたゲイツに関しても、基礎設計の完成はC.E.71に入ってからになり、そこへ更に奪取した連合のGAT-Xシリーズの技術を急遽加えることになった影響もあって完成は更に遅れてしまった。
結果として、ジンの後継足り得るザフトの新主力機MSの投入まではかなり間が空くこととなった。
こういった状況を受け、「つなぎ」のための一時的措置の一環として計画・実施されたのが、このハイマニューバ型への改装によるジンの強化である。


改装する際に使用された技術は全て他の機体にも使われている既存のものであり、新技術は一切使われていない。
これは実際の戦場での運用における信頼性や整備性を念頭においているためで、
本体パーツの多くも既に生産・普及している通常のジンと共通ということもあって非常に整備がしやすい。

最大の特徴は背中の大型スラスター。
ノーマルジンのバックパック左右にあった翼状スラスターから換装されたこの大型スラスターは、戦艦などに採用されている「MMI-M729エンジン」を転用している。
これによって単純な推進力のアップは勿論、接続部分の可動範囲も広く、これのおかげで高い機動力と航続距離を獲得した。
ちなみにこのMMI-M729エンジンは後に開発されるミーティアに採用された推進器のプロトタイプにもなった。
バックパックの他にも機体の各部にスラスターを増設しており、より高度な三次元機動が可能になった。
更に頭部や機体各部に追加装甲材を配すると共に関節部の耐久性向上も図られており、高機動故生じる機体への負担も解決されている。


詳細な生産開始時期は不明だが、大戦前半のC.E.70年6月にはグリマルディ戦線でクルーゼが受領した1号機が投入されており、それ以前には完成していた模様。
とはいえ元々次期主力機完成までの穴埋め役として製造されたものであることから、本機はごく少数の製造、一部のエースが受領しただけに止まることになった。
しかし、前述の整備性・信頼性に加えて操作性もジンのそれとほとんど変わらないことから、受領したパイロット達をはじめとした現場は本機を非常に高く評価した。
懸念されていたビーム兵器未搭載による攻撃力の問題も、連合が量産用MSへのPS装甲採用を見送ったことから(結果的にではあるが)クリアされた。
これらの影響もあって、受領したパイロットの多くは大戦終盤までこの機体に搭乗し続け(ゲイツの本格的な配備が始まってからも敢えて本機に乗る者もいた程)、
受領しなかった他のパイロット達からも、この機体の増産・配備を希望する声が後を絶たなかったという。

これらの機体特性や逸話から、本機は宇宙世紀でいえばこの機体のポジションにある機体といえるだろう。

なお、後述の2型の登場以降は、区別の為に「M型」と呼ばれる。


武装

  • JDP2-MMX22 試製27mm機甲突撃銃
本機用のマシンガン。
MMI-M8A3 76mm重突撃機銃の改良型で、装弾数を増やすべく実包の装薬を新型に変えて威力を維持しつつ口径を小さくしている。

  • 重斬刀
ジンの物の改良型で、試製27mm機甲突撃銃の銃身下部に水平状態で装着されている。
外さずに銃剣として使うこともできる。

  • ビームサーベル
ミハイル機が最終決戦時に装備していた物。
時間をやりくりして何とか用意したらしい。

ゲームではこの他にM68キャットゥス 500mm無反動砲を装備していることも。



作中の活躍

『SEED MSV』や『ASTRAYシリーズ』などに登場。
主にクルーゼやヤブ医sy…もとい、「ドクター」ことミハイルが搭乗。

先述の通りクルーゼ機となった1号機はグリマルディ戦線にて実戦投入され、地球連合軍の第三艦隊に壊滅的な被害を与えた。
また、同艦隊所属のムウ・ラ・フラガが駆るメビウス・ゼロとも渡り合っている。
グリマルディ戦線後はクルーゼはシグーを受領しこれを乗機としているが、ハイマニューバ自体は予備機としてかクルーゼ隊に残されており、
『SEED』のスペシャルエディションでもヴェサリウスの格納庫内に保管されている本機の姿がちょっとだけ映っている。


一方、ミハイル機の方はドレッドノート奪還任務中に現れたカナード率いる特務部隊「X」の攻撃で自分以外を全滅させられて撤退。
またある時は連合から依頼を受けたらサーペントテールによって機体を鹵獲されてしまい、
ミハイル自身も「命を粗末にするMS乗りは二流だ。捕虜にする価値もない」とまで言われる憂き目に遭った。
またまたある時は、第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦で切り裂きエドソードカラミティにやられそうになった挙げ句、
見逃してもらったことにキレてビームサーベルで刺そうとした瞬間にモーガンのガンバレルダガーに全弾ブチ込まれて大破。
……と、こんな具合でまるでいいところがない。
MSVのPVではミゲル専用ジンとの共演でカッコよかったのにどうしてこうなった。




ジンハイマニューバ2型


基礎データ

型式番号:ZGMF-1017M2
全高:20.22m
重量:79.20t

武装:
MMI-M636K ビームカービン
MA-M92 斬機刀
対ビームシールド

パイロット:
サトー
ルカス・オドネル
蘊・奥(カーボンヒューマン)
ザフト脱走兵


機体解説

上記のハイマニューバ(M型)を経て開発された新たな高機動型ジン。略称は「M2型」。
装甲のメインカラーは黒と紫。
全体的にノーマルジンに近い形状となっている一方、頭部のセンサーアレイが前方に突き出す形になり大型化(これにより情報収集能力が向上)。
装甲形状もデザインはノーマルジンに似ていながら細かな差異が多い。


ノーマルジンに追加のスラスターパーツを加えたような形だったM型に対し、
この2型は既存のスラスター・バーニア類の配置をベースにしつつ、それらをより高性能なタイプに変更する方針で開発された。
あるいは改修機ではなく、より正規的なバリエーションとなることを目指したのかもしれない。
結果、メイン装甲部分もスラスター類にきっちりと合ったフォルムとなり、全体的に納まりのいいすっきりとしたシルエットなっている。

なお、M型と比較すると肩と脹脛部分は同じようにスラスターが追加されているが、フロントスカートの物は廃止されている。
また、背面の翼状スラスターもMMI-M729エンジンではなく従来型に近いタイプの改良モデルとなり、翼自体も背面に対して平行する形で取り付けられている。
これらの違いによりM型程の航続距離は持っていないが、対MS戦闘(特に接近戦)における機動力の向上に成功。
武装に関しても接近戦に対応した物を取り揃えている。

総合的な性能はM型とほとんど変わっていないようだが、ビーム兵器の装備により攻撃力、設計の見直しにより生産性、その他の部分でもバランスよくスペックアップが行われている。
そのため優れたパイロットが乗ればザクなどの次世代機にも迫る戦闘力が発揮できた。


なお、少なくともザフトでは普通に知られている機種であるようだが、ニューミレニアムシリーズの開発などもあり本機は一部の警備部隊など使用されただけでそれほど普及しなかった模様。
そのせいかシリーズではテロリストや傭兵、秘密結社などで運用されていることが多く、ザフト正規軍で使用されている場面はほとんど描かれていない。


武装

  • MMI-M636K ビームカービン
小型のビームライフル
ダガーL用のビームカービンよりはやや大型だが、連射性や接近戦での取り回しに優れ、MSを一撃で撃墜できるだけの威力も持っている。
エネルギーは本体ではなく銃身後部のエネルギーパックから供給される。
発射時のSEは標準的なビームライフルともダガー系のビームカービンとも異なる独特のものである。

  • MA-M92 斬機刀
重斬刀に代わって装備された日本刀型の実体剣。非使用時には左腰アーマーに装着された鞘に納められている。
グレイブヤードに遺されていた技術を使って造られたとされ、材料はプラント産のレアメタル。
同じ実体剣である重斬刀と比較すると切断能力がかなり上がっており、パイロットの技量が高ければ縦列状態のジン3機を一刀両断してしまうだけの切れ味があるという。
ちなみにルーツが同じグレイブヤードの技術なせいで外見がレッドフレームのガーベラストレートと似ている。
これが原因で一時期ロウやジャンク屋組合がテロリストとの関与を疑われ世論から非難を浴び、ロウが指名手配されたことがあった。

  • 対ビームシールド
左手に保持されている片手用の実体シールド。
接近戦時の取り回しの良さを考慮してやや小型に造られている。
表面に耐ビームコーティングが施され、本体の頑丈さから実体弾への耐性も高い。



劇中の活躍

主に『SEED DESTINY』から登場。
サトーらテロリスト達が乗り、ユニウスセブンを落下させて「ブレイク・ザ・ワールド」を引き起こした。
その後、破砕作業を進めるジュール隊のゲイツRを次々と撃破して邪魔したり、ミネルバやファントムペインのMS隊と交戦。
最新鋭機とエースパイロットの集団相手に圧され最終的に全滅したが、元々自滅覚悟で作戦を展開していたこともあり大気圏突入寸前まで戦闘を繰り広げ、
中にはインパルス相手に両腕を破壊されながらも足で組み付き自爆を敢行する者までおり、その執念を見せつけた。

他にもザフト軍に所属していた頃のルカスが乗り、ジストのシグーと戦ってわざと負けたり、カーボンヒューマンの蘊・奥がリリーのネブラブリッツとの戦闘で敗北したりしている。



ゲームでの活躍


◆『連合vsZ.A.F.TⅡ』

2型が参戦。
コストは280で低コスト帯であるが、このコスト帯は
「性能のどこか一ヶ所がコスト不相応にハイレベル」
という機体がひしめくエリアであり、2型もその例に漏れず「格闘性能」が異様に高い。
特に前格闘の突き(通称“牙突”)が頭おかしいレベル。殆どの格闘に後出しで勝てる上に、吹き飛ばされ受け身を取った相手に突きでの追い討ちがほぼ確実に決まる。
「受け身を続けていたら強制ダウンまで突かれ続けた」
なんて事がザラに起こる。
またカウンターも可能で、サブ射と特格で斬機刀を斜めに構えた状態になり、そこに相手の格闘が当たると3連撃で反撃する。
何気に288ダメージを叩き出し、単一格闘のダメージとしては全機体中最大(コンボを含めればまだ上はいるが)。
ただ、ブーストの持続・速度共に格闘機体としては貧弱であり、ステップによる近接を余儀なくされる、使い手を選ぶ職人機体である。


◆『GENERATION OF C.E』

TVシリーズからMSVまで参戦しているのでハイマニューバ、2型共に参戦。
モーションはほとんどノーマルジンの流用。
しかしイベントムービーに登場するなど割と待遇はいい。
ちなみにハイマニューバはヤブ医者機だけでなくクルーゼの1号機も出ている。



立体化


ガンプラ

どちらもHGで発売された。
両者ともに(設定通りと言うべきか)通常のジンのリデコとなっている。
とはいえベースのジン自体初期SEED HGの中ではバランスのいいプロポーションとなっているため、こちらもプロポーションは良好である。
特にハイマニューバ(M型)のほうは背面メインスラスターの可動域が広く、重斬刀と突撃銃の着脱も再現している。



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最終更新:2024年04月17日 00:34