ジンのバリエーション(専用機以外)

登録日:2012/10/02(火) 02:19:38
更新日:2024/02/04 Sun 15:58:22
所要時間:約 6 分で読めます




本項ではザフト軍MS「ジン」のバリエーションについて記述する。
バリエーションの内専用機の類に関しては別項目を参照。




■プロトジン

型式番号:YMF-01B

ジンのプロトタイプ。黄緑色の装甲が特徴。
鶏冠が無く、背中のスラスターも小さい。当然、性能はジンより低い。

C.E.67年にマイウス市でザフトの戦力として開発、増産された初のモビルスーツ。
現行のジンはこの機体をベースに様々な改良を加えてスペックアップしたもの。
プロトジンという呼び名も現行型のジンが完成したことから付いたものであり、当初は「ジン」といえばこの機体を指していた。
増産されザフトの軍事行動が始まってから暫くは実戦にも投入されたという。
その後、完成型のジンの配備が完了してからは前線を離れ、C.E.71年頃には主にパイロットの訓練機や作業用機などの非戦闘活動に使われている。
そのことから「練習用ジン(ジン・トレーナー)」と呼ばれることも。
民間へ払い下げられた機体も少なくない。



■ジン長距離強行偵察複座型

型式番号:ZGMF-LRR704B

ジンの偵察仕様機。カラーリングは黒が主体・黄色がアクセントとなっている。
肩に2基の中型レドームが取り付けられ、頭部や腰部にもセンサーが追加されたことで索敵能力がアップした。
また航続距離の延伸も図られている。
コクピットは複座式で、機体操縦と情報収集を担当する二名が乗る。
武装にはスナイパーライフルが用意され長距離狙撃も可能だが、通常の重突撃機銃を装備することもあった。

主に偵察部隊などで運用されたらしいが、各種センサー系などの特殊装備が多く積まれているため、通常のジンに比べると諸々コストが高いのがネック。

ユニウスセブン付近で遭難したラクス・クラインの捜索中、アークエンジェル所属のミストラルを発見して攻撃するも、護衛のストライクによって撃破された。
C.E.73年時でも地球連合軍の核攻撃隊やエターナルの発見に活躍している。

なお、装備するスナイパーライフルは「作業ポッドすら直撃させても破壊できない豆鉄砲ww」などと馬鹿にされがちだが(Wikipediaでも長らくその様に記述されていた)、
実際に命中させたのはミストラル本体ではなく、ミストラルが運んでいたコンテナの角の先端、縁ギリギリの所である。
破壊できなかったのは直撃ではなく掠めただけだったか、当たり所が悪過ぎて十分な威力が出なかったのだろう*1


■ジンアサルト

型式番号:ZGMF-1017AS

ジンの強化案の一つで、各部に「アサルトシュラウド(AS)」を装着した形態。
ASには武装やスラスターが内蔵されていて、防御力だけでなく機動性や火力もアップさせている。
ASは全て任意でパージ可能で、一部パーツだけを残してのパージも可能。

武装は両肩にガトリング砲、両脚部にバルデュスに似た小型の三連ミサイルポッド、そして胸部装甲内と両前腕部にグレネードランチャーが配置されている。
これら以外にも通常の重突撃機銃や重斬刀なども装備可能な模様。

第一次大戦中に開発されたが、ザフトではジンの強化案より後継機の開発の方を優先していたこともあってこの装備の生産数はかなり少なく、かなりレア機体となっている。
デュエルのASの基にもなったらしいが、外見的にも装備のレイアウト的にも別物である。どういうことなの…。

マディガン専用ジンも基本的にこのアサルト仕様になっているが、装備の性能自体は通常のアサルト仕様と同じ。

また漫画「SEED Re:」にも登場。
ミゲルが乗ったが、ソードストライクによって撃破された。



■ジンオーカー

型式番号:TMF/S-3

茶色や黄土色のデザートカラーに塗装された砂漠戦用のジン。
オーカーは「Operation Commando Hard Environment Reinforced Type」の略。

背面の翼状スラスターなどの宇宙用の装備がオミットされ、代わりにバッテリーやガスタービン式の発動機が追加された。このおかげで通常のジンより稼働時間が長い。

駆動部やインテークにはフレキシブル・ブーツや防塵フィルターが追加され、センサー系も砂漠の環境に合わせて改良された。
脚には折り畳み式のプレートが4枚ずつ装着され、砂漠での走破性を高める。

武装は通常のジン用の物以外に試製37.5mm極超高初速ライフル、重斬斧などを装備。

主にバクゥの支援機として運用され、アンドリュー・バルトフェルドの部隊にも確認されている。



■ジンフェムウス

型式番号:YF-3A

ザフト初の水泳部員となった試作機。
フェムウスは「Fighter Experiment Maneuver in Water & Surface」の略。

グーンのプロトタイプでもあり、「プロト・グーン」とも呼ばれる。スケイルモーターの実験機も兼ねているらしい。
顔と胸はジンっぽいが、その他はほとんどグーンである。

マルコ・モラシムらが乗って連合海軍に甚大な被害をもたらした。



■ジンワスプ

型式番号:UWMF/S-1

フェムウスのデータを基に造った水中用ジン。ワスプは「Water Adapted Search & Patrol Type(水圏適合索敵哨戒型)」の略。

背中にハイドロジェットを装着し、頭の鶏冠は大型センサーと強化型探照灯を合わせた物に変わっている。

潜行可能な深度は100m程度と他の水泳部員のように深く潜水することはできないがそれでも実用性は充分であり、哨戒から敵の船舶や港湾施設への攻撃、他の水泳部員の支援などに力を発揮した。

武装は魚雷が主だが、フォノンメーザーを装備した機体もあるという。



■ジンワスプ改

型式番号:UWMF/S-1

ワスプの改良型。
基本的には搭載されたロレンツィーニ・センサーを最新版に取り替えただけ。

オペレーション・フューリーで投入が確認されている。



■寒冷地ジン

型式番号:不明

他のバリエーション機と共に開発系統図に記載されている機体。
寒冷地仕様となったジンと思われるが、この呼称以外の設定やデザインは不明なままとなっている。



■ジン戦術航空偵察タイプ

型式番号:ZGMF/TAR-X1

ディンのプロトタイプ的な機体。
コイツも偵察機であるが、上記の強行偵察型と違って大気圏内での運用が前提。
背面のスラスターをスラスター内蔵大型翼二枚とエアロシェルシステムを備えたバックパックに換装し、腰部と脹脛にもスラスターユニットを増設することで大気圏内での単独飛行が可能になっている。
エアロシェルにはバクゥ戦術偵察型と同じタイプの高性能センサーを備え、高高度から地上を偵察する。
他にレドーム付きのタイプも存在するらしい。

手持ち武器としてパイルバンカー付きビームライフルであるJDP3-MMX50試製近接戦ビーム突撃銃を持ち、更に隠密性を高める目的でミラージュコロイドによるステルス機能も有している。
しかし、連合のGを奪取する前の技術の産物なので性能的に不十分であり、ビーム突撃銃は主武装とするには威力が低い。
ミラージュコロイドに関しても展開中は機体を静止させておかねばならず、飛行中は展開不可能という大きな欠点がある。

リマスター版SEED第35話にて、フリーダムが到着する直前に「305」とマーキングされたシグーと共にアークエンジェルを攻撃している場面がある。
……が直後にAAの反撃で撃墜された。



■ジン式典用装飾タイプ

型式番号:ZGMF-1017

その名の通り、式典用のジン。
主に儀仗兵らが搭乗して式典中の華となる。

基本的に装飾類を取り付けただけで本体性能は通常のジンと同じ。
ボディはグレーカラーだが特殊な樹脂で塗装されており通常機に比べると幾分色が薄く、胸元や肩などの装甲には象嵌風の金の縁取りなどが足されている。
左胸の辺りには飾緒のようなパイプと飾り羽根状のスタビライザーなどが追加。
背面スラスターも左側のカバーが装飾の施された大型の物に換装され、上部にはザフトのマークも大きく描かれている。
実はこの塗装や飾りは特に固有の歴史文化を持たないプラントのコーディネイター達が、「荘厳な感じに見えるように」とコンピューター上でそれっぽくデザインしただけだったりする。

武装は式典用76mm重突撃機銃で、指揮官機には更に鞘付きのサーベルも追加される。
前者はボルトアクション式のライフルで、装填されているのは基本的は式典中に使用する空砲。一応実弾も撃てない訳ではないが威力は大したことは無い。
銃床は木の樫を、スリングベルトも革を使っている(どちらも化学合成された模造品とかではなく、前者は樫の木をプラントの科学力を駆使してデカくし、後者は組織培養したものらしい。牛を巨大化させた訳ではない)。
サーベルは言ってみれば竹光みたいなもんだが、刀身は発泡金属を金属樹脂でコーティングした物なので剛性は結構高い。

ユニウスセブンの追悼式典やユニウス条約の調印式で使われ、ミネルバの進水式前のアーモリーワンでも配備されていた。



ジンハイマニューバ

型式番号:ZGMF-1017M

ジンの高機動改修機。



ジンハイマニューバ2型

型式番号:ZGMF-1017M2

ハイマニューバの改良型。



■ジン タイプ インサージェント

型式番号:ZGMF-1017

ブレイク・ザ・ワールドの直後に現れた機体。
通常機と性能は特に違いはないが、頭部、胸部、フロントスカートなどの各部に投光器が追加され夜間での行動能力を底上げしている。
また、装甲は黄土色で左胸には赤で「K」と書かれている。

過激派に利用されたと思われるナチュラルに両親を殺された三人のコーディネイターの子供が搭乗。
ブレイク・ザ・ワールドの混乱が収まらぬ南米フォルタレザの街に突如出現し、ブレイク・ザ・ワールドの影響で発生した豪雨および水害から避難中の民間人への無差別虐殺を実行した。
しかしフォルタレザには折り悪く連合軍と国軍が災害派遣されており、即座に迎撃される。
連合軍戦闘ヘリにバックパックを破壊され、エドモンド・デュクロの指揮するリニアガン・タンクの近距離砲撃で動けなくなり、更にヘリからの焼夷弾によりコックピット内が蒸し焼き状態となりパイロット3人が熱傷で死亡して沈黙。
戦闘終了後、鎮火の確認が行われてからコックピット内の確認が行われた際に「まさかこんな子供が操縦していたとは」と兵士を唖然とさせた。



■ワークスジン

型式番号:-

払い下げや大破したジンを作業用として改修したもの。ジャンク屋組合などが使用。
コロニー・リティリアでリーアムが借りた機体の他にも様々なタイプが存在する。
ジャンク屋組合の性質上、組合所属機は自衛を除く戦闘行動は禁止されている。

リーアム機は鶏冠が外され、モノアイにも改修が加えられた。
バックパックや左腕のマニピュレーターも作業に適した物に換装され、腰にはワイヤーを装備している。

コロニーを宇宙船に改造する作業を行っていたが、そこに連合の艦隊が出現。コロニーが発進する時間を稼ぐため、リニアガンを装備して戦った。
その後もリーアムの乗機として作業や戦闘に運用されている。


■ジン グラディエイター

型式番号:ZGMF-1017GR

外伝『ECLIPSE』に登場。各部に装甲を追加し、抜塞剣「リヒトシュヴェーアト」や電磁リニア砲「M67シーミア」などの武装を追加した重武装機。
劇中ではテロ組織「アンティ・ファクティス」が運用し、ハーフコーディネイターであるヴァレンティーナ・ビノンが搭乗した。


■ジン-F

型式番号:ZGMF/A-1018F

新興国家であるファウンデーション王国が運用するジン。
ザフトから型落ちしたジンを安価で購入し青系統へカラーを変えている。
武装面ではほとんど変わりがない。名前の「F」は「ファウンデーション」の頭文字。


■ジン-R

型式番号:ZGMF-1017Q

ジン-Fを無人仕様へと改造した機体。
頭部がバイザー型に変更された他、胸部のコクピットの形状も異なっている。
ブラックナイトスコードルドラが火力を補うため、3機ほど随伴させている。
名前の「R」は「リモート」の頭文字。



ガンプラ

HG GUNDAM SEEDでは、ハイマニューバと2型とタイプインサージェントが発売。
それぞれHGモビルジンを基礎にパーツ更新されているため、色分けや可動域こそ10年以上経った今ではさすがに劣るものはあるが、見た目のクオリティの高さは評価され続けている。

量産機でしかも派生機とあってか、その後のHGやMG等においても発売が検討された様子は無く、MGでジンが発売した時にはプレミアムバンダイ限定で派生機が出るのかと期待が集まったが、1年経っても何の告知も無かった。
グラディエーターはプレバン限定でMG仕様が登場している。



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最終更新:2024年02月04日 15:58

*1 有効射程外だった可能性もあるが、10式戦車の主砲ですら有効射程2000m以上である事を考えると、劇中描写からして流石にそれは考えにくい。