Honest Hearts(Fallout:NewVegas)

登録日:2011/11/14(月) 23:26:54
更新日:2023/11/17 Fri 18:20:11
所要時間:約 6 分で読めます




「私はザイオンを目指すすべての心ある者の安全を祈っている。
 だが、神が何でもやってくれると考えるのは間違いだ」



「Honest Hearts」とは、Fallout:NewVegasのDLCの第二弾である。第一弾である「Dead Money」に続いて配信された。

今回「運び屋」は劇中で語られたかつてのリージョン軍の指揮官バーンドマンと共に、モハビから離れたザイオンの地で3つの部族の抗争に巻き込まれることとなる

Dead Moneyでの高難易度を反省してか装備の持ち込みが重量制限がありつつも可能だったり、いい品揃えかつ修理100スキル持ちの商人もいたりとかなり緩くなった。
野生生物も多く、敵もそこまで強くない為DLCの中では簡単な部類。ただし入ったらメインクエストをクリアするまでモハビには戻れないのでしっかりと準備を整えよう。
武器としては45口径のコルト・ガバメントやトンプソン機関銃が使えたり、サルサパリラの火炎瓶や棍棒といった原始的な物まで多くの種類が取り揃えてある。
あと運び屋がヌカ・コーラやサンセット・サルサパリラを自作出来るようになったり。


■あらすじ

(以下ネタバレを多量に含みます)









「う〜〜〜〜探索、探索」

今、ザイオンを探索するため全力疾走している僕は、モハビで活躍するごく一般的な運び屋

強いて違うところをあげるとすれば、謎の信号にホイホイ釣られるってとこかナ――
名前は[ご想像にお任せします]

そんなわけでハッピートレイル・キャラバンに付いて、モハビから離れたザイオンにやって来たのだ(ハッピートレイルはすぐに全滅したけど)

ふと見るとデッドホースと共に一人の包帯まみれの男が座っていた

「ウホッ!いい男…」

そう思っていると突然その男は僕の見ている目の前で45オートピストルの整備をはじめたのだ…!

ジョ
「殺らないか」

そういえばこのザイオンでは、ソローズを守るためにデッドホースがホワイトレッグスと争ってることで有名なところだった

危ない男に弱い僕は誘われるままホイホイと彼、ジョシュア・グラハムに協力しちゃったのだ

ジョ
「よかったのかホイホイ協力して
 俺はリージョンからも恐れられている
 人間なんだぜ」

「こんな荒事、初めてでもないからいい
 んです…
 僕…ホワイトレッグスみたいな部族
 嫌いですから…」

ジョ
「うれしいこと言ってくれるじゃないの
 それじゃあとことん連中で楽しませて
 やるからな」

言葉どおりに彼はすばらしい狂戦士だった。僕はというと彼が敵を虐殺するのを安全な場所から眺めていた。

しかし、その時予期せぬでき事が…

ジョ
「いいこと思いついた
 お前、俺と一緒にソルトアポーンを
 殺しに行こう」

「えーっ!?
 敵の族長をですかァ?」

ジョ
「男は度胸!何でもためしてみるのさ。
 ソローズも協力するぞ。
 ほら、遠慮しないで殺しに行こう」

彼はそういうとそのカリスマ性で平和主義のソローズを逞しい戦士へと変えてしまった。守るはずの部族に戦闘をさせるなんて、なんて人なんだろう…

しかし、彼の残虐性を部族が見ているうちに彼等も同様のことをホワイトレッグスに行い始めた……

「そ…ソルトアポーン見つけました…」

ジョ
「ああ…つぎは奴の処刑だ。
 奴の様子だとそうとう怯えてるみたいだ な。
 股の間がビショビショだぜ」

 ところでダニエル
 俺達の行いを見てくれ
 こいつをどう思う? 」


「すごく… 残虐です…」

ジョ
「残虐なのはいいからさ
 奴を処刑しちまおう。
 このままじゃ奴らへの怒りがおさまら
 ないんだよって、な、なんだァ?

 お前がとどめを刺すってのか?
 案外過激なんだな」

 「ちっ ちがう…!!」

ジョ
「なにイ? 奴を助けろぉ?
 お前、奴を哀れな犠牲者とまちがえて
 んじゃねえのか!?」

「しーましェーン!!」

ジョ
「しょうがねえなあ。
 いいよ、いいよ、
 ソルトアポーン今回は見逃してやるから
 このままザイオンから出ていけ。
 慈悲をかけるってのもたまにはいいかも
 しれないしな!」

――と
こんなわけで、僕の初めてのザイオン遠征は血まみれな結果に終わったのでした…



■登場人物及び部族

ご存じFO:NVの主人公。
相変わらず受信した電波に誘われてホイホイとモハビから数百km離れたザイオンまでやってきてしまった教訓を学ばない男。

今回はジョシュアの強烈なキャラクターに押され、影が薄い。

□ザイオン

モハビの地から250km以上離れた場所にある地。戦前は同名の国立公園だった渓谷。
核戦争の影響をほとんど受けず緑が生い茂り、汚染されていない水の流れる川だけでなく雨さえも降る戦前の自然を色濃く残す場所である。
「運び屋」の行動によっては、この大自然が荒廃した荒野へと変わってしまう。

□デッドホース

ジョシュアに率いられた部族。
デッドホースポイント(こちらも戦前は同名の州立公園)からザイオンを守るためやってきた。

かつては他の部族に滅ぼされる寸前の部族であったが、この地に神の教えを布教しに来たジョシュアによって常勝軍団へと作り変えられた。
その後出戻ったジョシュアを温かく受け入れ、かつ崇拝している。

「運び屋」の行動によっては第二のリージョンとなる。

"Kale watcha nei conserva oh! You understand me, don't you? Don't you?!"*1
元シーザー・リージョン最高戦闘指揮官*2だった男。
同胞のニュー・カナーン人とザイオンを救うべくデッドホースと共にザイオンにやってきた。
ホワイトレッグスに対しては徹底抗戦を呼びかけている。 *3

  • フォローズ・チョーク
最初のコンパニオン。武器は.45口径ピストルと馬の頭部を模した棍棒。
スカウト見習の若者。名は「チョーク(で描いた目印)を追う事しかできない=未熟者」の意味らしい。
DLC冒頭の襲撃戦の最後で登場し、不意討ちを受ける運び屋を救う……はずが、慌てた運び屋に射殺されるという笑えない話もよく聞かれる。
その結果はクエスト『Chaos on Zion』開始、HH全体としては即時失敗である。*4
普通に対面できれば、ソローズ集落まで案内してもらえて、その後もしばらくコンパニオンとして手伝ってもらえる。
英語は流暢でないが話せて(逆にわかりやすいくらいである)、外界に興味深々。選択次第では、運び屋にそそのかされて旅立ってしまう。


□ソローズ


ザイオンに古くから住む原住部族。
数百年間、他者との戦争を行っていない平和を愛する人々。
運び屋の行動によっては第二のリージョンと化してしまう。

  • ダニエル
ジョシュアと同じニュー・カナーン人の宣教師。ソローズと行動を共にしている。
ソローズの純真さを守るべく、ホワイトレッグスとは戦わずにザイオンからの撤退を呼びかける。*5
また(運び屋がモハビへ帰れるルートが記載された)地図を持つ人物でもあり、そのバーターとして運び屋に協力させるHHの主たる依頼主である。

平和主義者だが襲いかかる敵には怒りの45ACP弾を叩き込むという苛烈さも併せ持つ。

  • ウェイキング・クラウド
二人目のコンパニオン。武器はヤオグアイクローと投げ槍。基本的にインファイター。
狩人、助産師。助産師になったきっかけは自身のお産でダニエルに救われたことから。ゆえにダニエルを尊敬し師事している。
また、部族の教えには忠実であり『父』を敬いタブーを避ける。聖地に踏み込まざるを得なくなった際には、運び屋に手短に済ませることを強調していた。
夫と三人の子供はDLC開始以前にザイオンから避難済みということになっているが、実際には夫は既に死亡しており、ダニエルはこのことを伏せている。この事実を彼女に運び屋が伝えるか否かで、彼女の行く末は変わってしまう
なお、英語はかなり流暢で、彼女の視点からザイオンのあれこれを話してくれる。

  • 洞窟の父/サバイバリスト
"Goodbye, Zion."
ソローズに崇拝される伝説の人物。本名はランダル・ディーン・クラーク。
彼が住んでいた洞窟はソローズにとっては神聖な場所になっている。
ダニエルのいう『』はこの『父』と混同されてしまっていて、宣教に苦心している(というより成功の目がない。その上、運び屋に指摘されるまでこの事に気付けなかった)。

洞窟を探索すると彼の足跡を追うことができ、そのボリュームと内容は読みごたえ抜群。また、足跡を最後まで辿ると彼の使用していた強力なライフルを入手できる。


□ホワイトレッグス

グレートソルトレイクから侵攻してきた凶暴な部族。
リージョンとの同盟に加わることを模索しており、そのための条件であるジョシュアとニュー・カナーン人の命を狙っている。

「運び屋」のレベルが高いと12.7mmマシンガンやアンチマテリアルライフルで武装するなど、リージョンも真っ青の最強集団と化す。

  • ソルト・アポーン・ウーンズ
"Outman! Kuna-man mad! He kill all White Legs! You talk! You stop!"*6
ホワイトレッグスの族長。
最強の男(笑)らしいが目の前にジョシュアが現れると運び屋に命乞いを始める小物。

こんな奴に率いられているホワイトレッグスの将来は…暗い。
実際どのルートでも潰されてしまう運命にある


□ハッピートレイル・キャラバン

カリフォルニアに本社があるキャラバン社。
運び屋をザイオンに導いた張本人。

近年は経営状況が思わしくなく、起死回生をかけてザイオンに新たな交易ルートを作ろうとしている。
だがザイオン到着早々ホワイトレッグスの奇襲に遭い、運び屋を残してあっけなく全滅。多くの運び屋は彼らの命を救うべく奮闘するだろうが、どうやってもスクリプトのせいで彼らは死ぬ運命にあり救うことはできない…。

「運び屋」の行動によっては倒産したり、繁盛できるかもしれないと、ある意味で運び屋に生殺与奪を握られている存在。


  • ジェド・マスターソン
キャラバン隊の隊長。
ラジオでキャラバンのメンバーを募っていた。
「運び屋を」商隊に加えるあたり人を見る目はある、と思ったらどう見ても詐欺師のヤク中も隊に加えるあたり見る目はないようである。
せっかく運んできた商品を失っても、帰り道がなくなっても気にしない豪胆(てかバカ)な人物。

  • リッキ―
自称「ウェイストランド最強の男」
デスクロ―をデスジョーといいパワーアーマーを着たBoSを11mmピストルで倒した、とホラを吹くサイコ中毒のヤク中。
Pip-BoyをPit-Boyと言って自慢していたがそれは画面が壊れていた。

こんな奴を仲間に加えるあたり会社の将来は…暗い。



+ ちょっとした余談
日本語の文だと伝わりにくいかと思うが、本DLCの登場人物は(ジェドを除く)全員が『英語話者もしくは英語交じりの部族語話者の白人』。
デッドホース、ソローズ、ホワイトレッグスそれぞれの部族語は言語の混合比率が違う辺り芸が細かい。

メタ視点だと「インディアンごっこに興じる白人がサバイバリストを信奉してキリスト教を拒絶する」というとんでもない構図になっている。
さらに登場するキリスト教自体も異端と呼ばれるモルモン教(劇中にそれらしい要素は特に見当たらないが)で、ジョシュアはそれに対する偏見に基づくステレオタイプと言える。
Honest Hearts、割とヤバいレベルでエッジを効かせた作品でもあるのだ。


「私はアニヲタwikiを目指す、すべてのwiki籠りたちの安全を祈っている。
 だが建て主が追記・修正までやってくれると考えるのは間違いだ」

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最終更新:2023年11月17日 18:20

*1 土壇場でソルト・アポン・ウーンズにかけた言葉。前半部はスタッフ曰く“翻訳可能なホワイトレッグス部族語”とのことで、今でも米本国で研究や論争が続いている。『王/神は見ている/保証するが、お前/全てを救いはしない』など多数の説がある

*2 当時の呼び名はリガタス・マルパイスで、リガタス(legatus)は「司令官」を意味する。

*3 こちらに賛同した場合が冒頭のくそみそもとい『Crush the White Legs』ルートとなる

*4 名無しのデッドホースやソローズを殺害してもこうなりうるので注意が必要。ネームドの場合はここ以外では故意でないとまず起きないが

*5 これに賛同すると、別ルート『Flight from Zion』へ突入する

*6 KunaはBurnedを指すホワイトレッグス部族語だとか