Sf(終わりのクロニクル)

登録日:2012/03/25 Sun 00:01:37
更新日:2024/01/04 Thu 21:43:50
所要時間:約 5 分で読めます




我が名は“在るべき婦人”。“在ること”を望まれて産まれてきた人ならぬ者にございます。
さあ――来られませ、貴方が生まれてきた理由を持って。
もし、その理由が私のものより弱ければ、貴方達は“在る”ことすら出来なくなるでしょう

私は主人のために生まれました。
私の鉄は彼の骨に、私の鎖は彼の肉に、私の油は彼の血に、私の決断は彼の心に捧げております。
が、一つだけ、彼は、私ごときでは何も捧げられぬものを持っておられます
涙。……それに対しては、感情のない私には返すものがありません。
ゆえに、私は主人の涙を欲しません。欲するのは、涙滴不要の結果のみ

骨には鉄を、肉には鎖を、血には油を、心には決断を、そして涙には――

無欲を


川上稔の長編ライトノベル、AHEADシリーズ 終わりのクロニクルに登場する侍女式自動人形の一体。

所属:日本UCAT
役職:大城・至の侍女
字名:――――(無し)
備考:在るべき婦人

終わりのクロニクルの全編を通して登場するキャラクター。上記の通り大城・至専用の自動人形であり、登場シーンも大城・至とセットが基本となる。
全竜交渉部隊の面々のような外道、変態ではないものの、自動人形故の天然ボケをかます本作屈指のギャグキャラ。
ドラマCDでのCVは鹿野優以



□概要
元々、自動人形作成の技術の無いLow-Gにおいては珍しい純Low-G産自動人形(独逸製)。
とはいえ、自動人形の開発において後発なLow-Gが一から自動人形を開発出来る訳もなく、設計に関しては3rd-G製自動人形を参考としている。そのため、自動人形の種族特性である重力制御も使用出来るがその反面、型式の違いから他の自動人形との共通記憶は無い。
銀の短髪と青い目を持つ女性型自動人形。外見上の年の瀬は十代半ば。尤も、他の自動人形同様目覚めたのは概念活性に因るものであるため、実質的な稼動期間は十年に満たない。
侍女式自動人形であるため、衣服は常に侍女服(メイド服)。ただ、他の侍女式自動人形が(Low-G、3rd-G問わず)暖色系のワンピースに白のエプロンであるのに対し、彼女の場合は黒のワンピースを着用している他、細部の造りも他の侍女式自動人形の着用している服とは若干異なっている。

美影やシビュレの様に人間に進化する事は無く、徹底的に侍女式自動人形として作成されている。
そのため感情を持たず、主人である大城・至に対しては基本的に絶対服従。
それ以外に関しては(感情を持たないが故)公平。だが独逸製であるため、本人曰くソ連は嫌い。
大城・至の命令は絶対であるものの、機械的な思考からくる融通のきかなさ(柔軟性の無さ)が有り、それ故命令に対しとんちんかんな回答を出す事もある。ぶっちゃけ大城・至とSfに関するギャグパートは、ほぼ全てこのとんちんかんな回答に端を発している。

メタ的な話しになるが、立ち位置的には大城・至の聞き役。過去を知る大城・至が、何も知らないSf=読者に対し過去の謎に対するヒントや時に答えをSfを通じて読者に投げかけるためのキャラクター。
そのため、全竜交渉部隊を初めとするメインキャラクターとの絡みは寧ろ少なく、大城・至を初め過去を知る大人との絡みが多くなっている。



□戦闘能力
世界で最も優れた民族である独逸国民が、その技術の粋を集めて造り出した自動人形であるため(当然のことではあるが)最高の戦闘能力を持っている。








……と、いう事は無論無い。
が、作中において1st-G「王城派」と呼ばれる過激派の騎士を倒したり、2nd-Gとの全竜交渉において2nd-G側の人間複数を相手にしているため、ある程度以上の戦闘能力は有している。
主な戦闘手段は、重火器を使用した銃撃戦。
自動人形の十八番である重力制御は直接戦闘には用いず、普段、分解状態でロングスカート内に仕舞ってある重火器を組み立てるために使用する。



□作中での活躍
前述した通り、活躍の殆どが大城・至らとのダベりであるため、ここではそれ以外について抜粋する。

○一巻
奥多摩行きの電車の中で主人公、佐山・御言と邂逅。大城・至の命で彼が全竜交渉に関わるきっかけを作る。
中盤において、佐山と共に全竜交渉部隊が到着するまで1st-G王城派の足止めを行った。


○二巻
2nd-Gとの全竜交渉で後ろから突撃してきた2nd-Gの面々と戦闘。


○六巻
Low-Gに対する他Gの問責質疑で、議長として質疑全体の進行制御を行う。


○七巻
大城・至の命令で術後の新庄・運切を日本UCATから尊秋多学院の佐山の寮室へと移動。
翌日、大城・至の「最後の言葉」が入ったテープを尊秋多学院の学内放送で流した後、大城・至の最後の命令を実行するため、己が全機能を停止させた。



□備考
○ある出来事で大城・至の髪の毛が入った藁人形を貰った後、結局最後の最後まで所持していた。
○大城・至曰く、「誰か」ににているらしい。
○ディアナ・ゾーンブルク曰く、自分を大城・至の言う「誰か」の代わりにしないため、機械のままであったとのこと。


そしてAHEADの超未来世界となるGENESISにて、自動人形達に彼女の最期の記憶が受け継がれていることが判明している。



また遙か未来、世界が滅びを繰り返し生まれ変わった異世界の都市シリーズの時代を舞台とした作品では自動人形に「ザインフラウ」とルビが振られており、川上稔作品の自動人形を代表する人物と言えるかもしれない。





追記、修正頼みます。

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最終更新:2024年01月04日 21:43