ミュートスレプリロイド

登録日:2012/04/12(木) 14:36:29
更新日:2023/10/12 Thu 08:14:24
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MYTHOS REPLIROID
ロックマンゼロシリーズに登場するボスレプリロイドで、ネオ・アルカディアにおける戦闘用レプリロイドの種別の一つ。

理想郷の守護神たる存在として、神々の力に縋ろうという人々の想いから、神話に登場するような伝説的な神獣を模して造られたレプリロイド達が通称「ミュートスレプリロイド」である。
(しかし不吉な魔獣をモチーフとした者もいるにはいるので、一種の恐怖政治の道具ともみなせる)

ネオ・アルカディアを統括するエックス、それを様々な役割で支える四天王に続き、四天王配下の幹部としていずれかの軍団に所属する、それなりに地位の高い存在。
また無所属のレプリロイドもおり、後のバイル八審官アインヘルヤル八闘士などもミュートスレプリロイドに該当する。
共通の特徴として、デフォルメした動植物の顔の下にスリットからツインアイが覗く『ふたつの顔』を持つことが挙げられる。
また、バイル八審官はきわめて人間に近い姿≪ジャッジメントフォーム≫にも変身でき、普段はその姿で活動している。


◆烈空軍団所属

ハルピュイア率いる軍団。
空戦を担う軍団だけあって、所属するレプリロイドも飛行タイプが多い。

◇稲光る極鳥 アステファルコン

鷹とライオンキメラ、グリフォンがモデル。戦闘時は人型だが、飛行形態にも変形でき、ハルピュイアを乗せて飛ぶ事もある。と言うか作中ではその姿で見る方が多い。
役に立たないレプリロイドの処理施設の管理者をしている(異名の獄鳥も『獄長』に掛ったもの)が、シエルの依頼で施設に殴り込みをかけてきたゼロには歯が立たず敗れ去る。
…が、実際のゲームではゼロの成長段階が充分でないこともあり、かなりの確率で返り討ちに遭う『初見殺し請負人』。ぶっちゃけ上司より強い。
しめやかに爆発四散!…したはずなのだが、『2』ではハルピュイアの乗り物として再登場し、3でもハルピュイアを乗せてミニゲームに勤しんだりする。もしかして量産されているのかも。



◇ライトニングビートル ヘラクリウス・アンカトゥス

◇挟撃の風神 クワガスト・アンカトゥス

兄弟レプリロイド。詳細はアンカトゥス兄弟を参照。
クワガストは不明だが、ヘラクリウスはヘラクレスオオカブトギリシャ神話の英雄ヘラクレスがモデルでもある。
兄弟セットならライトニング(稲光)ビートルとクワ『ガスト』(突風)で雷神・風神モチーフという解釈も可。
ちなみにロックマンXシリーズでもクワンガービートブードのカブトクワガタ兄弟がいる。(そちらはクワガタの方が兄)



◇雷霆の黒豹 パンター・フラクロス

ソロモン72柱悪魔の一人、フラウロスがモデル(クロヒョウなのでフラ『クロ』ス)。
ネオ・アルカディアに物資を運ぶ輸送列車の警護に当たっている。
ハルピュイアの管轄領分を『シマ』と呼び、それを侵犯するものに獰猛さを剥きだしにする極道な気性は、冷静沈着な武人の多い烈空軍団のレプリロイドの中では異色。
また、烈空軍団には珍しく飛べない生き物をモチーフとし、実際に飛行能力を持たない。ハルピュイアと同じ雷属性という点で割り当てられただけかも知れないが。
荒くれ者だがハルピュイアには篤い忠義を誓う。




◆塵炎軍団所属

ファーブニル率いる軍団。
地上戦、それも正面からの制圧を主とするためか、高火力を誇るレプリロイドが多い……と思われる。幹部たちは何故か揃って高火力系では無いが……

◇冥界の聖掃王 アヌビステップ・ネクロマンセスⅢ世

ジャッカルの頭を持つ古代エジプトのミイラ作りの神、アヌビスがモデル。
ナノマシンを使っての再生治療・および残骸を分解しての戦場の後始末を得意とする。
ちなみにⅢ世というのはナノマシンで自己再生を繰り返したからで、ボスラッシュ時はⅣ世、ゼロ3での再登場時はⅤ世という事になっている。
つまりゼロに会う前に2回壊れていたことに……
ミイラは燃えやすい…という発想からか、塵『炎』軍団に所属しているのに炎属性の攻撃に弱い。
再登場した時は雷属性の新技を使うようになり、雷の弱点属性=氷がよく効くよう再調整されている。

ゲーム中に登場するファーブニルの部下はアヌビステップ一体のみ。
彼も一時的にファーブニルの部下だっただけで、軍団には所属していない。
つまり確認できる限りマグマニオン加入までは塵炎軍団に幹部はおらず、部下メカ達を除けばファーブニルだけで指揮をとっていることになる。
尤も、四天王本来の役割的に配下のパンテオンの数はおそらく最多だったり、ファーブニル自身が前線で強い奴と戦うのが好きだからこうなったとも考えられる。流石戦闘バカ。



◆冥海軍団所属

レヴィアタン率いる軍団。
極地活動用レプリロイドが多いが、水中は彼女自身と戦うためか配下にはいない。
結果的に巨漢ばかりだが、あのレヴィアたんが自分より馬鹿でかい野郎を傅かせて奉仕させるのが好きだと考えると興奮するぜ!

  • わかりやすく炎が弱点(ガネシャリフ以外)
  • 的がでかいので攻撃が当てやすい
  • 攻撃パターンが雑で大味
等の要素が噛み合い、拍子抜けするほど簡単に倒せる面子。
『ロックマンで氷系のボスはザコ』というジンクスははるか未来のロクゼロにおいても不易らしい。まあ大将のレヴィアタンは順当に強いのだが。


◇剛球大魔神 マハ・ガネシャリフ

20世紀末の某メジャーリーガーインド神話の象頭神、ガネーシアがモデル。
ごつい見た目と異名から脳筋臭い印象を持たれがちだが、実は情報分析担当のインテリ象さん。
頭部以外に対しては鉄壁の防御を誇るが、これも『データサーバー本体が自己防衛を行いつつ移動可能』というコンセプトに因る備えである。
公家言葉を遣って話し、一人称は『まろ』。牙は外してブーメランにもなるが、これもガネーシアの神話由来。
ちなみに『ロックマン8』にて主題歌『ELECTRICAL COMMUNICATION』を歌ったのもGANASIA。名曲である。



絶対零度鹿王 ブリザック・スタグロフ

ヘラジカ型。こいつだけ明確な神話モチーフがなく(*1)、異名もなんだか捻りが無い。サンタさんのソリでも引いてたのだろうか(そりゃトナカイ)?
頭の足りない喋り方のパワーファイターだが、内面は陰湿な異常者で、捕獲したレジスタンスを尋問と称していたぶり尽くし、
破壊する事に悦びを感じる冷血なサディスト。世が世ならコイツの方がイレギュラーとして真っ先に始末されてそうである。
海をも一瞬で凍らせる冷気を両腕から放出し攻撃をするが、コイツを倒すと凍っていた海が溶けて水中マップに早変わりする。


◇氷刃の熊将 ポーラー・カムベアス

イヌイット神話の熊神、ナヌークがモデル。ただの白熊にしか見えんとか言わない。南極のコンピュータ施設警備に当たっている。
あくまで警備してるだけでこやつがコンピュータのエキスパートというわけではない。
…というわけで図体のデカイ怪力バカ。濁点がつきまくったくぐもった声で話す。
ミュートスレプリロイドの中でもトップクラスの巨体と怪力を誇る。実際の強さとは結びつかないが。



◆斬影軍団所属

ファントム率いる軍団。『残』影軍団ではない。『斬』影。
隠密・諜報活動を主とするため、他所の所属レプリロイドにはないような特殊機能を持ったレプリロイドが多い。
またミュートスレプリロイドではないが、レインボーデビルも斬影軍団の所属である。アイエエエエエ!?
エックスの忘れ形見が率いる『忍び部隊』、とゼロと戦うには因果な連中である。もっとも、当のゼロにその記憶があるかは定かでないが。


◇知恵の超猿 ハヌマシーン

インド神話の猿神、ハヌマーンがモデル。孫悟空もモデルに含まれているが、ハヌマーン自体が孫悟空の原型でもあるため、そう遠からず。
ゲーム中ではレヴィアタンの指揮下に入ってレジスタンスベースへの強襲に加わっていた。
仏様を粗末に扱う奴はブッ殺す。破天荒なモデルとは裏腹に慇懃無礼な性格で、思わせぶりな態度を見せて相手のペースを乱す策士。
ゼロが古の破壊神などと嘯くが、当のゼロが『相手が何を言おうと敵なら構わず斬り伏せる』思考の持ち主だったのは誤算だった。
自称斬影軍団No.2で、炎と如意棒を操って戦う。



◇幽林の忍蛇 ヒューレッグ・ウロボックル

終わりなき時の円環のシンボル『ウロボロス』がモデル。見た目は紫のコブラロボットで仮面ライダー王蛇臭がする。
デュシスの森でベビーエルフを守っている。アルトロイドという大蛇型メカニロイドを足場として操る。
未来世界のスネークマンともいえるし、『X1』ではスティング・カメリーオが『幽林の妖撃手』の異名で呼ばれていた。
モチーフ同様に、歴史は繰り返すのかもしれない。



◇幻惑の炎帝 フェニック・マグマニオン

不死鳥フェニックスがモデル。兵器工場と繋がる動力炉の管理者で、ファントムの死後ファーブニルの配下となった、という変わり種。
蜃気楼を応用した幻術(ホログラム)を操る。神経質かつ傲慢な気質の持ち主で、己のモチーフと触れられぬトリックを駆使して不滅を気取る。
しかし、ゼロの力で真にその実体を焼き尽くされ、果てた。
攻撃を当てるチャンスに乏しく、初見ではまず勝てない強豪。
相手のイメージを蜃気楼に投影して攻撃を繰り出す能力もあるのか、『X』シリーズの歴代のボスが襲い掛かってくる演出も。
…ゼロの無意識から拾ったのだろうか?


◇樹陰の門番 バーブル・ヘケロット

古代エジプトの多産の神、ヘケトがモデル。
ハルピュイアの命令を受け、ダークエルフが封印されるノトスの森を警護していたが、間の悪いタイミングで現れたり今一つ要領がよくない。一応裏設定では色々と凄いやつなのだが……
一見小柄でユーモラスな雰囲気だが、舌で捕らえた相手からエネルギーを吸収する・芋虫型メカニロイドを喰ってモリモリと巨大化し暴れまわる…等、何気に攻撃パターンがおぞましい。
蛇がモデルのウロボックルとは相性がよろしくないらしい。



◇深淵なる怪嘯 テック・クラーケン

北欧伝承のの怪物、クラーケンがモデル。X5のオカマと違って冷気を操る。
反逆者の内偵と処分を任務とし、スミ闇に紛れての奇襲を得意とする。
ファントムからの直接命令でのみ行動していたため、ファントムが倒されて以降は存在自体を誰からも知られる事なく、仇であるゼロに復讐するためにやむなくバイルに仕えていた。
己が外道に堕ちたことを悟りながらも、主君自身も望まぬであろう仇討ちを諦めきれなかった哀しき忍び。
真に深かったのは彼の忠義と情けであった。


上記の通り、軍団の中では最多所属数を誇る。
なお、ファントムがゼロに倒された後は斬影軍団も解体され、マグマニオンはファーブニルの部下となった。
ヘケロットのように無所属となったレプリロイドも多い様子。



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画像出典:ロックマンゼロ、ロックマンゼロ2、ロックマンゼロ3、ロックマンゼロ4
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最終更新:2023年10月12日 08:14

*1 一応クトゥルー神話に登場するヘラジカの神様として、かのニャルラトホテプの妻・イホウンデーがいるが、スタグロフとは関連がまるでない