かってに改蔵

登録日:2010/08/16(月) 01:56:14
更新日:2023/10/11 Wed 18:28:02
所要時間:約 5 分で読めます






えっ、終わり!?




かってに改蔵とは、週刊少年サンデーにて1998年から2004年まで連載されていた漫画。

【概要】

作者は『ルートパラダイス』『育ってダーリン!!』『さよなら絶望先生』等で有名な漫画家、久米田康治
全26巻(新装版は全14巻)の不条理ギャグ漫画。

最初の頃はデビュー作『行け!!南国アイスホッケー部』を彷彿とさせる下ネタを多用していたが、五巻辺りから現在の久米田漫画の作風である「身近なあるあるネタをおちょくってそのテーマで一話乗り切る」点が確立し長期連載となった。
特に時事ネタ、サンデーの同期連載作家いじり、他の漫画、アニメ、ゲーム等のパロディネタや、エロゲー、ギャルゲーネタ等のヲタク、サブカル方面のネタを多用するようになる。
「そのネタが流行っているコミュニティが狭ければ狭いほど面白い」という方針らしい。身内ネタが一番面白いという事である。

それに応じてキャラの性格も大幅に変わっている。
また、一部登場人物の立ち位置やキャラ付けは『絶望先生』に受け継がれた。

作画も前期と後期では同じ漫画かと疑ってしまうほどに変化している。
というか線がだんだんシンプルになって手抜きっぽくみえる……が、美術などの書き込み量は変わらないので作風に合わせて洗練化されていった結果だろう。

20巻を超えファンブックや読者プレゼントを行うぐらいには人気だったが連載途中でサンデーの編集の方針が変わり、自虐ネタ、猟奇ネタを連発していた事が雑誌の空気と合わないと言う理由で打ち切りとなった。という噂である。
しかし末期の巻末では作者はやたら連載をやめたがってもいる。
その後、久米田康治は週刊少年マガジンに移籍したが、サブカルネタ担当のアシスタント畑健二郎がサンデーに残留し連載を始めたため、
次回作の『さよなら絶望先生』からはパロネタやギャルゲ、エロゲネタが激減し、代わりに政治イジりが増えた。

【当初のあらすじ】

思い込みの激しいとらうま高校二年生の勝改蔵は、ある事件を切っ掛けに自分が改造人間になったと思い込んでしまう。
勝改蔵は、学校に迫り来る悪人が居ると思い込み、いないはずの敵を探して町を奔走するのでした。

【主な登場人物】

  • 勝改蔵
CV:櫻井孝宏
今作品の主人公、目付きの悪い美少年。
元々は神童と言われる程の天才児だったが、幼なじみの名取羽美にジャングルジムから蹴落とされ、そのショックで思い込みの激しいオカルトマニアに変貌してしまう。
終始厄介な言動で周囲を引っ掻き回す。
しかし中盤からはわりと常識人になり、女たらしに。

  • 名取羽美
CV:喜多村英梨
改蔵の幼なじみ。駄乳。
改蔵の性格が破綻した原因であり、その事を負い目に感じている。
空気の読めないトラブルメーカーで友達がいない。
序盤はツッコミ役だったが、途中から暴走し始め、ひとたびスイッチが入ると猟奇&オカルトな方向に暴走するキャラに(『絶望先生』の木津千里の前身的なキャラ)。
ちくわカレーをディスられると泣く。
一家離散し改蔵の家に居候することに。
所謂ヤンデレの先駆けの一人。
ちなみに『絶望先生』で知られるネタ「絶望した!」はこちらの方が先。

  • 彩園すず
CV:豊崎愛生
改蔵の所属する部活、「科特部」の部長。美乳の持ち主。
学校を裏で牛耳る存在。
常にクールでお金にがめついが、時折天然じみた言動をすることがある。

  • 坪内地丹
CV:斎藤千和
科特部部員。鉄道マニア。下っぱ。当初は巻き込まれるヤラレ役だったが、いつの間にか内弁慶で変態なキャラとして暴走するように。
眼鏡の下の素顔自体は美形の部類で、女装はかなり可愛い
両親と双子の弟の砂丹、妹の牡丹がいる。
「眼鏡のオタクキャラだが運動神経が抜群で宝の持ち腐れ」という設定は後の『絶望先生』にて藤吉晴美に受け継がれた。

  • 天才塾
かつて改蔵が所属していた天才を養成する組織。
その道の達人を育て上げ、世界に通用する人間を輩出する事を目的としていたが、羽美に突き落とされた改蔵が塾内で爆発事故を起こしたため、閉鎖されてしまった。
その為、カリキュラム途中で投げ出され、中途半端な天才(変態)となった塾生達が改蔵に復讐する為にとらうま高校を付け狙うようになる。

  • 山田さん
CV:堀江由衣
今作のヒロイン。美人で有名なクラス委員。
家が貧しく、直ぐ食べ物に釣られてしまう。焼そばパンが大好き。
名前が失われていく病気にかかっており、最後まで下の名前は判明しなかった。
一時期改蔵と付き合っていた。
両親は元天才塾。
終盤では改蔵に相手にしてもらえなくなった元天才塾生の相手をしていた。

  • 泊亜留美(はく あるみ)
CV:明坂聡美
中盤から登場した改蔵たちの後輩。
地丹のバイト仲間で、彼からストーカーされている。
隠れ巨乳。
なぜか彼女のみサザエさん時空が適用されず、いつの間にか先輩になってしまった。

  • しえちゃん
序盤から登場しているモブ。
動物が好き。
名前が判明したのはかなり後半。

  • 神崎さん
改蔵の同級生のモブ。
腐女子で同人誌を描いている。

  • 美良野マリオ/おしゃれ先生
CV:三木眞一郎
元天才塾のメンバーの中では改蔵と友好を持っている人。
改蔵からはおしゃれ先生と呼ばれている。
その名の通りおしゃれのカリスマ。
途中からオネエぽくなる。
『絶望先生』と『かくしごと』にも登場する。

  • ヌカタ
CV:石田彰
改蔵の後輩で元天才塾のメンバーでサッカーコース。
キラーパスという技の達人
フランスが好き。



  • 坪内砂丹
地丹の双子の弟で暗殺拳の使い手。
初登場時は地丹と瓜二つだったが、後に成長して改蔵らと同じタッチに。
終盤では準レギュラー化して改蔵とある疑惑が出る程に仲良くなる。
山田さんと一緒に元天才塾生の相手をすることも。

実は女子高生で、自画像は髪の毛フサフサ。ダーッて感じで!
羽美のマッチポンプに引っかかる。

  • 近所の売れない漫画家
ボサボサの髪に魚目でいつも締切りに追われている御方。なんだかこの漫画の創造者の様な気がしてならない。「だったらお前が描けよ」は名言。

【アニメ】

作中では散々アニメにならないとネタにしていたが、2011年にOVA化した。全3巻。

制作は『絶望先生』と同じくシャフト。話ごとに連載時の画風にキャラを似せていたりと芸が細かい。
初期の下ネタは地上波だと自主規制レベルのよう。

良かったですね、久米田先生。当時のファンは今何をしているんでしょうね。



【最終回】

改蔵と羽美の二人は部長から「二人なら大丈夫」と判断され、二人を隠し扉に案内する。それはかつて地丹が覗こうとして止められた扉であった。
科特部には隠し扉があり、部長がその扉を開けると、





                                   病棟だった。










ここまでのあらすじやキャラ紹介は全て妄想である。

改蔵や羽美や地丹、天才塾の面子は精神病棟の患者で、部長や山田、その他クラスメイトは医者や看護師で、改蔵達の妄想に付き合っていただけである。途中でフェードアウトしたキャラ達は退院したという事である。
とらうま町も箱庭療法という治療法で、作られたジオラマである。
しかしとらうま町が偽物という単純な話ではない。それは妄想を共有しその町で生きてきた彼らにとっては本物の町。そして2人は退院、とらうま町から新しい世界へと一歩踏み出してもっともっと大きな世界へ旅立っていった…………中身は大して治ってないようだが。2人に幸あれ。
最終巻のカバー裏で無事地丹も退院出来た模様。

キャラの行動には全て伏線があることもうかがえる(具体的にはサザエさん時空、看護師として優秀な亜留美のみ進級する)。ちなみにこの最終回は序盤から考えられていたと作者は語っている。



作者の久米田は連載漫画を始めと終わりを考えて、中身を膨らますというやり方を得意としており、『絶望先生』でも採用している。

なお、連載終了後にもいつもの科特部4人での番外編が複数回執筆されているがこの最終回はシレっと無視されてる。笑いにならんからね。

コミックのおまけコーナー

よくある読者のキャラのファンアートなどが載っているが、時よりふざけてドラえもんの絵を送っているやつがいて実際に載せている。



追記、修正は『宇宙戦士バルディオス』を全話見てからお願いします。

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最終更新:2023年10月11日 18:28