封印作品

登録日:2011/05/16 Mon 23:49:16
更新日:2024/04/16 Tue 23:05:32
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封印作品とは、一度世に出た作品、あるいは世に出る以前に何らかの事情で公開されなくなったとされる作品のこと。現在は視聴や入手が非常に困難な作品も多い。
未収録作品」と混同されがちだが、暫定的にアニヲタwikiでは以下のように区別する。

封印作品

  • 公式の歴史で語られることがない作品
  • 今後公開されない旨やその理由が公式から明かされている作品
  • 公開されない理由は明かされていないが、第三者から見て作品の内容*1や作者に明らかな問題がある作品

未収録作品

  • 作品の内容に大きな問題は見られず、長期間収録されない媒体があるが存在自体は語られる作品
  • 二次利用を行わない前提で公開された作品
  • 公開されない理由が「映像が見つからない」だけの作品


+ 目次

■概要

その原因は様々であり、比較的多いのは以下のようなものである。


◆権利関係

主に著作権にまつわる物が多い。
権利は法律で定められている以上、世に商品として出すにはこれをクリアしなければならないが、何らかの理由でクリアが困難になってしまったケース。
権利者不明、権利関係の複雑化(複数いる等)、原作者や遺族によるソフト化の拒否、制作会社の倒産により著作権の管理がこじれてしまった、というパターンが多い。
上記の問題はクリアしても、洋楽をBGMに使った作品は著作権料が高額なためソフト化がアウトになるパターンも(再放送なら可能な例もある)。
漫画や小説だと、著者自身が作品の諸々に対して不満を抱いた結果、単行本未収録の状態が長期に亘って続く事もあり、『ジャイアントロボ』や『新宝島(オリジナル版)』辺りも著者没後まで長らく幻の作品となっていた。
また、制作の際に「再放送やソフト化といった2次利用は行わない」という契約が結ばれたため封印扱いとなったものもある。
テレビアニメやドラマの特別版、飛行機の国際線で上映される吹替作品(機内上映版)などがこれに相当する(後者については倉庫からフィルムが発掘されてテレビ放映される例もある)。
昨今は法改正されて「権利者を相応に捜索したが見つからなかった」という内容を申し立てた上で
本来支払うべき権利使用料を文化庁に預ければ権利を使用可能になり、一部のレトロゲーム等はその制度で配信された。

◆抗議

表現や設定が他者の権利の侵害や差別を助長・肯定する、団体や個人による抗議が元で封印されるパターン。
抗議を直接受けた作品だけに限らず、近い表現をしていた作品も巻き添えや自主規制を喰らったりする。
日本では精神疾患を取り扱った1960~70年代の作品について、差別的な描写も多いことから封印扱いされることがほとんど(これは精神疾患について社会・医学的認識が低かったことも大きい)。

差別する意図がなかったとしても創作の題材にする事自体が問題になることも。
イスラム教ユダヤ教など宗教関連、またナチス関連*2、日本では(近現代の)皇族などに関する表現は、特に注意が必要と言われている。
法律などで禁止されていなければ、タブーとされる題材をあえて描く作品もなくはないが。
いずれにしても政治的・社会的な議論を呼びやすく、宗教の風刺がテロにまで発展した物もあり、慎重な扱いを求められる。

これ以外には、漫画・小説原作のテレビドラマやアニメでは原作者が出来の悪さや過激な演出などに抗議の声明を出し、結果として封印になる例もある。作者からすれば自分の作品がレイプされたようなものなので一種当然だが。

◆事件・災害・不祥事等

何かしら重大な事件や災害が起きた際に、不謹慎だとして封印されるパターン。
重大な災害と運悪く被ってしまった(例:震災が起きた時に作品中に地震が出てきた・または震災がテーマの作品だった等)、重大な事件を起こした犯人が「○○を見てた」と発言したり取材されるするケースが該当。
また事件や違法行為による作者・出演者の逮捕等が原因でも封印される。近年ではTOKIOの山口達也が書類送検された際に出演作品の全てが事実上の封印状態になったのが記憶に新しい。
このケースはある程度の時期が経つと封印が解除される場合も少なくない。
また、ゲスト出演者が後に逮捕された『牙狼-GARO-』第4話「晩餐」のように、「映像ソフト収録は問題無いが、テレビ放送では当該話もしくは一部の場面や音声がカット」という処置がされることもあり、これを封印作品と見做すか否かは意見が分かれるところ。
一方で出演者の不祥事が原因の作品は、ディープフェイクを使って当該人物を別の人物の物か、別人の様に加工して顔や姿を書き換え、クレジットされた名前も技術を応用してその人物の物にするか、名前が似てるか同姓同名になる様に書き換えて単にそれなだけなのにすれば、「オリジナル」と称して再び世に出せるのではという意見もある。

◆盗作

読んで字の如く、別の作品からの過度の盗作がはっきりと認められたケース。法的にもクリエイターの職務倫理としても完全にアウト。
一応『あの作品のパロディできたらいいね』で作ってたら盗作レベルでそっくりなのが出来上がってしまい、やむなく自ら封印…というケースもあるにはあるがこれはレアケースで、基本的には「最初からパクる気満々だった」が理由となる(この場合は権利問題としても問題になる)。
権利者の裁量にもよるが、裁判が起こっても発売中止という「封印」まで持ち込まれる事はあまりない。
ただし、作品の該当箇所が差し替えられるケースは多い。

◆散逸

古い映像作品に多く、あまり封印作品とは呼ばれないケース。
ビデオテープが撮影に使われ始めた時代は、非常に高価だった上に2インチタイプの大型で保管に向かないものだったことから、上書きして使いまわすのが当たり前だったため、現在では映像が残ってない作品は珍しくない。
当時は映像作品は一回限りのものという認識も強く、二次利用に際する肖像権管理などの制度が確立していなかったことも理由として挙げられる。
また、フィルムはビデオと違って上書きできないが、熱でくっついてしまった『月光仮面』第一話のようにフィルム破損で再生不可能になってしまった、というケースも存在する。
たまに視聴者や出演者、スタッフが録画した映像が発掘されたりする。

有名なのは「風と雲と虹と」よりも前のNHK大河ドラマ。第一作からビデオで撮影されていたため、現在ではほぼ全話発掘された「樅の木は残った」を除くと断片的に残されたシーンだけ見られるという状態である。
なお、漫画作品については元の原稿が紛失しても、当時の掲載誌や単行本を底本に印刷する事も可能であるため(無論、その場合は画質の劣化が避けられないが)、よほどの事がない限り散逸「だけ」が理由で封印されてしまうケースは殆どない。

◆需要の低下・販売の終了

大体こういうパターンが多いが、単に需要が無いだけ、販売期間が終了したという場合もある、というか結構多い。
こうした作品は封印作品と呼ぶよりも、ただの絶版・廃盤に分類すべきであろう。
だが有名作品でも数々の事情が重なって絶版状態が続いてしまうと読めなくなるケースもあり、かつては「作者の残した作品数が膨大すぎる故に再版に手が回らない」という理由で「オバケのQ太郎」がこれに当たった(現在は全集に収録)。
入手できれば違法であるが故の強みを大きく活用できる為、海賊版の絶好のカモにされるケースも多い。

◆特定の国・地域でのみ封印

上述した「抗議」の項に似るが、国毎の法律や自主規制によって「特定の国や地域でのみ上映・放送が不可能」という例も存在する。
特に皇族(王族)、宗教、文化、歴史にまつわる物は封印作品となりやすい。
日本においてはサウスパークの『チンポコモン』やシンプソンズの『Thirty Minutes Over Tokyo』(どちらも皇族の不敬行為を笑いのネタにした作品のため)、三島由紀夫の生涯を描いた『ミシマ:ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズ』(映画内の同性愛描写に夫人が反対したことが理由)の例がある。
日本国外ではタイにおける『王様と私』(王族の描写に誇張があるため)*3、クウェートにおける2017年版『美女と野獣』(同性愛者のキャラクターが登場するため)、大半のイスラム諸国における『バズ・ライトイヤー』『ノア 約束の舟』(前者は『美女と野獣』同様に同性愛者のキャラクターが出たため、後者は預言者がキャラクターとして登場するため)等。

■封印作品の例

【ゲーム】

◇格闘超人
Xboxで2003年1月に発売された3D格闘ゲーム。
発売から1ヶ月後にイスラム教の聖典コーランをモチーフにしたステージ・BGMが問題となり、回収・生産中止となってしまった。
回収されなかった分は中古市場に出回っており、入手は比較的容易。

◇銀河英雄伝説シリーズ(ボーステック)
かつて存在したボーステック株式会社が、田中芳樹の小説『銀河英雄伝説』を原作に製作した戦略シミュレーションゲーム。
長期間に渡ってシリーズが展開していたが、『銀河英雄伝説 VII』の発売の際に原作の著作権を持つらいとすたっふとボーステックの間でトラブルが発生。
らいとすたっふ側の主張曰く「ボーステック側が無断の商標登録や外国企業との交渉などの背信行為をした」とのことで、版権許諾契約が解除となった。
これに伴いボーステックの銀河英雄伝説シリーズは販売不可能になり、EGGにて配信されていたタイトルも即刻配信停止となった。

◇モータルコンバット デッドリーアライアンス(日本版)
対戦相手を惨殺するゴア(猟奇的)描写「フェイタリティ」が特徴の格闘ゲーム『モータルコンバット』シリーズの一作。
コーエーがローカライズし、2003年春の発売を予定していたが、CERO-Zの規制レベルでも足りなかったらしく、発売中止になってしまった。
モータルコンバットシリーズは今でも続いているが、CERO-Zを遥かに通り越した表現があるために日本から正規の方法で購入が不能。
コンシューマー機と北米地域のアカウントとドル建てが出来るクレジットカードor海外通販のテクニックが必要となってくる。
Steam版も存在するが、こちらはおま国を回避するために更に複雑な手段を通す必要がある。

◇BeatStream アニムトライヴ
少々特殊なパターン。
2014年7月17日から稼働していたBeastSteramシリーズの2作目でBEMANIシリーズの1つ。
シリーズ打ち切りが発表され2作でシリーズが終焉を迎えることになったが、これは特に現在では特に珍しい事ではない。
筐体は新作であるBEMANIシリーズの新シリーズのノスタルジアに2017年3月よりアップデート可能で筐体を改造することで使い回すことができるのだが、
アップデートしなかった場合は2017年8月31日をもって起動不可能になり、過去に打ち切られたBEMANIシリーズと違いオフライン稼働に対応せず完全消滅するという異例の対応が取られた。
そのため現在ではレトロゲームが置いてある店であろうとプレイする方法が存在しない*4
同日にオンラインサービスが終了したミライダガッキ Ver.2はオフライン稼働が可能。
何故ここまで対応が違うのかと言うとアニメの楽曲だけではなくムービーも収録するという、このシリーズのコンセプトが問題で版権絡みという説がある。
このシリーズ初出のオリジナル曲に関してはjubeatシリーズを中心にごく一部を除き移植されており救済されている。
ムービーはYoutubeのコナミのチャンネルに全てアップロードされており視聴が可能。また、ムービーに対応している一部のゲームにも移植されている。

キャディラックス恐竜新世紀
版権が複数社に渡るなど複雑な為、CSへの移植およびリメイクが実現していない。詳細は該当項目参照。

◇ビズ能力DSシリーズ 話心の素
文具メーカーのコクヨから発売された、ビジネスを題材としたゲームソフト『ビズシリーズ』の第三弾。
発売前に開発者の一人が痴漢で逮捕され、発売初日に販売中止が決定した。
商品は回収されたが、格闘超人と同様に回収されなかった分が中古市場に出回っている。

◇Cubic Ninja
ニンテンドー3DS用ソフトとして発売されたゲーム。「ハード初期に発売された隠れた意欲作」程度の存在でワゴン価格で簡単に購入できた。
しかし、発売してから3年後に3DSのハックに利用されてしまうとんでもない穴がソフトに偶然存在していたことが判明。
悪用を防ぐためにDL版は急遽販売終了となり、市場に既に出回っていたパッケージ版はワゴン価格から一転してプレミア化した(現在は多少落ち着いている)。

◇艦これ改
幾度の発売延期を経て2016年にPlayStation Vita専用ゲームとして発売された、DMM.com配信のブラウザゲーム『艦隊これくしょん -艦これ-』のコンシューマー版。
2017年1月31日に突如としてパッケージ版の生産とDL版の販売の終了が発表され、翌月の2月1日には公式ホームページも閉鎖されるという異例の事態が起きた。
メディアの取材に対して販売元の角川ゲームスは「諸般の事情でそれ以上のことは話せない」と回答しており、様々な憶測や邪推を呼ぶことになった。
この処置が行われた以降に発売された書籍の『艦これスタイル』において、艦これの歴史の記述に本作が言及されていないなど、実質的に存在が封印された扱いを受けている。
なお、現在は本作の入手手段はパッケージ版を中古で購入するのみとなっているが、そこそこ売れたことで中古市場に比較的出回っており、入手自体は困難ではない。

Wizardry I~V
古典CRPGの一つとされる有名シリーズだが、そのうち「本家の1~5」は後に製作者(の一人)と製作会社との間で権利関係の争いが泥沼化し、復刻は望めない状態となっている。詳細は外部情報に譲る。
これに伴い、後述の他作品復刻版や新作においても、呪文名等の一部固有名詞に関しては無難な呼称に差し替えられている(「マロール」→「テレポート」等)。

なお「本家の6以降(6~8)」および「Wizの名を冠した新作」に関しては、現在は日本の企業が権利を保持しており問題は無い。
また「上記の権利保持が行われる前に日本で独自製作された作品」(『外伝』シリーズ等)についても、大まかなシステムこそ本家1~5(特に『V』)を元にしている作品が多いものの、権利関係に関しては基本的に問題無いと思われる。現に2021年末には『ウィザードリィ外伝 ~五つの試練~』がSteam版として復刻されている。
また2023年によ~~~~~~~~~~~~~やく著作権者がまとまったようで、初代のリメイクである『Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord』が発売された。

◇鬼殺の剣(韓国語正式タイトル「귀살의검(日本語読み:クィサレ・コム)」)
2020年4月24日に華々しくデビューした韓国企業テンナインのオンラインゲーム。韓国語版のみのため「鬼殺の剣」というタイトルは仮訳に過ぎず、「きさつのけん」「きさつのつるぎ」の日本語読みが混在している。しかしなぜかゲーム内の音声は日本語…。

内容はと言うと…「血鬼(ヒョルグィ)に家族を殺された少年「タツヤ」が「鬼剣隊」に入って仇を討つ」という話で、どう見ても『鬼滅の刃』のパクリですありがとうございました。とはいえオリジナルの設定を微妙に変えてあり、
  • 炭治郎に相当する「タツヤ」の着物の柄は市松模様ではなく唐草模様
  • 禰豆子に相当する「カスミ」は角が2本生えていてしかも巨乳
  • 嘴平伊之助に相当するキャラはイノシシではなくオオカミの被り物をしておりキャラ名も何のひねりもなく「オオカミ」
  • 悲鳴嶼行冥に相当するキャラ「レン」がなぜか女体化している
  • 別の漫画の「ヒロアカ」の切島鋭児郎っぽいキャラが紛れ込んでいる
など著作権的に引っかかりにくいような対策はそれなりに施されていた。また、日本から「パクリ」とクレームが来るのは想定内だったようである。しかし、韓国のゲーマーが本作のあまりに露骨なパクリぶりにマジ切れして激しい非難の対象となった。その結果、Google Playの本作の評価は最低ライン(1.0)とほぼ同レベルの1.1になり、発売当初から評価がガタ落ちしたため、本作の配信は2020年4月29日を以って完全終了し、封印作品となった。

元ネタとなった『鬼滅の刃』の著作隣接権を有する集英社が本作に抗議したかどうかは明らかではないが、同社が発行する「週刊少年ジャンプ」に連載されている『僕とロボコ』第2話(単行本1巻収録)で本作がネタとして取り上げられているので*5、集英社側でも本作の存在そのものは認識しているようである。

PC-FX
こちらはゲームソフトでなくゲームハード自体が封印作品になっているケース。
発売元のNECホームエレクトロニクスが会社そのものとNECグループの業績悪化で2000年3月に解散し、2年後の2002年2月に清算された。
その後2008年時点で当機種の権利を保有していたBIGLOBEは2014年にKDDIに買収され、NECグループを脱却して以降は権利保有会社は一切公表されてない。

しかし2019年に、やはりNECホームエレクトロニクスが発売していたPCエンジンの小型復刻版PCエンジンminiを、当時PCエンジンを共同開発していたハドソンを買収したコナミが発表。
後継機種である本機も権利関係はこじれていない可能性もある。
復刻版が出るだけの需要があるかはまた別の話だが…。

◇ちびまる子ちゃん 対戦ぱずるだま
コナミより発売された対戦ぱずるだまシリーズの一作で、国民的漫画『ちびまる子ちゃん]』とコラボ。
あの伝説の鬼畜ゲーと違って凝った作りの良作だったが、永沢くんの演出がよりによって原作で家が火事になるシーンであり、当然ながら不謹慎なので回収となった。

【漫画】

◇キャンディ・キャンディ
70年代少女漫画及び女性向けアニメの金字塔で、『冬のソナタ』の作者が影響を受けたと公言している作品。
水木杏子(原作)といがらしゆみこ(作画)との間で権利問題が発生し、裁判の結果を受けてもなお、いがらしが不服を表明したため、その姿勢を理由に水木が中央公論社との出版契約を解除。
そのため、封印状態にあるのはいがらしゆみこの作画を用いているもの(原作漫画や原作のイラストを用いたアニメ作品)に限られ、いがらしゆみこの作画が用いられていないもの(アニメ版主題歌等)に関しては封印状態になっていない。
2000年代には一度、過去に出版された水木による小説版(「名木田恵子」名義)が挿絵を除いた状態で復刊されており、2010年には小説の続編『キャンディ・キャンディ FINALSTORY』が新作として出版されている。
宇宙戦艦ヤマト』とともに漫画・アニメにおける著作権問題の実例として取り上げられることが多い。

◇わが分裂の花咲ける時
藤子不二雄(A)によるブラックユーモア短編の一つ。
主人公の喜一が受験に対するノイローゼからパラノイアとなり、最終的に分裂症(現在の統合失調症)を発症するという内容から、初出後一度も単行本化されたことがない。
他にも同シリーズからは『台北挽歌』『狂暴都市』『変身科へどうぞ』『アフリカの夜』『アカプルコの夜』が単行本未収録となっている。

◇狂人軍
藤子不二雄(A)による野球ギャグ漫画。
王選手が放ったホームランが頭に直撃したことで発狂した主人公が、キ○ガイしか入れないという野球チーム「狂人軍」に入団するという凄まじすぎる内容。
これまでに一度も単行本化されたことがない。
精神疾患を題材にし差別表現が数多く含まれていることや、読売巨人軍を侮蔑するようなタイトルであることが原因と思われる。
さすがに当時基準でもマズかったのか公式で取り上げられることも皆無。
藤子・F・不二雄作品の『ドラえもん誕生』の一部バージョンにて、A先生が当時の連載作品として名前を出す*6など言及もかなり限られている。

◇サザエさま
『東京25時』という雑誌に連載されたサザエさんのパロディ漫画。
原案は当時下ネタ系の小話や艶笑話を書いていたテディ片岡で、この数年後名義を本名の「片岡義男」に変更。『スローなブギにしてくれ』など複数の小説が映像化される売れっ子作家となる。作画はフジオ・プロ(赤塚不二夫のプロダクション)の木崎しょう平。
サザエマスオのベッドシーンや、全裸で用を足すサザエ、デモ隊に巻き込まれ絶命するサザエ等原作のイメージを崩す描写が版権元である姉妹社からクレームがつき、編集部が50万円の示談金を支払い、掲載号の翌号に謝罪広告を出す事で決着。同誌も1971年に廃刊となったため、当時の雑誌を見る以外に見る方法は無い。
なお、「示談金の50万円は当初100万円だったが『君らは若いし可哀想だ』と温情で半額にしてもらい、その上分割での支払いも認められた」「長谷川町子が本作を見て『それが面白いものならば…』『ぜんぜんひどいと思いました』と作品の出来について語った」等の逸話も残されている。
なお、片岡の作品は現在本人の意向で電子書籍化や青空文庫への収録が進んでいるが、この作品は公式サイトに記載がない。

アクタージュ act-age
かつて週刊少年ジャンプにて連載されていた役者をテーマにした漫画。
連載中の2020年に原作者のマツキタツヤが強制わいせつの容疑で逮捕されたことを受け、編集部と作画担当の宇佐崎しろが話し合いをした結果、急遽打ち切りが決定。
単行本は無期限の出荷と配信停止の処置による事実上の絶版が確定し、予定されていた舞台化なども中止。
ジャンプのサイトやコンテンツからは本作に関する情報が抹消され、本作に言及していた同雑誌の漫画『僕とロボコ』は該当箇所の差し替えなどの修正処置が行われた*7
過去にジャンプで不祥事による封印措置から救済された漫画はあるが、本作は犯罪の悪質性に言い訳の余地が残されていないことや分業体制による作品である事情から封印解除は絶望的と見られている。

浦安鉄筋家族 第424発目『軍団親子』
「涙が出るほどの失敗作だった為」とのことで単行本未収録となっている。
読者間では石原慎太郎親子をパロディにしたキャラが問題となった為と噂されている。

◇燃える!お兄さん『サイボーグ用務員さんの巻』(「週刊少年ジャンプ」1990年第45号掲載)
普段主人公をいじめる先生が訳あって用務員さんに降格してしまうという無茶苦茶な内容もさることながら、用務員の仕事を低く書き、
更に「ただの働くオッサン」や「先生じゃないなら何をしても構わない」等の発言が問題となり、当然の如く用務員部会から苦情が殺到。
単行本未収録は勿論の事、この話が載っているジャンプ自体も回収される騒ぎになってしまった。
「ジャンプ回収騒ぎ」の代名詞の一つともなっている問題作。

◇魔太郎がくる!!うらみの3番「ゴミはふくろにしまつしよう」他多数
いじめっ子に対する逆襲の仕方が「パワーショベルで引き裂き、コンクリートに埋める」「ゴミ袋の中に閉じ込め、金属バットで滅多打ちにする」と言った、
凄惨かつ実際にやろうと思えばできかねないものだったため、上記話を含めた25話が欠番、大幅に改訂されたものが33話存在する。
中にはレギュラーキャラである切人の初登場話『悪魔のようなチビ』(うらみの32番)もあるが、こちらも欠番扱いとされ、
切人の初登場は『悪魔のようなチビがやってきた』(うらみの35番、初出時は『悪魔のようなチビがまたきた』)と変更された。

◇ぶきみな五週間第1話「毛の生えた楽器」
藤子不二雄(A)のブラックユーモア短編の一つ。
あまりにアフリカ原住民に対するアレな描写(グロいため詳細は省く)故に、掲載版からセリフを修正した末に全集に収録された。
しかし「ダメなものはダメ」ということなのか、第二刷以降は別のエピソード「禁じられた遊び」に差し変わっている。
他のエピソードが全て「世界各国の変わったお土産」にまつわる話なのにこれのみタイトルがお土産に関係ないのはそれが原因。
しかしこの「禁じられた遊び」も、雑誌掲載時には知的障害を持つ(と思われる)主要人物がいたため、そのキャラをカットしためにページ数が半分以下になり、キャラクターのフルネームも抹消された。
ちなみに、そのカットのおかげで第2話「爪の生えた杖」以下とページ数が揃っている。

◇アラーくん
マジンガーZ」や「キューティーハニー」等の作者でもある永井豪の記念すべき単行本第1作。
アラビア系ギャグ漫画だが、イスラム教を敵に回しすぎた名前のためにあえなく封印。
キャラクターは後に同作者の読切『炎魔地獄』にスターシステムで登場している。

◇おまかせ!ピース電器店 第45話『ゲームの星』
作中に「バミ通」というファミ通のパロディ雑誌が登場。
本家にそっくりなクロスレビューにて、主人公が製作したゲームがこき下ろされる……という話(特に「広告料を払ってくれたゲームばかりに高得点がつく」というくだり?)に対しファミ通編集部が抗議したため、単行本に収録しないことが決定された。
広告料云々は割と事実なのでは、という意見もあるが、それはまた別の話

◇泥だらけの行進
手塚治虫の読み切り連作「ライオンブックスシリーズ」の内の一作。
精神疾患が根幹に関わる設定の作品のため、あえなく封印された。
手塚作品においては初期の単行本『妖怪探偵団』も同じ理由で封印されている。

◇マグマ大使
これもまた手塚の作品で、最終章『サイクロップス編』が該当。
別に単眼症の人から抗議があったわけではなく、大部分が代筆のため手塚自身が収録を見送った。
サイクロップス編は本誌付録掲載だったので、国立国会図書館には該当部分が収録されておらず、当時の『少年画報』を入手しない限り読むのは不可能と言ってよい。
なお、同じ手塚作品の『魔神ガロン』(第3部以降)もほぼ全て代筆(しかも、素人目に見てもサイクロップス編より作画が酷い)で、
手塚の生前当時は単行本未収録だったが、こちらは現在では秋田文庫*8と講談社全集の両方に収録されている。

ブラック・ジャック
第28話『』、第41話『植物人間』、第58話『快楽の座』が該当する。

『指』は多指症と呼ばれる奇形を(やや差別的に)扱ったため封印された。
その後内容改変の上、第216話『刻印』というタイトルでリメイクされており、秋田書店刊行のチャンピオンコミックス(以下、単行本)にも本来『指』が存在するであろう場所に差し替えで収録されている。
後者2つはいずれも脳の手術に関する話だが、作者がロボトミー手術*9のことを勘違いしていたために間違った記載がなされてしまっている。
第153話『ある監督の記録』が「ロボトミー手術の美化」と問題にされた際、これらも同時に問題視され、大幅な改変は不可能だったためか作者本人により封印されている。
『植物人間』は物語自体の問題が少ないため、単行本4巻の初期の版には収録されているが、
『快楽の座』に関しては「鬱病の少年の脳に機械を埋め込んだ結果、笑いながら人を刺すようになる」と倫理的にかなり問題がある内容のため、完全に収録が見送られている。

封印とまでいかないが、連載時とコミックス収録時(あるいは増版時)で台詞・描写が変わることもある。
例えば上述の第153話『ある監督の記録』は問題の手術部分を差し替え、タイトルも『フィルムは二つあった』に改題され、単行本に収録された。

ちなみに、本シリーズは媒体によって収録内容が大きく異なるという問題点があり、長らく「明確な封印作品」と「単なる未収録作品」の区別がつけられなかった。
手塚作品の集大成と言える『手塚治虫漫画全集』(講談社)にすら、単行本丸々1冊分のエピソード*10が収録されていない。
この内『不死鳥』『金!金!金!』『おとずれた思い出』は文庫版17巻、
『壁』『落下物』は文庫版特別編「BLACK JACK Treasure Book」に収録されてようやく解禁となった。
『血が止まらない』『しずむ女』『水頭症』『最後に残る者』『魔女裁判』の5話は単行本に収録されたきりで半ば封印状態にあったが、
『ブラック・ジャック大全集』(復刊ドットコム)や『手塚治虫文庫全集』(講談社)に久しぶりに収録された。
この『ブラック・ジャック大全集』は『指』『植物人間』『快楽の座』以外の全作品を収録している上、内容紹介にそれらについての注記もあるので、明確な封印作品はこの3作のみと考えて良いだろう。

◇風と踊れ! -時代を疾走ぬけた男 バロン西-
馬術の五輪メダリストで、硫黄島の戦いで戦死した西竹一を題材とした漫画。
担当の思想上の理由で史実と違う展開が無理やりねじ込まれ、そのことに納得しなかった作画担当の樹崎聖が単行本収録を拒否したため封印扱いになっている。

こちら葛飾区亀有公園前派出所 『派出所自慢の巻』
かつては単行本4巻に収録されていた。軍事マニアが登場する回だが、内容が余りにも過激極まりない物だったため封印。
大全集『カメダス』でも一言も触れられていない。

その他、ページ数の都合など様々な理由で単行本に収録されなかったり、未収録こそ免れたものの雑誌掲載から単行本収録まで結構な期間を要したエピソードも幾つかあり、
2021年時点では星逃田が久々に登場した『帰ってきたあの男の巻』(週刊少年ジャンプ2012年30号掲載)が唯一の未収録作品となっている。

餓狼伝説2(漫画・細井雄二) 第14話「わが拳は牙!!!」
俗に「ボンボン餓狼」として知られるコミカライズ。
テリー達が覇王丸ら『サムライスピリッツ』の登場人物達と共演するという外伝的なエピソードだったが単行本未収録。
この事で読者間では「SNKが当時クロスオーバーを嫌う傾向があり、それに触れてしまったのでは?」と噂されていたが、
後に当時コミックボンボンで活動していた作家へのインタビュー漫画『突撃ボンボン』の細井先生の回における証言で理由が明かされる。
それによればその頃の担当がSNKに無許可で通した企画だったらしく、当然ながらSNKに怒られてしまったのが原因とのこと。

機動戦士Vガンダム(漫画・岩村俊哉版) 第6章「ガンダム拳炸裂!!」
コミックボンボン連載の漫画版で単行本化に際して削られたエピソード。
露骨に『ストリートファイターⅡ』や『ファイナルファイト』をパロディしすぎたのが原因で無かったことにされたとも言われていたが、
2022年に作者がTwitterにて「単行本化に際してページ数が超過してしまうため、一番差し障りのないエピソードを削った」という真相を明かした。
話自体は後のガンダムファイトを思わせ…なくもないか。

ちびまる子ちゃん 第98話『まる子、夢について考える の巻』
夢オチと最初から分かっている作品だけあってカオスでサイケデリックなおおよそ『ちびまる子ちゃん』らしくない作風のエピソードであり、作者自身の判断で単行本収録が見送られた。
作者は執筆当時、前年に長男を出産したり別雑誌で『コジコジ』の連載を開始したりと非常に多忙な状況にあり、精神的に不安定だったのではないかと推測されている。

さよなら絶望先生 第268話『ペイの拡充』
ストーリーの後半が、スタッフ一同意図せぬうちに漫画『ドラえもん』の「お金のいらない世界」と完全一致してしまい、
小学館側は問題なしとの解答を出したものの、作者の意向で単行本巻末にお詫びを載せ単行本収録自粛となった。
作者の久米田は執筆時にこのエピソードを全く覚えておらず、よりにもよって尊敬する藤子不二雄先生の作品であるドラえもんと被ってしまった事に対して「本気で死にたくなった」と述懐している(27集作者あとがきより)。

◇国が燃える 第87・88話
南京大虐殺の話だが、取り上げた参考資料の一部に捏造などの疑惑がある事と、それらの資料の中で信憑性が疑われる箇所を改変した疑惑*11が出て、歴史学者や政治家からのクレームが殺到。
さらに、右翼団体による集英社抗議デモに発展したため単行本未収録に。
作品自体も休載ののち再開されたが、半ば強制打ち切りの形で即終了となった。
南京大虐殺、あるいはこれらを含めた旧軍に絡む戦争犯罪は現在でも政治的な色彩が強く、それゆえ筋の通ったものからトンデモ系まで様々な説が飛び交うため、
ある意味商業創作物で扱う事そのものが難しいといえるが、今回は歴史学者すらキレる程のトンデモ説を参考にしてしまった結果と言えるだろうか。

涼宮ハルヒの憂鬱(漫画・みずのまこと版)
ライトノベル『涼宮ハルヒ』シリーズ初のコミカライズ作品。
コメディ調かつ短縮気味のストーリーに難はあるものの、一部で絵柄は好みという人もいる*12
『月刊少年エース』に2004年5月号から連載されていたが、同年12月号で突如打ち切られ、既に出ていた単行本(全1巻。打ち切りでラスト3話が未収録)も絶版となった。
翌年11月からは同誌で何の説明も無くツガノガク版の連載が始まっている。
(こちらは原作第1巻『憂鬱』から第11巻『驚愕(後)』及び『Rainy Day』までを一通りコミカライズしヒットした)

打ち切り後は公式から存在を抹消されており、その真相は今尚不明。
ライターの安藤健二は著作『封印作品の憂鬱』で、「さほどプッシュしていなかった『ハルヒ』が予想外にヒットしたため、メディア戦略として原作に近い作風のマンガを描いてもらいたくなった(ゆえに原作に合わないみずの版を終わらせたかった)のではないか」と考察しているが、あくまで部外者の推測に過ぎない。
「みずのが角川書店に無許可でエロ同人誌を出して怒られた」という説も有名だが、実際の同人誌は一般向けのイラスト集と判明したため否定されている。
いずれにせよ、公式が封印理由を明らかにする可能性は低いだろう。

かっとばせ!キヨハラくん(新章)
主人公のモデルとなった清原和博の逮捕により、『コロコロアニキ』連載分の5話は単行本化が絶望的に。
コロコロアニキ第6号の読み切りの内容や、第7号で何事もなかったようにマツイがオールスターに乱入していたことを考えると、おそらく復活することもないと思われる。

◇かっこいいスキヤキ 『普通の夜』『退屈な日』『のってる日』
泉昌之(泉晴紀・久住昌之)の短編集で、過去に青林堂の雑誌などで掲載された作品を纏めたもの。
世にも奇妙な物語』のエピソードである「夜汽車の男」と「理想のスキヤキ」は本書収録の短編が原作。
1983年に青林堂より刊行されたが、その後1998年に扶桑社文庫から再販された際に上記3エピソードが未収録となった(2020年発売の新装版でも同様)。
具体的に理由を挙げると、これらの作中には堂々とウルトラマン本人が登場しているため。
作品執筆当時は後年と比べて著作権管理がまだ曖昧だったため、所謂パロディ作品はこれらに限らず少なくなかったが、
時代の変化に加えて円谷プロの許可を得ていない事もあり封印された。
ちなみに他エピソードでもウルトラマンっぽいヒーローや、銭形平次が登場するなどしているが、これらは無事収録されている。

作者は後のエッセイで、円谷プロ公式が自身が先駆けたようなパロディをやるようになった事に対し不満を述べているが……
実際の所、漫画の内容はウルトラマンが着ぐるみを脱いだ人間の中年男性の姿で市街地に出現したり、寝そべって鼻くそをほじったり、脱いだ靴下を嗅いだり…といった子供の夢ぶち壊しなネタばっかなので、円谷プロが作品に文句を言いたくなる気持ちも分からなくはないとの意見もある。

◇キャスター
赤塚不二夫が雑誌『ポップコーン』で連載したギャグマンガ…なのだが、第二回で人肉料理のレポートをするという内容のため抗議が殺到し、雑誌を回収することとなる。
「人体をバラバラにする」という描写は『天才バカボン』等でも存在するが、あくまでギャグタッチに描かれグロテスクさを排除していたものだったのに対し、此方は人間解体シーンが全てリアルな劇画調に描かれていた。
赤塚自身は反響を想定していたらしく「オレが全面的に責任を持つから」と編集部に言っていたが、『ポップコーン』はこの回を掲載した次の号で、「キャスター」以外の掲載漫画を再録するという措置を取った後、第6号で廃刊となった。
この扱いは流石に我慢ならなかったようで、後に赤塚はインタビューにおいて「今や言葉や表現にタブーがあるから漫画がつまらないのだ」との感想を漏らしている。

◇月刊少年マガジン版『天才バカボン』 最終回
1988年に復活連載されたバカボンの内、1988~89年『月刊少年マガジン』に連載されたバージョンのみ電子書籍化の際未収録となり、各種単行本をかき集めても最終回と他2話が未収録作品となっている。
電子書籍版公式サイトにかつて掲載されていたQ&Aでは「過激すぎて…」と未収録の原因が語られている。
ちなみに単行本に掲載された他の『月刊少年マガジン』版を見ると著作権の限界や表現の限界にチャレンジしているような作品が見受けられる。

◇学研まんが世界の歴史 第7巻『イスラム帝国と預言者マホメット』
学研から発売された学習漫画シリーズの一作。作画者はムロタニツネ象。
1992年発売の初版はイスラム教の歴史をマホメット(ムハンマド)の生涯と共に描いた作品が7巻だったが、
1995年以降の版では『西ヨーロッパの歴史とカール大帝』に一巻丸々変更され、電子書籍版も同様の措置が取られた。
「肖像化すると苦情が来かねないマホメットを漫画化したことを恐れて自主規制したのでは」という説が有力視されているが、
8巻冒頭には未だに「漫画なマホメット」の顔が残っている。

余談だが、1986年版の集英社刊『世界の歴史』においてはマホメットの顔を「描かない」(但し書き付き)ことでこの問題を回避している。

東方三月精 ~ Eastern and Little Nature Deity.
同人ゲーム「東方Project」の初の漫画化作品。『月刊コンプエース』で連載された。シナリオは東方Project原作者のZUN、作画は松倉ねむが担当。
後に比良坂真琴が作画を担当した『東方三月精 ~ Strange and Bright Nature Deity.』よりも以前に作られた作品であり、
トーンが少なく画面が白かったことからファンからは『白月精』と呼ばれている。
作画担当が交代したのは松倉の体調不良が理由とのこと。
これ自体は封印まで行かなかったケース含め実は割と存在する話ではある。最たる例が「作者急逝によりやむなく打ち切り(絶筆)」だろう。
松倉の場合は現在も存命の上、プロイラストレーター兼同人作家として精力的に活躍しているものの本人からこれに関する話題や続報は一切出ていない。

単行本化もされており、漫画本編以外にも原作紹介ページやZUNによる描き下ろしの小説などが掲載されているという非常に力の入った出来となっているが、
原作紹介ページにおける誤植や写真の入れ替わり・情報の間違いなどが非常に多く、角川公式サイトでZUN監修の正誤表が掲載されるまでとなった。
比良坂版の東方三月精が連載されて以降、この単行本は絶版状態になっている。一時期は1冊数万円という凄まじいプレミア価格にまで跳ね上がった。
初版の誤植が第2刷版で修正されたが絶版に伴い重版はこれで止まったため、中古で出回っている白月精は初版と第2刷版の2種類が混在。

「復刊ドットコム」で多くの復刊希望が寄せられており、それを受けてか復刊ドットコム編集部がTwitter上でZUNにコンタクトを取っているのが目撃されている。
しかしその後の進展は見られないようであり、復刊は難しいだろう。

◇やりすぎ!イタズラくん (「コロコロコミック」2018年3月号掲載分)
チンギス・ハーンの肖像画に男性性器の落書きをしたシーンが問題となり、朝青龍を初めとしたモンゴル人団体が猛抗議を起こし、
遂にはモンゴル大使館が動き出す等、国際問題にまで発展しかけた末、回収騒ぎになってしまった。
回収されなかった分はオークション等で高値で出回る事に。

◇カメレオン 第322話「YAZAWA・友情物語」(「週刊少年マガジン」1997年7月30日号掲載)
劇中に登場した『銀河鉄道999』のパロディシーンが原作者の松本零士に無許諾だった上、よりによって下ネタ*13だったことに松本が激怒した為、単行本未収録となった。後に作者の加瀬あつしは、担当編集者共々松本の自宅へ呼び出しを食らい、こっぴどくお説教されてしまったとの事。
なお、松本零士は生前、「銀魂」ドラマ版の「銀河鉄道999」パロなどにはちゃんと許諾を出しており、パロディを全否定していたわけではない点に留意が必要。

ゴルゴ13 第237話「幻(ダミー)の栽培」(「ビッグコミック」1986年4月10日号・4月25日号掲載)
掲載当時のイラン・イスラム共和国の政治指導者兼イランシーア派の宗教指導者であるホメイニが影武者を用いているという描写に対して、駐日イラン大使館から抗議を受け、単行本未収録となっている。
ゴルゴには他にもコミックス未収録となった話はあるが、そちらは折を見ての再掲載や書籍(メインシリーズではない単行本など)収録がなされており、初出の掲載号以外に未掲載となっている話はこれだけ。

たかまれ!タカマル (「週刊ファミ通」2005年12月9日号~2006年1月6日,13日号掲載分)
上記の号に掲載された5話分のエピソードが単行本未収録。
内容は「オカルト超常現象研究会の手によりヒロインの思考がメス犬そのものと化してしまう」と一般向け漫画としてはかなりギリギリな代物で、
当のヒロインが首輪と紐を付けて引き回される描写があるなど、未収録になったのも止む無しと言わざるを得ないだろう。
商業ベースでの解禁は未だになされていないが、2021年3月には作者本人が一連のエピソードを同人誌として頒布するという形で再び世に出ている。
同誌のあとがきによれば同時期に発生した監禁事件*14と内容が被っていたため出版自粛になったとのこと。

◇はぐれアイドル地獄変外伝 プリンセス・セーラ 第4話
主人公がイルカと性行為を行う描写が問題視され、単行本化の際に「成人コミックならともかく、年齢指定のない作品では規制対象になる」と編集から言われ、謝罪文と共に収録を見送った旨が記されている。
もっとも、作中で完全になかったことになったわけではなく、第5話ではイルカとの性行為の件が台詞の中で出ている。
商業ベースの解禁はされていないが、連載終了から4年たった2019年に作者のpixivで公開された。

疾風ウルトラ忍法帖
今は亡きコミックボンボンにて連載されていた、円谷プロのウルトラシリーズを題材とした御童カズヒコのギャグ漫画。
連載当時にリリースされたコミックスは未収録のエピソードも多かった*15が、紆余曲折を経てebookjapanにて2015年より全てのエピソードを網羅した完全版が電子書籍版としてリリースされた。
……のだが、2018年になって円谷プロが同配信サイトとの契約を打ち切ったため、配信終了してしまう。
配信停止に至った理由は公式の声明が無いため不明だが、著者の意向だけではどうにもならない問題らしく、御童は作品が実質的な封印状態に陥ってしまった事に無念の意を示している。

◇人生ぐちゃぐちゃ
第39回スクウェア・エニックス漫画大賞奨励賞受賞作で、作者が弱冠15歳で描いたという触れ込みでガンガンOnlineでも掲載された。
しかしその後、その筋では有名な同人作品(18禁)からの盗作が発覚し、掲載及び受賞は取り下げられた。
なお、少し後に今度は同入選作の「世界で一番優しい死神」も不適切な表現があったという理由から受賞を取り消されている。

◇だっぺ帝国の逆襲 第6話
茨城県を題材にしたご当地ウェブ漫画。
この回では納豆専門店「令和納豆」が扱われていたが、2020年に無料パスポートを店舗側の都合で一方的に無効化するという、出資者に対する詐欺まがいの行為が発覚。
結果として当該エピソードが漫画の掲載サイト上から告知無く削除される事になった。2021年秋に出た単行本にもこの回は収録されていない。
その後も令和納豆は「店舗側が返金を宣言するも実行されず閉店」「ネット販売している納豆塩に『血圧を下げる作用等の効果が認められています』と誇大広告と取れる内容を記載」
「一般販売されている納豆を販売元に許可無く包装を変更*16」「一般客をネットの監視者と勘違いし警察に通報」「同店舗の役員が詐欺罪で逮捕」と年単位で不祥事を起こし続け、
その煽りでこの漫画も茶化されるという深刻な風評被害を被っている。
(作中には不祥事の当事者が本人役で出演していたのだが、その人物にヒロインが惚れているかのような無理のある忖度があったのも一因)

◇異世界転生者殺し-チートスレイヤー-
月刊ドラゴンエイジ2021年7月号に掲載された、いわゆる復讐モノの漫画作品。原作は『賭ケグルイ』で有名な河本ほむら、作画は山口アキ。
端的に言えば、「プロの漫画家が商業誌でヘイト創作をやらかしてしまった」ケース。
「幼馴染と故郷を奪われた主人公がチート能力を有する転生者に復讐する」という内容なのだが、そのヴィランたる転生者のデザインがあからさまに既成の作品のキャラクターに酷似している上に、いわゆるなろう作品への悪意ある偏見・曲解に満ちており、当然ながらネット上で物議を醸していた。
結局版元のKADOKAWAと原作者が謝罪し、同年6月28日に本作の連載取り止めが決定。わずか一話で打ち切りという不名誉な伝説を築いてしまった。
なお、パロディ元には転生者にもチート能力持ちにも該当しないキャラクターも含まれており、その人選の杜撰さ、作品へのリスペクトの欠如ぶりにも批判が集まった。

3年B組一八先生
竹書房の『近代麻雀』で2012年から2020年まで連載されていた、タイトルから見て分かる通りパロディものの麻雀漫画。しかし原著作者に無許諾のパロディがあまりにも多岐に渡り*17竹書房は関係各社からものすごい抗議を受けた。孤独のグルメ』の原作者・久住昌之は本作の無断パロディにSNS上で不快感を示している。

結果として単行本化は当然不可能。細々とWebで無料公開をやっていたが、パロディ元の大手出版社から強い抗議を受け、Web上の公開すら不可とされたガチの「特級呪物」。『近代麻雀』2020年1月号(2019年12月発売)を以って連載打ち切りとなり、現在では最終話のみが「キンマWeb」で公開されている。

一方で作者の錦ソクラはこの漫画を通じて様々な絵柄を描けたおかげか、CITY HUNTERアミバの2つものスピンオフ作品を持つに至っており、公にできない出世作となった。まるで悪いことでもしたかのようだ…というか無許諾の模写はそもそも著作権侵害です。 各出版社が今後の竹書房との関係を考えて、本作に対して民事・刑事による著作権侵害訴訟を行わなかったのは本当に奇跡としか言いようがない。

なお、無許諾パロディで永久封印せざるを得なくなった本作を教訓にしたのかどうかはわからないが、本作と時期的に入れ替わるかのように「週刊少年ジャンプ」で2020年31号より連載開始されたギャグ漫画『僕とロボコ』は、パロディの出典の著作者に全て許諾を取っており、永久封印された本作とは対照的に、2024年12月の映画化まで決定した。

ワンダーラボ
お世話になっております、ProjectMoonです。
ワンダーラボは作者様の要請と相互協議により、
掲載中止となりました。
ワンダーラボの作者様と会社に対する悪意のある誹謗中傷と
噂の流布を止めるようお願いいたします。
悪意のある攻撃と非難に対し、
各個人が法的対応を取り得ることをお知らせいたします。

【文学作品・ライトノベル】

◇石に泳ぐ魚(初版)
芥川賞作家・柳美里のデビュー作。
主人公のモデルは作者の友人であった韓国人女性だったが、モデルにした人物に了承をとっていなかった上、出身校や家族構成などで個人特定が容易な描写が多く容姿などの表現が悪意たっぷりだったためこの女性が激怒。
出版差し止めの訴訟に発展、最高裁まで争われたが柳が敗訴し、封印された。
名誉・プライバシー権と表現の自由を巡る裁判の代表格ともされており、司法や憲法学の上でも重要な判例で、社会・公民の教科書やテストにも出てくる。
なお、同じくプライバシー権と表現の自由で裁判が起きた作品としては、三島由紀夫の『宴のあと』が有名だが、こちらは第一審*18後の控訴中に原告が死去したため、現在でも内容は修正されず出版されている。
作品自体は判決に従い改訂された上で新潮社から出版「強行」されたが批判の声も根強い。

俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長
電撃小説大賞で最終選考に残り晴れて出版されたライトノベル。
だが、『バカとテストと召喚獣』を始めとする複数作品からの盗用が明らかになり絶版、回収処分となった。
著者の哀川譲は後に同レーベルの『正義の味方の味方の味方』で作家として復帰している。

◇ユヴェール学園諜報科
角川ビーンズ文庫から刊行されていたライトノベル作品。
『アネットと秘密の指輪』から表現の一部流用が複数個所見られるという指摘が出ており、それを著者の葵が認めた。
著者が盗作を認めるとすぐさま作品は出荷停止、絶版、回収の事態に。刊行予定だった最終巻も刊行中止となった。
著者は読者とイラストレーターに謝罪文を出すと同時に断筆を示唆し、その後は作家活動が確認されていない。

◇からくり同心景
角川文庫より発売された小説。特撮番組『ロボット刑事』のリメイク。
2巻発売直前になって「原稿を編集者が勝手に書き直し、ほとんど違う別物にしていた」という事実が発覚し、当然作者は大激怒。
2巻の発売中止と1巻の回収・絶版が決定された。

◇悪魔の詩
英国の作家サルマン・ラシュディが1988年に発表した小説作品。
明確にイスラム教に対する批判を打ち出した内容だったが故にムスリム社会の激しい反発を受け、イランの最高指導者ルーホッラー・ホメイニーによる著者ならびに出版に関わった人々への事実上死刑宣告が出され、そして実際にイタリアやノルウェーで作品の訳者が何者かに狙われる事件が多発。
特に日本語訳を務めた五十嵐一に至っては、1991年に刺殺されるという最悪の結末となってしまった(所謂「悪魔の詩訳者殺人事件」で、現在も未解決)。
2022年には原著者のラシュディもアメリカで襲撃され、重傷を負っている。
当然ながら現在は絶版になっており、再販も絶望的。

イスラム教関連では、五十嵐が同じく制作に関わった創元社の書籍『マホメット 最後の預言者、アッラーの徴』も事件から程なくして絶版となり、同シリーズの広告では唯一「品切れ」表記がなされる形となっていた。
その後、別の人物が関わり改訂する形で『改訂新版 ムハンマドの生涯』が同社より刊行された。

◇風流夢譚
雑誌「中央公論」1960年12月号に発表された深沢七郎の短編小説。
主人公が見た「夢」の話と前置きされ、内容もシュールで支離滅裂なものだが、
革命が起きた事が暗示される中、天皇や皇太子を「左慾」(作中ママ)が処刑したり、
皇太后を主人公が羽交い締めにしたりといった表現が物議を醸した。
60年安保の挫折直後という当時の世相を皮肉ったものでもあり、右にも左にもかなり挑発的。

案の定、皇室への不敬・名誉毀損と見做され、宮内庁が抗議声明を出すわ掲載誌版元の中央公論社には連日右翼団体が押しかけるわの大騒動を巻き起こす。
同社は「表現の自由」を守る姿勢を取りつつ、遺憾の意の表明や掲載誌の編集部入れ替えを行うなど妥協策に出たが、遂には右翼構成員が同社の嶋中社長邸を襲撃し、家政婦を殺害する事件(嶋中事件)まで起きてしまった。

一連の出来事を受けて謝罪会見を開き、しばらく作家活動の自粛と放浪生活を強いられた深沢は「未来永劫封印する」として復刻を拒否。そのため単行本や全集への収録はされていない。
一時期はあちこちで海賊版*19が出回ったが、2012年に遺族の許諾を得て志木電子書籍から電子版が刊行。ようやく正規の手段で読めるようになった。

余談だが、この後に長きに渡って続く中央公論社の労使闘争や業績低迷*20の契機に、本事件と作家や編集部を守りきれなかった同社の一連の対応が挙げられることもある。

◇いじめているきみへ
タレント・女優・声優として活動している春名風花の著書。
イラスト担当のみきぐちが手掛けた表紙がネット上の写真を無断で模写していたという事実が発覚。
本来なら出版停止までする必要はなかったらしいが、「いじめ問題を取り扱った本作が、著作権を侵害された誰かを傷付ける様な事があってはならない」という春名の判断により、絶版となった。
言うまでもなく春名の文章に問題は全く無く、イラストレーターの起こした問題で迷惑を被ってしまった形であり、春名自身もブログで謝罪文を出すと同時に当のイラストレーターに対して厳しい意見を発している。

◇二度目の人生を異世界で(書籍版)
いわゆる「小説家になろう」系列のライトノベルであり、その中でもメジャーな異世界転生もの。
それなりの人気はあり、アニメ化も告知されていたのだが、作者がTwitter上で、過去にヘイト発言を繰り返していたことが発覚。
該当時期がかなり昔だったとはいえ流石に発言内容に問題がありすぎたため、原作小説含むメディア展開のほとんどが打ち切られ、出版済みの書籍はすべて回収、絶版となってしまった。
ただし原作及びコミックスの電子版は2023年現在も購入可能。

類似した案件に『女勇者に自分の性奴隷にならないとパーティを追放すると脅されたので離脱を選択します』の作者銀翼のぞみが「挿絵イラスト担当の絵師もねてぃが自分の悪口を言っている」と思い込んでヘイト発言を繰り返して続刊打ち切りの上メディア展開を全て中止させられた事件があるが、こちらでは「なろう」本体に元の作品は残されているので現状では「封印」とまではいっていない。

◇ハイスクール・パニック
キャリー』『スタンド・バイ・ミー』等でおなじみスティーブン・キングがリチャード・バックマン名義で発表した学園サスペンス小説。
高校生が学校で教師を射殺し、生徒を人質にとる」という内容が後にアメリカ国内で銃乱射事件が相次いだ際に問題となり、原作者自らが回収・絶版を決断した。
だが今作が重きを置いているのは「犯人と人質たちの間に芽生えた奇妙な精神的連帯」「思春期ゆえの閉塞感」であり、上記の残虐な事件はむしろ単なるきっかけに過ぎない。
幸い日本国内では図書館や古書店でも普通に手に取れるため、興味のある方はぜひ一読してもらいたい。
ちなみに原題は「激しい怒り」を意味する『Rage』。今作に限った話じゃないけど、この邦題のセンスの無さはどうしたものか……

◇街と、その不確かな壁
ご存知、村上春樹の黒歴史。
1980年発売の『文學界』に掲載されたが、作者曰く「失敗作」「書くべきじゃなかった」とのことであり、以降単行本化も全集入りもなされていない。
だがそのストーリーの一部やテーマは、後に発表される『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』に活かされている。
2023年4月13日、今作を大幅に改訂した『街とその不確かな壁』が発売。

【評論・ジャーナリズム・ノンフィクション】

◇「創作子どもポルノ」と子どもの人権
ジャーナリスト・フェミニズム学者でありコメンテーターとしても売り出し中であった渡辺真由子の著書で、自身が慶應義塾大学で博士号を取った時の論文を再構成したもの。
元々彼女は漫画・アニメの性表現の強硬なアンチであり規制を強く主張していたためtwitterで炎上を繰り返しており、本書の出版時も悪い意味で注目が高く、出版から半年近くに渡って有志の検証が行われていた。
結果、他の人文系学者の論文からの無断転載が、しかもほぼ全ての文が無断転載の章が存在するなどかなり悪質なものである事が発覚。
騒動を重く見た出版社も上記の事実を確認し、2018年11月28日付での絶版・回収が公表された。
また本書のベースになった博士論文*21についても、やはり同様にパクリだらけであったことが判明。
博士論文でそのような不正行為が行われたとなれば慶応側も黙ってはおらず、学内調査委員会による調査の結果、作者は2019年3月付で博士号取消の処分を受けた。指導教員への処分も危ぶまれる状況*22となっている。

◇ヴァイマールの聖なる政治的精神
宗教学者でドイツ思想史が専門の深井智朗の著書。深井の著書や論文に大量の捏造が見つかり勤務先の東洋英和女学院大学から懲戒解雇処分を受けたため、出版社側が一般書も絶版とした。
捏造箇所は多々あるが、中でも上述の書物で紹介されている「神学者カール・レーフラー」なる人物が全くの架空だったと言う事実は宗教学者以外をも驚かせ、民明書房のような大喜利のネタが発生した。
なお、本書の不正が発覚したのは同ジャンルの学者達の検証や公開質問状によるものである。

◇ウルトラマンの「正義」とは何か
花岡敬太郎によるウルトラシリーズを題材にした評論本。
ウルトラマンそのものに対して批判的な大江健三郎の記述に対し、後年批判的な見解をした切通理作の見解を取り上げているのだが、
あろうことか切通の見解を「大江がさも後年そう述懐した」かのように記述するというとんでもない大間違いをやらかしてしまう。
結果、ミスを重く受け止めた著者の判断で書籍の回収処分がされることとなった。

◇アインシュタイン その生涯と宇宙 下巻(初版)
ウォルタ―・アイザックソンによる、理論物理学者アルバート・アインシュタインの伝記本の邦訳。
刊行後、下巻の一部の章に機械翻訳としか思えないメチャクチャな訳*23が多数発見され話題となる。
共訳者の1人がAmazonレビューで事情を明かしており、出版社である武田ランダムハウスジャパンの編集部が、(監修者に無断で)正体不明のグループに翻訳を依頼した結果であったという。
事実を知った監修者は出版社の社長に猛抗議。同意した社長の判断で初版本は回収・絶版となり、改訳された修正版が後に発売された。
なお、武田ランダムハウスジャパンは本書の刊行翌年に倒産している。

◇榎本武揚と明治維新 旧幕臣の描いた近代化
◇森の日本史
共に岩波ジュニア新書より刊行された東京農業大教授である黒滝秀久の著書。
いずれも2021年になって「他著者の書籍からの文章の無断転用」が読者からの指摘で発覚し、出版社の判断で絶版・回収が決定した。

◇内閣情報調査室(幻冬舎新書)
◇テロVS日本の警察(光文社新書)
◇風俗警察(角川新書)
◇マル暴捜査(新潮新書)
ジャーナリスト・今井良の著書。
いずれも、2022年になって、共同通信が配信した記事からの無断転用があることが発覚し、出版社の判断で絶版・回収処分となることが発表された。

◇草津温泉 漆黒の闇5
草津町の町長が女性町議に対し性的な被害をしたという内容を取り上げたルポルタージュ。
一時は町に抗議が殺到し、海外のメディアからも取材されるほどの騒ぎになった…
が、該当する町議の証言が虚偽であったことが判明。著者が町長に向けて謝罪文を公開し発売の打ち切りを発表した。

◇ゲームの歴史 1~3巻
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』の作者である岩崎夏海と、話題となった新書『映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形』の作者である稲田豊史の共著。
「ゲームの歴史」と銘打ち、コンピューターゲームの内容を網羅的に把握する本として刊行された。が、数月後のあるTwitterユーザーの書評をきっかけに、数々の業界関係者やユーザーからの内容が事実と異なるという指摘が相次いだ。
その結果、出版社の判断により、訂正版の刊行が行われずに販売停止・回収となった。

◇ジャニーズおっかけマップ
ジャニーズJr.の平本淳也が監修を務めたおっかけ本。
その中身は人気ジャニーズメンバーや元ジャニーズ所属だった人達の住んでいる住所やその家の写真、さらには電話番号を載っけるなど、要するに個人情報を公開した本であった。
この本のおかげで「家に生卵を投げつけられる」「郵便物が持ち去られる」「無言電話やいたずら電話が相次ぐ」etc.....の被害が様々なジャニーズメンバーにあった。
当然ながら基本的人権を侵害していることと、上記の被害が相次いだことにより早速事務所が裁判を起こし、東京地裁の判決により出版・販売の差し止めとなった。
そしてこの件は後に公民の教科書にも基本的人権を侵害した事例として、ほんの少しだけではあるが取り上げられている。

【アニメ】

◇超スーパーカー ガッタイガー
スーパーカーブーム期の1977年に東京12チャンネル(現:テレビ東京)系で放送された、5台の車が合体して巨大な車になるというレースアニメ。
製作会社が倒産しフィルムの所在が不明なため映像ソフト化は絶望的。

◇超攻速ガルビオン 第23~26話
国際映画社が制作したロボットアニメ。
本来は約4クール掛けて放送する予定だったが、メインスポンサーの倒産により急遽22話で打ち切りに。
しかし、フィルム自体は26話まで出来上がっており(そのうち23・24話はアテレコ済)
制作側はOVAや劇場版などで補完を望んでいたが、翌年国際映画社が倒産したことによりお蔵入りになった。
後にDVDが発売されたものの、未放映分は収録されていない。
なお、サントラのライナーノーツやアニメージュ誌には2クール以降のストーリー展開の構想が掲載された。

◇ピンク・レディー物語 栄光の天使たち
1978年当時大人気を誇ったアイドルコンビ、ピンク・レディーを扱ったアニメ。
実在人物が登場する故に肖像権など様々な事情で映像ソフト化が困難な状況にある。

◇ピグマリオ
『スケバン刑事』で知られる和田慎二の少女向け残虐バトルファンタジー漫画のアニメ版。
原作中盤あたりのシナリオで完結しているが、原作者が出来に難色を示した(時代を差し引いても、1クール目の作画は10年前と見紛うレベルの酷さ)ため
VHS化が見送られ、以降もAT-Xで一回再放送されたきりでDVD化、ネット配信など夢のまた夢。
結局和田作品でアニメ化されたのはこれが最後になってしまった。

銀河戦国群雄伝ライ
こちらもピグマリオの比ではないほど、原作者が大激怒したことで知られる。
作者の公式サイトでも(アレな出来だった他のOVA等と並べて)その不出来さに激怒し完全にトカゲのしっぽ扱いしているが、
どちらかと言えば制作した角川書店の権利問題が絡んでいる旨を仄めかしている。
VHS化はされたがそれっきりで、再放送もされていない。

◇ポケットモンスター 第38話『でんのうせんしポリゴン』
演出の一部で視聴者に健康被害を引き起こした事件(放送事故)。
詳しくはポケモンショックを参照。
メディアにも大きく取り上げられ、「テレビを見る時は部屋を明るくして離れて見て下さい。」というテロップが表示されるきっかけにもなった。
また、ポリゴンと進化系達はアニメに登場しなくなった(一瞬だけ映る、名前だけ登場はある)。

ピチューとピカチュウ
ポケモン映画で唯一の封印作品。ナレーターの酒井法子が薬物所持容疑で逮捕されたため。
詳しくは該当項目を参照。

◇ポケットモンスター アドバンスジェネレーション 第101話『揺れる島の闘い!ドジョッチVSナマズン!!』
新潟県中越地震の影響を受け、放送が取り止めになった。DVDにも収録されていない。
これ以降、「じしん」「じわれ」「マグニチュード」といった地震を連想させるわざは使われなくなった。
代わりにわざ「アームハンマー」で地面を叩く、BWで追加された類似の技「じならし」を使うなどの表現がなされている。
ナマズン自身は放送前だったので被害を免れており、この10話後にアダンの手持ちとして登場している。

◇ポケットモンスター ベストウイッシュ 第23・24話『ロケット団VSプラズマ団!(前・後編)
東北地方太平洋沖地震の影響を受けお蔵入りに(テレビ東京は「日時を改めて放送する」とアナウンスしたが…)。
BWの大きなターニングポイントとなる回だっただけに、作品自体の軌道修正を強いられてしまう。
なお、第119話のサブタイトルは全く同じであり、事実上の本話のリベンジなのだが、内容は全くの別物である。

◇OVA版エリア88 (ACT1 裏切りの大空 ACT2 狼たちの条件)
85〜86年発売、スタジオぴえろ(現:ぴえろ)制作のOVAシリーズだが、この2巻分はDVD化されずそのまま放置された。
理由について制作側からの公式発表は一切無く、この2作品については再編集した劇場版『エリア88』に統合された状態のため、それぞれ単体で視聴したければ販売やレンタルされていたVHSビデオテープを手に入れるしかない。
なお、シリーズ最終作『ACT3 燃える蜃気楼』はソフト化されていて容易に視聴可能である。

◇機動戦士SDガンダムMARK-IV『SDガンダム猛レース』
VHS版では収録されたが、DVD・Blu-rayでは欠番扱いされたエピソード。
内容が余りにチキチキマシン猛レースそのまんまだったからという理由で収録が見送られた。
DVD-BOX発売に際して開催された座談会にてスタッフが語ったところによると、資料などは一切集めずスタッフ自身の記憶だけで「チキチキマシンっぽいものを作ろうぜ」というコンセプトで作ったところ、思った以上にチキチキマシンそのものになってしまったのだとか。
ボンボンVガンの「MSレーサーのセナとプロストとシューマッハ」といい、まったく…*24

ちなみに、横井孝二の4コマ漫画『元祖!SDガンダム』では一部メンバーが違う以外ほぼ同様の連続ネタ「チキチキSDグランプリ」が続いていた。
車がF1をモチーフにしたスタイルとなり、戦国サロンバスやギャルズセブンなど多人数が乗った車がリストラされたり
戦国伝代表が牛車オープンから武者爾威麗車(Gレーサー)に変更され、ドライバーも乗り物酔いする武者頑駄無から農丸に交代したりしているが、
一番危険そうなゼロゼロマシンはドライバーがヤザンのみになって続投した上、中ジム悟だのバイアラン・プロストだのゲルハルト・ベルガダラスだの実在人物モデルのキャラまで新登場。何やってんですか横井先生…

カウボーイビバップ 地上波版最終回『よせあつめブルース
監督・渡辺信一郎の意向により、映像ソフトに収録されていない。
内容については当該項目を参照。

瀬戸の花嫁 第拾七話『県警対組織暴力』(地上波放送版)
デルザー軍団のパロディ(というかほぼそのまんま)が登場したことに版権元が抗議。
AT-Xでの放送が中止となり、後の放送やソフトでは別物に差し替えられた。

ドラえもん(日本テレビ版)
現在のテレビ朝日・シンエイ動画製作のドラえもん放送前に、日本テレビ系列で放映された番組。
製作は『男一匹ガキ大将』『赤き血のイレブン』で知られる日本テレビ動画(日テレとは無関係)。
歴代アニメ作品では唯一、黒歴史のガチャ子が出てくる。
一部の設定が原作と異なり(例:ジャイアンの母ちゃんが既に亡くなっている、チョイ役が源家のお手伝いさんになっているetc)、アニメオリジナルのエピソードも多い。
これは意図的に原作を改変しようとしたわけではなく、当時のドラえもんはまだ単行本化もされていないため原作の確認が難しい上に、その原作自体も幼年誌等の連載で短いページ数で終わってしまうようなエピソードばかりだったため、尺を持たせるために必然的にオリジナル要素が追加されたとのこと。

1クール目は裏番組があの『マジンガーZ』だったこともあり視聴率で苦戦していた他、
「原作と異なる点が多かったせいで原作者はあまりよく思っていなかった」「結局2クールで打ち切られた」という情報から、
人気低迷の末に打ち切りという噂が通説化していたが、実際には元々2クール放送予定で、「5%も行けばいい方」というTV局側の評価の中で平均6.6%も記録していたため、人気自体は決して低くなかった様子*25
その甲斐あって赤字続きだった製作会社はようやく黒字化に成功し、放送期間延長で3クール目製作も見えていた矢先に製作会社の社長が夜逃げして会社の解散が決定、延長の話は立ち消えになり当初の予定通り2クールで終了となった。
夜逃げした社長はその後フィリピンで映画会社を立ち上げるも上手く行かず、拳銃密輸に手を染めて逮捕、以降の行方は分かっていない。
安藤健二の『封印作品の謎』においては製作会社の社長が当時首相であった田中角栄と親交があったことから新潟を中心にアニメ制作産業を興そうとした背景があったのではないかと指摘されているが、この辺りは詳細不明である。

上述した通り、原作者の藤子・F・不二雄は本作に関して否定的なコメントを残していたことを複数の第三者が証言しており、本人が言及したことも殆ど無い。
さらに藤子プロも製作スタッフが無償で開いた上映会に中止を求めるなど、本作の存在自体をあまり表に出そうとしていない。
多くの作品が実名で登場する島本和彦の漫画『アオイホノオ』においても、ドラえもんの大山アニメに関しては主人公が高く評価する一方、
旧アニメに関しては「微妙だった」「人生に失敗したオッサン感が」等否定的なコメントを残している。
(なお、藤子プロから許可を貰い日テレ版ドラえもんの模写絵も掲載されている)

フィルムは放送終了からしばらくは日テレが管理しており、再放送用に各地の地方局へと貸し出されていたが、管理が終了してからは行方不明の状態。
後に一部ネガフィルムが現像を担当した映像会社の倉庫から見つかっているが、ソフト化しようにも権利の所有者が分かっておらず藤子プロが封印解除に消極的な状況もあり、ほぼ絶望的。

◇ムーミン(1969年版・1972年版)
「ねえムーミン、こっち向いて♪」の主題歌でおなじみの昭和版。
制作は69年版が東京ムービー→虫プロダクション、72年版が虫プロダクション。
原作者のトーベ・ヤンソンが内容(69年版前半で「銃器や金銭が登場するなどモダンすぎる作風」、「キャライラストの原作解離」、独自設定の「ギターを弾くスナフキン」、「ヒロインの名が『ノンノン』」等のオリジナル設定が登場していた)に激怒し、1989年の「楽しいムーミン一家」制作に際して封印を宣言し、それまで発売されていたVHS・LDも廃盤となった。
尤も2次利用ではトヨタ自動車の交通安全教材として2002年まで使用されていたほか、本作のスタッフである大塚康生は21世紀以降も台湾で再放送されていたことを証言している。
その後、2018年のセンター試験「地理」でフィンランドを問う問題としてムーミンが登場し、作問ミスと言えるのかも含めて話題になったが、イラストは69年版を使用していた。
なお、入試問題では機密保持のため、許諾なく著作物を利用することができる(著作権法36条)。
また同年に放送された「世界一受けたい授業」でムーミンが特集された際には、69年版と平成版の両方がVTRで流れた。
公式サイドの扱いはどうかと言うと、日本版の「ムーミン」公式サイトで69年版を普通に紹介しているので、(少なくとも日本側では)完全に無かったことにはしていない。

かいけつゾロリOVA版/かいけつゾロリ(1993年版)
亜細亜堂制作の現「かいけつゾロリ」以前に、制作されたアニメ。
前者は天田印刷加工制作のOVAアニメ。後者はトムス・エンタテインメント制作『それいけ!アンパンマン 恐竜ノッシーの大冒険』と同時上映のアニメ。
こちらもドラえもんや遊戯王と同様、制作会社が違う。いずれも大ヒットにならず、現在も展開されているTVシリーズが大ヒットしたため、DVD・ブルーレイ化は困難であるという見方が強い。
公式で言及される機会は皆無(せいぜいOVA発売当時に書かれた原作「きょうふのゆうえんち」でOVA版の存在が言及されているぐらい)。

ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース(OVA版)/ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド(劇場版)
原作第3部を描いた前者の作中にラスボスであるDIOがコーランを読む描写があり*26、違法配信によりイスラム教関係を巻き込む大問題になった事から、集英社は謝罪を表明。
原作の3部の範囲までと画集を回収すると同時に、OVAにおけるDVD版の廃盤及びVOD版の公式配信終了、更に劇場版1部のDVD化中止という処置を取った(その後原作はイスラム教に関わる部分を修正して再販された)。
内容としては、前者は原作と違う描写が多いが、忠実再現された部分もまた多いため賛否が分かれる。後者についてはお察しください…

きょうふのキョーちゃん(1994~1995年)
ダウンタウンの松本人志原作のアニメで、フジテレビ系バラエティ『ごっつええ感じ』内で放送された。スプラッターあり、エログロありのとんでもない内容だったために7話で打ち切りとなり、『ごっつええ感じ』関連のソフト類にも一切収録されていない。

おそ松さん 第1話『復活!おそ松くん』/第3話『こぼれ話集』の「ほれいけ!DEKAPAN-MAN」
第1話は公式サイトが無料配信の終了とDVD並びにBlu-rayへの収録をしない事を明言している。理由は発表されていないが、沢山のアニメのパロディネタを扱っているためではないかという見方が多数。
第3話の「DEKAPAN-MAN」は地上波放送後、BSJAPANでは内容の一部を修正したが、制作委員会の判断でソフト未収録になることになった。

MUSASHI-GUN道-
モンキー・パンチ監修の伝奇アクション。作画崩壊や設定破綻が話題を呼んでしまったシロモノ。
とてもソフト化できる代物ではなかったためそのまま闇に葬られるかと思われたが、何を思ったか「放送オリジナルバージョンDVD-BOX」を、「封印」の二文字が大書された真っ黒なパッケージで発売した。
世に出さない方が良かったという自虐ネタだろうか。
そのDVDボックスも全26話中8話分で生産が中止され、本当の意味での封印作品になってしまった。
幸いにも、フランスのアニメソフト会社から出ているフランス語字幕入り(音声は日本語)のDVDは全話分が発売されている。

ミッドナイトホラースクール 本放送時の前期OP、並びにED
歌い手であった嘉陽愛子の諸事情による物や、当時所属していた事務所の権利関係の都合上、
再放送時やVHS&DVD化の際は、いずれも今は亡き川上とも子が歌う後期OPとEDに差し換えられてしまった。

モンタナ・ジョーンズ(再放送では冒険航空会社モンタナ)
1994年にNHK総合テレビで放送されたアニメで、イタリアのREVERとの合作。
REVERは以前にも東京ムービー新社と名探偵ホームズを製作しており同じ原作者が携わっているため登場人物の構図や展開などが非常によく似ている。
作品自体が有名映画のパロディで埋め尽くされており、中にはストーリー自体が元になった映画のパロディになっている回もある。
放送局はNHKであったため日本以外でも放映されたがタイトルがまんまインディーなジョーンズであったためかMONTANAに変更されており、2003年に日本で再放送された際も上記へと変更になった、だがそれを最後に一切の再放送が行われていない。
また2003年の再放送も52話中3話が未放送、本編終了後のミニコーナーや次回予告もなかったため録画出来ていたとしても不満の残るものとなっている。
放送当時にレンタルビデオでのみソフト化されており、それ以外の媒体化やNHKオンデマンドによる公開も行われていない。

アラジン(初代吹き替え版)
アラジン役の羽賀研二が本職の声優でない芸能人起用であることを感じさせない熱演で人気を博したものの、後年、金銭に絡む犯罪行為をしてしまい封印されることに。その後、続編のOVAなどでアラジン役を務めた三木眞一郎を起用した再録版が制作され、映像ソフトや地上波テレビなどでの放送ではこちらのバージョンが採用されている。
羽賀は今もなお悪あがきを続けているため、復活はまずないだろう。

D.Gray-man HALLOW(2017)
星野桂の漫画原作のアニメ版で、2006年のバージョン以来久々の映像化となった作品。声優は変わったが一応続編。
理由は不明だが、発売が予定されていたDVD及びBlu-rayが「諸般の都合」によって急遽発売中止となってしまい、事実上の封印作品となってしまった。
なお原作者は、『HALLOW』の公式版権イラストが原作漫画の設定に反していることに苦言を呈していたこともあったが、因果関係は不明。
バンダイチャンネルではしばらく有料配信されていたが、2022年時点ではそちらも終了している。

アナと雪の女王(初代吹き替え版)
オラフ役のピエール瀧の演技が人気を呼び、派生作品でも起用されたがアラジンと同じ理由で封印となってしまった。
代役として起用されたのが武内駿輔で、続編の「2」にも出演した。
武内は元々低音ボイスのイメージが強かったが、本作での代演がきっかけで高音の役柄にも時折起用されるようになる。
更に余談だが、2020年代に入ると某ものまねグランプリに出演を果たし、山寺宏一の完コピネタを披露した事でも話題となり、一気に知名度を上げることに。

東京リベンジャーズ(テレビ初回放送版)
当初龍宮寺堅を演じていた鈴木達央が不祥事を起こしたため、第2期の制作決定直後に降板が決定。
その後、福西勝也に声優を交代する事が発表され、第1期の音声も差し替えられる事になり、2022年7月以降の再放送と動画配信・BD-BOXでは再録版が使用されている。*27

スポンジボブ 第92話SP『スポンジ・ボブとアトランティス、行きたいんデス』(ニコロデオン版) 第111話SP『スポンジ・ボブとビーーッグウェ〜ブ(NHK版) 第263話B『Kwarantined Krab』
92話において忌野清志郎がロイヤル大・帝王・サマサマ役でゲスト出演していたものの、忌野清志郎が死亡した2009年以降のニコロデオン及びMTVでの放送*28では安原義人による吹き替えに変更された*29。それ以前でもNHKなどでの放送では安原義人版が使われていたため、ニコロデオンCHでの期間限定だったのかあるいは忌野の死後、関係者との権利問題かははっきりとしていない。
111話『スポンジ・ボブとビーーッグウェ〜ブ』においては小栗旬とRIPSLYMEがゲスト出演していたのだが、あくまでこの話はNHKがオリジナルに作成した物のため、DVDや動画配信*30ではレギュラー陣による吹き替え版が採用されている。
263話『Kwarantined Krab』は、カニカーニであさり風邪の感染者が見つかり、店内の客が隔離されたり、感染者とみられるグループが仲間外れにされて冷凍庫へ投げ込まれたりするという、感染症が蔓延しているご時世では不謹慎な内容からNHKでの放送が見送られた。*31
余談だが、第1話A『バイト募集中』は本編中にTiny TimのLivin' in the Sunlight, Lovin' in the Moonlightが使われているため権利上の問題でS1completeBOXには収録されていない*32第55話B『私はクール』がアメリカで女性の下着を盗むシーンが問題視されたため2018年以降、テレビ放送及び動画配信が終了された。日本でもHuluでこの話のみ配信されていないが、Amazonプライムビデオでは視聴可能(ただし有料)。

【特撮】

基本的に子供番組ということで色々敏感ではあるのだが、上記の『月光仮面』の例の通り、「単に古すぎて映像が残っていない」パターンも多い。

ウルトラセブン 第12話『遊星より愛をこめて
封印作品の中でもトップクラスの知名度を持つ作品。該当項目を参照。
ちなみに『ウルトラファイト』の再編集エピソードにおける同話使用回(第9話「遊星の悪魔スペル星人」)も同じく欠番になっている一方、「『ウルトラマン超闘士激伝』のモブ観客にそれらしき宇宙人がいる*33」「実相寺監督やアンヌ隊員役のひし美など複数の関係者が、テレシネ*34やネガフィルムのクリーニングなど、リマスター作業自体は他のエピソードと同様に行ったのではないか…との見方を示した(特にひし美は当時特技監督を務めた*35高野宏一から保存状態を聞いたとはっきり名指ししている)」なんて話もあったり。

バトルフィーバーJ(初期エピソードのテレビ初回放送版)
当初ヘッダー指揮官を演じていた潮建志が覚せい剤所持の容疑で逮捕され、再放送や遅れネット向けに代役に石橋雅史を立てて撮り直した。
但し「後任の石橋雅史がゲスト出演している第4話」「野外ロケが行われ撮り直し出来ない第6話」は本放送時そのままとなっている。

アラーの使者、丸出だめ夫(ドラマ版)、アタック拳
いずれの作品もフィルムの喪失により、第1話を除いた全エピソードが事実上封印状態に陥ってしまっている。
現存している第1話は東映チャンネルやスカパーで時折放送されている。
『アラーの使者』の場合は九里一平による漫画版がマンガショップより単行本化されているほか、
『丸出だめ夫』の場合は後年アニメ化されたバージョンが無事にDVD化されている。
2020年1月にはこれらの作品を纏めたDVD化がなされたが、言うまでもなく現存している第1話のみのソフト化であるため、封印状態は変わらずとも言える。

◇忍者ハットリくん(ドラマ版)
こちらも第1話・第14話以外のフィルムが現存してないため、ベストフィールド社によりその2話を収録したDVDがリリースされた以外は放送もソフト化もされていない。
なお、1年後に放送された続編『忍者ハットリくん + 忍者怪獣ジッポウ』は全話現存し、DVD化もされている。

仮面ノリダー
『とんねるずのみなさんのおかげです』内で放送された「仮面ライダー」のパロディドラマ。
権利元に無許可で放送したことに加え、とんねるずの出演番組の版権が複雑なことから、続編の「仮面ノリダーV2」と共にソフト化されていない。
よく勘違いされがちだが、クレームを受けた後に事後承諾で許可は取ったため、放送自体は予定通り行われている。
しかし、当時の仮面ライダーシリーズのプロデューサーである吉川進が本作を批判したり、『BLACK』の撮影現場で本作の話題がNGとされていたりと、権利元が本作を快く思っていなかったことは事実である。
一方、原作者の石ノ森章太郎自身は「息子が大好きなんですよ。やっぱり作者としては本家の方を見てほしいんですけど(笑)」として好意的なコメントを残しているほか、
倉田てつをも「(光太郎と木梨猛の)共演はできないですかね?」「僕も出たいな」と考えていたとの事。
2013年には東映が「仮面ノリダー」名義で商標登録を出して権利を得た他、後番組『とんねるずのみなさまのおかげでした』内での再放送を許可する(著作権表示に石森プロと東映の名前がある)し、
2019年には変身こそしないものの、木梨猛本人が仮面ライダーの映画に出演するなど、一時期の冷戦じみた状態がウソのような寛容な態度を見せているため、ソフト化解禁にも期待がかかる。

【テレビドラマ】

◇水戸黄門(第四部) 16,17話「北海の反乱」(前後編)
アイヌ民族を騙して蝦夷の支配を企む悪徳商人を成敗する話。
前編放送後、作中におけるアイヌの描写に問題があるとアイヌの団体からクレームを受ける。
後編は冒頭にお詫びのテロップを入れて放送されたが、その後は一切再放送がされず、DVDソフトにも収録されていない。

この他、後に二代目黄門様を演じる西村晃が別の役で出演している回も、イメージに配慮してか再放送やソフト化がされていない。
例外として第三部4話「人狩り」は、Project-Tから発売されたDVD-BOXにのみ収録されている。

◇右門捕物帖(日本テレビ版) 第17話「少林寺から来た凄い奴」
CSの再放送やDVDソフトで飛ばされているエピソード。
日本に密入国した少林拳の達人が殺人を犯す、という内容に少林拳の関係者からクレームがついたとする説が有力。

◇暴れん坊将軍VII 第2話「江戸怪奇 吉宗亡霊を斬る!」
本放送以降一度も再放送されていない回。
理由については「子どもが打ち首に処されるシーンが放送コードに抵触するから」、「上様が亡霊と戦うなど、オカルト的な展開が作風にそぐわないから」など諸説あり。

◇禁じられたマリコ
主演の岡田有希子が後に自殺したことにより、BS・CSでの放送や配信・ソフト化が行われていない(再放送そのものは地方局で89年頃まで実施されていた)。

◇はいすくーる落書
劇中に登場する工業高校が不良たちのたまり場となっている描写などに、工業高校のイメージを損なうなどと工業高校の関係者から抗議が寄せられて全国工業高等学校長協会からも連絡があり、
スポンサーの花王がクレジットを自粛する事態となり、2では舞台が変更された。
一作目は再放送が一度だけされてVHSも発売されたが、2は再放送・ソフト化共にされていない。

◇八神くんの家庭の事情
原作の設定を無視したキャスティングをしたり、原作にはない設定を勝手に織り込むなどして原作ファンのみならず原作者までもが怒りをあらわにしたため、一切再放送やソフト化が行われていない。

◇季節はずれの海岸物語
メインキャストに色々と話題に欠かない事に定評のある田代まさしが登場していることや、サザンオールスターズや松任谷由実など劇中で使用された楽曲の著作権の使用料が高すぎる問題から再放送やソフト化が行われていない。
また、出演していた可愛かずみや古尾谷雅人が後に自殺したことも原因なのではないかと推測されている。

◇心療内科医・涼子
劇中の不適切な医療描写に現実の医療関係者から苦情が寄せられて日本心療内科学会が読売新聞に抗議文を出す事態にまでなり、
VHSの販売はなされたが、以降のソフト化はなく再放送もなされていない。

◇悪魔のKISS
静岡県から上京してきた3人の女性の凋落を描いた、フジテレビ系列のドラマ。
主役の一人が当時無名であった常盤貴子で、ゴールデンタイムで上半身ヌードを晒した事は今でも語り草となっている。
風俗、薬物中毒、新興宗教など過激な題材を扱っているためか、再放送やソフト化が一切行われていない。
また、常盤の所属事務所が版権を買い取って飼い殺し状態にしており、解禁は絶望的。
因みに、主題歌のサザンオールスターズ「エロティカ・セブン」は約170万枚を記録し、当時のサザンのシングルで最大のヒットとなった。

◇終らない夏
紡木たくの漫画『ホットロード』とストーリーや台詞が酷似していると指摘され、再放送やソフト化が出来なくなってしまった。
しかし、主題歌の『Hello,again~昔からある場所~』は大ヒットし、My Little Loverの曲の中では最大のヒット曲になった。
なお『終らない夏』ではない。
ちなみに『ホットロード』の実写映画版は、そのドラマを放送していた日本テレビが製作に携わっている。

◇ココだけの話第5話「卒業儀式」「小日向くん」
前者は出演者の中山史奈が逮捕されたため、後者は同性愛者に対する差別的な描写がなされたため、再放送からは外されている。
「卒業儀式」のみ、DVDに収録されている。

フードファイト
かつて、日本テレビ系列にて放送された草彅剛主演の大食いドラマ。
深夜特急死闘編の放送直後、中学校で大食いによる死亡事故が起きた事に加え、いしだ壱成や羽賀研二が逮捕された事などが原因で続編が作られず、DVD化もされていない。
2009年には桜井幸子が芸能界を引退、2016年にはSMAPが解散し草彅も事務所を退社したため、この先の解禁は難しいだろう。

◇ギンザの恋
読売テレビ制作のトータス松本初主演のテレビドラマ。
あまりの低視聴率から7話で打ち切られ、主題歌にベイシティローラーズの楽曲が使われていたことからソフト化も見送られるという打ち切りと封印のダブルパンチを喰らった作品
トータスはこの影響からか、もう二度とドラマはやりたくないとコメントしたこともある(その後も散発的ながら俳優活動は継続している)。

余談だが前述の『心療内科医・涼子』も含めた読売テレビの月曜22時ドラマ枠は裏番組「SMAP×SMAP」の影響で軒並み低視聴率となっており、本作に限らずソフト化や再放送といった二次利用に恵まれていない作品が多い。

相棒 season3 第7話『夢を喰う女』
刑事が図書館司書から閲覧者の個人情報を聞き出す場面に、日本図書館協会から抗議があったため、再放送やDVDへの収録が見送られた。
上記の行為は憲法で禁止されている検閲行為に該当するとされており、公務員の守秘義務及び図書館における規定によって警察が相手でも禁止されている。
正式な捜査令状があれば可能ではあるが、上記の事をやったのが特命係なので、そんな物があるわけもなく…*36
このような描写は『相棒』以外の作品にも散見され問題となっているが、大抵はシーンカット・キャプションの追加等の対応に留まっており、1作丸ごと封印されたケースは珍しい。

余談だが本シリーズはseason17の4話もシャブ山シャブ子薬物中毒者の描写に医師から抗議があったため、テレビでの再放送が一切行われていない(DVDや配信サイトでの視聴は可能)。

◇トップキャスター 第3話『恋愛運ゼロの逆襲』
当時人気占い師だった細木数子をパロディー化した内容だったため本人が激怒しお蔵入りとなり、DVDに収録されていない。

◇ハガネの女(第2シリーズ)
アスペルガー症候群の児童を学校に残すかどうか、クラス投票で決める」という描写が原因で、作者がネット配信を停止させ、ソフト化も禁止した。最終的には本人の意向により原作者クレジットを削除。
第1シリーズはソフト化されている。

◇武蔵 MUSASHI
2003年のNHK大河ドラマ
一部のシーンに『七人の侍』からの盗作疑惑が出て裁判沙汰になった。
裁判では『武蔵 MUSASHI』の版権元であるNHKが勝訴している*37が、それとは別にNHKは原告側に謝罪している。
また、主役の市川新之助(現:十三代目市川團十郎)が隠し子騒動を起こすなどキャストの不祥事が頻発。そのためか、現在でも一度もソフト化されていない上にオンデマンドでもフル配信されていない。
だが後に2019年12月から番組公開ライブラリーで総集編が公開されており、厳密にいうと「フルバージョンが封印」になる。
ちなみにこの裁判の判決文では、「『武蔵』には『七人の侍』のような高邁な人間的テーマや高い芸術的要素はうかがえない」とボロクソに評されている。

なおこれ以外の大河ドラマでは、第1作「花の生涯」から第7作「天と地と」、第9作「春の坂道」から第13作「元禄太平記」、第15作「花神」の全13作品がごく一部の数話と総集編を除いて映像が現存しておらず、
民間から録画テープが発掘されない限りは見られない作品となっている。*38
当時の録画装置の普及状況などを考えると全話が発掘される可能性は極めて低いが、それでも一部の回については現存が判明したものがある。
詳細はNHK大河ドラマのページを参照。

◇キイハンター
60年代末~70年台冒頭にかけ大ヒットした和製スパイ・アクション・ドラマ。
全292話中、9話が昨今の情勢を反映し欠番となっている。

◇海猿(フジテレビ制作版)
海上保安官の活躍を描いた伊藤英明主演のドラマ作品。
テレビドラマ版が1本、映画版が4作製作される大人気作品となった。
原作者の佐藤秀峰が2012年にフジテレビが作者に無許可で取材や関連書籍を出版していたことを明かし、これに伴いフジテレビとの契約停止および関連作品の制作禁止を発表。
その後フジテレビと和解はしたものの、2017年を最後に実写版の権利契約が全て終了したことから佐藤が公式に封印を宣言した。

◇おせん
2008年に蒼井優主演で連続ドラマ化されたが、主人公の容姿や性格などを原作を無視して改変した結果、原作者の怒りや失望を買ってしまい原作の連載を休止する事態に発展。
その後は原作者がソフト化を一切認めない旨の声明を出し、再放送も一切行われていない。

◇まれ
2015年度のNHK朝の連続テレビ小説で、土屋太鳳の出世作。
同作で主要人物を演じた高畑裕太が翌年、宿泊したホテルの女性従業員への暴行で逮捕された為、ソフトは絶版・回収、配信も停止へ。
作品の封印との関連は不明だが、同作では主人公の結婚後の非合理的な生活を中心に、「能登の皆さんに謝“まれ”」という、タイトルロゴを加工したコラ画像が広く出回る程に批判が多く集まっていた。

この高畑の逮捕の影響は同作だけに留まらず、24時間テレビのスペシャルドラマ『盲目のヨシノリ先生~光を失って心が見えた~』は急遽代役を立てての撮り直しを余儀なくされ、
レギュラー出演していたドラマ『仰げば尊し』は出演シーンカットで全話放送されたものの、再撮影が困難であるためにソフト発売が見送られていたが、2020年4月に動画配信サイト「Paravi」での配信が開始され、事実上の封印解除となった。
ドラマ『侠飯~おとこめし~』は放送途中だったため、逮捕以降の放送分から編集でカットされ、再放送・ソフト化に際しては編集で全話の登場シーンがカットされており、高畑が出演している映像を観るには放送当時の録画映像しかないという状態である。

◇ぼくの夏休み
2012年夏に放送された昼ドラで、兄妹が奇妙な汽車に乗った先で戦時中の日本にタイムスリップしてしまうというストーリーで、第1部と第2部があり、第2部では井上正大と有村架純のW主演作品である。
しかしながら物語の後半、生き別れたまま成長し、互いに気付かぬまま再会した兄妹が近親愛に陥ってしまう展開や、売春に関する描写が平然と映されている等、
タイトルと共に、時期がら夏休み中の子供が目にする可能性が大いにある時間帯に似つかわしく無い内容になっており、
同じタイトルを持つ、古くからある有名なゲームの存在も相まって、ソフト化や配信が見送られた。

今日から俺は!! 第9話『最終章!開久と全面戦争で全校生徒を巻き込む 大騒動!?』(テレビ初回放送版)
本放送でゲスト出演した新井浩文が逮捕されたことを受け、当該シーンに代役としてやべきょうすけを起用して撮り直し。
このため、2019年3月以降のHulu配信とDVDではやべきょうすけ版が使用され、地上波でも劇場版公開記念の再放送でオンエアされた。

STAR WARS ホリデー・スペシャル
言わずと知れたSTAR WARSシリーズのスピンオフとして制作されたクリスマス特番。
チューバッカの家族を主役としたホームコメディであり、何気にエピソードⅢに先駆けて惑星キャッシークが初めて映像化されていたりする。
人気キャラのボバ・フェットの初登場作品としても知られる。
映画のオリジナルキャストが総出演し、更に大人気コメディアンのハーヴィー・コーマン*39 や、大御所俳優のアート・カーニー*40 とベアトリクス・アーサー*41 まで起用した非常に豪華な作品…だったのだが、ウーキー語による会話を字幕なしで長々と見せつけられるドラマパートや本筋と無関係なくせにやたら多くて長い劇中劇、サイケデリックで安っぽい演出の数々から評価は散々。
批評家からは「脳のための風船ガム」「コカインをキメて制作されなかったとは断言できない」「史上最悪の2時間ドラマ」とボロクソに酷評され、キャスト陣からもほぼ満場一致で黒歴史扱いされている*42
原作者のジョージ・ルーカスも一応参加しており、「ウーキーのホームドラマ」という方針も彼が提案したものだったが、エピソードⅤ制作のために初期段階で離脱したため、参加できていたのは初期の打ち合わせくらい。もちろん実際に出来上がった番組の出来は非常に不本意だったようで、彼によって封印作品扱いとされた。「マスターフィルムを私費で買い取って自宅に封印した」という噂も。
先述した劇中劇のひとつにしてボバ・フェットの登場シーンのあるアニメパートのみ、現在はDisney+にて『ウーキー物語』のタイトルで配信されているが、他のパートは未だに再放送もソフト化も配信もされていない。

◇ウィロー(ドラマ版)
1988年に公開されたジョージ・ルーカス原案・製作総指揮、監督ロン・ハワードによるファンタジー映画のドラマ版。
原作の20年後を舞台とした事実上の続編でDisney+にて2022年11月30日から独占配信されたが、2023年3月、1シーズンで打ち切りが決定と報じられた。
プロデューサーのジョン・カスダンは、すでに第2シーズンの脚本は完成しているため、あくまで打ち切りではなく延期になったと発言していたが……
同年5月26日、ディズニーは赤字が続くDisney+とHulu(本国版)から100作品以上を配信停止。*43
その中には本作も含まれており、独占配信作品故にソフト化されていないため、配信開始から半年ほどで視聴不可の作品と化してしまった
配信停止作品は他にもドキュメンタリー番組『ジェフ・ゴールドブラムの世界探求』やマーベル作品の『ランナウェイズ』など多岐に渡る。
『ゴリラのアイヴァン』の主演ブライアン・クランストンは、自身のインスタグラムにて「本作が永遠に消えてしまう前に、この週末にぜひ見てください」と悲しすぎるコメントを残した。
『クレーターをめざして』に至っては、5月12日の配信開始から2カ月も経たないうちに削除されている
なぜここまでドラスティックに作品を削除したかというと、オリジナル作品であってもライセンス料が生じているため、視聴者数が少ない作品は置いておくだけ損になってしまうからである。
さらにその減損処理した作品は、同じ動画配信サービスに戻すことはできない。
配信サービスは便利な一方、こんなリスクを抱えているのだ。
ちなみにその後、前述の『ゴリラのアイヴァン』や『クレーターをめざして』など一部の作品は、AmazonPrimeVideoなどで購入・レンタルの配信がスタートし、封印状態から脱している。

【バラエティ・ドキュメンタリー等】

◇題名のない音楽会「教育勅語のすすめ」「カンタータ『憲法はなぜ改正されなければならないか』」
ご存じ、テレビ朝日の最長寿番組かつ世界最長のクラシック番組。
初代司会者の作曲家・黛敏郎は保守派の文化人という側面もあり、
  • 「君が代」と「軍艦マーチ」の演奏
  • 日本海海戦に関する考察
  • ナチスの党歌である「黒シャツ党の歌」の合唱
…などなど、リベラル路線であるテレ朝の立ち位置を考えるとかなりきわどい企画も放送しており、上述2作品は上層部が激怒したのか収録は実施されながら放送中止となった。
後者については黛抜きで収録した別企画を放送したが、前者の扱いについては不明。

1988年10月19日の近鉄対ロッテのダブルヘッダー中継
プロ野球屈指の名勝負、「10.19」の生中継。
朝日放送が中継権を獲得し、関西地区では第1試合から、関東地区でも当初放送予定がなかったものの、
ニュースに無理矢理中継を数分挟み込む形で速報をしたところ野球中継を流してほしいという要望が相次いだために第2試合途中から本来予定されていた番組をすべて潰し、CMもない自主制作番組として中継を行い、
最終的に関東地区で31%、関西地区で47%と高視聴率を誇った、伝説の試合。
2010年のNPBの調査による「最高の試合」ランキングにも監督・コーチ双方から2位に入るなど、非常に知名度の高い試合であるが、
試合に出場していたある選手が引退後に強盗殺人事件を起こして無期懲役になってしまい、再放送は断片的な形でしか出来なくなってしまった。
後にDVDも発売されているが、第2試合はともかく当該選手の出場した第1試合はダイジェストという形で誤魔化されている。

◇にんげんドキュメント「生きているから歩くんだ」
番組内で紹介されたお遍路さんが、12年前の殺人未遂事件で指名手配されていた容疑者だったため。

プロジェクトX~挑戦者たち~『白神山地 マタギの森の総力戦』『ファイト! 町工場に捧げる日本一の歌』
両者とも関係機関からの抗議を受けたことが理由。
特に後者については題材にした大阪府立淀川工業高校を不良の集まる学校であるかのように見せた演出が問題視され、NHKの担当部長が「土曜スタジオパーク」で、本番組内でも司会の国井雅比古が謝罪する事態に。この件が番組打ち切りの引き金になったともされる。

◇びじゅちゅ~ん!『あしゅらコーラス』『ファッショニスタ大仏』『最後の晩餐サンバ』
あしゅらコーラスとファッショニスタ大仏に関しては、井上涼が仏罰を恐れたためだとか、モチーフとなったそれぞれの国宝(前者:興福寺の阿修羅像、後者:東大寺の毘盧舎那仏)は著作権料が凄いからだとか言われていたが、
後にお寺の関係者が語ったところ、「(阿修羅と大仏は)信仰の対象でもある為、びじゅチューン!を見た人が傷付くかも知れない」との事で再放送やDVDへの収録が不可能となり、公式サイトからも削除された。
ちなみにこの二曲は当初、DVDブックに収録される予定で、特典映像も「井上涼が踊る!あしゅらコーラス」だったが、発売延期の末、別のものに差し替えられてしまった他、OPから阿修羅が消えた。
また、『最後の晩餐サンバ』(モチーフ:最後の晩餐)も当初はDVDブックに収録される予定であったが、最終的には収録されず、再放送もされていない。
暫くは公式サイトに残っていたが、2019年、遂にこの曲も公式サイトから完全に削除されてしまった。尤も最後の晩餐自体がキリスト教関連の作品である為、致し方ないだろう。

◇ふしぎ少女探偵キャラ&メル
2005年3月中旬から4月上旬まで公演されていたミュージカル及び、同年1月から翌年1月までテレビ東京系の児童向けバラエティ番組であるおはスタの番組内ミニドラマで放送されていた女児向け少女探偵物。
主演のW(ダブルユー)がキャラとメルという双子の少女探偵に扮して事件を解決、もといカイケツーしていくコメディよりの作風である。
ダブルユーの片割れである加護亜依(キャラ役)が不祥事によって謹慎となり、ミニドラマの方は打ち切られてしまった。
謹慎の際に所属事務所やおはスタなどのサイトからダブルユーや本作に関する記述が削除され、グッズも生産中止となっている(その後、所属事務所のみ記述が復活している)。ちなみに、グッズ展開はぬいぐるみやゲームなどが予定されていた様だ。
打ち切られた際、よりにもよってミニドラマは怪盗モンブランという新キャラクターとキャラ&メルの長い対決を予感させる新展開がスタートした折だった為、その後の展開は歴史の闇に葬られる事になってしまった。
ミュージカルはかろうじてDVD化されているためこちらの方は封印とは言いがたいが、番組内コーナーや子供向け番組という事もあってかミニドラマはソフト化や配信されていない(そもそも打ち切り時点で映像が破棄されている可能性が高い)。
また、本作が打ち切りになった後2006年4月にテレビ東京系でダブルユーと同じ所属事務所のアイドルが主演の作品である『きらりん☆レボリューション』が放送されているが(こちらはアニメであり完全に一緒というわけではないが)、こちらは三期が2009年3月まで放送され打ち切られる事なく完走している。謹慎無くても打ち切られたんじゃ……。

◇The Racer
2016年に田宮模型(現・タミヤ)が製作・発表した、同社の看板商品であるミニ四駆のPV。
年齢も立場も全く違う五人の人間が、それぞれミニ四駆で新たな人生と向き合い、走り出す…という、5分半の間に非常に強いメッセージ性の込められた爽やかなPVであり、
公式のイベント等で流されたり、Youtubeで無料で観る事ができたが、公開からおよそ一年後に素人の出演者の一人が刑事事件を起こして逮捕されてしまった為、タミヤの判断で削除されてしまった。
しばらくは韓国のTAMIYA KOREAの公式アカウントに韓国語字幕付きの物が残っていたが、そちらも削除されてしまっているため、合法的な視聴は極めて難しい。
タミヤが同作品をネットから削除して以降、一部の模型店が店頭でデモテープとして流しているという目撃情報があるが、
タミヤがデモテープを配布した上で回収しなかったためなのか、はたまた当該模型店が事件発覚前にネットからDLして流しているだけなのかは不明。

志村けんのバカ殿様の一部回
フジテレビの長寿お笑い特番。
趣向を凝らしたセットを用意したりするため予算の都合か再放送が使われることが多いのだが、その際えっちなアトラクションがある双六や、逮捕された出演者が出ているシーンがバッサリカットされてしまう。
特に側近の一人が逮捕されたのは大きな痛手。
DVDにも一切収録されていないため、観たい人はそれらのシーンの一部が収められたVHS時代に出たものを借りるか手に入れるかして視聴するしかない。
これに限らず、長寿のバラエティ番組では逮捕された出演者が出ていたために封印された回が数多く存在している。

◇ミュージカル テニスの王子様 The Progressive Match 比嘉 feat.立海 ほか篠谷聖出演公演
甲斐裕次郎役の篠谷聖が公演終了後の2012年に未成年女性への強姦致傷で逮捕されたため。
彼の出演した公演のCD・DVDは全て廃盤となり、公式ホームページの公演情報からも名前が削除された。
また、この騒動が影響したのか定かではないが、甲斐のテーマ曲「バイキングホーン」はセカンドシーズンで全く別の曲に差し替えられた*44

テニミュにおける役者の不祥事は、これ以前にも芥川慈郎役の矢吹卓也が窃盗で逮捕された前例があるが、作品の封印に至ったのはこの件が初。
女性ファンが大半を占めるテニミュにおいて、婦女暴行が作品全体のイメージ低下に繋がると判断されたためだろうか。

AD-LIVE 2020 2020年9月13日夜公演
有料生配信された即興劇公演の内、小野賢章木村良平がメインを務めた回の夜公演のソフト版未収録が決定しており、公演に関連する写真も主催者側・演者側双方の公式Twitterから全削除された。
理由は「出演者の一人が夜公演で演じたキャラクターの姿が、『顔を黒く塗り、全身黒い衣装』だった事が、差別的意図は無かったとは言え誤解を招く表現だったため」。
同作はギミックに「謎解き」を導入していたため全公演終了まで厳しいネタバレ規制がされていたのだが、終了時に出演者の公演時の姿だけは写真公開しており、恐らくそこから苦情が来たものと思われる。
ちなみに実際に配信を視聴したファンによると、黒は黒でも「黒い人」のパロディ的キャラだったそうな。

◇超ムーの世界R シーズン222
CSチャンネル・エンタメ~テレで配信されている都市伝説、怪談、超常現象を語る番組。
出演者の一人・キックの語った怪談が作家・小原猛の作品『沖縄の怖い話』の内容を丸々一本盗用したものであったため、抗議を受けて配信・放送は中止に。
エンタメ~テレの公式Twitterは「キック氏の出演予定はございません。著作権者の方をはじめご迷惑をおかけした皆様に深くお詫びいたします」との謝罪文を載せ、小原も弁護士を通じてキックを訴訟する事を決定。
…それにしても登場人物の名前等を変えずにそのまま語って、よくバレないと思ったものである。

◇さつきあいデジタル写真集『生まれたて。』
週刊プレイボーイがAIで作成したグラビアアイドル・さつきあいの写真集。
大手出版社がAIでグラビアアイドルを作成するという趣旨に批判が多かったことに加え、生成した顔が声優の浅倉唯(現:椛島光)に酷似し*45身長や趣味も一致しているという指摘もあり、肖像権の問題も浮上。
これらの状況からAI生成物に関する論点・問題点の検討がなされなかったと判断し、集英社側は販売終了を発表した。
デジタル版とはいえ、グラビア写真集が発売からわずか10日で絶版となったのは恐らく史上最速。

◇豪邸トレジャーハンター
TBSの誰も見てないことで知られるバラエティー番組・ジョンソンの1コーナー。富豪の家に許可を得て忍び込み、億を越えるお宝を探す…と言う触れ込みだったが、その出演者が放送終了後逮捕されたことが判明。この企画は配信が停止された。

【映画】

獣人雪男
該当項目を参照。

◇ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団
タイでヒーロー的人気を誇る仏教の守護神・ハヌマーンとウルトラ兄弟が協力して怪獣を袋叩きにする倒す映画。
日本でも上映されたが、90年代に入って本作を共同制作したタイの映画会社・チャイヨープロダクションと円谷プロの間で権利問題のいざこざが訴訟に発展、現在は封印されている。
1匹のゴモラをウルトラ兄弟+ハヌマーンの計7人がリンチするシーンが過激だったからでも、『コスモス』『X』を展開した手前こんなのを公開するわけにはいかないからでもない。断じてない。
訴訟が長期化・複雑化・国際化した事もあってか誰も権利を主張しないという(ベース作品がメジャーな部類の)封印作品では珍しい状態になっており、本作はよく動画サイトにアップロードされているが全く削除される気配がない。
一方で、1999年以降は存在が封印されていたと見られていた日本版主題歌の「ぼくらのウルトラマン」が、シリーズ50周年を記念して2015年に発売された『Ultraman Songs Collected Works』で収録されるなど、本作に関係する要素の一部のみは解禁の動きを見せている模様。
なお、2020年になってタイ最高裁判所の判決により、本作の著作権は円谷プロダクションが所有している事が認められている。

ちなみに『レディ・プレイヤー1』にウルトラマンが登場できなかった理由である海外権利関係のゴタゴタも、
元を辿れば本作や『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』などを撮影した際にチャイヨーと交わしたとされていた契約が原因。
こちらの方は2018年に「チャイヨー側の主張している契約書は偽造である」という円谷プロ側の主張が支持され、完全勝訴の形で決着している。

また、同じチャイヨープロの手によりハヌマーンが仮面ライダーと共演する映画『ハヌマーンと5人の仮面ライダー』も制作されているが、こちらは日本未上映。
この作品は東映から許可を取っていないゲリラ作品(要はほぼ同人)であり、しかも原作の映像を無許可で流用している。
後に東映は『非公認戦隊アキバレンジャー シーズン痛』でチャイヨーをパロった「チガウヨープロダクション」という会社を出してネタにしている。

ノストラダムスの大予言
該当項目を参照。
日本では封印されたがイタリアでは普通にDVDが発売されている、冒頭に記した「国によって封印扱いされていない作品」の一つ。

◇番格ロック
1973年に公開されたスケバンがモチーフの作品。
「女性ハードボイルド映画の傑作」とも評されており、2011年にDVD化する予定だったが、
キャロルが歌う主題歌がジョニー大倉をメインに据えたものとなっているために矢沢永吉サイドが難色を示し、ソフト化だけでなく、上映会も中止となった。

◇燃える秋
1978年に公開された五木寛之原作の作品。
百貨店大手の三越が東宝との連携で制作し、監督小林正樹・音楽武満徹など豪華なスタッフを起用。10億円という巨額の予算を投じた。
制作を担当したのは当時三越の帝王と恐れられていた岡田茂社長で、映画化の経緯も「ペルシャ絨毯を売りたいためのタイアップ」が目的だったとされる。
しかし、専属の配送業者*46へ強引に前売り券を売りつけるという独占禁止法違反が発覚したほか、本作を筆頭とした岡田による三越の私物化が問題視され(詳細は三越事件で検索)、後年の岡田社長解任に際して二次利用全般が封印となった。
作品そのものは稀に映画祭で上演されることがある。

◇ガキ帝国 悪たれ戦争
1981年に公開された、井筒和幸監督の出世作の続編。
製作依頼が6月4日、撮影開始が7月、公開が9月12日という無茶なスケジュールで製作された作品であった。
しかし、主人公たちがバイト先のモスバーガーで「この店のハンバーガーは猫の肉や!」と叫びガラスを割るというシーンに、
撮影協力した当のモスバーガーからクレームが付き、封切り1週間で公開中止。
無論、再放送もソフト化も不可に。主演俳優(趙方豪)の死後、1998年に追悼上映として1回だけ再上映されたことはある。

…というのが通説だったが、2018年になって実際に作品を見た観客から井筒監督に至るまでが「そんなセリフ無かった」と証言しており、将来的に封印が解かれる可能性がある。
が、「そのようなセリフがないことをモスバーガー側に伝えたが、セリフの有無とは別にモスバーガーが不良のたまり場であるという描写や前述した窓ガラスが割られるという描写そのものが問題視され、解決には至らなかった」という、
本作の上映中止問題にまつわるイベント上でなされた証言もあり、かなり微妙な様相を呈している。

こちら葛飾区亀有公園前派出所(1977年の映画)
1977年にせんだみつお主演で公開された同名漫画の実写映画だが、1981年頃に一度VHSが発売されたのを最後に、一切映像ソフト化がされていない。
理由は諸説あり、原作者の秋本治が内容に何らかの不満を抱いたのが原因ではないかという説が有力だが、公式からの明言は今のところ無い。
主演のせんだは、本作が原作者の意に沿う作品でなかったかもしれないことを述べた上で、再ソフト化を希望する意を示している。

◇南部の唄
1946年公開のディズニーの映画で、実写とアニメが合成された作品。日本では1951年公開。
有名な「ジッパ・ディー・ドゥー・ダー」は本作の挿入歌であり、また東京ディズニーランドの「スプラッシュ・マウンテン」の元ネタとして有名。
この映画が封印されたのは黒人を蔑視する表現があったから……ではない。

本作は農場の下働きをする黒人男性の語る色々な御伽噺を農場主一家の白人少年が楽しみ、心を触れ合わせ成長し……という話なのだが、タイトルといい作中描写といい「黒人を奴隷という被差別階級に置き大農園でコキ使っていた」南北戦争前を想起させる。
『南部の唄』が描いた微笑ましい交流は、そんな時期をモチーフとした割にはあまりにも白人目線での郷愁の強い牧歌的なものだった。「奴隷制度下にあった深刻な差別を直視せず、黒人達の屈辱感も無視した白人主観の一方的な作風」といえばわかりやすいか。

こうなると「差別的でないならいいじゃん」で話はすまされず、「奴隷制度の危険な美化を助ける」と黒人団体や社会から苦情・批判が殺到し、DVD化・映像配信が不可能となっている。
この辺のアメリカの人種差別が根深く、厄介なものであるのを示すかのように、映画封切りイベントの際には主演の黒人男優が「白人専用映画館だから」という理由で入場できなかったという。繰り返すが、本作は1946年の公開作品である*47
一応日本でも二度VHSが発売されており、「スプラッシュ・マウンテン」のアトラクションには旧吹き替え版の音声が使用されている。

2020年頃のBLM運動の過熱を受け、封印したはずの本作品を題材としたスプラッシュ・マウンテンも海外ディズニーランドでは抹消されることが決定された。
本作や有名な「風と共に去りぬ」など、南北戦争頃までの南部への郷愁の色濃い作品は「南部の失われた大義」と呼ばれる奴隷制や黒人差別に肯定的な政治的イデオロギーも絡み、現代アメリカではセンシティブな立ち位置にある。

スウィートホーム
1989年に公開されたホラー映画で、カプコンから発売されたゲーム版も有名。
VHSとLDの発売による監督への追加報酬を巡って監督が制作会社を訴訟。
裁判は監督側の敗訴となったが、この件が影響したのかソフト化、再上映が行われていない。
詳しくは当該項目を参照。

◇夕映えに明日は消えた
1973年に公開される予定だった時代劇映画。
試写の段階で「結末が悲し過ぎる」という東宝プロデューサーの藤本真澄の判断により公開自体が見送られた。
…とされていたが、1977年と1979年にごくごく一部の映画館で公開されたことが後年になって確認された。

◇8マン ~すべての寂しい夜のために~
1992年に公開された同名漫画の実写版。
東京ドームを一日貸り切って上映イベントを行うなど何か間違った方向に気合を入れた広報戦略を行うが、作品自体は大コケ、制作した会社は倒産の憂き目に遭う。
作品自体の低評価と、制作会社の倒産に伴う権利喪失から、VHS以外ソフトは出ていない。
一方で本作を基にしたノベライズ版『8マン before -すべての寂しい夜のために』は良作と評されている。
過去に原作の作画担当を務めた人物やアニメ版で主題歌を務めた人物がそれぞれ逮捕された事も含め、ファンの間では「エイトマンの呪い」とも囁かれている。

◇思春の森
1979年に公開されたイタリア映画。
当時12歳と14歳の少女がヌードになったり性行為を行う場面が登場するため、現在では児童ポルノに相当する。
日本では該当部分を削除した上でDVD化されたが、鳥類を弓で射るシーンが動物虐待として問題視され回収されるという、別方向で封印されることになった。
また出演者のエヴァ・イオネスコは少女時代に写真家である母親のヌード写真のモデルとして活動していたが、成人後にそのことについて母を提訴、損害賠償を求めている(結果はエヴァの勝訴)。
以上のことから、今後は修正版であっても本作がソフト化される見込み等はないと思われる。

◇徳川一族の崩壊
1980年公開の日本映画。
『柳生一族の陰謀』から続く史実無視上等な破天荒エンタメ路線の大作時代劇だったが、倒幕派が送り込んだ刺客が孝明天皇を暗殺したのは流石にまずかったようで右翼の逆鱗に触れてしまった。
再上映される際にも「不良箇所あり」などの注意書きがなされ、該当シーンをカットされており、ソフト化やテレビ放送は行われていない。

◇食卓のない家
1985年公開の、あさま山荘事件をモチーフにした映画。
『人間の條件』6部作などで知られる巨匠・小林正樹監督の遺作に当たるが、作品そのものの版権と原盤のありかが不明確であり、ソフト化はおろか上映すら困難な状況に置かれている。
原作小説はあさま山荘事件から半世紀後の2022年に復刊されたのだが……

◇タイタニック(ゴールデン洋画劇場版・機内上映版)
ご存じ、ジェームス・キャメロン監督作品の日本語吹き替え版。
前者はフジテレビが放映権を購入し2001年に放送。
地上波初放送ということで大規模な宣伝が行われ、ジャック役には妻夫木聡、ローズ役には竹内結子と人気俳優を起用し話題となった。
ところが、両者は当時20代の若手だったこともあってか演技の棒読みぶりに苦情が殺到。視聴率35%と映画番組では異例の数字を記録したが、それゆえ吹替の酷さが印象に残り、現在もなお「タレント吹替の失敗作」の代表例に挙げられることが多い。
当のフジテレビも2004年に主演両名のキャスティングを変更したバージョンを制作・放送しており、本バージョンについては封印せざるを得ない羽目となった。
2020年に竹内が亡くなったこともあり、今後日の目を見ることは難しいだろう。

後者の吹替えはジャック役を草尾毅が担当しており、「あのタイタニックを日本で初めて吹き替えたのは僕だ」と自負しているという。この版は冒頭の事情から現状ソフト化されておらず、吹替を行った草尾ですら未だに観られていない幻のバージョンとなっている。

【音楽】

音楽系では「不謹慎」・「盗作」が主な封印理由だが、「盗作」扱いされても「カバー曲扱いでいいです!」と謝罪し、
クレジットに「原曲」の権利者を載せたり、収益の一部を権利者に還元することで事なきを得る場合がある(『パープルタウン』・『聖母たちのララバイ』・『ロコローション』等)。
特に海外では「盗作」に関する訴訟が数多くなされており、裁判所から認められた場合は大体そういう流れで解決するようで、封印までいく例は少ないと思われる*48

◇記念樹
フジテレビ「あっぱれさんま大先生」のED。小林亜星が手掛けたブリヂストンのCMソング『どこまでも行こう』と似ている為に裁判沙汰に。作曲者の服部克久は『どこまでも行こう』は聞いたことがないと一貫して主張し、音楽界が小林派と服部派に二分する大騒動となった。

「あまりにも酷似している」「『どこまでも行こう』はCMソングとして数十年にわたり膨大な回数が放送されたため、知らずに偶然一致したのはありえない」という判決が出た。控訴審(東京高裁 平成14(2002)年9月6日判決)では「メロディーの始めと終わりの何音かが同じ」「メロディーの約72パーセントが同じ高さの音」になるのは、服部が『どこまでも行こう』に依拠して『記念樹』を作ったためだと認定された。

そのため、フジテレビ側はもちろん、JASRACも利用許諾を中止。学校などへも使用中止が求められたため、現在は完全に封印されている。また、この敗訴をきっかけに服部はJASRAC関連の役職から全て身を引くことになった。

ちなみに、服部克久はブリヂストン社の社歌「宇宙(そら)駆けるブリヂストン」の作曲も手掛けており、小林とはこの裁判以前から様々な因縁があったようである。

君が代(忌野清志郎版)
忌野清志郎がロック調のアレンジを加えた物。何やってんすか…
諸団体からの抗議を恐れて封印されたが、ワイドショー等では普通に流れていた。

◇大地讃頌(PE'Z版)
ジャズバンド・PE'Zが『混声合唱と管弦楽のためのカンタータ「土の歌」』をアレンジしたもの。
一応著作権料は支払っていたものの、原型をとどめていない程の編曲ぶりだったため、原曲の作曲者側が提訴。
PE'Z側は「我々が感じた感動を胸に抱き、世の中に伝えていきたい思いがあったこと、どうかそれだけは感じていただきたい、というのが我々の本音です」としながらも、
「不愉快な気持ちを与えてしまったことに関して謝罪したいと思います」と主張を受け入れ封印。

◇オールナイトロング
電気グルーヴの前身となったバンド「人生」がインディーズ時代に発表した曲で、初のリリース盤『9TUNES(FOR MIRAI)』というソノシートに収録されていた。
発表時は表立って問題になる事はなかったが、2008年DJ OZMAからカバーのオファーを受けた際、「インディーズ時代だった為著作権管理をしていない事」「歌詞の一部に『クラリネットをこわしちゃった』からの引用があり、
訳詞者から許可が出なかった事*49」の二点が問題となり、22年の時を経て封印という珍しい事態になった。

◇autism-自閉症-
黒夢のアルバム『迷える百合達~Romance of Scarlet~』に収録されていた曲。
自閉症の表現方法に問題がある……という作詞者が自閉症を理解しておらず、一時的な精神疾患のように表現されている(自閉症は先天的な発達障害である)。
自閉症協会より苦情が出たために音源集からはアルバムごと削除、後にアルバムは再発売されたが同曲は未収録となった。

◇JUST BALLIN' NOW
中川家のお兄ちゃんに「HIPHOPdisってんじゃねぇよメーン」と強烈な発言をしたヒップホップDJ、D.Oのセカンドアルバム。
発売直前にD.Oがコカインを所持していたため逮捕、その後発売される予定だった『なめんなよ』と共に発売中止となった。
因みに彼は2018年にも麻薬取締法違反で逮捕されていたが2021年12月に刑期を終え出所している。

◇愛の旋律
アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ』に実装予定だった曲。
Hey!Say!JUMPの「瞳のスクリーン」に似ているという問い合わせが相次いだため、実装イベント開始一時間前の土壇場でイベントが中止され、そのままお蔵入りに。
ユニットやイベントコミュのあらすじは後に新曲「深紅のパシオン」で実装がやり直され、こちらは無事にCD・配信も行われている。

◇ドリフター
筋肉少女帯がインディーズ時代に発表した、ザ・ドリフターズのうち高木ブーを除く4名をネタにした楽曲。高木ブーについては独立した楽曲「高木ブー伝説」として別途取り上げている。

「ドリフター」はインディーズ時代のアルバム「ノゾミ・カナエ・タマエ」(1987年)に収録されており、筋肉少女帯のメジャーデビュー前に日テレ系の深夜番組「11PM」で披露されたが、どう見ても4名に対する名誉毀損としか思えない不謹慎な歌詞のため*50、筋肉少女帯のメジャーデビュー時に「高木ブー伝説」ともども封印された*51

その後、「高木ブー伝説」は高木ブー本人の許諾が得られたため、アレンジなどを一部変更して歌詞はほぼそのままに「元祖高木ブー伝説」として1989年に発売されたが、「ドリフター」は永久封印されたままとなっており、JASRACのデータベース「J-WID」にも楽曲そのものが未登録である。

なお、メジャーデビュー後に一旦は封印された初版の「高木ブー伝説」は、1993年に発売されたベスト盤「筋少の大水銀」に「高木ブー大伝説」と改題して収録された*52

◇岡田ロック
これまた筋肉少女帯の封印作品。自死したアイドルの岡田有希子や俳優の沖雅也をネタにした不謹慎な内容で、メジャーデビュー後は完全封印された。ただし、JASRACのデータベース「J-WID」には曲名が収録されており*53、「JASRAC管理外作品」と表示される。

◇来たるべき世界
筋肉少女帯の主要メンバーである大槻ケンヂと内田雄一郎、そして現在は劇作家として活躍しているケラリーノ・サンドロヴィッチがインディーズ時代に結成していたユニット「空手バカボン」の楽曲。

YMOの代表曲「ライディーン」に無許諾で歌詞をつけた上に、作曲者も「空手バカボン」表記にしていたもの。当然このように明白な著作権侵害作品が公式作品として表に出せるわけもなく*54、インディーズ時代のCDに収録された音源が、現在ではネット上で細々と無断アップロードされている状況となっている。

なお、「ライディーン」の作曲者でYMOメンバーの高橋幸宏は生前、音楽イベント「WORLD HAPPINESS 2015」にて大槻ケンヂと内田雄一郎に「来たるべき世界」の演奏を許諾するという懐の深さを見せていた。

◇アンサー
2022年、ニコニコ動画のボカロ曲投稿イベント「無色透明祭」で投稿された楽曲。作者はiron。*55
投稿直後から人気が急上昇しランキングでトップを獲得したが、PEOPLE 1の「銃の部品」にメロディが酷似しているという指摘が相次ぎ、一度運営の判断で非表示措置が取られた。
その後再投稿され、ironが「アンサーは銃の部品のオマージュである」と釈明したが、本家のPEOPLE 1から「メロディをなぞっただけでオマージュとは言えない」趣旨の声明を出されたことをきっかけに、謝罪し再び非公開となった。

【同人作品】

ここでは権利元から警告が入るなど、明確に「封印」された作品のみを記載するが、基本的に版権モノの二次創作は許諾を得ない限りは権利者に「黙認」されてるようなものであって、
限度を超えている/いない関係なく、いつどんな処分を下されても文句の言える代物ではないことは決して忘れてはいけない。
逆に、公式側に関わった人物の同人作品(所謂スタッフ本)などが封印作品となった場合、内部側に何かしらの問題が発生した可能性が高い。
二次創作などの法的・現状の扱いついては同人誌を参考に願いたい。

◇MALIGNANT VARIATION FINAL(AQUA STYLE)
同人モノの封印作品と言えば、これを思いだす人も少なくないだろう。
同サークルが以前より展開していた、サザエさんアンパンマン、藤子プロ作品等々といったファンシーキャラを題材に、
各種アニメ・漫画のパロディも盛り込んだスパロボ風動画シリーズの最終作として製作され、2005年のコミックマーケット69にて頒布予定だったが、
パロディした「とある作品」の版権元から警告が届いたことで、販売直前を前にあえなく販売中止・回収されることとなった。*56

AQUA STYLEは後に、本作収録作のうち警告を受けなかった分の完全版、並びにサウンドトラックを事実上の最終作として販売。
以降は東方Projectの二次創作に注力する路線を取る事となる。

音系大手サークルの「Diverse System」もコナミから警告を受けて頒布前に封印された作品があり、リミックスのあり方について議論が沸き起こったことがある。
色々理由は上げられているが、今の所有力なのは「サントラ発売前の曲のリミックスを入れようとした」が有力視されている。
これ以降Diverseはbemani系の楽曲リミックスは手がけず、オリジナル作品に注力することとなる。
その後Diverse所属のアーティストがbemani系ゲームへの提供を行うようになったため、この時よりは関係は改善している模様。

◇ドラえもん最終話(ガ・フェーク)
ニュース番組でも取り上げられた、同人誌問題の筆頭格とも言える事件。
所謂、都市伝説としての「ドラえもん最終話」を、田嶋安恵(名義は田嶋・T・安恵)が同人誌として漫画化したものだが
絵柄や表紙の構成などを藤子・F・不二雄のオリジナルに似せ過ぎたため公式の作品と勘違いした読者が続出し小学館に問い合わせまで行われた事、
また販売された事による著者の利益もかなりの額になってしまった事などが災いし、藤子プロが著作権侵害を申し入れる事態となった。
ただ、同人誌には作者が別人であること、同人誌であることが表紙やあとがきにしっかりと書かれていたため「勘違いした人たちがどこで読んだのか?」もネットでは争点となった*57
なお、作者は「二度と作らない」旨の謝罪文・誓約書を売上金の一部の支払と共に藤子プロに提出し、小学館とも和解している。小学館も同人誌はルールを守りやりすぎない程度なら全否定はしないと一定の理解を示している。
とはいえ相当数の部数が出回っており、中古市場などでは原本がそこそこのプレミア価格で取引されている。

総じて、お目溢ししてもらってる二次創作が「有名になり過ぎてしまった」ケースの典型と言えるだろう。
本来なら違法な個人利用を超えた二次創作が黙認されているのは、「事情を知る限られた人間の間にしか広まらない事」「原作と無関係な存在であり続ける事(原作との類似性を高めない事)」「企業活動に影響を及ぼさない事」が大前提となっており、
この同人誌はこれら全てに反し原作と混同され実際企業側に実害が及んでしまうという、二次創作にとって最悪の状況に陥ってしまった訳である。

◇実況ナマハメエロ野球(劇団近未来)
2007年に実況パワフルプロ野球のエロパロとして同人サークル劇団近未来より販売された作品。
パワプロを意識したロゴを使ったことでコナミから問題視され提訴、販売中止のみならず回収・謝罪文の掲載・賠償金まで発生することとなった。
こちらもガイドラインがなかったためこうなってしまったのだが、相手が大きな会社だったためかより大きな事態になってしまっている。
上記のドラえもん最終話訴訟の直後に起きた騒動だったこともあり、「コナミ作品のR-18同人パロをしてはいけない」という暗黙の了解が同人作家のあいだに根付いた。

当然再販はないが、どうやら中身は割られてしまっているらしくちらほら見かけることがある。
ちなみに同サークルはこれを機にオリジナル路線へと展開を移し、作品によっては廉価版のエロゲーとして商業ラインに乗せることもある人気サークルへと成長した。

◇涼宮ハルヒの激闘(souvenir circ.)
2007年冬のコミックマーケット73で頒布された、『涼宮ハルヒの憂鬱』の同人ゲーム。
所謂『パワーストーン』風味のアクションゲームだったようだが、委託販売が開始されてから程なくして原作版元の角川書店から連絡が入り、前作『涼宮ハルヒの超乱闘』共々配布中止の処置となった。

◇ウルトラ100兄弟
2000年代前半期に存在していた、ウルトラマンのパロディサイト。
サイトの運営者の創作や、ビューワーから募集した「オリジナルウルトラマン」を掲載するという趣旨のサイトで、中には他作品のパロディ、凄まじいまでに悪ふざけの類なども多数存在していた。
最終更新から数年くらい経過したころ、円谷プロダクションから苦情の申し入れがあった事がサイト上に告知され、サイト自体が削除される事となった。

◇けいほん! K-HON!
2010年頃に販売された『THE KING OF FIGHTERS』の同人誌。
KOF製作に関わっているスタッフ2名の声を収録した合同誌という触れ込みで、内容もかなり力が入っていたようだが、
あまりに力が入り過ぎてしまったのか事実上SNKプレイモア内情の暴露本になってしまっていたらしく、
通販開始から僅か一日で販売中止となってしまい、本書を取り上げていた各種サイトも紹介文を削除されるなどの対応を余儀なくされた。
一応、販売中止になるまでに注文された分は出回った模様。

◇片霧式*妄想ルンバ(CLOSED/UNDERGROUND)
アニソン歌手としても知られる片霧烈火の同人CD。
内容はTVアニメ『俗・さよなら絶望先生』の主題歌カバーといったもので、きちんと各作家やJASRACに申請を行い許諾を取っていたため音楽面の著作権はクリアしていたのだが、
肝心の『絶望先生』の版元である講談社から作品の商品化権を侵害しているとの警告を受け、販売中止に。*58

◇Grand Order/Alternative 上 再起第八特異点 幕末孤絶鎖国(アセティック・シルバー) ※改訂前
コミックマーケット92にて『Fate/Grand Order』の二次創作作品として発表された小説作品。
頒布当初は特に問題なかったのだが、発売からしばらく経って原作ゲーム側が公布した二次創作ガイドラインに抵触するという事態が発生。
具体的にはガイドラインで禁止されている「ロゴ・装丁の類似」に、明らかにTYPE-MOON BOOKSの公式書籍を意識したデザインが問題視されてしまったという事情であり、
権利元からの申し立てにより各種通販サイトでの販売が差し止められる結果になった。
言うまでもなく、作品の発表時点ではガイドラインは公布されてなかったため(その時点でも限りなくアウト寄りの商品だったとはいえ)作者に非があるとは言い難い。書籍JANコードの引用は場合によってはもっとヤバいラインをぶっちぎっているが
作者自身も反省の意を示しており、後に二次創作ガイドラインに抵触しない形に装丁を修正した上での再販がされた。

◇セーエキ大好き瑠衣ちゃんの責め責め♪人間調教日記(とらいあんぐる)
2016年に同人CG集として発表されたR-18作品で、所謂カエルの人外娘に竿役が搾られるという趣旨の内容。
……なのだが、当のCG集のカエル娘が、健康クロスが『魔物娘図鑑』のコンテンツで2015年頃に発表したキャラクター「ミューカストード」そのままのデザインである事が発覚。
実のところ発売当時からして魔物娘図鑑のファンからは「パクリではないか」と指摘が多かったが、2021年になって当の健康クロスもSNSにてこの作品の問題に触れ、「当の同人サークルから『ミューカストードで漫画を描きませんか?』と依頼が来て、多忙を理由に断った直後に当のCG集が発表された」という裏事情を暴露。
結局、健康クロスの方から当該サークルに指摘する形となり、渦中のサークルも作品のキャラが盗用されたものであると認め、5年越しに作品の配信停止がなされる事となった。

◇船長は一味( キミ )の奥さんになりました(ありすの宝箱)
◇マリン船長は非合意の上で凌辱( わから )されたい(ありすの宝箱)
共にホロライブプロダクションのVTuber「宝鐘マリン」を題材とした同人誌で、前者は全年齢で後者はR-18作品。
作者の水龍敬はホロライブの公式コミカライズ媒体に参加する形で企画に関わっていたのだが、
当のホロライブの運営元から突如として一方的な作品の無期限公開中止と契約解除を言い渡された事を自身のブログで暴露。
詳細までは言及してないものの相当な不義理を働かれた事を仄めかしており、本同人誌の通販&DL版配信サイトの委託を停止するのみならず、
作者がSNSなどにアップロードしていたホロライブ絡みのファンアートすらも自主削除するに至ってしまっている。

◇ま~じゃんコネクト!(SPLUSH WAVE)
C99にて頒布、後に各種配信サイトでも販売されていた『プリンセスコネクト!Re:Dive』を題材とした脱衣麻雀ゲーム(R-18)。
このサークルは以前から原作再現を意識した麻雀ゲームを頒布しており、ドラクエ・グラブル・FGOと高い完成度の作品で親しまれていた。
しかし今作はキャラの絵柄のみならずBGMにSE、UIに至るまであらゆる点で本家ゲームに寄せ過ぎている。
本家に寄せた要素は過去作にもあったが、今作については動画などを確認すれば分かるが下手をすると詳しくない人が本家と勘違いしそうなレベル
特にホーム画面などで聞ける主題歌のアレンジBGMは素材を本家から盗用したのではと疑う人もいるレベルだった(よく聞くとメロディが微妙に違う)。
加えてRTA動画で有名になってしまった事もあって、流石に見逃す事は出来なかったのか販売停止の措置が下された模様。
後に謝罪文が掲載されたが、その頃にはひっそりと同じCygames作品のパロである「グランブルーマージャン」も遅れて配信停止されていた。

完全に余談だが、後日こちらのサークルとは関係ないプリコネのCGアニメ作品も後に販売から数日で配信停止されていることから
「Cygames作品は同人誌頒布はともかく販売サイトでの二次創作作品の商用利用がタブーなのでは」と推測されている。
(全年齢向を含め同人誌の委託販売は現在でも変わらず行われているため)

◇シャンハイエグゼ(テクノドット)
東方projectの二次創作では各種別の既存ゲームをパロディしたクローンゲームが制作されていた時期があり、
それらは時を経てコンシューマーゲームとして移植されるような時代にもなったが、こちらは大失敗した例。

『シャンハイエグゼ』はC#言語で一から制作しているという謳い文句で2011年から開発されていた『ロックマンエグゼ』モチーフの作品だが、2018年末に突如開発中止が開発者ブログにて発表された
サークル主は理由を語らなかったが、後に英語翻訳担当が「カプコンから直々に開発中止命令を受けた*59」と明かしている。
他のクローンゲームとは違い、自己資金ではなくクラウドファンディング(パトロンサイト)を用いて開発資金を集め、更にアーリーアクセス版も配布していたことが商売行為として問題視されたと推測されており、これを放置しておけば他人の版権を無断利用した集金が発生しかねないため、メーカーからすれば凍結措置は無理もないだろう*60
後に「『シャンハイエグゼ』内には『ロックマンエグゼ』より無断流用されたスプライトやSE等が存在している」「ゼロドリームウイルスまでチップ等に登場させようとしていた」ことが有志の検証で判明しているため、どう考えても有償化はアウトだった。

テクノドットは進捗を逐次公開していたニコニコ動画ではほとぼりが冷めるまで活動できなくなり、オリジナルのゲーム開発に移らざるを得なくなった。
一方、体験版を含めたデータも消された『シャンハイエグゼ』は海外で割られて改造され、ネット上を彷徨うことになるが、本物のコンピュータウイルスを仕込まれたものも存在するため迂闊に触れないこと。
また、喧嘩別れして開発中にデータを持ち逃げした元スタッフが『ロックマンエグゼ』より盗用したデータそのままに『シャンハイエグゼ』のデータを使ってアーリーアクセスを発表、資金を集めようとしたが通報を受けたSteam運営より削除されることになった。

◇スーパーゴルシちゃん(あきのすすき)
ウマ娘 プリティーダービー』のゴールドシップが主人公のギャグ漫画同人作品。
コロコロコミックの漫画『スーパーマリオくん』でお馴染みの沢田ユキオテイストな画風とギャグが特徴であり単行本化もされるなど人気であったものの、
2023年10月19日に週刊コロコロコミックにてゴールドシップが主人公のウマ娘コミカライズ作品『ウマ娘 ピスピス☆スピスピ ゴルシちゃん』(作/柴田直樹)の連載が発表(製作陣はあきのとは一切無関係)されたことにより、コロコロ読者の誤認を防ぐためにあきの自身が封印を発表した。
pixivやニコニコ静画に掲載された作品は削除済み、pixivとX(旧Twitter)のアカウントも同月末に削除された。通販サイトで発売された同人誌についても在庫分は回収されるとのこと。……が、やはりあきの自身こうなってしまった事には不満なようで、アカウントを削除およびXのアカウントに鍵を掛ける前に自分で自分に逆ギレしていた当然フォロワーからは困惑された

【CM】

基本的に一定期間で公開終了になる前提の上で制作されるため判断が難しいが、中には明確にクレームを受けて封印された(とされる)ものも存在する。

◇コルゲンコーワ
日本で初めて苦情で打ち切りになったCM。
カエルの人形に対して子役が「おめぇ、ヘソねぇじゃねぇか!僕描いてやる」とお腹に×マークを描き、「生意気だぞ。何とか言ったらどうなんだい」と人形を叩くと言う描写に母親達から「言葉使いがヤクザのようで良くない」とクレームがついたため。

◇ハウスシャンメン しょうゆ味
CMキャッチコピーの「私作る人、僕食べる人」が性別役割分担の固定化につながるとしてクレームが来たことを受け、約2か月で放送中止となった。
この件は当時の週刊誌で頻繁に取り上げられ大きな話題となり、日本におけるジェンダー問題が一般化した最初の事例として、現在では教科書に載るくらい有名なものとなっている。

◇政府広報 母と子
通称「キッチンマザー」。覚せい剤中毒となった母親の横で子供が「ママー!」と泣きじゃくる様子がリアルに描かれ、「怖すぎる」「やりすぎ」などの苦情が寄せられ、放送中止となった。

◇アサヒビール ビアカクテルBe
CMに登場するカラースプレーで着色された子猫に、動物虐待だとの抗議が動物愛護団体から寄せられ、放送中止となった。

◇SONY ドデカホーン
タイの寝釈迦像を思わせるキャラクターがドデカホーンの音で目を覚ますという内容に対し、タイ政府が「仏教国タイの崇拝する信仰仏を商業広告に用いることは、敬虔な仏教徒の気持ちを侮辱するものだ」と抗議をしたため放送中止となった。

◇ペプシコーラ
ライブ中のMCハマーがコカ・コーラを飲んだところ、ノリノリの雰囲気の中でバラードを歌い出し、会場が興ざめになってしまうという内容がペプシではよくある露骨な比較広告だとクレームが寄せられて放送中止となった。

◇サンヨー 新テ・ブ・ラコードるす
赤い袋に入れられ、身動きが取れない状態の所ジョージの描写が障害者団体からクレームを受け、放送中止となった。

◇公共広告機構 チャイルドマザー/チャイルドファザー
2009年度以降はACジャパン。赤ちゃんが泣いている中、母親(父親)がおしゃぶりを咥えて虚ろな目をしている描写に「怖い」「やりすぎ」とクレームが寄せられ放送中止となった。

◇日本ポラロイド i-zoneヒッパレー
モーニング娘。メンバーが出演。矢口真里の流血死体姿に視聴者からクレームが寄せられ放送中止となった。

◇プレイステーション SIREN
死んだはずの娘が「お母さん開けて」と呼びかけながら窓を叩き、それを見た母親が悲鳴を上げるという内容が怖すぎるとのクレームを受け、放送中止となった。

◇Asahi Dew
及川光博が「デュー!!」と長々と叫ぶ内容が「うるさい」とのクレームを受け、音声が差し替えとなった。

◇日清食品 カップヌードルポーク
夕焼けの中、トラックに乗せられたカップヌードルを子豚が「ママー!」と泣きながら追って走る描写に「子供がショックを受けた」とクレームが寄せられ放送中止となった。

◇田辺製薬 アスパラドリンク
CM内でアスパラマンを演じていたタレントのハニホー・ヘニハーの不法滞在が判明したため、放送中止となった。

◇コカ・コーラ社 からだ巡茶
「広末涼子、浄化計画」というCMのキャッチフレーズが薬事法に抵触していると東京都から指摘を受けてCMの内容とともに「広末涼子、気分浄々」とキャッチコピーも変更された。
そちらも再度、都から指摘を受けたものの放送は続けられた。

◇セコム
飼い犬に見立てた男性が、通行人や訪問者に「誰!? 誰!?」といちいち大声を出す内容が「うるさい」「くどい」とのクレームを受け、放送中止となった。

◇NOVA
マスコットキャラクターNOVAウサギを使ったCMで、後ろから走ってきたバスに乗っている男に耳をもぎ取られたNOVAウサギが「ムキー!」と怒るという内容。
耳をもぎ取る描写が動物虐待だとクレームが来たことで放送中止に。

◇たまひよ
最初に母親が赤ちゃんの頬にキスをし、次に父親がキスをし、最後に夫婦がキスを交わすという内容。
夫婦のキスシーンがあまりにも生々しすぎて教育上よろしくないというクレームが来たことで放送中止となる。

◇サントリー アイ・ラブ・ベジ
CMに登場するペ・ドゥナの相手役となった野菜男の顔が凸凹で気持ち悪いというクレームを受け、放送中止となった。

◇大塚食品 マッチ
「高校生しか飲んじゃダメ」「大人が飲んだら逮捕だぞ」という、警察官風の衣装をまとった南明奈によるCM内の文言が、年齢差別を連想させて不愉快との抗議が寄せられ放送中止となった。

◇アサヒビール くつろぎ仕込
男性の膝に寝そべった北川景子の手が男性の股間に当たっていて卑猥だとのクレームを受け、放送中止となった。

◇UHA味覚糖 ぷっちょ
AKB48のメンバーがぷっちょを口移しリレーする内容が不衛生で気持ち悪いとのクレームを受け、放送中止となった。

◇アサヒ飲料 WONDA
ICカードが反応せず、ゲートを通れずに困っている島崎遥香を先輩社員が代わりに自分のICカードをスキャンしてゲートを通すという内容が「セキュリティ上に問題がある」「他人のICカードで入館するのはセキュリティに違反している」とネットでクレームを受け、放送中止となった。

◇HOKUTO
スーパーで鈴木砂羽に要潤が「普通のキノコと立派なキノコ、味がいいのはどっち」と耳元で問いかけ、自分の股間を触らせるという内容があまりにも下品だとのクレームを受け、放送中止となった。

◇ANA INTERNATIONAL HANEDA
金髪のカツラをかぶり、大きい付け鼻を付けたバカリズムの姿が「外国人をステレオタイプ化していて差別的だ」とのクレームを受け、放送中止となった。
この手のネタは『笑点』の大喜利でもしばし実施していたが(外国人になって一言系のお題)、これ以降はお題に出すことを取りやめている。

◇KIRIN 本搾り
CM内に登場するカエルのキャラクターが、未成年者の関心を誘い、飲酒を誘発しかねないとアルコール問題を扱う団体からクレームを受け、放送中止となった。だったら、眞露のカエル(トゥッコビ)はどうなんだ…

◇東京ガス
就職活動に苦戦する女子学生の姿がリアルに描かれていて、見ていてつらくなるという声が多く寄せられて放送中止となった。
一方で、CMで描かれた母子の温かいやり取りに感動したという声も多く上がり高評価も出ている。


【YouTube】

当初は一般人の投稿動画が主だったものの、HIKAKINやフワちゃんのようにテレビ出演に活躍の幅を広げたYouTuberが増えたこと、
江頭2:50やオリエンタルラジオの中田敦彦、「カジサック」名義で動画投稿をしているキングコングの梶原雄太等芸能人のYouTuberが増えたこと等から一気に間口が拡大。
しかし、その反面で過激な動画を投稿して逮捕される炎上系YouTuberが増えたり、著作権を無視した違法アップロードが増えるなど新たな問題が起こっている。
近年は芸能プロダクションによるマネージメントが行われている事が多いため、一時期に比べるとコンテンツの質は上がりつつある。それでも人間が作っている以上不祥事は避けられず、結果として封印作品となる動画も。
尚、ここでは元々公開期間が限定されている動画は除外し、あくまで苦情や炎上で削除された物を挙げる。

◇【開封】かまいたちがポケモンカードを開封して幻の101を狙う!
お笑いコンビ・かまいたちの公式チャンネル『かまいたちチャンネル ねおミルクボーイ』にて行われた企画。
動画名の通りかまいたちの二人がスタッフの買い込んだポケモンカードの中からレアカードを探す…と言う内容なのだが、なんとスタッフが「ちょっとだけ値段プラスされて通販で売られてたりとか」と転売ヤーから買っていたことを匂わせるコメントを残し動画のコメントは炎上*61
スタッフはチャンネルのコミュニティーで「本日公開した動画に関して、ポケモンカードに対する認識・配慮が至らない動画であった為、削除させていただきました」とコメントし、謝罪。動画は削除となった。

◇帝京野球部の後輩に突然アラートラン!
とんねるずの大きい方」「貴さん」こと石橋貴明の公式チャンネル『貴ちゃんねるず』で行われている人気企画・アラートラン。
コロナ禍で潰れそうな店に貴さんが訪問し、忖度のないコメントでジャッジする内容なのだが…
タイトル通り帝京野球部の後輩が経営する寿司店は予約制にもかかわらずスタッフが日にちを変えて訪問したこと*62や貴さんの「普通」というコメントに対して店の女将が公式ブログで「今まで何百人のお客様にこの赤利尻をお出ししましたが『普通』と言われたのは初めてで『マジか?』と、ちょっとビックリしました」「タカさんからは『薄い』と文句を言われましたが、当店ではとっても人気のまぐろの漬け」と愚痴ともとれるコメントを書き込んだ事*63で「企画の意味を理解していない」「あくまで貴さんは感想を残しただけなのにそこまで言うことはない」とコメント欄が炎上。
Googleの口コミにまで影響が出たため、貴ちゃんねるずのスタッフ側が「関係者側への嫌がらせは止めて欲しい」と諫めた上で店側に謝罪。該当動画は削除された。

◇てつとゆめ
東海オンエアが2019年2月に投稿した『ぐりとぐら』のパロディ動画。
内容はぐりとぐらに扮したてつやとゆめまるが元ネタよろしくカステラを作るというもので、地元である岡崎市も撮影に協力したが、ぐりとぐらの出版社である福音館書店が著作権侵害を訴えたことが理由で2022年に削除された。
また、撮影には岡崎フィルムコミッションという映像会社が協力しており、公式ホームページにてメイキング映像が公開されていたが現在は非公開となっている。

◇江頭2:50初のゲーム生配信 ファイナルファンタジー7リメイク
お笑い芸人・江頭2:50の公式チャンネル『エガちゃんねる』で行われた企画。
以前の動画で大量のフィギュアを収集しているなどFINAL FANTASY Ⅶファンであることを公言していた江頭2:50がFF7Rをプレイするという内容で話題になったのだが…。
実際には江頭2:50が話していたようにリメイク前のFF7クリア済み・プレイ時間80時間だとは思えない反応を連発(ティファの名前が出てこず、「おっぱい大きい子」と称するなど)し、そもそもゲーム初心者としか思えない様子だった。
加えてスタッフであるブリーフ団が異常に出しゃばり江頭2:50が実質ラジコン状態、挙句の果てには「ここでチンコ出しときましょう!」と発言するという態度から視聴者の反発を招き、炎上。動画は削除となった。

テイコウペンギン 「似非フェミニストになるとどうなるのか?」「コロナウイルスに感染するとどうなるのか?」「穴」
前者2本は公開直前に別のエピソードに差し替えられ、「似非フェミニスト~」については「一部の過激な思想を持った方々が過剰に反応しかねない」という理由が判明している*64。後者は星新一のSS「おーい でてこーい」をベースとした話で一時期急上昇入りもしたが、何のアナウンスもなしに削除された。恐らく著作権絡みの理由と思われる。*65

全力回避フラグちゃん! 「マゾヒストになるとどうなるのか?」
特に年齢制限もなく公開されていたが、突然非公開に。理由は明かされていないが主人公がSMプレイをするシーンが問題視されたという説が有力*66
なお、ライトノベル版に似たような話が収録されている。

円満解決!閻魔ちゃん 「今までありがとう。」のサムネイル
内容自体は封印作品ではないが、この回に使われているサムネイルが「Tokyo 7th シスターズ」の七咲ニコルの1stシングル『光』のジャケットイラストに酷似していたことが問題視され、後日別の画像への差し替えが行われた。また、この画像はコンビニのプリンターを利用したネットプリントも出来たが、同様の理由で停止となっている。
なお、公式は無断トレスは否定しているが、参考資料として参照したことは認めている。

このアニメには過激なシーンが多く、他にも「美少女の体がお菓子になるとどうなるのか?」「好みの女の子が届く『宅配サービス』ができるとどうなるのか?」*67などの一部回が封印作品と化している。

誇張しすぎた真木よう子
「ザコシ」とも呼ばれるお笑い芸人・ハリウッドザコシショウによる「誇張物真似」シリーズの一つ。当時吉本興業に所属していた芸人・プラスマイナス岩橋による暴露を聞いてインスタライブで激怒する女優・真木よう子の様子を「ティンコンカンコン」という独特の表現で披露した。
が、当の真木よう子本人がザコシと岩橋のせいで拒食症になり入院した様子をパートナーがInstagramにアップロード。
ザコシの所属事務所・SMAは「弊社所属のハリウッドザコシショウが、2024年2月25日午前0時に公開いたしました動画内に、弊社として不適切な表現があったと判断したため、当該動画を非公開とさせていただきました。弊社といたしましては、今後、このようなことがないよう、再発防止に努めて参ります。不愉快な思いをされた皆さまには、心よりお詫び申し上げます」とコメントを発表し、削除を決定。
因みに真木よう子側のインスタも「重病の割に枕元にスマホが置かれている」「点滴の種類が重症時に使うものではない」「意識不明の容態なのにモニターのスイッチが点けられておらず呼吸器や酸素投与がない」と医療従事者から指摘が入ったためか削除されている。
一方のザコシ側はその後審査員を勤めたR-1グランプリで出場者に今回の騒ぎをイジられるなど、少なくとも芸人活動にとってマイナスにはなっていない模様。


【一時期は封印されていた作品】

  • ゲーム

テトリス(MD版)
ソフト自体はROM生産完了までこぎつけたが、セガが取得したはずのコンシューマー版のライセンスが実際には版権元のエローグに無許可で出回っていたものだった為あえなくお蔵入りに。
それから15年以上を経て、PS2のテトリスコレクションに収録という形で世に出る事になった。

◇絶体絶命都市シリーズ
上述のとおり、アイレム作品の一斉販売中止によってシリーズ全体が発売中止となっていたゲーム。
2014年12月に開発者の九条一馬を中心とするスタッフで設立されていたゲーム開発会社グランゼーラがアイレムより版権を獲得、4の開発再開や旧作の配信再開などが進行中であることがアナウンスされ、
4はその後2018年11月に「4Plus」として無事に発売された。なお肝心のゲームの出来はというと…
R-TYPEやバンピートロットなどの、ほぼ飼い殺し状態のタイトルの版権取得に対しても期待が持たれる。
R-TYPEもクラウドファンディングを経て、R-TYPE FINAL2として新作が発表された。

◇スターフォックス2
スターフォックス』の続編。
スーパーファミコンで開発されていたが、既にNINTENDO64が出回っていた等の理由で開発中止となり、シリーズ第2作目は『スターフォックス64』となった。
尚、ROMデータが流出した為か、動画サイトでは本作のプレイ動画が投稿されている。
スターウルフは元々本作でデビューする予定だった。
また、本作に登場する予定だったアーウィンの歩行形態「ウォーカー」は、Wii U『スターフォックスゼロ』にて登場した。
そして2017年、『ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン』に収録。正規の手段でプレイすることが可能となった。

◇サムライスピリッツ零SPECIAL
悠紀エンタープライズ開発の格闘ゲーム『サムライスピリッツ』シリーズの通算7作目、サムライスピリッツ零のアッパーバージョン。
2004年にアーケードで稼働を開始しシリーズ屈指の残虐度を誇る絶命奥義が話題を呼んだが、佐世保小6女児殺害事件の煽りを受け、
ネオジオへの移植版で残虐描写が何の予告もなくカットされたため購入者の不満が爆発、署名運動にまで発展する騒動となった。
販売元のSNKプレイモアは残虐描写の削除に伴うバグの修正にこそ応じたものの、残虐描写を復活させることはなかった。
バグ修正前のROMは改造により残虐描写を復活させることが可能であり、修正前のROMの需要が急増しプレミア価格に。

そしてこの修正前ROMが海外の違法ROM配布サイトを通じてインターネット上に拡大し、実機でできないならPCのエミュレーターでプレイしようと違法入手する者が世界中で続出。
結果、ユーザーやファンから世界一違法DLされたネオジオソフトという不名誉極まりない称号を得たことに加えて、本体やソフトへの対策セキュリティの限界がきていたことを理由に、
本作をもってネオジオ本体の生産やネオジオソフト開発・移植を終了。自主規制が自社の看板ハードを潰してしまうことになった。

このような経緯故か、シリーズで唯一オムニバスソフトに収録されないなど封印に近い扱いをされていたが、
2016年になってPC移植が海外で配信され、2017年には日本でもPS4/PS Vitaで配信がされたため、ようやく封印が解かれることとなった。

ちなみに「零SPECIAL完全版」という物も開発されていたが、こちらは卸売のビスコがプレイモアに無断で開発の悠紀に作らせた代物であり、
それがプレイモアの逆鱗に触れたため今後表に出ることは皆無と言われていた(いわば版元無許可で作った同人ゲームのような立場のため、基板が流出したら大問題になると2004年当時の公式プロブでも触れていた)。
……が、2020年6月12日配信の『サムライスピリッツ ネオジオコレクション』にまさかの収録が実現。
さらに2022年9月29日より、全国ゲームセンターでの稼働が開始された。

◇エイリアンVSプレデター
著作権を所有する20世紀フォックスの意向により長らく移植が行われなかったが、25年の歳月を経て『CAPCOM HOME ARCADE』に収録された。
「ダークホースコミックス社との間で権利問題が発生した」という噂も流れているがデマであり、ゲーム版にダークホースコミックス社は関わっていない。
詳しくはゲームに関する都市伝説を参照。

メトロイドドレッド
開発自体は2005年頃から始まっていたが、プロデューサーの坂本賀勇曰く、「当時の技術やハードウェアの能力に限界があったり、開発を進めていくための条件も揃わなかったりと、思い描いていたコンセプトどおりに上手くいかないな」との判断で長い年月封印されていた。
しかし、2017年に発売された『メトロイド サムスリターンズ』を開発したMercury Steam Entertainmentとの出会いにより、一つの大きな目標に向かう条件が揃ったとして開発を再開。
2021年10月8日にSwitchで発売された。

◇A
beatmaniaIIDXシリーズに収録されている楽曲。作曲者はD.J. Amuro
楽曲自体は3rd styleの頃に完成していたが、譜面が当時のユーザーの実力に対しあまりにも難しすぎると判断されたため封印。ユーザーのレベルアップを待って7th styleにて解禁となった。
曲の序盤は低速の同時押しラッシュ、中盤以降は高速の階段や乱打が続く体力譜面。
今でこそ☆12入門用とか永遠の降格候補とか言われたりもするが、3rd時代の楽曲と比べると頭二つほど抜けた難易度の異次元譜面だったのである。
だが5thの時点でAより難しい「V」が登場してしまったのは内緒だ

◇ゲームボーイウォーズアドバンス
世にも珍しい、戦争が原因で一度ならず二度までもお蔵入りしかけたゲーム。
海外で先行して発売され、2001年10月の日本での発売を前に同時多発テロが勃発したことで続編共々お蔵入りしてしまった。
2004年には2作をひとまとめにした「ゲームボーイウォーズアドバンス1+2」として改めて発売された。
それから時は流れて2022年、「1+2」のswitchでのリメイクが発売*68されることになったが、今度はロシアのウクライナ侵攻により発売が1年間延期されることになった。歴史は繰り返す。

  • 漫画
◇ちびくろサンボ
世界的に有名なトラを高速で回転させるとバターになると主張する非科学的な絵本。
かつて、「黒人差別をなくす会」の手により黒人差別を助長するとされて出版社が封印されていたが、後に解禁された。
この所為で『ドラえもん』の「なぜか劇がメチャクチャに」に修正が入ったり、各種過去作品復刊時に「時代背景を考慮しての断り書き」がつく様になった。
実際は人種差別云々よりもおやつにバターたっぷりのホットケーキが食べたくなるのだが…。

ちなみに封印されていた背景として、本作は著作権が不明瞭だったらしくアメリカで海賊版が多く出回り、日本に入ってきたものも本来の権利者と出版契約を結ばずにこれらの海賊版を翻訳・編集したものだった可能性があったらしい。
つまりMD版テトリスに近い。
黒人差別についても、本来の舞台はトラの棲息するインドで黒人も出てこないのだが、権利の曖昧さから改変・アレンジが横行したのが一因。
現在ではオリジナルの挿絵を収録した灘本訳があるので、比較してみるのも良いだろう。

スーパーマリオくんスーパーマリオRPG編』
当時月刊コロコロコミックで連載されていたスーパーマリオくんの「スーパーマリオRPG編」だが、マリオ64編への移行を急いだためか、終盤近くで突如強引に話を打ち切られ、単行本にも全話未収録となった。
作者がつまらないと判断したためだとか、任天堂と旧スクウェアの確執が原因だとか色々言われているが原因は不明。
連載25周年を迎えた2015年に、ようやく単行本収録が叶った。
掲載時には本編でヨッシーやクッパがやたらと「スーパーマリオRPG編」の宣伝をしていたため、作者の意向での打ち切りではないと思われる。

◇私立極道高校
滋賀県に実在している学校名とその卒業生達の名前をアシスタントが無断で出した為。
ちなみに本作のキャラ達は、作者の次作『激!極虎一家』に引っ越している。
単行本も長らく未収録話が四分の三を占めていたが、2012年に続編の連載に伴い全話収録の単行本が発行、解禁された。
そちらでは、問題となった校名や卒業生名については黒塗り処理されている。

瑪羅門の家族
劇中に登場した台詞の一部が少年犯罪の犯行声名に使用されてしまった為、単行本の復刊が見送られてしまったが、現在は株式会社サード・ラインにより電子書籍で復刻されている。
なお、瑪羅門三兄弟自体は同著者の『極!!男塾』に登場している。

世紀末リーダー伝たけし!
週刊少年ジャンプ連載の漫画。
原作者の島袋光年が少女売春事件を起こして連載強制打ち切りとなり単行本も絶版となったが、2004年にワイド版で復刊され同時にスーパージャンプで完結編が短期連載された。

パタリロ! 第12話『マリネラの吸血鬼』
単行本第4巻の第15刷まで作品番号12番として収録されていたエピソード。
レギュラーキャラクターであるタマネギ部隊が初登場する作品であったが、第16刷以降、作者の別作品に差し替えられたため、タマネギ部隊は何の説明もなく唐突に登場することになった。
欠番になった理由の公式な説明は長らくなかったため、欠番になった理由について「差別用語の使用」や「ナチスネタ」など、複数の説が考えられていたが、
2011年に開かれた作者のトークショーにて「アガサ・クリスティの短編『ラジオ』を流用したため」と明かされた。
文庫版第50巻において、クリスティ社の承諾を経て実に30年ぶりに再録された。外された経緯も書下ろしにて説明されている。
また、本話はアニメ版でも第12話として放送されているが、問題となった部分が別の展開に差し替えられているため、封印はされておらずソフトにも収録されている。

◇ジャングル黒べえ
藤子・F・不二雄による、南の島から日本へやって来た黒べえが魔法を使ってちょっとした騒動を巻き起こすというコメディ漫画。
後述の「国際オバケ連合」の煽りを受け、黒べえの容姿が黒人差別に繋がると判断された結果、アニメ・漫画共に自主的に絶版、封印されてしまった。
だが藤子・F・不二雄大全集で漫画は奇跡の復刊を遂げ、アニメ版もDVD-BOXで復活を果たした

◇オバケのQ太郎『国際オバケ連合』
ウラネシア代表のバケ食いオバケ・ボンガの描写が黒人差別として「黒人差別をなくす会」から抗議が入り、単行本が回収された。
作品自体も著作権がらみで原作・アニメ共に封印状態に。
その後、原作が藤子・F・不二雄大全集で完全復刊した際には本エピソードも収録、「人食い人種」のセリフには修正が入っていたが無事解禁された。
2015年にはてんとう虫コミックス版が復刊された。

◇マイナス Lesson31『遭難クッキング』
ヤングサンデーに連載された山崎紗耶香(当時は沖さやか)の漫画。
虫の息の子供をバーベキューにする恩田先生、として結構有名なエピソード。
ただ、作品そのものはかなりハードな展開の連続なので、このエピソードはほんの一端でしかない。
2004年にエンターブレインから刊行された完全版では収録された。

◇マーダーライセンス牙 第14話『罪の清算』
ドーベルマン刑事』『ブラックエンジェルズ』などで知られる平松伸二の作品。
連載当時発生した東アジア反日武装戦線モチーフのテロリストを「死刑廃止論グループに偽装」という形で描写したため、流石にその手の筋から抗議を受けてしまい、単行本未収録に。
後年発売した作者の短編集『地上最強の男』、並びにコンビニコミック版にて収録が実現している(後者ではタイトルを『死刑制度』に改題)。

◇白竜レジェンド
「週刊漫画ゴラク」連載のヤのつく漫画。
整備不良や作業員の被曝などの原発利権に絡んだシノギを書いている最中、福島第1原発の事故が起きたため、その章は途中で中止された。
2013年に中止になった時点から連載が再開された。

サザエさんひょうりゅう記
『サザエさん』のエピソードの中でもとりわけ異質なもの。姉妹社版単行本の68巻の最終話として収録されていた。
サザエさんの都市伝説が生まれた原型というべき作品ではあるが、作中に出てきた「人喰い人種」が人種差別的かつ倫理的にもまずいために、
他社から出た『サザエさん』の単行本および長谷川町子全集には長らく収録されなかったが、
2021年11月に朝日新聞出版より刊行された復刻版第68巻にて無事収録、封印解除となった。

◇サザエさん 1952年12月8日掲載作品
男が徹夜の為だけに覚醒剤を買うトンデモない内容(オチは間違えて睡眠薬を売られてしまい、寝落ちするというもの。ある意味結果オーライのような……)。

こんな滅茶苦茶な話が描かれた裏には当時の時代背景がある。
戦時中には強壮剤として「ヒロポン」と呼ばれる覚醒剤が平然と使用されており、終戦後もしばらくは薬局で流通して買える状態にあった。
同時期に描かれた『似たもの一家』で伊佐坂先生がヒロポンを服用していたというのは、ファンの間では有名な話である(こちらは普通に単行本収録されている)。

この話は何が問題だったかと言うと、掲載時期にある。
実はこの回が掲載された1年前には覚醒剤の販売が禁止されており、作者はうっかりそれを知らずに書いてしまったのである(逆に言うと、戦後は6年にも渡って覚醒剤の販売が合法的に行われていたという意味でもある)。
掲載直後の朝日新聞にはこの事を指摘する投書も寄せられ、単行本にこの回は未収録となった。
『サザエさん』には単行本未収録作品が非常に多く存在しており大半は作者の意向によるものだが、この回は収録自体が困難であったと考えられる。

2018年に入り、サザエさんの単行本未収録作品集『おたからサザエさん』第2巻に収録され、日の目を見る事となった。

あきそら
近親相姦について描いた漫画で、成人指定されてもおかしくないほど性描写が苛烈なことで問題視され、東京都からは1巻と3巻が「有害図書」に指定された。
連載されていた秋田書店に通達が来たことにより「都条例が施行される前に」連載終了をすることが決定。
結局最終巻である第6巻の初版が出された直後に事実上の絶版が確定した。
作者の糸杉柾宏は朝日新聞からの取材を受けた際に「事実上の死刑宣告です」と落胆を露わにしていた。
糸杉はこの後も独特のアンニュイな雰囲気のある耽美系漫画を沢山手がけているが、それらが特に波紋を読んだことは無く、
中には実写映画化された作品まで存在するので、やはり近親相姦ネタはまずかったのだろう。
連載から10年経過した2018年にマンガ図書館Zに収録されたため読むことは可能になり、さらに電子書籍版が公式に配信(商業展開)され、封印解除となった。

◇混血児リカ
米兵と日本人女性の間に生まれた主人公リカが裏社会の悪を成敗する、東宝で実写化もされた凡天太郎の漫画。
混血児(ハーフ)の差別的な描写をはじめ、過激な描写が多いことから漫画・映画共に封印されていたが、
2012年に漫画版がマンガ図書館Zで公開され、2022年3月31日に公開終了された。詳しい時期は不明だがAmazonプライム・ビデオで映画版3作品が配信された。

◇男一匹ガキ大将(ジャンプコミックス版12〜21巻)
1968~73年に少年ジャンプ(後に週刊化)に掲載。
漫画家・本宮ひろ志の言わずもがな名も知れた出世作。創生期ジャンプの部数拡大に大いに貢献したレジェンド的作品である。
本宮は連載中より編集部と読者からのプレッシャーに悩んでおり*69、富士裾野の大決戦のエピソードを描き切った後に一旦連載を終了した。その直後、心機一転とばかりに時代物を描いたが大コケ。
打ち切りにより、当初よりあまりに人気があった男一匹ガキ大将を無理矢理再開せざるを得ない状況に追い込まれた。結果、投げやりな展開となり(日本一のガキ大将になった戸川万吉が結婚し息子をもうける〜万吉軍団を率いて石油輸入の障害となるコック・ベイラー率いる外資勢力と戦う〜宿敵・水戸のババァの血族に因縁をつけられ母親と妻と息子を殺された万吉が警察隊も入り組んでの北海道での大決戦に挑む、までのエピソード)。後年になり本宮御大は、日本一のガキ大将編まで収録の11巻まで刊行とし、作品後半部分を丸ごと封印した。
文庫版あとがきで、「どうしても続きが読みたいなら、古本屋を探してくれ(意訳)」とぶちまけており、無理矢理描いた後半部分は見るに耐えないと公言している。
だか2018年、連載50年を機に電子書籍版限定で、後半部分の12巻以降が配信され解禁。媒体は限定だがようやく完結まで読めるようになった。
但し紙媒体の刊行は2022年現在も封印が継続中である(コンビニ販売JUMPリミックス版も同様)。

  • アニメ
◇アニメ妖怪ウォッチ 第39話『【妖怪U.S.O.】/【妖怪ネタバレリーナ】/【給食のグルメ 第2話「プリン」】』
ゲームの続編が発売されてこれからと言う時期に突然の欠番。
老若男女を問わず楽しめるギャグアニメで、特にこの回は【妖怪U.S.O.】が凄まじいエピソードだったため、妖怪不祥事案件「心当たりがありすぎて分からない」を引き起こし、ネット上をカオスに陥れた。
その真相は【妖怪U.S.O.】の「ピンク・レディーの『UFO』風のBGMと共にダンスをするシーンがヤバかった」というもの。流石にここまで著作権的にヤバいのはダメだった。
DVDでは該当シーンとBGMを差し替える形で収録された。…むしろこれ以外のエピソードもパロディ満載の為、どうしようもないとかいうのは禁句。*70
そういうことってあるよね……ケータ。
余談だが、その元ネタとされる「UFO」を歌ったピンク・レディーは後に映画『妖怪学園Y』の主題歌を歌うことになる。

ドテラマン
該当項目を参照。

◇アパッチ野球軍(アニメ版)
ダム建設推進派と反対派の抗争真っ最中の山村で甲子園を目指すという、史上有数の殺伐とした野球漫画のアニメ版。
差別的表現等が多々見られ、復刻は困難とされていたが、2002年に初回限定版DVDボックスとして解禁された。

◇ルパン8世
東京ムービー新社(現:トムス・エンタテインメント)とフランスとの合作により企画された、「ルパン三世」の子孫であるルパン8世が活躍するSFアニメ。
主人公のルパンは怪盗ではなく私立探偵である。『探偵泥棒エドガー』(※仏語版『ルパン三世』タイトル)かよ。
まぁ遡れば大本の元ネタであるルパン自体、ジム・バーネットとして探偵してた話*71も結構あるので、そこをネタ元にしたのかもしれない。
当時のアニメ雑誌でも紹介され、フィルムも6話まで制作されていたが、著作権の問題により途中で制作中止に。
予定していた放映も中止となり、長らく幻の作品となっていた。
現在は2012年に発売された「ルパン三世 Master File」にて、パイロット版の全編と現存5話のダイジェストという形で収録され、初めて日の目を見ることとなった。
漫画版は双葉社から全1巻が過去に刊行されたが、この手の作品の宿命か現在プレミア化。

美味しんぼ(アニメ版の一部回)
ご存じグルメ漫画の金字塔で、1988年~1992年に日本テレビ系列で放送。
全136話中15話が2000年代以降再放送で欠番扱いとなった。
欠番の理由は原作と同じく関係団体や機関などから抗議が来たことや社会情勢の変化、(アニメとしての)表現に問題がある等。
その後、2016年に発売されたデジタルリマスター版BD・DVDでは全話収録されたが、配信や再放送では今も欠番状態が続いている*72
このほか、理由は不明だが再放送時に前期OPも後期のものが差し替えられていた。こちらはデジタルリマスター版以降復活している。

◇ホイッスル!(テレビアニメ版)
週刊少年ジャンプで連載されたサッカー漫画のアニメ版。
当時人気のグラビアアイドル・小向美奈子を主演・主題歌歌手に起用したが、その後、小向は所属事務所と決裂しAV女優に転向、さらに3度にわたる逮捕と服役により本作を含む転向前の出演作はことごとく非公開とされてしまった。
その後2016年、『ホイッスル!』リバイバル企画が始動。
続編連載、舞台化といったメディアミックスの一環としてテレビアニメ版も再公開を果たすこととなった。
……ただ、この公開は本編・主題歌の音声を全て別人のものに差し替えた「ボイスリメイク版」としてであり小向を含む旧声優陣の仕事が抹消された状態なのには依然として変化はない。

ちなみに「オリジナル声優版のみ視聴不可能」なアニメには他にも『ふしぎなメルモ』・『太陽の子エステバン』(日仏合作作品だったため日本版オリVTRを破棄、再録音時主演以外差し替え)がある。

キルミーベイベー(アニメ版)、青い花等 高部あい出演作品
2015年に高部が薬物所持の容疑で逮捕され、所属事務所を解雇されたため。
これに伴って各動画サイトでは配信停止などの措置が取られる結果となった。
映像ソフトを購入していた人はまだよかったが、DL版を購入していた人は消去される羽目に…
その後、2017年度にAmazonプライム・ビデオで『キルミーベイベー』が配信開始。他作品の封印解除にも期待がかかることとなった。
なお、同時期に『きららファンタジア』にも『キルミーベイベー』のキャラが登場したが、そちらは該当キャラのみ担当声優が変更されている。

ドラゴンクエスト ダイの大冒険(アニメ版・1991年版)
国民的人気ゲームのドラゴンクエストシリーズを原作とした漫画のアニメ化。
映画も3本公開され放送延長もありえたほどの人気作品だったが、当時のTBSの番組再編に巻き込まれる形で打ち切られた。
当時発売されたVHSより後はDVD化・配信という形での復刻はされておらず、サントラもレンタルが容易ではあったが復刻されていない。
2019年末、2020年秋から再アニメ化が公表され、それにつられるように本作のデータ配信もされるようになった。
が、数十年もの長きに渡ってソフト化されず放置されていた理由は今もって明かされていない。
ただ、2023年に刊行された書籍『三条陸 HERO WORKS』の中で、原作漫画は新アニメ化の企画が立ち上がる2018年になるまで権利が整理されておらず、
『週刊少年ジャンプ』のオールスターゲームに登場できなかったという事情が明かされており、これが本作にも影響している可能性もある。

◇On Your Mark
スタジオジブリの短編アニメで、CHAGE and ASKA同名楽曲の所謂PVとして製作された作品。
2014年にASKAが薬物所持容疑で逮捕され、本作を収録していたDVD『ジブリがいっぱいSpecial ショートショート』が廃盤、同年発売の「宮崎駿監督作品集」への収録も見送られてしまった。
一応、後者については購入者限定で希望者に対してのソフト送付サービスが一年間実施されていた。
後に2019年7月にリリースされたブルーレイ/DVD『ジブリがいっぱいSPECIALショートショート 1992-2016』にて本作も無事収録され、封印解除となった。

◇Oswald the Lucky Rabbit(しあわせウサギのオズワルド)
ウォルト・ディズニーがユニバーサル・ピクチャーズで制作していた短編アニメーションシリーズ。1920年代に人気を博したが版権およびスタッフをユニバーサル側に奪われてしまう。*73
こうした逆境の中から誕生したのが後に世界一有名なネズミとなるミッキーマウスであり、ウォルト不在で作られたオズワルドは凋落し、いつしか忘れ去られたキャラクターとなった。
ウォルトの死から40年後の2006年、ディズニーは人気アナウンサーの移籍と引き換えに死蔵されていたオズワルドの版権を奪還。オズワルドは再びディズニーのキャラクターとして再出発を遂げる。*74
2010年に発売されたゲーム『エピックミッキー』では、オズワルドは「自分が得るはずだった栄光を簒奪した者としてミッキーにルサンチマンを抱いている」という史実を反映した強烈なキャラクターで登場している。

  • 特撮
スパイダーマン(東映版)
「キノコ狩りの男、スパイダーマッ!」等の珍妙な名乗りで知られる和製特撮版スパイダーマン。
東映によるスパイダーマンの使用契約が3年で切れたために封印された。
一時期米MARVEL公式サイトで全話無料で見ることが出来たが、現在は一部のみ。
DVDソフト化はされているので、封印というべきかは現状微妙なライン。
ちなみにMARVEL社からの評価自体はわりと高く(特にレオパルドン)、別に東映とMARVELとの不仲によるものではない。正式に公認も出ている。
事実、2010年代に展開されたMARVELの公式クロスオーバー『スパイダーバース』ではMARVELマルチバースの一つとして東映版のスパイダーマンも参加を果たしており、重要人物ならぬ重要スパイダーマンの一人である。

牙狼-GARO- 第4話『晩餐』
同話に出演したゲスト俳優の加勢大周が逮捕されてしまったため、地上波では放送できなくなってしまった。
だが、CSで放送される際は地上波のようなしがらみはないため、再放送されるたび放送される。
2016年に放送されたHDリマスター版では案の定カットされたのに伴い、CSでも放送されなかった。
ただし映像ソフトには普通に収録されているため、厳密な意味で「封印された」とまでは言えないであろう。

  • テレビドラマ
◇セクシーボイスアンドロボ(ドラマ版)第7話『ハンバーグさん。』
放送される前に起こった立てこもり事件の煽りを受け、第2話の再放送に差し替えられたが、ソフト化の際解禁。

◇ギフト
1997年に放送された木村拓哉主演の水9ドラマ。
小道具として出てきたバタフライナイフが、翌1998年1月の殺人事件に使われたために作品そのものがお蔵入りに。
しかし2018年9月、長きにわたる封印を解かれ、めでたくソフト化が決定。翌2019年1月に無事リリースされた。

◇とんぼ
主題歌が巨人軍の清原和博の入場曲にも使用された、長渕剛主演のドラマ。
放送終了後に長渕とTBSの関係が悪化し、一度もソフト化されていなかった(2006年にDVD化の予告があったが中止)。
表向きには「過度に暴力的な内容だから」ということになっている。
2019年6月になって、DVD・Blu-rayが9月に発売されることが発表された。

◇私鉄沿線97分署 第64話「死亡時刻はパソコンで…」
理由は不明瞭ながら再放送時には外されているエピソードだったが、2021年10月に発売されたDVD第3巻に収録された。

◇救命病棟24時(第1シリーズ)並びに同作品第4話「妻への贈り物」
足掛け15年5シリーズにわたり制作されたものの、1999年に放送された第1シリーズは「ER 救急治療室」に内容が類似しているという指摘がある他、
第4話にて認知症の患者に「早く死ね」というような発言があったため当事者から抗議を受けた。
このことから、現在に至るまでソフト化はなされておらず、再放送も2000年に関東ローカルで行われて以来されていない。また4話についても件の再放送では飛ばされ、実質欠番となっていた。

しかしそれから24年後に行われた第1シーズンの再放送では2000年の再放送では飛ばされた第4話を含めて放送された。(さすがに第4話の抗議を受けた発言はカットされていたが)

  • バラエティ・ドキュメンタリー等
水曜どうでしょう『原付西日本制覇』
北海道テレビ放送(HTB)の人気番組内で2000年に放送された企画。半年間の放送休止期間前の大型旅でもあった。
中身自体はその名の通り「原付で西日本を走る」だったが、道中で「鳥取砂丘」に寄った時の行動が再放送版『水曜どうでしょうclassic』放送中の2007年に問題視され再放送不可能になり、
砂丘の写真が掲載された『水曜どうでしょう写真集2』も再販不可になった。
最初視聴者が気づいた問題は「砂丘の砂お持ち帰りは自然公園法違反じゃね?」。
で、鳥取市経由でこれを知った環境省の指摘は「砂採取は直じゃなかったらしいし証拠物件ももうないから追及不可能だが、砂丘にでかでかと番組名を描いたのは自然公園法の禁則『広告』だ」ということ。
それから6年後の2013年にDVD化され封印解除となったが、残念ながら問題になった部分はカットされている(写真集2再販バージョンも同様の措置が取られたという)。
同番組の再放送では他にもこの企画の次企画『リヤカーで喜界島一周』が『道路交通法』違反、『宮崎シーガイア』が娯楽施設とのタイアップ企画だったため(DVD版では宣伝部分カットの『宮崎リゾート満喫の旅』に改定)、
『十勝二十番勝負』とその前日弾『桜前線捕獲大作戦』・『香港大観光旅行』が「拉致事件」を前振りにしたため、
『クイズ!試験に出るどうでしょう』が「安田顕の監禁」ネタをしたため現在欠番となっている。
DVD化は普通にされたが、『クイズ!試験に出るどうでしょう』ではなぜか秋吉台でのシーンが一部カットされたという。

メーデー!:航空機事故の真実と真相 Season12 EP11「What Happened to Malaysian 370?」(日本語吹き替え版/シーズン表記も日本版としている)
ナショナルジオグラフィックチャンネルで放送中の航空機事故を取り扱ったドキュメンタリー番組で、この回はマレーシア航空370便墜落事故について取り扱ったエピソード。
これまで日本が関係する事故は勿論の事、原因があんまりにもアレな事故まで様々なエピソードの日本語吹き替え版が製作されたが、
この回に限って何故か日本語吹き替え版が製作されず、日本で放送されなかった。
番組内で事故原因を「機長が自殺のために乗客を巻き込んでわざと墜落させた」と描写したのが原因と言われているが、公式には明らかにされていない。まったく同じ原因かつ「合理的な疑問がほぼ生じないレベルで調べがついた」ケースのジャーマンウイングス9525便は普通にやったのだが。
ただし総集編として2018年に放送された第3シリーズ第6話「コックピットの殺人者」(原題:KILLER IN THE COCKPIT?)でクルーが自殺のために引き起こしたと結論付けられた他の事故とセットでこのエピソードが紹介されており、部分的ながら封印解除となった。
なお総集編でも事故原因は機長の自殺としている。

◇第9回ホリプロタレントスカウトキャラバンにおける井森美幸のダンス映像
1985年にホリプロから歌手としてデビューし、現在も元祖バラドルとして多くの番組に出演している井森美幸のオーディション時のダンス映像。
「ジャズダンス」と自称する相撲の鉄砲のような奇妙な動きが話題となり、有名人のこすられネタとしては「ハリセンボン近藤春菜の成人式」「ラサール石井の幼少期」などと並んで高い知名度を誇ることに。一時期は井森がゲスト出演するたびにこの映像が流され、本人が恥ずかしがるという流れが定番化していた。
しかし2014年に「ザ!世界仰天ニュース」で例のごとく流そうとしたところ、なぜか「事務所NG」で放送できなかった。このため「イメージダウンを恐れて封印したのでは?」といった噂が流れた。
翌年「水曜日のダウンタウン」でこの噂を検証すべくホリプロに問い合わせたところ、「あまりに流しすぎてしまうと、飽きられて面白くなくなってしまうのではないか、という懸念から一時的に寝かせている」と噂とは真逆の理由で封印されていたことが判明。ホリプロとしてはあの映像を「すごく大事なコンテンツ」と考えているそう。どんだけだ。
なお、2次的な利用は認めており前述の「水曜日のダウンタウン」では本物をCGで忠実に再現した映像が流れたほか、ガリットチュウの福島善成が自身のSNSで井森を再現した画像を投稿したことがある。
その後、2023年5月に放送された『アメトーーク』の「井森美幸大好き芸人」で久々に放送されている。

  • 映画
◇黒部の太陽
石原裕次郎と三船敏夫の共演が話題となった土木映画。
裕次郎の「スクリーンで見てほしい」という意向を汲んで、ソフト化が見送られていた。
表現の問題や権利のこじれが原因でないちょっと珍しい例。

…と長らく言われていたが、石原プロ作品は看板番組の「西部警察」など一部を除きソフト化等の二次利用を実施していなかった。これは石原プロの専務で番頭と呼ばれた小林正彦がソフト化に際し、テレビ局やソフト会社に高額の使用料を吹っ掛けるなど否定的な見解を示していたことが理由とされる。
実際、映画館のスクリーンを通して上映する例は2000年代以降ほとんどなく、石原プロのイベントで散発的に公開されるなど人の目に入らない状態が続いていた。
その後、経営体制の一新を経て石原プロ創立50周年となる2013年にDVD化が決定。以降はしばしばテレビ放映もされている。

◇BOND23
映画「007」シリーズの第23作。
リーマン・ショックの煽りでMGMが37億ドルの負債を抱えており経営が困難になったため2010年頃に無期限延長するが、途中からSCM社の傘下であるスパイグラス・エンターテインメント社の援助により制作を2011年頃より再開する。
正式名称は『007スカイフォール』に決定し2012年10月23日にロンドンでプレミアム上映、翌年の12月1日に日本で公開。
紆余曲折を経て世に送り出された本作は「シリーズ屈指の名作」と評する声も多い高評価を得、興行収入も2億ドル(日本円で27.5億円)と上々の結果であった。

◇怪猫トルコ風呂
風俗店に対する「トルコ風呂」というネーミングに在日トルコ人が抗議し、「ソープランド」に改称した煽りを受けて封印されていたが、
2019年に東映チャンネルで再放送された(これに伴い、映倫で再審査を受けている)。
本作に限らず、「トルコ風呂」と名のつくポルノ映画は片っ端から封印状態にある。

◇夜叉ヶ池
坂東玉三郎主演の時代劇映画。映画ファンからの評判は高いが、民放で一度オンエアされたのみ。
興行面の失敗やキャストからの不満の為ソフト化は難しいとされていたが、
2021年4月になって4Kデジタルリマスター版のBlu-rayが同年7月14日に発売されることが発表され、無事リリース。42年の時を経て封印解除となった。

◇フランケンウィニー(オリジナル版)
ティム・バートンがディズニーにアニメーターとして在籍していた時代に監督した実写短編映画。
彼がプロの俳優たちと本格的に仕事をすることになる最初の作品であり、長編デビュー作『ピーウィーの大冒険』を撮るきっかけにもなったキャリア的にも非常に重要な作品
しかし当初『ピノキオ』のリバイバル上映時に併映される予定だったのが、PG指定*75を受けたことから封印されていた。
後にバートンが監督として大成功を収めると徐々に日の目を見るようになっていき、現在では『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のVHS・DVDの特典映像やDisney+での配信にて容易に視聴できるようになっている。
さらに2012年にはリメイク版も公開された。

◇フルメタル・ジャケット(日本語吹き替え版)
スタンリー・キューブリック監督のハートマン軍曹でお馴染みの戦争映画。
映画公開の時点で日本語吹き替え版の制作を実施していたが実際には使用されず、その後1991年に「水曜ロードショー」(TBSテレビ)での放送も予定されていたが、結局こちらも中止となった。
公開が見送られていたのは、キューブリック作品の吹替を担当した原田眞人によるとあまりにセリフ回しが汚く、放送コード等に抵触するのが理由だったとされる。
その後吹替え版のマスターテープが発掘され、2017年にソフト版が発売されている。

  • 音楽
たべちゃうぞ
ポンキッキ史上最恐の歌。該当項目参照。

◇府中捕物控
山本正之が1975年に「ALFIE」(現:THE ALFEE)に提供した楽曲。当時時効寸前だった『3億円事件』の犯人をネタにしている。
発売寸前まで来たところで「題材が『3億円事件』なんて良識に会わないから駄目」と発売元の「ビクター」が判断しお蔵入りにされた。
まあ歌詞の中で事件の犯人を昭和の義賊呼ばわりしたり盗んだ3億円を皆で分けようとか言ったりしてりゃお蔵入りにされるのも仕方ないと言えば仕方ないが。
憤慨した「ALFIE」はビクターから離脱、後に「ALFEE」として再出発した。
この一件でTHE ALFEEは「流されるままに歌っていてはだめだ」・「バンドにはオリジナリティが必要だ」と自覚し、以後は外部からの提供曲が殆どなくなっている。
なお封印されていたのはビクター所蔵のオリジナル音源のみで、山本は1994・2010年にセルフカバー版を発売、THE ALFEEもメジャーになった後何回かライブで披露している(2014年には武道館でも披露された)。
そして封印されていたオリジナル音源も2014年発売の『青春の記憶[+2]』(ビクター時代唯一のアルバム)にボーナストラックとして収録され完全に封印解除された。

◇明日からよその人
これも山本がALFIEに提供した楽曲。府中捕物控のB面としてリリースされる予定だったが、府中捕物控の発売が中止され、巻き添えを食らって封印されてしまう。
内容は山本の姉が結婚した時の実体験に基づくもので、発売に支障をきたすようなことはなかったのだが何故か20年と府中捕物控よりも長く封印されていた。
1995年に作詞・作曲をした山本のセルフカヴァーとして発売され、封印は一応解除された。
だが、セルフカヴァー版はALFIEに提供したものと歌詞が一部異なり、完全な封印の解除は2014年の『青春の記憶[+2]』発売まで待つこととなる。

◇the Fourth Avenue Cafe
るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』のEDテーマだったL'Arc~en~Cielの楽曲。
シングルとして発売する予定だったのだが当時のドラマーが覚せい剤所持により逮捕されてしまい、発売中止になった上にラルクは一時活動中止を余儀なくされ、るろ剣ではEDテーマが別の曲に差し替えられてしまった。
EDのアニメ映像の演出が楽曲に合わせた「剣心の別離」を描いた気合の入ったものだったため、曲だけ差し変わってポカンとした視聴者も多かったと思われる。
ただ、既にアルバムに収録されており、特にこちらは封印されなかったため楽曲そのものは問題なく聴くことができ、るろ剣側もVHS化する際には曲の差し替えをすることなくこちらの楽曲を使用している。
なお、この件が不本意だったのか、劇場版にてるろ剣とラルクは改めてタイアップした。
その後、2006年にラルク15周年を記念した企画で本曲のシングル化封印が解除された。その数か月前からるろ剣は完全版の発売が開始しており、タイミングを合わせたかのような封印解除になった。
2011年に発売されたるろ剣の主題歌集においても問題なく収録されている。

◇要注意歌謡曲指定制度による作品
かつて日本の放送局では要注意歌謡曲指定制度なるものが存在。放送不可のAランク、旋律だけ使用可のBランク、問題のある箇所を改変や削除すれば使用可のCランク、及び時間帯や視聴者層に配慮すれば使用可という種別が存在した。具体的には名誉毀損、障害者関係、暴力やヤクザ、性描写を理由としたものが多い。例としてはつボイノリオ『金太の大冒険』(Aランク)、101ストリングス『恋はみずいろ』(Bランク)、ピンク・レディー『S・O・S』(Cランク。モールス信号でsosを打電しているイントロが「虚偽の救難信号通報」になりかねないため)など。1983年に改訂されたのが最後で1987、88年には廃止となった。ただ、これはあくまでもガイドライン、目安に過ぎず放送するかは現場の判断によることにしたつもりが指定された通りに扱わなければならないと思い込まれ、制度が消滅してからもそれは周知されなかった。
運用されていた当時から制度の曖昧さなどに疑問があり、北島三郎のデビュー曲『ブンガチャ節』は「キュッキュキュー」の合いの手がベッドシーンを連想させるとして放送禁止、ヤクザ関係の歌でも判断が分かれたり、高田渡の『自衛隊に入ろう』は流行する可能性がなく現場に任せるとしながらも放送禁止扱いになったこともあった。また『竹田の子守唄』は未指定ながらも放送局によって判断が分かれた。
ガッツ石松はプロボクサーとして現役当時に生出演したテレビ番組で歌を披露することになっていたが当初予定していたものとは別の『網走番外地』を急に歌唱したいと言い出し、実際に行われたがこの歌は放送禁止のAランクに指定されていたのを番組終了間際に知ったプロデューサーは顔面蒼白になるもこれといった問題にはならなかった。

◇Most beautiful girl to the world
殿下ことプリンスのアルバム『The Gold Experience』からのシングルカット。
メロディーの一部がRaynard. Jというアーティストの『Takin' Me to Paradise』という曲と類似しており、約8年にわたる裁判の末プリンス側が敗訴し、アルバムから削除された。
しかし2022年に再版される予定のプレスにこの曲が含まれることが判明しており、晴れて封印解除となった。

  • 小説・文学作品
◇チャタレイ婦人の恋人
1928年に発表されたイギリスの小説家によって書かれたドエロ小説。
艦これ好きな人には、イギリスで「飢えた狼」と言われた重巡洋艦足柄がその帰りにこの本を買い、帰路の中で新聞記者がクルーと共に読みふけったいう逸話で有名である。
買ったのはあくまでも新聞記者であってクルーではないし、足柄さんは行き遅れの飢えた狼でもない
1951年に日本において発売された際、翻訳者と出版社社長が裁判にかけられ、有罪判決を受けてしまう。
「わいせつ文書に対する規制(刑法175条)は、日本国憲法第21条で保障する表現の自由に反しないか」
「表現の自由は、公共の福祉によって制限できるか」
という論点から行われた裁判、「チャタレー事件」とも称される一連の騒動は、以降の国外での裁判にも先例として持ち出されることとなる。
しかし時代の変遷によってこれらは許容されることとなり、1973年に講談社から羽矢無修正版が発刊、1996年には新潮社から削除部分を補った「完訳」版が発行された。

◇ザ・ゴール
イスラエルの物理学者エリヤフ・ゴールドラットによって書かれた、機械メーカーの業務改善プロセスを主題にした小説。
今では「ビジネス書といえばこれ」とも言える名著の中の名著だが、発売当時日本では発売許可が下りなかった。
というのも、当時は日本がバブル景気であり、日本以外の国の競争力を上げて貿易不均衡を解消する必要があると考えたゴールドラットは、『ザ・ゴール』の日本語翻訳を許可しなかった。
しかし、誠に不服ながら、2001年に日本語訳の許可が下り、日本語版が出版されることとなる。
今なら内容が分かりやすく漫画で学べるザ・ゴール(漫画版)を手に取ることをお勧めする。

  • 同人作品
◇HYBRID INSECTOR(ナデガタサーカス)
ULTRAMAN』の作者が過去に自サイトで連載していた『仮面ライダー』の二次創作web漫画。
政府の依頼で本郷猛/仮面ライダー1号に簡易な改造人間までも改造させた七人ライダーの最後の戦いの後、
仮面ライダーたちが切り捨てられた世界で、本郷の技術を人間用に応用した強化服「外骨格装着(ヘレティック)システム」を用いて(ハイブリッドインセクター)(=仮面ライダーの残党)狩りに従事するアンチショッカー同盟に所属する、
簡易ライダーの血を引く青年(本人は出生の秘密を知らず、父を殺したのはアンチショッカー同盟ではなく仮面ライダーだと思っている)が、量産型の強化服を装備すると、仮面ライダーそっくりの姿となり……という、
後の『ULTRAMAN』との共通点も見られる漫画。
ある時期から長い間更新が中断していた後、
「ある雑誌から連載のオファーがあり、版権元と交渉していたが、許可が下りず、版権元の目に触れたことで黙認もできなくなった」
との事情が一定期間掲示され、削除された。
それからしばらくの後、権利関係が片付いたのかコミックマーケットにて頒布、同人誌として再スタートすることとなった。
余談だが、更新中断までに明らかになった設定と、事情を説明している期間中に書き下ろされたイラストを総合すると、人類に絶望した本郷が死神博士と手を結んだのが本作で復活したショッカーなのではないかと推測され、これが許可が下りなかった原因なのではないかと思われる。

搾精病棟(搾精研究所)
定期的に射精しないと玉が痛む奇病を患った青年が入院先の病院で性格の悪いナース達に無慈悲に「処置」を行われる、という内容のR-18同人CG集。
ニッチな内容やFランとも評される*76微妙な画力に反し、クセの強すぎるナース達の言動やギャグ漫画顔負けのキレッキレでハイセンスなセリフ回し、やけに練られたストーリー展開などで話題を呼び相当な知名度を誇っていたが、2019年11月に突如各サイトでの配信が停止。
その後作者のサイトで「CG制作に用いていたソフトが成年向けでの利用を禁止していたため、規約違反で配信停止となった」と詳しい経緯が明かされた。
以降OVA・実写AV・ノベライズ・ゲームなどの商業メディアミックスが続く一方でオリジナルのCG集は封印されたままという状況が続いていたが、
2021年4月末に規約違反の箇所(各キャラの髪型)を差し替えた上で配信が再開された。

  • CM
◇リッタースポーツ
橘高株式会社より発売されていたドイツのチョコレート「リッタースポーツ」のCM.
内容は桂三枝(現・六代目 桂文枝)が某ドイツの独裁者っぽく扮して「リッター食ったーうまかったー!」などと叫ぶという明らかにアウトなもので、案の定苦情が殺到して数日で打ち切られた。
しかし後にTBSの「テレビ探偵団」に三枝がゲスト出演した際にCMの映像が流れ、10数年ぶりに日の目を見ることとなった。
もしこの時に放送されていなかったら永久に出てくることはなかっただろう。

■番外編

【危うく封印作品になる所だった例】

ウルトラマンコスモス
2001~2002年に放送されたウルトラシリーズの一作。
第49話放送後、主演の杉浦太陽が恐喝・傷害容疑により逮捕されてしまい、以後の放送ができなくなってしまった。
後に事件に虚偽が判明したことなどにより不起訴・起訴猶予処分となったため番組が再開され、尺不足により一部の回が地上波で放送できなくなったものの無事に最終話まで放送された。
地上波で放送できなくなった回もCS再放送およびソフトには収録されている。

休止中の大人の事情をやんわりと説明するコスモスの名言が有名。
なお、『コスモス』休止中は映画や総集編などで繋いでおり、OV作品の『ウルトラマンネオス』も数話放送されている。

アウトレイジ
2010年公開のビートたけしによるバイオレンス映画。
当初、主要人物の一人に俳優の押尾学が起用される予定があったという(結局は不採用に)。
しかし製作中の2009年、押尾が合成麻薬を所持していた事により逮捕される。
たけしはこの事件を受け「もしも(押尾を)採用していたら作品がお蔵入りになって、他の出演者への賠償がとんでもないことになっていた」とコメント。
ちなみに起用されなかった理由は、純粋に登場人物のイメージと合わなかったかららしい。

なお、2019年に本作の続編2作に出演している俳優が相次いで不祥事を起こした。
というか、『アウトレイジ』『アウトレイジ ビヨンド』『アウトレイジ 最終章』のシリーズ3作品は、全ての作品が1人以上逮捕者を出している*77というある意味すごい状態となっている。
内容が内容であることも含めて、「アウトレイジシリーズはドキュメンタリーだった」などと言われることも。
後にたけしも天皇陛下即位三十年を祝う式典の祝辞で「両陛下がご覧になった映画が、不届き者を2人も出した『アウトレイジ3』でないということを祈るばかりです」と自らネタにしている。

◇2011年度桜花賞のCM
2011年に制作された競馬のCMシリーズ第一弾になるはずだったCMで、第53代桜花賞馬のベガがメインで取り上げられている。
丁度春競馬の時期に東日本大震災がぶつかった影響でTV未放映に終わり、同シリーズの第一弾はミホノブルボンメインの皐月賞のCMになった。
まあ、あの時期に「ハンディは、強くなるためにある。*78」なんてキャッチコピーはお茶の間に流せんわな。
時期を逃したイベントのCMが後から放送されるケースはまず無く、そもそも第一弾という事もあって抜けがある事にすら気付かない視聴者が大半を占めていた*79ものの、翌年にJRAがイベント配布した2011~2012年度のCMをまとめたDVDに本作も収録された事で辛うじてお蔵入りは免れる事が出来た。

◇下町ロケット(TBSテレビ版)
近年TBS日曜劇場の定番となっている池井戸潤作品で、2015年に放送された。
当初、ラスボスに元野球選手の清原和博を起用する予定があったと言う。
作品のプロットに合わせ、大きな夢を実現させたアスリートとして白羽の矢が立った模様。
しかしスケジュールの関係で清原の都合が合わず、この案はお蔵入りに。

その後、オファー断念直後に清原の薬物所持疑惑が発覚。上層部からは「大丈夫か!?」との声がかかり不安視される。
放送終了後、疑惑は事実だった事が判明。もしも起用していれば、名作にもかかわらずソフト化困難という憂き目に遭っていた事だろう。
この後、スタッフは「出演者の身辺調査はしっかりやれ」とこっぴどく叱られたとか。

ちなみに、アスリートを出演させる案は同じ原作・スタッフの次回作『陸王』にて松岡修造を起用する事で実現された。
めでたし、めでたし。と言いたいところだが……
放送終了から2年近く後の2019年3月、今度は「陸王」にレギュラー出演していたピエール瀧がコカインの所持で逮捕されてしまう。
紙一重で封印を切り抜けた矢先にこの顛末とは、如何なものであろうか。何とも皮肉である。
その後、ドラマは瀧の一連の処分が終わってからソフト化と配信が実施されている。

◇麻雀放浪記2020(映画)
阿佐田哲也の小説を映画化した作品で、1984年以来2度目の映画化となる。
公開直前に出演していたピエール瀧が逮捕され、それに伴うテレビ番組・映画の打ち切りや延期などドタバタしていた中で東映が予定通り公開することを発表した。
異例の発表であったが、主演の斎藤工は「1つの特殊なケースかもしれないんですけど、その答えが映像に関わる人たちの希望になれば」と初日の囲み取材でコメントしている。
これ以降、映画界では「出演者の不祥事と作品の公開は無関係」というコンセンサスが得られ、後年日本映画界の重鎮である吉永小百合の主演作品においても、出演していた伊勢谷友介が公開前に不祥事を起こし逮捕されたものの当該作品は予定通り公開されている。

余談だが本作は1945年から2020年にタイムスリップした主人公が麻雀で戦うというものだが、その世界では開催予定だった東京オリンピックが中止になっているという設定。現実世界でもお蔵入りになりかけたのは皆さんご承知の通り。

◇東方見聞録(映画)
撮影中に死亡事故が発生し、予定されていた劇場公開が中止されたものの、作品自体は完成しビデオソフトとしてリリースされた。

◇西部警察 SPECIAL(ドラマ)
2004年に放送された復活版西部警察。
実は連続ドラマが計画されていたものの、撮影中に人身事故が発生、連続ドラマ版は撮影が中止となった。
既に出来上がっていたスペシャル版のみ再編集され、この事故の処分等が終わってから放送された。

◇おカネの切れ目が恋の始まり(ドラマ)
TBS系列のドラマで、金銭感覚が全く異なる男女が出会うことで繰り広げられるラブコメを描く。
全8回の予定だったが、4回分の撮影を終えた所で、主演の三浦春馬が自殺によって急死してしまい、後半の撮影が不可能になる。
更に、主演俳優が自殺した作品という払拭しようがないマイナスイメージがコメディドラマとしては致命的であり、一時はお蔵入りも検討されていた。
しかしながら、遺作をお蔵入りにすべきではないという意向から、撮影済みだった分を再編集し、全4話のドラマとして放送された。

芸能人格付けチェック(2020年)
毎年元日および改変期に放送されている人気番組。
2020年1月1日放送分の収録が2019年11月17日に行われる予定だったのだが、収録前日の11月16日に出演予定だった沢尻エリカが合成麻薬所持の現行犯で逮捕される事態が発生。
この収録前日に起きた窮地にかたせ梨乃が代打を引き受けてくれたため、無事収録・放送された。
仮にあと1日でも沢尻の逮捕が遅かった場合、番組そのものがお蔵入りになっていた可能性もあったのでその点では不幸中の幸いと言わざるを得ないだろう。
なお、実際の放送では沢尻は名前こそ伏せられたものの「収録前日に映す価値なしになった」と恨み節も込めたネタをブッ込まれた。

◇ポケットモンスターXY 第24話『海底の城! クズモーとドラミドロ!!』
放送直前に韓国の屏風島沖で発生したセウォル号沈没事故の影響で放送時には別の回に差し替えられた。
AGのナマズン回みたいにこのまま放送されることなくXY編が終了するかと思いきや、同年11月20日に第50話として改めて放送され、レンタルDVDにも第18巻に収録された。

てっぺんっ!!!!!!!!!!!!!!! 第2話『キャトルの章』
諸般の事情により放送・配信取りやめ、第1話が再放送される事態に。
理由は語られてないが、放送内容が「大統領の暗殺計画を阻止する」というものであり、放送前日に発生した安部元首相の襲撃事件と一致してしまうからではないかとみられている。
2ヶ月後に放送・配信されることになったが、何故かBS日テレのみ放送されなかった。

◇タンタンのコンゴ探険
小学校の図書室で読んだ方も多いのではないだろうか?新聞記者タンタンと愛犬スノーウィの活躍を描いた、ベルギー生まれの冒険漫画シリーズの第2作目。
今作が封印寸前になった理由は、ずばり人種問題と劇中の動物狩りの描写。
あまりにステレオタイプな未開人として描かれたアフリカ黒人、そして動物虐待の謗りを免れないシーンが後年問題となり、特に人種差別に神経を尖らせているヨーロッパ圏では実際に今作を発禁処分とする動きもあるとか。
日本においては冒頭に「注釈」をつけた上で刊行された。初期の作品にもかかわらず刊行がシリーズ22番目と遅れたのも、こうした背景あってのことだろう。

いちおう補足しておくと、今作が最初に発表されたのは1930年代であり、当時ベルギーの植民地だったコンゴの人々の描かれ方も時代の趨勢に沿ったものだった。
アフリカ系黒人の方々にしてみれば憤懣やるかたないだろうが、作者のエルジェも当時の植民地主義的な価値観からは自由になれなかったのだ*80

【そもそも世に出すらしなかった没作品】

○ゲーム
◇サクラ大戦MMO
シリーズ初のオンラインゲームで、中国の上海を舞台とする筈だったが、発表の翌年セガが中国のオンラインゲームから撤退したため実現はしなかった。

◇サクラ大戦太正浪漫学園譚
2010年に発表されたMMOゲーム。
帝都新島と言う離島を部隊に降魔や脇侍と言った敵と戦う内容で、2011年春を目処にPVが制作されたがその後大きな進展は見られず、2013年に公式サイトが消滅した。

◇桃太郎電鉄2012
東北地方太平洋沖地震の影響で制作中止に。
……というのは実は方便で、実際にはスタッフが抜けまくって開発が困難になったのが真実らしい。

◇タトゥーアサシン
DECO開発の格闘ゲーム。
特殊能力を持った連中が戦い合う内容で、相手にトドメを刺すことができる…ようは当時矢鱈にあった『モータルコンバット』もどきのゲーム。ロケテストもやっていたが、開発状況の悪化や度重なる延期により没になった。ロケテに使った24台も殆どが破損か紛失し、わずか2~3台しか現存してない。

◇Thrill Kill
上記の作品と同じ、モータルコンバットもどきのゲームだった
しかし、操作キャラが『強姦/夫と妹の浮気により気が触れた女性二人』『異形の巨体と破壊衝動を持った郵便配達人』『身長にコンプレックスを抱く、高身長の人間を惨殺した義手義足男』『人肉の味に目覚めた食人鬼(武器は女性の腕)』『放火が生き甲斐で死因すら焼死の放火魔』『異形の双生児』など不謹慎要素の塊であった。公式が末期
イベントで体験版が配信されたがあまりの内容に騒然となり、
更に家庭用ゲーム機内で唯一の『ESRB:AO』=18歳未満への取り扱い禁止になった。*81
ちょうど発売元が大手会社に買収された直後だったため、買収元の判断より発売停止が決定。
それを不服とした開発者がゲームデータをインターネットに放流したことで人目に触れることとなった。

◇パネルでポンGB
『ポケモンでパネポン』内に隠されていた没データとして有名で、一通りのグラフィックやBGMが揃っており、一部モードのみながらきちんと遊べるところまで体裁が整っているにもかかわらず、何故か発表すらされなかったという謎のゲーム。
タイトルからしてSFCソフト『パネルでポン』のGB版と思われるが、解析で発見された一枚絵の中に新規の物やSFC版のストーリーと矛盾する物がある事から、単純な移植作ではなく何らかのオリジナルストーリーが展開されていたと推測されている。
ちなみにキャラやシナリオの一部は後にゲームキューブでリメイクされた際に再利用された模様。

◇APRIL
ゲームブランド『サンクチュアリ』の姉妹ブランドである『QUATUOR』がブランド発足と同時に発表した乙女ゲーム
『エイプリル』や『メイ』など月の名前を持った登場人物たちを中心に、ミステリーと恋愛を組み合わせたシナリオになるはずだった。
しかし肝心の『QUATUOR』が発足からまさかの2日後に活動停止を発表。それに従って本作も放置され、実質的に封印作品になってしまった。
公式ホームページの殆どの箇所には現在に至るまで『COMING SOON』の文字が躍っている……。

◇天外魔境ⅢNAMIDA(PC-FX版)
天外魔境シリーズの完結作品としてPC-FXでの発売が予定され、キャラクター達も当時のゲーム雑誌にて紹介されていたが、本体の普及が著しくなかった事などが原因で開発中止となった。
その後、PS2にて別人のシナリオ*82で製作され、発売されたが賛否両論となった。
ちなみに本来のシナリオプロットなどの一部は桝田本人が書いた小説『ハルカ 天空の邪馬台国』で使用されている。

◇プロペラアリーナ
2001年にドリームキャストでのリリースが予定されていた、空中戦を題材としたセガのシューティングゲーム。
しかし、ドリームキャスト自体の製造終了に加え、アメリカ同時多発テロ事件の発生も災いして発売中止に。

◇奇々怪界2
2007年にプレイステーション2でスターフィッシュより発売予定だったソフト。AC版『奇々怪界』の続編と告知されていたが*83、理由が明かされないまま唐突に発売中止となる。
翌年発売された『雪ん娘大旋風 さゆきとこゆきのひえひえ大騒動』はこのゲームからキャラクターを差し替えたものではないかとまことしやかに噂されており、そのせいか中古価格が一時期暴騰していたこともある。

◇聖龍伝説〜外伝〜
安達祐実が主演のカンフードラマのゲーム化。
最終回の放映直後に特報として発表され、VHSの発売元であるVAPが開発を手がける格闘アクションとして1997年の夏に発売を予定していたが後に98年春に延期、その後続報はなく自然消滅したと思われる。

○漫画
◇機動戦士ガンダム トライアイドGM(仮)
BLAME!』の弐瓶勉がガンダムエースで連載…するはずだったガンダム漫画。
ガンダムエース2011年10月号に4ページの予告漫画が掲載され、2012年4月号から連載開始されるはずだったのだが、実際の4月号には載っていないどころか、その後一切の告知がなされないまま現在に至っている。

◇ウマ娘プリティーダービー BLUE SKY
ウマ娘 プリティーダービー』アニメ1期のBlu-ray付属の小説をベースにしたセイウンスカイの漫画…という触れ込みで発表されたスピンオフ作品。
しかし、初報以降続報が一切ないまま数年が過ぎ、普通に別の漫画やアニメ2期、そしてアプリが始まって現在に至る。

○アニメ
学校の怪談 第3話『私キレイ?口裂け女』
次回予告が放映された段階で口に障害を持つ人の団体から抗議があり、放送中止が決定。本放送ではまだ第3話なのに総集編を放送するハメになった。
放送中止決定を受けて一部の作業が完了しないまま制作が中断されたらしく、映像ソフトにも収録されていない。
これよりも前に放送されていた『地獄先生ぬ~べ~』のアニメ版では、原作にもあった人面犬口裂け女といった著名な題材をあえて取り上げていなかった事を考えると、本作スタッフの配慮が足りていなかったと言えなくもない。
ちなみにスタッフもこの一件には何かしら思うところがあったのか、後の第9話の劇中に「『学校怪談』なるアニメがクレームを受け放送中止になりそうなことを伝える新聞記事」という自虐とも皮肉ともつかない小ネタが登場している。

この出来事が契機だったのか、以後アニメ作品において口裂け女はほとんど登場しなくなる*84

サウスパークシーズン3第10話『チンポコモン(日本語吹替版)
1話で東アジアの各国家すべてに喧嘩を吹っかけるどころか本当に喧嘩してはいけない人まで出す、サウスパーククオリティをこれでもかと詰めた回。
あまりに酷すぎて日本語吹替版を放送拒否され、DVDにも収録されることなく欠番となった。
なお原語版はちゃんと公式サイトで見ることができる。気になるなら辞書片手に見るのも手。

○ライトノベル
◇鈍感主人公になれない俺の青春
ライトノベル新人賞最大規模である電撃小説大賞受賞作(選考委員奨励賞)で19年ぶりに刊行されていない作品。作者は成瀬唯。
『まだ恋を知らない君の声は、僕に届かない』に改題のうえ2019年6月に刊行される予定で表紙イラストも公開されていたのだが、急遽刊行が無期限延期となり何の音沙汰がないまま次の回の受賞作の発売を迎えている。
発売にストップがかかった理由は一切不明だが、後ろ暗い理由があるのではないかとも囁かれている。
ちなみに19年前未刊行に終わった作品「王道楽土」も選考委員奨励賞だったが、その時入賞した御堂彰彦は2004年別の作品でメジャーデビューし、電撃小説大賞公式サイトにインタビューが掲載され、受賞作がお蔵入りした件にも触れていた。

○特撮
◇PROJECT ULTRAMAN
前述のチャイヨー・プロダクション(タイ)が本国と中国で放送する予定だったオリジナルのウルトラシリーズ。
ウルトラマンエリート、ウルトラマンミレニアム、ダークウルトラマンの3人が13体の怪獣を相手に戦うというストーリーが展開される予定だった。
制作発表後、タイでの裁判に円谷が勝訴。この中でチャイヨー側にウルトラマン新作の制作が認められないことも明言され、製作は不可能となった。

◇シルバージャガー
『スペクトルマン』『快傑ライオン丸』を世に送ったピー・プロダクションが日仏共同で制作し、1980年の放送を目指して交渉が行われたが実現には至らず自然消滅。
この一件を最後にピー・プロの業務は版権管理のみとなり、新作は2006年の『ライオン丸G』までお預けとなる。
この作品のパイロットフィルムと関係者のインタビューを収録したVHS『シルバージャガーの誕生』が1984年に発売されたが流通量が少なく、入手は困難。

激走戦隊カーレンジャー第46話のパイロット版
宇宙暴走族ボーゾックがマジンガーZソックリのロボット・バリンガーZでカチコミを掛ける回。
バリンガーZは児童誌などに写真も掲載されていたが、余りにもマジンガーZに似すぎていたため東映のお偉いさんがNGを出し、本放送版では既存のロボの色を塗り直したロボに差し替えられた。
出番がなくなってしまったバリンガーZの着ぐるみは首をすげ替えて『パワーレンジャー・ターボ』に一瞬だけ出演した。

○映画・テレビドラマ 
映画作品は※Wikipediaの「未公開の映画」カテゴリも参照。

◇愛こんにちは(1974年制作、東宝)
広報グッズなどが作られたにもかかわらずお蔵入りとなった映画。制作時期が古く、未公開となった理由も非公表のため詳細は不明。

◇だから俺達は、朝を待っていた(2010年制作、アステア)
2010年2月に公開が予定されていたが、主演の押尾学が前年の2009年8月に麻薬取締法違反と保護責任者遺棄致死罪で逮捕されたため、お蔵入りになってしまった。

◇善悪の屑(2019年制作、日活)
「もう二度とウ◯コできないねぇ」のセリフで有名な復讐執行漫画の実写映画版。監督は『ノロイ』『貞子VS伽椰子』の白石晃士。
主演の新井浩文が女性マッサージ師への性的暴行容疑で逮捕されてしまい、その結果「主役を交代して再撮できる状況にない」として公開中止に。
原作の内容が内容なだけに、主人公役の俳優が犯罪に手を染めてしまったのは皮肉としか言いようがない。もう二度と上映できないねぇ

◇ハザードランプ(2022年制作)
2022年に公開予定だった映画。安田顕と山田裕貴によるダブル主演で、福井県を舞台に制作されたが監督の榊英雄が女優に性行為を強要していたことが発覚。
被害者への配慮のため、同監督による作品『蜜月』と共に公開を中止された。

緊急取調室(2023年制作)
テレビ朝日で放送されている同名テレビドラマの映画版およびそれを記念したスペシャルドラマ。
前者は市川猿之助、後者は永山絢斗がメインゲストで出演しており、よりによって両名とも逮捕されてしまうという一大事になってしまい公開・放送が延期に。
後者は一連の処分が終われば放送される可能性はあるが、前者についてはストーリー的にフィクションと割り切れず、逮捕の容疑も自殺ほう助という重罪のため全編撮り直しをする必要があると報じられており*85、仮に公開が決まっても猿之助版については一生日の目を見ることは無いだろう。

◇たーたん(2024年制作、日本テレビ)
西炯子による漫画作品の実写版で、2024年春の土曜ドラマ*86においてムロツヨシ・吉岡里帆の主演が予定されていた。
ところが日テレで2023年秋に放送されたドラマ『セクシー田中さん』を巡るトラブルで原作者の芦原妃名子が自殺してしまう取り返しのつかない事態が発生。
この件について外部有識者チームによる調査が決まり、本作は同じ小学館作品だったこともあり協議の末、同年2月に製作中止を決定。
吉岡は自身のInstagram内で「今年に入って考えること沢山あります。改革の時なんだなきっと。」と中止に対する心境を述べている。


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最終更新:2024年04月16日 23:05

*1 ストーリーや演出方法など

*2 特にナチスを賛美する内容。

*3 タイでは王族に対する不敬罪が存在する。

*4 唯一の例外は「2017年8月31日以前に店舗運営会社がKONAMIとのe-Amusement契約そのものを打ち切った場合」であり、この場合はe-Amusement契約打ち切りまでに配信された楽曲を含めてプレイすることができる。

*5 『僕とロボコ』第2話では、モツオに「どっかの国のパチモンだろ!?」とバカにされたロボコが「誰が鬼殺の剣(きさつのけん)だ!!」とキレるシーンが描かれている。

*6 ドラえもん0巻など近年のバージョンでは名前が変更されて出てこない。

*7 ただし、ジャンプ電子版に掲載されていた分に関しては差し替えや修正が困難なためか、現在でも引き続き閲覧する事が可能。

*8 『ガロン』1巻に巻数名が振られていないのは、当初は2巻以降は発行の予定が無かったためである

*9 精神障害の治療として1940~50年代にかけて行われた、脳の神経を切断する手術。症状の改善が見られた一方で、脳の機能低下など重大な問題が確認されたため、21世紀に入ってからはほぼ用いられなくなった

*10 封印3作品と、『血が止まらない』『しずむ女』『水頭症』『最後に残る者』『魔女裁判』『不死鳥』『金!金!金!』『おとずれた思い出』『壁』『落下物』『ふたりの修二』『パク船長』『ドラキュラに捧ぐ』『デカの心臓』『三度目の正直』『きみのミスだ!』『失われた青春』『信号』『キモダメシ』の19作品

*11 一例として、「虐殺をしたとされる兵士の写真が実在するが、(不鮮明で分かりにくいものの)日本兵の軍服とは違うように見える軍服を着ているが、本作ではその写真の兵士を明確に日本の軍服で描いてしまったこと」がある。

*12 ちなみに後述の安藤健二は、「なんてひどい漫画だ」「いとうのいぢのキャラデザを活かしきれていない」「重要な設定をオミットしすぎ」と呆れ果てていた

*13 「カメレオン」自体が下ネタ満載のギャグ漫画であるが、322話では雑魚キャラの坂本がメーテルのコスプレをした相沢直樹に興奮して「ボクの戦士の銃はもうコチコチだよ~」というシーンがあり、これが松本の激しい怒りを引き起こしたとのことである。

*14 恐らく北海道・東京連続少女監禁事件。犯人が被害者の女性にペット用の首輪を付けさせるなどしていたとされる。

*15 単純に長寿作品であったのが大きいのだろう

*16 賞味期限の偽装にあたる。

*17 そもそも、元ネタの『3年B組金八先生』の著作権者であるTBSや、芸能人のため「肖像権」が発生する武田鉄矢にも無許諾だったようである。

*18 実質的に三島が敗訴。

*19 非許諾(当然違法)での刊行、もしくは「当時の掲載誌の複写」というグレーな形での掲載等。ネット上に全文が公開されたこともある

*20 最終的に会社は清算され、読売新聞系列の「中央公論新社」として再出発した。

*21 博士号を授与するきっかけとなった論文は、従来から印刷して世間一般に公開しなければならず、さらに2013年からはインターネット上でも公開しなければならなくなった。

*22 過去の博士論文パクリがバレた際の事例としては、STAP細胞の研究不正から芋蔓で出てきた博士論文不正事件で本人の博士号剥奪・審査に当たった教員も停職や減給といった厳しい処分が降っている。研究の世界ではパクリ(剽窃)はすぐに職を追われるレベルの重大なルール違反であり、大学によっては学部生ですら一発で停学処分を受ける。

*23 特に有名なのが「ボルンの妻ヘートヴィヒに最大限にしてください」という下り(人名「マックス・ボルン」のマックスを「最大限」と訳したらしい)。

*24 擁護するとすれば、当時はF1などモータースポーツが子供たちにブームであり、F91関連作や『MSジェネレーション』のように固有名詞をそのままモータースポーツから引用しているガンダムが他にも多数存在していた。

*25 2クール目のテコ入れから持ち直したという声もあるが、テコ入れ前の1クール目の方が平均視聴率は高かったため「むしろ裏目に出たかも」という意見もある

*26 原作には無いアニメオリジナルの場面

*27 ちなみに福西の声質は鈴木の声質に非常に近く、これ以前にも機界戦隊ゼンカイジャーゲゲ役も降板後そのまま引き継いでいた

*28 ニコロデオンは2009年7月に放送終了しておりそれ以降の放送は親会社が同じMTVに変更された。

*29 2009年8~12月頃にMTVで忌野版が使われていた可能性があるが情報が全く無いため不明

*30 なおNetflixでの111話の吹き替え音声がNHK版になっているが、nhk放送時と元映像の関係で音声がズレている

*31 この話自体は新型コロナウイルスが流行し始める前から制作されていたが、運悪く制作中に世界各国で感染症が蔓延してしまったため、海外でも放送が自粛されていた。現在は解除されている

*32 日本では 最高にハッピーな10の思い出に収録されているうえVODなどで閲覧可能

*33 完全版第3巻43pがそうではないかとのこと

*34 フィルムから別の媒体(狭義ではビデオテープやDVDなどTV信号媒体)にダビングすること。時期的にビデオテープか?

*35 12話は担当していない。後に『ウルトラマン物語』などの総監督、『ゼアス』~平成三部作~『コスモス』などに監修や特技監督で関わる

*36 特命係には捜査権も逮捕権もない

*37 アイデアが似ていても著作権侵害に当たらない具体例として紹介されることが多い。

*38 第8作「樅ノ木は残った」は宮城県の郷土資料館に録画映像が、第14作「風と雲と虹と」はNHKの倉庫にVTRテープ原版が保管されていたものが後年発見された。

*39 日本でも放送されたことがあるアニメ『原始家族フリント・ストーン』に出演しており、後年の実写化にも登場している。

*40 1950年代から活躍しているコメディアンで、本作の放送される4年前には『ハリーとトント』でアカデミー賞を受賞するなど実力派でもある。

*41 1950年代を中心にテレビドラマで活躍したベテラン女優。

*42 ハリソン・フォードに至っては「存在自体を覚えていない」と語っている。文字通りの意味なのか「思い出したくもない」ということなのかは不明

*43 しかも告知すらされずに削除された作品もあった

*44 テニミュはシーズン移行時に一部の曲が新曲に差し替わる仕様で、騒動が起きなくても差し替わっていた可能性も考えられる。

*45 現芸名に改称前はグラビアアイドル業もしていた。

*46 現在のヤマト運輸で、本件を機に三越とは絶縁し2010年まで取引が存在しなかった。

*47 当時はまだ「ジム・クロウ法」と呼ばれる南部の黒人隔離政策が合憲であった

*48 ジョン・レノンがビートルズ解散後に訴えられた『Come Together』などがその例。

*49 尚、同曲からメロディも引用しているが元々がフランス民謡で作曲者は不詳のため、こちらは問題にならなかった。

*50 加藤茶のスピード違反(1970年など)や、志村けんのノミ行為(1981年、書類送検)などを揶揄する歌詞が多数含まれている。

*51 外部には公表されていないが、ザ・ドリフターズの所属事務所のイザワオフィスから抗議があった可能性が高いと考えられる。筋肉少女帯のメジャーデビューアルバム「仏陀L」(1988年)には、「高木ブー伝説」のイントロ部のみが「オレンヂ・エビス」につながる形で収録されている。

*52 インディーズ時代の音源ではなく、メジャーデビュー時に録音し、塩漬けとなっていた音源である。

*53 上記の「ドリフター」はJ-WIDに曲名すら収録されていない。

*54 JASRACのJ-WIDには、「来たるべき世界」の曲名のみ登録されている。

*55 題名と作者は再公開時に明らかになったもの。

*56 一説にはアンパンマン関連ではとウワサされたこともあったが実情は定かではない

*57 本作を無断転載しているサイトの中にはあとがきなどを省いたものもあったため。

*58 ジャケットが絶望先生そっくりで公式グッズと誤認されかねないことに加え、片霧がプロのアニソン歌手であったことが問題になったと考えられている。

*59 以前にも一度警告を受けた様で、その時は無料公開する方針にした事で見過ごされた。開発資金が尽きた為に方針を変えたが今度は流石に許されなかった

*60 他にクラウドファンディングで資金を集めようとして取り潰された事例には海外制作の『東方大乱闘』が存在する。

*61 二人ともポケモンカードに詳しくなく、あまり乗り気で無かったことも批判の的になった。

*62 もっとも、チャンネルとしては店側が予め準備をしていたら企画にならない為アポなしの訪問をせざるを得ないという事情もある。

*63 尚、肝心の店主は大先輩の貴さんの来訪に喜んでおり、野球部を辞めた息子の相談に乗ってもらっていたことも感謝していた。

*64 「3年間の中で生まれてしまったボツ動画公開します」より。この回では他にも諸事情で世に出なかった動画を紹介している。

*65 実際、星新一の公式サイトでそのような記述がある

*66 ただし過激な表現があっても年齢制限をつけて配信されているエピソードも存在している他、制作会社が同じアニメの主人公がドMになる話は特に問題視されてないため、真相は不明。

*67 ちなみにこの回には「自分そっくりなゴーレムを売りさばき、最終的にオリジナルがゴーレムと間違われて売り飛ばされてしまう」という内容の後日談があるが、こちらは封印されていない。

*68 日本での発売予定は無し

*69 主人公の万吉が竹槍で腹を貫かれ次ページに黒ベタ一色白抜き文字で“完”と描いた原稿を渡し無理矢理終了させようとした。だが編集長が“完”の部分をホワイトをぶちまけ無理矢理消した。結果無事連載続行となった。

*70 先述の「老若男女を問わず楽しめる」目的もあり、アニメ版は意図的に親や祖父母向けの古めのネタのパロディを挟むことがよくあるのもある

*71 事件は解決しつつ、ちゃっかり儲けてる話

*72 但し「激闘鯨合戦」については横浜市にある放送ライブラリーに収蔵されており、こちらは利用手続きを踏めば誰でも視聴可能である。

*73 この苦い経験がディズニーの極めて厳しい版権管理の原因。

*74 なお、これに伴いウォルトが関わっていないオズワルドシリーズは逆に封印作品になったとも言える。

*75 保護者同伴が望ましいという指定

*76 搾精研究所の別作品で、「R-18用途のアンドロイドを作ってる研究室があるのがいわゆるFラン大学であることをネタにする」セリフがあったのが由来

*77 ひったくりによる窃盗、女性への性的暴行、コカインの所持・使用

*78 産まれた時から足が大きく湾曲していたうえ、1月の新馬戦直後に脚にケガがある様子を見せていたことから、桜花賞そのものの回避すら検討されていたため。実際には復調したことから前哨戦のチューリップ賞→本番の桜花賞→元からローテに組み込むつもりだったオークスと連勝。だがその後はケガの再発・以降一度も勝利が無かったことから引退。繁殖ではアドマイヤベガ、アドマイヤドンと2頭もGⅠを勝つような強豪馬を出した。現在でも桜花賞勝利の繁殖牝馬ハープスターに母系が残っている

*79 2012年度キャンペーン『THE WINNER』、2013年度『THE LEGEND』で桜花賞(それぞれ86年メジロラモーヌ、75年テスコガビー)が扱われたことでようやく11年度には桜花賞のCMがなかった事に気付かれたと思われる……が、同じく2011年だけ扱われなかったスプリンターズステークス(それぞれ94年サクラバクシンオー、96年フラワーパーク)等の例もあったため、やはり初年度の例外に気付けるかは微妙なところだった。

*80 同様の扱いは日本人も受けており、1934年に刊行された「ファラオの葉巻」では悪役の一人、1936年に刊行された「青い蓮」ではメガネ姿に出っ歯と言う典型的なステレオタイプで描かれている。とはいえこんな扱いにしたのはエルジェも「日本のファンから反発を受けるのではないか」と懸念を示しており、1968年に刊行された「シドニー行き714便」では日本人の協力者を出している。

*81 単に18禁なだけならCERO:Zと同列扱いに思うが「家庭用ゲーム機での取り扱い禁止・広告一切禁止・ウォルマートやベストバイなど大手販売店の流通禁止・動画サイトの使用不可」など厳重な制約が設けられている。

*82 桝田によるPC-FX版のシナリオは権利関係で使用できなかったため。

*83 『奇々怪界』の続編については、ナツメがタイトーからライセンスをもらって『奇々怪界 黒マントの謎』『奇々怪界-月夜草子』などのシリーズ作品がすでに発売されていたが、『奇々怪界2』はそれらとは無関係なものであったようだ

*84 ちなみにこれ以降の妖怪ものでも、『ゲゲゲの鬼太郎』のように「(口裂け女を)扱わない」、あるいは『妖怪ウォッチ』の口だけ女のように「生まれた時点でこういう容姿の妖怪であり別に人間だったわけではない」と明言するなど配慮を伺わせる作品がほとんどである。後者のじんめん犬はアニメ版で元々は人間だったことにされちゃった+コメディなのを考慮しても悲惨な目に複数回遭っているのでそのへん曖昧ではあるが

*85 なお、猿之助はアマプラ版「痛快なりゆき番組 風雲!たけし城」にも出演しているが、こちらは逮捕後も配信が続けられている。

*86 このクールから「土ドラ10」に名称変更。