エルトシャン(FE)

登録日:2012/02/04(土) 18:35:55
更新日:2024/04/10 Wed 12:14:53
所要時間:約 4 分で読めます





これは、祖国の存亡をかけた戦いだ。騎士らしく存分に戦ってくれ。

クロスナイツ、出撃せよ!



出典:ファイアーエムブレム ヒーローズ、任天堂、インテリジェントシステムズ、
2017年2月2日配信開始、(C) 2017 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS

ファイアーエムブレム 聖戦の系譜に登場するキャラクターである。
クラスはパラディン

CV:間島淳司(FEヒーローズ)



概要

アグストリア諸侯連合の一つ、ノディオンの王。
王とはいっても、アグストリア諸侯連合の長であるシャガールからは家来のように扱われている。

ラケシスの兄であり、子世代に登場するアレスの父である。
妻はグラーニェという人物がいるらしいが、ゲーム未登場。
また、シグルドキュアンとは士官学校時代の親友だった。

良くも悪くも騎士道精神の塊のような人物で、かつてシグルドと交わした約束のため、同連合のエリオットにも刃を向けた。
しかし、かといって友情第一というわけではなく、グランベルがアグストリアを占領したようになった時はシグルドにすら食って掛かった。
シャガールがシグルドに討たれた時も、アグスティ王家の血を絶やさないためにわざわざ助け出したほど。
しかし、それでもシャガールの心を変える事はできず、シャガールの欲望のためにシグルドと刃を交え、そして命を落としてしまう。
騎士でありすぎたために己を失い、不幸になってしまった人物といっても過言ではない。

エルトシャン自身はきな臭い情勢下においても「戦争になれば民が一番苦しむ」と良識的であり、シャガール王を散々諫めていたが最終的には騎士道に殉じてしまった。
平和を優先し、シャガールを見捨てて王になっていれば、民が不幸にならなかった可能性があり*1、ディアドラも誘拐されなかったかもしれないため、
この時ばかりは彼の騎士道精神が最悪の方向に動いてしまった。ある意味シグルド達を追い詰めてしまった一人とも言える。
実際、シャガールを更生させるってのがまず無理な話だろうからね。

死後になるが、後世におけるアルヴィスとユリウスの悪評により、親友シグルドの良い意味での再評価が原作内においても急速に進行していることが確認できるため、
エルトシャンもまた後世において再評価が進んでいる(息子アレスなどの助けになるであろう)とは推測されることから、全てが空回りに終わったわけではない。


ユニット性能

パラディン LV25
HP-65
力-22
魔力-7
技-18+20
速さ-20
幸運-7
守備-24
魔防-20+10
指揮★★★★★

1章の助っ人参戦の時も十分強かったが、3章で更に強くなって登場する。
全体的に高い能力を持ち、聖戦の系譜最初の壁となる。
特に力・守備・魔防はパラディン(男)の上限値やそれに近い数値となっている。
HPも65と高く、技や素早さもこの時期では高め。
これに十二聖戦士の武器「魔剣ミストルティン」を所持しており、ただでさえ高いステータスにさらに補正が加えられている。
ちなみに、聖戦士の武器を使用する初めての敵でもある。
しかし、いくつか穴もあるため、付け入る隙は十分にある。
というより、別に倒さなくてもいい(後述)。

  • スキル
なんと一つもない。このため、アレスの個人スキルである追撃、連続、待ち伏せはグラーニェから引き継いだんだろうとよく言われる。グラーニェさんマジパネェ。
ただし、ミストルティンによって武器スキル「必殺」は所持している。
しかし、それ以上に怖いのが指揮レベル5
聖戦では指揮5を持つユニットはたったの5人。
彼の率いるクロスナイツも強敵揃いでAIも厄介なものになっているため、注意が必要。
ちなみに、士官学校時代の盟友であるシグルドは指揮レベルは2、キュアンは1であるため偶にネタにされる。
(前者はゲームバランス、後者はシナリオの都合なので誤解なきよう)

  • 所持品
前述の通り、魔剣ミストルティンを持っている。
技に+20、魔防に+10の補正が入るため、素早いユニットでも攻撃回避は期待できず、こちらの魔法攻撃も中々ダメージが通らない。
攻撃力も30とえげつない数値で、この時期だとエルトシャンの力と合わさり必殺無しでも基本瀕死。ユニットによっては即死も有り得る。
更に前述の「必殺」と強烈な技補正によって、驚異的な命中率と必殺発動率の高さを兼ね揃えているのに、
必殺時だと104という常軌を逸した攻撃力になるため、いくら鍛えたところでこの時点でのユニットはまず耐えられない。

見ての通り、良くも悪くもミストルティンと指揮レベルに頼り切った強さであるため、うっかり仲間になっていたら指揮レベルを没収されて微妙なスペックになってしまった可能性もある。せめて追撃リングは欲しい

  • 対策
まず問題となるのがクロスナイツで、味方を集中攻撃しやすい厄介なAIを持つが、
単体の能力自体はこのマップ序盤の相手と同じ程度なので釣りながら数を減らすことが上策。
精強なクロスナイツも指揮範囲外では大したことはない。
逆に言えば、一気に蹴散らそうとするとエルトシャンの指揮範囲内の強烈な命中・回避に阻まれ、
そして討ち漏らしが弱いユニットを集中攻撃したりと大変なので、あえて正面からぶつかってみるのも良いだろう。

エルトシャン自身もいくら強いといっても所詮は力・守備・魔防が高い程度の騎士
手槍や弓のような遠距離物理攻撃は有効である。
素早さは高めだが運は7・ミストルティンの重さ5により回避率はそこまで高くなく、そして育てたユニットなら追撃も困難ではない。
何より見切りが無いという最大の欠点があるため、☆のついた武器やナイトキラーによる必殺攻撃も有効である。
育っているなら勇者武器を持たせた見切り持ちのアイラアレクをぶつけてもいいが、
この時点で勇者武器が必殺化でもしていない限りは一回の戦闘で倒せる可能性は低い。

と、色々あるが一番の手はラケシスである。
ラケシスで会話をすればシャガールを再度説得するために引き上げる。
大地の剣まで手に入るし、ストーリー的にも会話した方が良い。
打倒シャガールに対するモチベーションも上がるだろう。
ただし、残されたクロスナイツはそのまま指揮を失い大幅弱体化するものの敵対し続けるため、かわいそうだが基本的に殲滅するしかないだろう。


余談

小説版ではエスリンにお酌されながら、シグルトやキュアンと一緒に酒を嗜むシーンが描写されている。
またエルトシャンがシャガールに処刑された際、シグルドがシャガールに対し

「エルトシャンがお前の為に、どれだけ尽力してくれたと思っているんだ!?」

と激怒しながら、命乞いをするシャガールを情け容赦なく斬り捨てている。


大沢版ではゲームと同じような末路を迎えるが、明らかにラケシスに想いを寄せている描写がされており、
その道のファンにはたまらない展開といえる。
ラケシスのヤンデレ描写含め、作者の趣味全開のシーンである


  • 妻グラーニェについて
本編ではグラフィックが無く会話内で登場するのみ。
病弱な人物で、アレスを育てていたが子世代編前に亡くなっている。
死ぬ間際までシグルドを夫の敵と信じてその恨み辛みを息子アレスにぶつけていた。
公式設定集で語られた裏設定では、夫の妹であるラケシスのこともシグルド同様に恨んでいたらしく、
バーハラの悲劇の後に、ラケシスがレンスターにいるグラーニェを訪れたところ、アレスに会わせてもらうこともできず追い払われた。
そのため、ミストルティンだけ渡して甥にも会わないまま帰ったという。

ちなみに、大沢版での妻はグラーニェではなく「イリア」となっている。
プライドが高く意固地な面が強い人物として描かれているが、前述の息子への恨み節を考えると公式のイメージから近いとも言える。

なお二次創作では彼女を俗にほのぼの、シリアスなどのジャンルで多用したり
嫌っている筈の義妹ラケシスと実の姉妹以上の微笑ましい描写や肉付けをされた作品も多い。
…が、公式設定を無視しすぎているという声もあり、グラーニェ関連二次創作は議論の元になりやすい。
まぁゲーム内では会話で名前が出るのみで空気だったので、ある程度キャラを想像するしか無かった事情も有るのだが。

その人気から聖戦キャラのトレーディングフィギュアでも選出されている。


ファイアーエムブレム ヒーローズ


すまない、ラケシス……お前を置いて死にはしない、そう約束したというのに……。



出典:ファイアーエムブレム ヒーローズ、任天堂、インテリジェントシステムズ、
2017年2月2日配信開始、(C) 2017 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS

ソーシャルゲーム「ファイアーエムブレムヒーローズ」では妹のラケシスと共に参戦。
固有武器に原作でも使用していた「ミストルティン」、奥義に広範囲にダメージを与える「爆光」、
Aスキルは「獅子王」の通称を意識してか攻撃時にHPを削る代わりに全能力を強化する「獅子奮迅」、
Bスキルに攻撃した相手と自分の位置を入れ替える「切り込み」を持つ。

能力値は攻撃と守備が非常に高く、速さと魔防が低い重装寄りの能力を持つ赤の騎馬ユニット。
「ミストルティン」は攻撃力16に奥義カウントを-1する効果を持つキルソードの上位互換武器。
これにより発動までが長い「爆光」を早めに発動させられるが、エルトシャンの守備を生かして守備の数値をダメージに加算する「緋炎」、
「獅子奮迅」で自爆ダメージを蓄積させての「血讐」を継承させてみるとより実用的か。

しかし、赤の騎馬は大英雄戦で配布され、同じく守備型の能力に全距離反撃の「ジークフリート」を持つマークス
英雄総選挙で選択式で配布された、強力な奥義カウント-効果のある「烈剣デュランダル」を持つロイ
魔防に強烈な補正がかかり、不利属性でありながらあのラインハルトの「ダイムサンダ」すら確定で耐え凌ぐ事が可能な「ティルフィング」を持つ盟友のシグルドなど、非常に層の厚いライバルがひしめき合う激戦区。

エルトシャンは奥義による瞬間火力が高い以外は、「獅子奮迅3」込みでも速さが27しかなく追撃を食らいやすい、
「獅子奮迅」を持つ場合には継戦能力が低く、相手陣地に深入りする「切り込み」はかえって邪魔になるなど欠点が目立ち、現環境では前述の3人に劣ると言わざるを得ない。
それでも「騎刃」「騎盾」系のバフ効果を受けられる騎馬というだけでも立派なメリットなので、いずれのキャラも所有していない場合には充分に一線で戦える能力は備えている。

2021年8月の更新で武器錬成の対象となり、息子アレスの「魔剣ミストルティン」に乗り換えられるようになった他、元となるミストルティンも錬成で「獅子奮迅3」が追加。
重複するAスキルを差し替えるもよし、残してステータスを更に高めるもよしと、カスタマイズの幅が広がった。
余談だが武器に特殊錬成ミストルティン、Aスキルに「獅子奮迅4」、聖印に「獅子奮迅3」と構成すると
全パラメータ+10・一戦ごとに自傷ダメージ20と愉快な事になる。ご利用は計画的に。
同様に「獅子奮迅3」内蔵武器を持つのはバアトル(特殊錬成)、2019年ハロウィン超英雄の面々(ヘクトル除く)がいる。

2021年1月には神装英雄に選ばれ、ヘルをモチーフにした衣装を纏った。項目トップの画像がそれであり、イラストは小説版のイラストを担当した鈴木理華氏。
それまででヘルの衣装を纏った神装英雄はルフレとタクミの二人で、彼らはいずれも闇堕ち経験者。
それに対して彼は別に闇堕ちするわけではないが、「魔剣」といわれたミストルティンを武器とするがゆえのチョイスだろうか。赤と黒の衣装が魔剣に映える。
神装化すると能力値が上がるので、彼を使うつもりならぜひ購入すべし。



追記・修正は「獅子王エルトシャン」のBGMに乗りながらお願いします。


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最終更新:2024年04月10日 12:14

*1 実際はアルヴィス、ランゴバルト、レプトール達はグランベルの政権を握った上で世界征服をしようとしていたため、結局その後の兵力上大幅不利な政局や戦争を乗り切れていたかは怪しいところ。仮にシャガールを退位させて王位についたとしてもアンフォニー、ハイライン、マッキリーなど他の諸侯が従うかどうかは怪しく最悪内乱に陥った可能性もある。